談合疑惑シリーズ(第1回の補足) 森本・八木JVの入札参加に問題はなかったか? (「談合疑惑」以外にもこれだけの問題があった。) 1,「森本・八木JV」に、入札「参加資格」の疑問? (1)追分中学校建設の条件は、「格付け等級」A等級。 しかし、森本組・八木建設は、ともに「B等級」だった。 町は、追分中学校建設に当たって一般競争入札参加者の公募をしました。 その時、町が告示で示した条件は、次のものでした。 ●入札に参加する者に必要な資格 経常建設共同企業体にあっては、建設主体工事の工種でA等級の 認定(840点以上)を 受けた者」 (安平町告示第77号) しか し、落 札 した 森本組 と八木 建設 は 、 どちら も格付 等級は B等 級の 会社 でし た。 です か ら本 来 は 、 こ の 森 本 ー八 木 J Vが 、入 札 に参 加 す る 資格はなかったのです。 にもかかわらず、結果的には、入札に参加し落札にこぎ着けました。 (2)なぜ、B等級の「森本ー八木JV」が、入札に参加出来たのか。 (町条例(要項)には、「抜け道」とも言える条文があった! ) ● 【但し書きの条文(要綱)】 た だ し、・ ・ ・ 十分 な 施 工 能力 が あ る と 判 断 さ れ た場 合 は 、第 2 順 位 等級(B 等級のこと)業者同士の組み合わせであっても、いずれかの 構成 員 の 総合 数値に 1 0%を 加算し 、 その構成員 が、最上位 等級(A 等 級 の こ と ) に 位 置 づけ ら れ た場 合 ( 840点 以上 の 場 合 )は 、 こ れ を 最上位等級(A 等級のこと)者として取り扱う」 (安平建設工事共同企業体取扱要綱 第14条)・・以下「要綱」 注 工事を請け負うとき入札の参加条件には、工種ごとの格付けがありま ○ す。工事実績や企業としての力量を点数化したものでA~Cに格付け しています。 安平町の場合は建築工事であれば「A等級は840点 以上」となっています。 -1 - 森本組は B 等級(718点)、八木建設も B 等級(768点)でした。 従って、このままでは、入札に参加することは出来なかったのですが、 町 の条 例 ( 要項 ) に は 、 上 記の よう な 「た だし 書き 」が あ りま し た。 因みに、道庁の場合は880点以上がA等級で、B等級・C等級の場合も それぞれ点数化されています。 しかし、、 道庁には、このように「ゲタをはかせる制度」はありません。 ( 照 会 )「経常 建設共 同企 業体 」の構成の 中のB等級 を 10% 加算な どを し てA等級と見なす措置は、道にはありますか? (2011・5・31質問) (回答)ありません。 (2011・5・31回答) 八木建設は10%のゲタをはかせて、A等級扱いになった(768点→844点)が 森本組は、ゲタをはかせても、A等級になれず(718点→789点)、B等級の まま、工事に参加しました。 2,八木建設が、なぜ、「代表者」になれなかったのか? (10%ゲタをはいてA等級になったのに) 事実、B等級のままの森本組が、JVの代表になったのに、 八木建設は、なぜ、代表者になれなかったのか。。 (1)八木建設が、代表者になれない理由。 (「類似工事施工実績調書」に「類似工事の実績」を書けなかったから? ) 町は 、追分 中 学校 の 工事建 設に当 たって 、いく つ かの 条 件を付 けま し た 。 過 去 1 0年 間 に お い て 「① 地方 公 共 団体 が 発注 した 工事 と② 同 種で 同 規模 の 「工事 」とし て③「 鉄 筋2 階 建 て」「建築 面 積1500m 2 以 上 」④「 請 負金 額2億円以上」で「主に学校等の教育施設」「公営住宅」などの工事実績を 条件とし⑤「類似工事施工実績調書」の中に記入することになっています。 つまり、業者が、町に入札参加資格申請を行う際には、この「類似工事施工 実績調書」を提出しなければなりません。 し か し 、 八木 建設 の 場 合 、町 が告示 で示し た「中 学校建 設 の 類似 工事 」 の 条件に合致した「実績」は一つもありませんでした。 その為、八木建設 はこの「類似工事施工実 績調書」に何も記載出来なかった -2 - のです。 そうなると、格上げでA等級になった八木建設が「一般競争入札参加資格審 査 申請 書 」 に 代表 者 とし て名 を書い たと し ても、「類似工 事施工 実績 書 」 に は、八木建設名を書くことが出来なくなり「書類の不統一性」が生まれるこ とになります。その為、八木建設は、JVの代表者になれなかったのです。 3,森本組(B等級)がなぜ、「代表者」なったのか? (「通常」でないB等級の「代表者」) そ こで 、代表問題を 解決するために取られた「手」 が、森本組を代表 者にして 提出書類の統一を図ったものと思われます。 幸い、森本組には、たった一つだけ、「類似工事の実績」がありました。 それが「はやきた認定こども園」でした。しかし、この「こども園」は、 開園直後から様々な欠陥工事が目立ちました。 (具体的には別な場所記す) ● 企画財政課長の発言 「 通常 で行くと A ランク事業者 の方が、代表構成員となります か ら、 ○○さんは、・・・代表の方にはなれない。」 (平成24年度 第2回経済常任委員会 会議録) 上 記の発言 は、 安平町の建設協 会から の申し入れ(①指名競 争入札 条件 の 設計金額引 き上げ等)に関して開催された平成24年度第2回経済常任委 員会での企画財政課長の発言です。 これは「森本・八木JV」と直接関係の無い場面での説明でしたが、「経常 J V」の 場合 の 代表 者 も、「 通 常 」、 A等級 の企業がなると 説明 して いる の です。 因 み に「 森本 ・八 木 J V 」 は 、ゲ タを は い て A 等 級に なっ た 八 木建 設 とB 等 級の まま の森 本 組 の組 み 合わ せの 場合 は 、 当 然、 A 等 級の 八木 建 設が 代 表に なるのが「通常」だったのです。 (「要綱」では、特定JVの場合は、代表はA等級と明示されているが、 経常JVの場合は、「出資比率の多い者」となっている。 しかし、「経常」の場合も、「通常」はA等級の企業が「出資比率の多い者」 に該当する事が「通常」であるから、「通常で行くとAランク事業者の方が 代表になる」という意味なのです。) -3 - この時、森本組が代表なるため、要綱に合わせて「出資比率」を八木建設よ りも「多く」 しているはずです。そうしなければ代表にはなれませんから。 4、八木建設の倒産で、森本組(B等級)が、 単独で追分中学校を建設する。 「告示」違反ではないのか? す で に 述 べ た よ う に 、 町 は 告 示 で 「 単体 企 業 に あっ て は 総合 評 価 点 8 4 0 点 以上。経常JVにあっては、A等級認定を受けた者。」としました。 し か し 、 森本 組は 71 8点 で す。 10 % の ゲタ を はか せて も7 89 点 。A 等 級の 840点以上には到底及びません。B等級 のままでした。 それなのに、追分中学校の建設を継続したのでした。 町 長 が森 本 組 単独 の建 築 継 続 を認 めた の は 、 町 長 自ら 告示 違反 を犯 し た事 に はな りませんか? 森 本 組 が 、八 木 建 設 倒 産後 、 新た に J Vを 組 ん で いな いこ とは 、確 認 ずみ で す 。 「告示の種類」・・・・ 告示とは、一種の「法的行為」ではないか? ①法規としての性質を有する告示 ②行政規則としての性質を有する告示 ③準法律行為的行政行為としての告示 などのいずれかに該当しないのか? であれば、森本組の「告示違反行為」は、問題にならないのか?? 5,「森本・八木JV」と「落札出来なかった企業群」の 推測される「建築力」の違い 1、森本組のたった一つの「類似工事」(認定こども園)に 多数の欠陥! (1年もたっていないのに、これだけの欠陥!!) 「はやきたこども園」は、平成22年4月にオープンしましたが、開園して 間もなく、不具合(欠陥工事)が次々表れ議会で取り上げられました。 (平成23年6月議会) (1)光の庭のスペース ①オープン1か月で雨漏り ②2カ所で結露し、水滴がしたたる状態 ③天井部窓付近の壁の隆起 -4 - (2)床の盛り上がり ①ホールなどの床が合計23カ所の盛り上がり(計4回補修) (3)各教室のドアの部分 ①全ての教室のドアのノブが壁に当たり壁に穴があいた。 (4)配膳のドア ①4回修理 (5)水漏れで床に浸水 上の反転した3つの部分は、構造耐力上、10年間の担保責任のある箇所 2,(B等級だけの)JVだけで、安全な建築が出来るのか? ( いかに、地域のためのとはいえ、地元企業だけで) (1)欠陥工事に対する町理事者の認識の甘さ 「類似工事」として上がった「はやきたこども園」の「実績」は、 上記の通りであるが、そもそも、「欠陥工事」に対する認識が、かなり 甘いと言わざるを得ない。 関係業者が、町長の縁戚だったからとしても、この甘さが、「建築工事 その もの 」 に対す る甘さ 。「 隠蔽 (いん ぺ い)」 となっ て 町民に 跳ね 返 って来ることを危惧せざるを得ない。 (2)欠陥工事に対する指摘と質問に対する答弁と回答 ①「・・・意図的な不適切工事ではないと判断したこと、生じた 損害がなかったことから、所管課長からの口頭注意を行った。」 (町長文書回答 H22・10・19) ②「業者さんもやりたくてやっているわけではないんですよね。」 ( 町長 答 弁 H 25 年 6月 議 会 ) ③ 「業者は直しているんですから」(町長答弁 H25年6月議会) ④ 「(雨漏 り・壁 の隆起 等々は )瑕疵 であっ て欠陥で はない 。 業 者に はよくやっていただいている。」 (平成23年6月議会。施設課長答弁) -5 - 疑問 コメント ● 「意図的」になされる「不適切工事」以外は、問題にしないと、 言ったのか? ●「瑕疵」とは、「欠陥」の法律用語ではないか。同じ意味だ。 ● 「 業 者 さ ん もや りた く て やっ てい る わ け で は な い 」「 業者 は直 し て いるんです から 」・・ こんなバカバカしい答弁。責任ある 町長の 答弁 とは 到底 思 わ れ ない 。 恥 ずか し く な いの かと いう 思 いだ け 。 コメントできないレベル。 6,「森本・八木JV」と落選したJVの「建築力」 1, 類似工事の実績 (1)落札されなかった応募した町外企業の類似工事の実績(例) ● 菱中建設 ①北海 道大学 工 学系総 合研 究 棟 ②札幌市 立手 稲東小 学 校 ③札幌市立平岸中学校 ④北海道苫小牧東高等学校 ⑤苫小牧工業高等専門学校専攻科棟 ⑥前谷地小学校(石巻市) ● 盛興建設 ①若草小学校校舎 ②北海道苫小牧東高等学校 ③北海道苫小牧工業高等学校 ● 丸彦渡辺建設 ①ル・ケレス栄町中央(札幌・マンション15階) ②グランファーレ旭ヶ丘(札幌・マンション15階) ③公営住宅(虻田町 4階) ④公営住宅 (虻田町 3階) ● 岩倉建設 ①苫小牧看護専門学校 ②道都大学社会福祉学部 ③青翔中学校(苫小牧) ④光洋中学校(苫小牧) ● 国策建設 ①夕張 市立 清水沢中学 校大規 ②札幌市 立有朋 高校 新 築工 ③青翔中学校(苫小牧)・・岩倉建設と共同企業体を組んだ。 -6 - (追分中学校本体工事を落札した町内企業) 森本建設・・・不良工事の一つだけ。 八木建設・・・なし 2,技術者の数の差 ●入札に参加した各企業の技術者の数の比較 下記に 示 した のは、追 分中 学 校入札 に参加した 企業が 保有 して いる建築士と管理技師の数です。 表には、土木施工や造園施工など学校建築とは直接関係のない 管理 技師も載せてありますが、参考にして下さい。 ※ 追分中学校建設工事に入札に参加した企業の資格者の数 入札に参加 建築士 建築施工 管工事施工 土木施工 した業者 管理技師 管理技師 管理技師 1級・2級 1級・2級 1級・2級 1級・2級 森本組 1 1 2 0 0 3 1 八木建設 1 2 3 0 0 0 1 盛興 7 2 13 0 1 0 19 丸彦・渡辺 34 22 82 0 6 2 60 国策 4 6 14 4 1 0 17 岩倉 25 15 59 1 2 1 101 川田 3 5 12 15 1 0 32 藤建設 5 2 13 2 0 2 15 菱中 11 9 25 5 1 1 47 岩田・地崎 68 15 137 4 7 1 163 (平成23・24年度 建設工事等入札参加資格審査申請 森本組 ・ 八木建設 ・・・落札業者 造園施工 管理技師 1級・2 級 2 0 0 4 0 0 3 3 0 1 2 2 2 5 1 1 6 0 6 2 1 5 3 1 9 13 12 4 13 2 有資格者名簿より) 何でもかんでも、地元企業優先で良いのか? その行き過ぎが、談合疑惑を生む原因の一つと なっているのではないか? -7 -
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