新しいJR長崎駅の駅舎周辺イメージ（デザインは基本計画案に選定されたものではない）議案名目を「交流拠点」に議論も建設水道委に変更審議された。つまりMICE施設円で購入する特別会計予算案。こを総じて歓迎している。土地の売要性は理解できる」と、土地取得９月定例会の状況と大きく異なるのは議案を審議する場（委案したが否決されていた。３月までの購入を目指している。借料が発生するため市側は年員会）である。前回はMICE関 MICE施設の是非については触会に付託した。建設水道委では取得を所管する建設水道委員流拠点施設用地」に変更、土地大改造計画」と言っても過言ではる。その姿を形容するなら「街のの開発プロジェクトが進行中であの再開発だが、実はほかにも多くとかくMICE施設建設計画ばかりが話題になる長崎市中心部 15 れられず、土地取得に関してのみ託していたが、今回は名目を「交行う環境経済委員会に議案を付連ということで経済面での審議を MICE計画だけでなく中心部で進む街の大改造 4 76 Zaikai Kyushu / FEB.2015 自体の建設是非の議論は先送りしたのが実情だ。注目される採決だったが賛成８、反対１の大差で可決された。今後、土地利活用法について十分検討することや、検討経過を逐次説明することなどを求める付帯決議も採択した。日の本会議でも可決され、土地取得にゴーサインが出されたのである。田上市長は「施設も「とりあえず一歩前進。人口減の必要性については今後しっかり田上富久市長は月日、市議会にJR長崎駅西口の土地購入少が著しい状況を考えれば、域外の土地は９月定例会で市がＭＩＣ買契約が月以降になれば、賃Ｅ施設建設を目的に予算案を提 68 議論していく」とし、地元経済界に関する議案を追加提案した。議から人を呼べるMICE施設の必 3 案はこの土地をＪＲ貨物から億 12 12 ４月の市長選での〝市民反応〟に注目長崎市が JR 長崎駅西口への建設を念頭に置いている MICE 施設の用地取得に市議会がゴーサインを出した。先の議会では費用対効果の不透明性や取得に至る説明不足などを理由に否決されていたが、今回は「交流拠点施設用地」として議案を出し、可決された。「MICE 施設」は長崎市で進められている街の大改造計画の〝目玉〟の一つだけに関係者や地元経済界は安どの表情をみせるが、一部議員の間では手続きをめぐって反対感情はくすぶり続けており、4 月に３選出馬する田上富久市長への審判が注目される。長崎市の「MICE」計画が一歩前進長崎長崎港　● ターミナルないだろう。会議所会頭）と言われているのも施設として体となった桜町地区の再開発の核年度の開館を目指うなずける。蘭商館跡の復元整備、増加するった出島表門橋の再建や出島和いる。そのほか出島の出入り口だ崎公会堂敷地への移転を計画して画を進行中。また、市庁舎は長くの長崎魚市跡地への移転新築計度の完成を目指してJR長崎駅近ささやかれている。また「将来的手流通が下見に訪れたという話も目を付けるのは確実で、実際に大途が未定となれば、県外資本が地は申し分ない。その一等地の使土地は約２万３０００平方㍍で立せた市側の〝ウルトラC〟に議会今回、MICE施設建設の是非を後回しにして土地取得を先行さはその意識が以前から強く、交流自治体で人口減少が進む中、長崎いう意識が強い。将来的に多くのめに他都市が選ばれてしまう」と新たな施設を建設しようとする自治体の間には「施設がないた事業性は厳しいと見られる。が先行していることは間違いなく、ることの意義を見いだしたためだ。福岡国際会議場を擁する福岡市側が応じたのは、土地を市が抑え人口の拡大が都市活力維持の大きンメッセ福岡や福岡国際センター、が強まっている。ただ、既にマリ崎や沖縄でもMICE誘致の動きして施設建設計画が進行中。宮クルーズ船の接岸対応能力を向上に地価が上昇し、売却しても赤字な柱に据えられている。そのため港湾の各施設まで多岐にわたる。前に公文書を使って契約手続きを反発し、ＪＲ貨物と予算案の可決田上市長は土地取得が可決された月日の本会議後の会見要というわけだ。 MICE施設建設計画に対する市熊本市では九州産交HDが主 MICEをめぐっては九州各地で誘致の動きが活発化、都市間でロジェクトが一定期間に行われるきは月末時点ではみられないが、こたえてきた。明確な対抗馬の動の財政などに対する疑問に丁寧に説明会を行い、建設の意義や市カ所でMICE施設建設計画の選出馬を表明した。市長は市内で、月に行われる市長選への３ 12 民の反応が投票動向にどのような県外にMICE競合続々月の市長選で争点に感情はくすぶり続けている。訴する動きをみせるなど、反発の行っていた可能性があるとして提オープンを目指している新市民病第一期棟が完成し年のグランド年させるための松が枝ふ頭の２バー経済人もおり、土地取得への理解にするためのJR在来線の高架化、は出ない」との見立てをする地元ス化、市の東西を往来をスムーズが広まっていったようだ。ただ、一にMICEを誘致できる施設が必庁舎・議会棟・県警本部が院など、行政関係から歴史、医療、部の議員は市の手続きの進め方に新幹線開業に伴うJR長崎駅周辺の整備は言うまでもなく、県 18 また、市庁舎にほど近い長崎署をJR長崎駅西側に移転させ、稲佐署と統合して新長崎署（仮称）を設置する再編整備案も明らかになっている。これに移転する県庁舎や市庁舎、長崎署の跡地活用も控えている。それぞれのプロジェクトの進行具合に濃淡はある 4 12 の競争が激しくなりつつある。ものの、これほど多くの再開発プ 35 のは非常に珍しく「100年に一 4 影響を与えるか注目される。 12 長崎港 17 度の大改造」（上田惠三長崎商工（中村幸喜） Zaikai Kyushu / FEB.2015 77 16 ● 現在の県庁 3選出馬を表明した田上富久長崎市長 JR長崎駅新幹線新駅 MICE 候補地新県庁舎予定地 MICE施設はJR長崎駅西口の一等地に建設が計画されている新幹線（2022年度開業予定）長崎本線の高架化 JR長崎本線