「骨組構造の力学」最終課題 耐震壁付き骨組の静的解析

2014 年 骨組構造の力学 最終課題
7/16(水)出題,〆切 7/22(火)夕方 4 時 30 分
「骨組構造の力学」最終課題
耐震壁付き骨組の静的解析
学籍番号
名前
【問題】
次の耐震壁付き 10 層骨組を,以下に示す 2 通りのモデル化により解き,結果を比較せよ.
図 1
解析対象骨組
1
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ヤング係数:E = 2.59 x 107kN/m2,せん断弾性係数:G = 1.13x107kN/m2
断面寸法:下の表に従い,学籍番号下 3 ケタを 12 で割った余りで指定する.
余り
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
柱断面
bC×DC
(mm×mm)
800 × 800
800 × 800
800 × 800
800 × 800
850 × 850
850 × 850
850 × 850
850 × 850
900 × 900
900 × 900
900 × 900
900 × 900
外力分布
P10 (kN)
P9 (kN)
P8 (kN)
P7 (kN)
P6 (kN)
P5 (kN)
P4 (kN)
P3 (kN)
P2 (kN)
P1 (kN)
表 1 学籍番号と部材断面・外力分布
梁断面(基準階)梁断面(基礎梁)
壁厚
tW
bG×DG
bG×DG
(mm×mm)
(mm×mm)
(mm)
180
500 × 900
500 × 2400
200
600 × 900
600 × 2400
220
500 × 900
500 × 2400
250
600 × 900
600 × 2400
180
500 × 900
500 × 2400
200
600 × 900
600 × 2400
220
500 × 900
500 × 2400
250
600 × 900
600 × 2400
180
500 × 900
500 × 2400
200
600 × 900
600 × 2400
220
500 × 900
500 × 2400
250
600 × 900
600 × 2400
表 2
A(Ai 分布)
1289
779
653
565
490
422
359
299
240
183
外力分布
B(等分布)
528
528
528
528
528
528
528
528
528
528
外力分布
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
C(逆三角形分布)
946
853
760
667
574
481
389
296
203
110
モデル化の留意事項
z 基準階での梁において,床スラブによる断面 2 次モーメントの割増係数を 2.0 とする.
z 剛床仮定が成立するとする.そのため,梁の軸方向用断面積の値は,実際の値よりも十分大
きな値(実際の値の 100 倍)とする.
z 部材の剛域は,フェイス位置から部材せいの 1/4 だけ内側に入った領域とする.ただし,梁
の耐震壁側では,側柱の芯から芯までの間(フェイス位置から部材せいの 1/4 入った場所が
側柱の芯の外側の場合,その位置からもう一方の側柱の芯までの領域)を剛域と考える
モデル化は,A:耐震壁を線材置換した場合,と B:耐震壁をブレース置換した場合の2通りと
する.
2
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図 2
モデル A:耐震壁を線材置換した場合
3
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図 3
モデル B:耐震壁をブレース置換した場合
4
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解)以下,各モデルでの部材諸元の算定を行う.
1.
モデル A:耐震壁を線材置換した場合.
梁(1階:部材番号1,2)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(1)より算定する.
A = 100 × bG DG , AS =
bG DG
b D 3
,I = G G
1.2
12
(1)
ここで,bG:梁幅,DG:梁せいである.
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
A = 100 × bG DG = ______m2, AS =
bG DG
= ______m2
1.2
bG DG 3
I=
= ______m4
12
剛域長さは,左右両側とも DC/2 – DG/4 <0 となるので 0 とする.
梁(2階:部材番号 3)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(2)より算定する.
bG DG
bG DG 3
, I = 2.0 ×
A = 100 × bG DG , AS =
1.2
12
(2)
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
A = 100 × bG DG = ______m2, AS =
bG DG
= ______m2
1.2
bG DG 3
I = 2.0 ×
= ______m4
12
剛域長さは,左側では dL1 = DC/2 – DG/4 = _____m,右側では dL2 = DC/2 – DG/4 = ____
m とする.
耐震壁直下の梁(2階:部材番号 4,5)
耐震壁直下の梁では,剛性が非常に高くなることから,せん断用断面積 AS ならびに断面2次モ
ーメント I を 100 倍に割り増す.従って,A,AS,I を式(3)より算定する.
A = 100 × bG DG , AS = 100 ×
bG DG
b D 3
, I = 100 × G G
1.2
12
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
A = 100 × bG DG = ______m2, AS = 100 ×
bG DG
= ______m2
1.2
5
(3)
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I = 100 ×
bG DG 3
= ______m4
12
剛域長さは,左右両側とも dL1 = dL2 = 0 とする.
梁(3階以上の一般階:部材番号 6~14)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(2)より算定する.これ
より,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算).
A = 100 × bG DG = ______m2, AS =
I = 2.0 ×
bG DG
= ______m2
1.2
bG DG 3
= ______m4
12
剛域長さは,左側では dL1 = DC/2 – DG/4 = _____m,
右側では dL2 = 4.5 + DC/2 – DG/4 = ____m とする.
柱(1層:部材 15~17)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(4)より算定する.
A = bC DC , AS =
bC DC
b D3
,I = C C
1.2
12
(4)
ここで,bC:柱幅,DC:柱せいである.
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
bC DC 3
bC DC
2
A = bC DC = ______m , AS =
= ______m4
= ______m , I =
12
1.2
2
剛域長さは,柱脚側では dL1 = DG1/2 – DC/4 = 1.20 – ____=_____m,
柱頭側では dL2 = DG2/2 – DC/4 = = 0.45 – ____=____m とする.
柱(一般層:部材番号 18~26)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(4)より算定する.これ
より,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算).
A = bC DC = ______m2, AS =
b D3
bC DC
= ______m2, I = C C = ______m4
12
1.2
剛域長さは,柱脚側では dL1 = DG/2 – DC/4 = 0.45 – ____=_____m,
柱頭側では dL2 = DG/2 – DC/4 = = 0.45 – ____=____m とする.
耐震壁(2層以上:部材番号 27~35)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(5)より算定する.
6
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2
3
⎛L⎞ t L
A = 2bC DC + tw L, AS = tw L, I = 2bC DC ⎜ ⎟ + w
12
⎝2⎠
(5)
ここで,tw:壁厚,L:壁長さ(側柱芯々間距離 = 9m)である.
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算).
A = 2bC DC + t w L = ______m2, AS = t w L = ______m2,
2
3
⎛L⎞ t L
I = 2bC DC ⎜ ⎟ + w = ______m4
12
⎝2⎠
剛域長さは,両側とも 0 とする.
モデル A の全節点数は 25,全部材数は 35 である.
マクロ「平面骨組(剛域せん断変形考慮)の解析-Ver011.xlsm」を用いて解析せよ.
モデル B:耐震壁をブレース置換した場合.
2.
梁(1階:部材番号1,2)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(6)より算定する.
A = 100 × bG DG , AS =
bG DG
b D 3
,I = G G
1.2
12
(6)
ここで,bG:梁幅,DG:梁せいである.
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
A = 100 × bG DG = ______m2, AS =
I=
bG DG
= ______m2
1.2
bG DG 3
= ______m4
12
剛域長さは,左側では dL1 = DC/2 – DG/4 <0 となるので 0,右側では dL2 = 0 とする.
梁(一般階:部材番号 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(6)より算定する.これ
より,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算).
A = 100 × bG DG = ______m2, AS =
I = 2.0 ×
bG DG
= ______m2
1.2
bG DG 3
= ______m4
12
剛域長さは,左側では dL1 = DC/2 – DG/4 = _____m,右側では dL2 = DC/2 – DG/4 = ____
m とする.
7
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壁中梁(一般階:部材番号 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22)
壁中梁では,せん断用断面積 AS ならびに断面2次モーメント I を 100 倍に割り増す.すなわち,
軸方向用断面積 A,ならびに AS,I を式(7)より算定する.
bG DG
bG DG 3
, I = 100 ×
A = 100 × bG DG , AS = 100 ×
1.2
12
(7)
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
A = 100 × bG DG = ______m2, AS = 100 ×
bG DG
= ______m2
1.2
bG DG 3
I = 100 ×
= ______m4
12
剛域長さは,左右両側で dL1 = dL2 = 0 とする.
柱(1層:部材 23~25)
軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(8)より算定する.
bC DC
bC DC 3
A = bC DC , AS =
,I =
1.2
12
(8)
ここで,bC:柱幅,DC:柱せいである.
これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算).
A = bC DC = ______m2, AS =
b D3
bC DC
= ______m2, I = C C = ______m4
12
1.2
剛域長さは,柱脚側では dL1 = DG1/2 – DC/4 = 1.20 – ____=_____m,
柱頭側では dL2 = DG2/2 – DC/4 = = 0.45 – ____=____m とする.
柱(一般層:部材番号 26, 29, 32, 35, 38, 41, 44, 47, 50)
1層と同様にして軸方向用断面積 A,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I を式(8)よ
り算定する.これより,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
A = bC DC = ______m2, AS =
b D3
bC DC
= ______m2, I = C C = ______m4
12
1.2
剛域長さは,柱脚側では dL1 = DG/2 – DC/4 = 0.45 – ____=_____m,
柱頭側では dL2 = DG/2 – DC/4 = = 0.45 – ____=____m とする.
耐震壁:
耐震壁のモデル化を図 4 に示す.ここでは,耐震壁の曲げ剛性を側柱の軸剛性で表し,せん断
剛性を置換ブレースの軸剛性で表す.側柱の軸方向断面積を AC,置換ブレースの軸方向断面積を
AB で表すと,それぞれ式(9), (10)より得られる.
2
3
2
⎧⎪
tw L
⎛ L ⎞ tw L ⎫⎪ ⎛ L ⎞
AC = ⎨2bC DC ⎜ ⎟ +
⎬ / ⎜ ⎟ = bC DC +
12 ⎭⎪ ⎝ 2 ⎠
6
⎝2⎠
⎩⎪
8
(9)
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AB =
図 4
1 G tw L2
2 E H cos3 α
(10)
耐震壁のモデル化(ブレース置換)
側柱(2層以上:部材番号 27, 28, 30, 31, 33, 34, 36, 37, 39, 40, 42, 43, 45, 46, 48, 49, 51, 52)
軸方向用断面積 AC を式(9)より算定する.ここで,tw:壁厚,L:壁長さ(側柱芯々間距離 = 9m)
であるから,以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
AC = bC DC +
tw L
= ______m2,
6
一方,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I に関しては,側柱を両端ピン部材として
扱うため,任意の値でよい.さしあたって,AS = 1.0 m2, I = 1.0m4 とする.剛域長さは,柱脚側,
柱頭側とも 0 とする.
置換ブレース(一般層:部材番号 53~70)
軸方向用断面積 AB を式(10)より算定する.ここで,H:構造階高(= 4.0m),L:壁長さ(= 9m)
であるから,cos αの値は以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
.
cos α =
L
L2 + H 2
= ______
.
従って,AB は式(10)より以下のように求まる(下線部に数値を入れること:m 単位で計算)
AB =
1 G tw L2
= ______m2,
2 E H cos3 α
一方,せん断変形用断面積 AS,断面2次モーメント I に関しては,ブレース材を両端ピン部材
として扱うため,任意の値でよい.さしあたって,AS = 1.0 m2, I = 1.0m4 とする.剛域長さは,両
端とも 0 とする.
モデル B の全節点数は 33,全部材数は 70 である.
マクロ「平面骨組(剛域せん断変形考慮)の解析-Ver011.xlsm」を用いて解析せよ.
9
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7/16(水)出題,〆切 7/22(火)夕方 4 時 30 分
3. 解析結果の比較
z 相対変位(水平変位)の比較:
表 3 にモデル A,B の水平変位の比較を示す.表中の空欄を埋める事(水平変位の単位を mm
に直し,小数点第 2 位を四捨五入のこと).ここで,各階床の水平変位は,各階床の左端の節点の
水平変位とする.
表 3 解析結果の比較(相対変位)
階
モデル A(mm)
モデル B(mm)
(モデル B)(
/ モデル A)
R階
10 階
9階
8階
7階
6階
5階
4階
3階
2階
z モデル A での層間変位・層せん断力と層の水平剛性
表 4 にモデル A での層間変位・柱と耐震壁の負担せん断力・水平剛性を示す.表中の空欄を埋
める事.ここで,各層の層間変位は,上下階水平変位の差とする(例えば,10 層の層間変位は R
階と 10 階の水平変位の差となる).各部材の水平剛性は,当該層の部材の負担せん断力を当該層
の層間変位で割る事で得られる.
層
表 4 層間変位・層せん断力と層の水平剛性(モデル A)
層せん断力
耐震壁の負担
層間変位
柱の負担
せん断力
せん断力の和
Q = ΣQC + QW
δ
QW (kN)
(kN)
ΣQC(kN)
(mm)
層の水平剛性
k=Q/δ
(MN/m)
10 層
9層
8層
7層
6層
5層
4層
3層
2層
0
1 層注)
注)1層でのΣQC は,1層の柱3本(部材番号 15~17)の和となる.加えて,1層での QW は 0
となる.
10
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7/16(水)出題,〆切 7/22(火)夕方 4 時 30 分
z モデル B での層間変位・層せん断力と層の水平剛性
表 5 にモデル B での層間変位・柱と耐震壁の負担せん断力・水平剛性を示す.表中の空欄を埋
める事.ここで,柱の負担せん断力 QC は部材番号 23~32 のせん断力の値となる.一方,耐震壁
の負担せん断力 QW は,置換ブレース(部材番号 53~72)の軸力から,式(11)により得られる.
QW = ( N L − N R ) cos α
(11)
ここで,NL,NR は図中の左右のブレース材の軸力(引張を正とする)である.
図 5
層
置換ブレースの軸力からの耐震壁の負担せん断力の算定
表 5 層間変位・層せん断力と層の水平剛性(モデル B)
柱の負担
層せん断力
耐震壁の負担
層間変位
せん断力の和
せん断力
Q = ΣQC + QW
δ
QW (kN)
(kN)
ΣQC(kN)
(mm)
層の水平剛性
k=Q/δ
(MN/m)
10 層
9層
8層
7層
6層
5層
4層
3層
2層
0
1 層注)
注)1層でのΣQC は,1層の柱3本(部材番号 23~25)の和となる.加えて,1層での QW は 0
となる.
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2014 年 骨組構造の力学 最終課題
7/16(水)出題,〆切 7/22(火)夕方 4 時 30 分
最終課題の〆切:2014 年 7 月 22 日(火)夕方 4 時 30 分.
これ以降は,翌 23 日(水)正午までに提出されたもののみ採点対象とする(22 日(火)夕方 4
時半以降 23 日(水)正午までに提出されたものは 60%で採点する).これ以降のものは,0%と
して扱う(この場合,成績は自動的に「不可」となるので注意のこと)
注意:入力データのシート、ならびに解析結果のシートはプリントアウトしたものを必ず一緒に
綴じて提出のこと.これらがないものは「0 点」として処理する.
12