新・生命保険を活用した 相続対策のすべて - FPS-net

ISBN978-4-86254-162-8
9784862541628
定価 : 本体1,800円 +税
1920033018003
新・生命保険を活用した相続対策のすべて
C0033 ¥1800E
平成27年1月からの改正に対応
新・生命保険を活用した
相続対策のすべて
平成
年1月からの改正に対応
27
相続税・贈与税の
改正前こそ
保険提案チャンス!
94254-新・生命保険を活用_表紙.indd 1
セ ールス 手 帖 社 保 険 FPS 研 究 所
セールス手帖社保険FPS研究所
著者 吉光 隆(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
監修 染宮 勝己(税理士/CFP®)
13/09/30 19:29
目次
序章
相続における
生命保険の特質
・
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・
・
・
・
・
・
・
・04
1 相続対策の切り札は「生命保険」
2
第
章
遺産分割対策としての
生命保険活用
1 分ける財産がないときこそ生命保険を活用・・・26
コラム
相続放棄は親族全員で行うことが必要
!
コラム
遺留分とは
契約形態によっては、生命保険金が
コラム
“本来の相続財産”になる場合も
コラム
代償財産は現金でないといけないか
?
第
1
納税資金対策としての
章
生命保険活用
1 生命保険金の非課税金額を活用した
納税資金対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
生命保険に関係する条文番号や判例日付は
コラム
要チェック!
2 税負担軽減対策としての
非課税金額活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
コラム
一時払いの高齢者向け保険に注目
3 資産家における非課税金額の
活用例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
4 一般家庭における非課税金額の
活用例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
2 遺言による遺留分侵害を生命保険でカバーする・・・28
3 代償分割を使って遺産分割トラブルを回避・・・29
コラム
代償交付金をいくらにするか
?
4 生命保険を活用した代償交付金準備・・・・・・・・・・31
5 寄与分対策として生命保険金で報いる・・・・・・32
第
3
章
1 贈与税改正のポイント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
2 贈与の基本・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
3 保険料を贈与する際の留意点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
コラム
確定日付の有効性
4 保険料贈与の有無と契約形態による課税比較・・・40
5 「相続財産完全防衛」のための
生命保険活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
相続は今後、
一大トレンドに
コラム
第
塵も積もれば山となる
コラム
6 相続税対策は二次相続まで考えた
対策が必要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
7 納税資金対策の観点から受取人を
見直す必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
8 契約形態に見る課税の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
コラム
相続開始3年前までの保険料贈与は
「持ち戻し」
に注意
9 「連帯納付義務」に対する生命保険活用・・・24
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贈与税改正と
保険料贈与の留意点
4
章
贈与を使った
生命保険活用
1
暦年贈与① 財産減らしと納税資金・
遺産分割資金を確保・・・・・・・・・・・・・・・・・42
2
暦年贈与② 改正で贈与による保険料の
一時払いが効果的に・・・・・・・・・・・・・・・・・44
3
暦年贈与③ 世代飛び越し贈与による
税負担軽減と財産移転・・・・・・・・・・・・・45
4 相続時精算課税制度の活用が
有利になる状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
5 贈与によって取得したとみなされる保険金・・・49
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第
5
章
経営者における
生命保険活用
第
7
章
よくある相続トラブルと
生命保険活用
1 経営者の万一に備えて事業継続資金を確保・・・52
1 多数の甥と姪に翻弄される高齢の妻・・・・・・・・80
2 経営者が会社に貸し付けている不動産の問題・・・54
2 面倒を見てくれたのに
3 経営者から会社への貸付金も相続財産・・・56
コラム
会社への貸付金の解消には他にも方法が…
4 会社の借入金の連帯保証債務から遺族を守る・・・58
身元保証の責任も相続されるのか
?
コラム
5 死亡退職金・弔慰金は相続対策の切り札・・・60
6 役員退職金の一部として生命保険を現物支給・・・62
嫁には相続権はない!?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82
3 高齢同士の再婚は遺産分割で
もめやすい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83
4 逆順位の死亡で
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・
・
・84
「こんなはずじゃなかった!」
5 債務は当然に分割され、
7 役員退職金を生命保険で準備するメリット・・・63
遺産分割の対象外・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85
8 役員給与を引き下げて退職金準備に充てる・・・64
6 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86
9 相続・事業承継対策に自社株買取りを活用・・・65
10 自社株買取りのための会社の要件・・・・・・・・・・・66
11 後継者の納税資金確保のための自社株買取り・・・67
12 後継者以外からの自社株買取りで円滑な事業承継・・・68
13 相続税の納税猶予制度のリスクをカバーする・・・69
第
6
章
医療法人の理事長に
おける生命保険活用
1 経過措置型医療法人の理事長が抱える問題点・・・72
2 医療法人へのタイプ別生命保険提案・・・・・・75
凡例
資料編
●相続税計算の手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・88
・
・
・88
●相続税計算の具体例(改正前と改正後の比較)
●相続税額早見表(改正後対応)の見方・・・・・・・・・・・・・89
・
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・
・90
●相続税額早見表(改正後対応)
・
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・95
●贈与税額早見表(改正後対応)
・
・
・
・96
(改正後対応)
●相続財産完全防衛額早見表〔概算〕
●本書の内容は、平成25年9月1日現在の法令
(税制)
に基づいています。
●相続税の改正、贈与税の改正、所得税の改正、小規模宅地等の特例の改正などは、
「所得税法等の一部を改正する法律」
(平成25年3月29日成立)
に基づいています。
●法人契約、医療法人契約の経理処理等の取扱いについては、制度改正等によって変更される可能性があります。
●個別の契約の取扱いについては所轄の税務署または税理士等の税の専門家にご確認ください。
●本書の内容は、平成27年1月1日以降に発生する相続・遺贈、贈与について、相続税・贈与税改正後を前提に解説し、税
額を計算しています。原則、改正前の税額等はカッコ書きで表示しています。
●本書内の記述で
「相続人」
は
「推定相続人」
「
、被相続人」
は
「被相続人と想定される人」
のことを省略して表記しています。
●本書内の税金に関わる計算では、原則、復興特別所得税・復興特別法人税は考慮していません。
●相続税計算では、特にことわりがない限り法定相続分どおりに分割されたことを前提に計算しています。計算において小
規模宅地等の特例は考慮していません。妻の相続税計算において配偶者の税額軽減は原則、法定相続分まで適用して
います。金額表示は原則、万円単位の概算値です。
●所得税が課税される場合、一般的には併せて住民税が課税されますが、煩雑となるため本書の記述では原則省略してい
ます。
また、所得税
(一時所得)
の計算においては、他に一時所得はないものと仮定して計算しています。
●第5章の経営者と後継者、第6章の理事長と後継者という設定は、親子関係を前提としています。
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序章
相続における
生命保険の特質
平成27年1月1日より、相続税ならびに贈与税の改正がスタートします。
なかでも注目されているのが、戦後初となる
「遺産にかかる基礎控除額」
の
引き下げです。
資産家の相続税対策に大きな影響を及ぼすだけでなく、これまで相続税
がかからなかった人たちにまで相続税がかかるようになります。そのため、
改正を待たずに相続ならびに相続税対策を必要とされるお客さまが一挙
に増加したと考えられます。
ここでは、生命保険が他の金融商品に比べ
「相続に強い」
商品であること
と、生命保険の活用が相続ならびに相続税対策においていかに有効である
かを整理しましたので、お客さまへの説明の際に参考にしてください。
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平成27年1月からの改正に対応
新・生命保険を活用した相続対策のすべて
1
相続対策の切り札は「生命保険」
相続税の基礎控除額、戦後初の引き下げに
相続税の計算上、課税遺産総額から一定額の控除があります。これを
「遺産にかかる基礎控除」
とい
います。平成25年度税制改正において、
「遺産にかかる基礎控除額」
が戦後初めて引き下げとなり、改
正前と比べると6割に圧縮されます
(平成27年1月1日以降に発生する相続等から適用)
。
また、税率構造が6段階から8段階に見直され、最高税率は50%から55%に引き上げられます。
遺産にかかる基礎控除の見直し
目的
物価・地価の推移に対応して基礎控除額の水準を引き下げ、相続税の再配分機能を回復するため基礎控除を見直す。
【平成27年1月1日以降の相続または遺贈に適用】
改正前
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
課税遺産額
改正後
基礎控除額
3,000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人の数による基礎控除額
6割に!
(万円)
相続人数
1人
2人
3人
4人
5人
改正前
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
改正後
3,600
4,200
4,800
5,400
6,000
相続税の税率構造の見直し
相続または遺贈による取得金額2億円超の税率が見直されました。
改正前
平成26年12月31日以前
改正後
平成27年1月1日以降
法定相続人の取得金額
税率
速算控除額
法定相続人の取得金額
税率
速算控除額
1,000万円以下
10%
̶
1,000万円以下
10%
̶
3,000万円以下
15%
50万円
3,000万円以下
15%
50万円
5,000万円以下
20%
200万円
5,000万円以下
20%
200万円
1億円以下
30%
700万円
1億円以下
30%
700万円
3億円以下
40%
1,700万円
2億円以下
40%
1,700万円
3億円以下
45%
2,700万円
6億円以下
50%
4,200万円
6億円超
55%
7,200万円
3億円超
50%
4,700万円
04
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序章
相続における生命保険の特質
この基礎控除と税率構造の改正により、資産家層の多くは次のように相続税が増税になります。
基礎控除・税率構造改正前・改正後の相続税試算(一次相続・二次相続)
1 配偶者と子ども2人で法定相続分により相続した場合の納付税額
(一次相続)
■
改正前
改正後
課税価格
2億円
950万円
1,350万円
4億円
4,050万円
4,610万円
7,850万円
8,680万円
6億円
10億円
1億6,650万円 1億7,810万円
20億円
4億950万円 4億3,440万円
差額
+ 400万円
+ 560万円
+ 830万円
+ 1,160万円
+ 2,490万円
は、税額控除は配偶
者の税額軽減のみとし
て計算。
2 子ども2人
(配偶者なし)
で法定相続分により相続した場合の納付税額(二次相続)
■
改正前
改正後
課税価格
1億円
350万円
770万円
2億円
2,500万円
3,340万円
3億円
5,800万円
6,920万円
5億円
1億3,800万円 1億5,210万円
10億円
3億7,100万円 3億9,500万円
差額
+ 420万円
+ 840万円 同じ課税価格でも一次
相続に比べ納付税額が
+ 1,120万円 高いのは、配偶者の税
+ 1,410万円 額軽減が使えない、配
偶者分の相続人数が
+ 2,400万円 1人減るなどのため。
※相続税の計算方法および上記の具体的計算例については、資料編88ページを参照ください。
における特定居住用宅地等の適用限度が、平成27年1月1日から330㎡に拡大されます
(平成
チェック 「小規模宅地等の特例」
ポイント 26年12月31日までは240㎡)
。この特例を適用できる場合は、上記で試算した納付税額からの減額が可能です。
改正前に相続税対策が必要な理由
遺産にかかる基礎控除額の引き下げと税率構造の見直しが平成25年度税制改正で決定したため、
資産家にとっては、平成27年1月1日の新税制の施行を待たずに、早急に相続財産の見直しと、相続税
の納税資金対策の見直しが喫緊の課題となっています。なぜなら…
①資産家本人の相続が起きるのは、ほとんどが新税制施行以降であると考えられること
②改正の有無に関わらず相続対策は1年でも2年でも早いほうが効果的であること
(生命保険を活用した対策を考えるなら、年齢に比例して保険料がアップするだけでなく、年齢が上がるにつれ体況
上の問題が出てくるなど、加入に支障を来す恐れがあるため)
基礎控除額の引き下げが決定したことによって、
これまで相続税のかからなかった人たちにまで、
「わが家にも相続税がかかるのではないか?」
という不安が広がっています。特に東京・大阪・名古屋と
いう都市部に自宅や事業用などの宅地を所有している人たちには、ほかに財産がなくても、宅地だけ
で相続税がかかってくるのではないかという心配があります。
基礎控除額を6割まで引き下げるということは、例えば法定相続人が配偶者と子ども2人の計3人い
たとすると、改正前は8,000万円あった基礎控除額が改正後は4,800万円に引き下げられることにな
ります。仮に相続財産の総額が8,000万円だとすると、相続発生が改正前
(平成26年12月31日以前)
なら基礎控除内で相続税は課税されませんが、改正後
(平成27年1月1日以降)
なら175万円の相続
税が課税されることになります
(法定相続割合で分割し、配偶者の税額軽減を適用)
。
05
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平成27年1月からの改正に対応
新・生命保険を活用した相続対策のすべて
さらに相続財産が不動産中心の場合は、相続
「税」
の問題だけでなく、遺産分割などの相続における
潜在的問題
(将来の遺産分割トラブルなど)
も抱えています。
こうした状況を踏まえ
「相続」
を中心としたアプローチ∼提案が、いま最も
「旬」
な顧客への話題と
なっています。そして相続問題を解決するなら、
「生命保険」
が最も有効な手段であることを、
1人でも
多くのお客さまに知っていただきましょう。
相続における生命保険の基本的な特長
生命保険は他の金融商品とは比類ないといっていいほど
「相続に強い」
商品です。その基本的な特長として、
①相続発生後すぐに現金化できる
(凍結されない)
②相続を放棄しても生命保険金は受け取ることができる
③納税・遺産分割の両方の資金を捻出できる
④生命保険金は遺産分割の対象外である
などがあります。以下、具体的に説明していきましょう。
❶相続発生後すぐに現金化できる
相続における生命保険の特長の一つに、
「すぐに現金にできる財産であること」
が挙げられます。
相続が発生すると、葬儀代をはじめ諸費用が百万円単位で必要となってきます。相続人に手持ちの
資金がないときは、被相続人の預貯金から引き出せばいいと思われる方も多いかと思います。しか
し、金融機関が死亡の事実を確認すると、口座名義人である被相続人の預貯金はただちに
「凍結」
され
てしまって、引き出すことはできません
(ただし、金融機関によっては葬儀費用や税理士費用などに
限って引き出せるケースがあります)
。
凍結された預貯金は、一般的に遺産分割協議が調わないと解除できません。この遺産分割協議が
調うまでには、何カ月もかかることがあります。
一方、被相続人が契約者・被保険者となって加入した生命保険は、指定されている生命保険金の受
取人が書類を整えて保険会社に提出し、書類に不備がなければ保険会社に書類到着後原則として
5営業日程度で保険金が支払われます。
相続発生後すぐに現金化できるのは生命保険!
相続が発生すると、金融機関の預貯金はただちに凍結される!
一方、生命保険は、受取人の請求だけで早期に保険金が支払われる!
凍結
銀行預金等
遺言または相続人全
員での
「遺産分割協議
書」
が調わないと引き
出せない。
契約者
被保険者
受取人
被相続人
被相続人
相続人
生命保険金
時間が
かかる
生命保険は、受取人の単独の請求で、
保険会社に書類到着後原則として
5営業日程度で保険金が支払われる。
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