環境報告 環境報告 天 然ガスの 特性 環 境 行 動 指 針・ガイドライン・目標 環境性に優れ、埋蔵量が豊富で供給安定性の高い天然ガスを高効率・高度利用することが 環境調和型社会の実現に向けて、グループ全体の環境行動指針・環境行動ガイドラインに基づき 期待されています。 東邦ガスグループ共通および各社毎の環境行動目標を定め、環境活動に取り組んでいます。 ■環境行動指針 環境行動指針(2011年3月改定)は、基本方針と指針から構成され、指針は「お客さま」 「事業活動」 「環境貢献」 「環境技 天然ガスは、環境性・供給安定性・経済性・利便性に優 術開発」の4つにまとめています。 れたエネルギーです。お客さまに天然ガスの持つ優れたポ テンシャルを余すことなく、最大限効率的にご利用いただけ その他欧州 25.3 イラン 33.8 るよう取り組んでいます。 その他中東 15.7 ロシア 31.3 確 認埋蔵量 約186兆 m3 アメリカ 9.3 メキシコ 0.3 環境行動指針 可採年数 約 55 年 利便性 しています。このガイドラインに基づき、当社と関係会社が個別の環境行動目標を設定し、環境活動に取り組んでいます。 都市ガス輸送時のエネルギー効率 や酸性雨などの原因となるSOxは発生しない、環境性に優 都市ガス 地球温暖化対策 NOx 都市ガス工場 お客さま 100% 約100% 100 発電所 お客さま 100% 40% 電気 SOx 80 20 資源循環 ■ 事業活動の各段階において資源の有効活用を図るとともに、廃棄物の発生抑制・再利用・ リサイクルにより外部排出量の最小化に努める。 P.20 生物多様性保全 ■ 生物多様性について、その重要性を認識し、事業活動における影響の把握・分析に努め、 生物多様性に配慮した活動を推進する。 P.23 環境社会貢献 ■ 地域・国際社会と協働した環境活動・プロジェクトへの参画や次世代層への啓発活動など を通して、環境に関する社会貢献活動を行う。 P.24 環境技術開発 ■ ガス体エネルギーの高効率・高度利用、再生可能エネルギーの活用など、環境負荷低減に 資する技術開発を推進する。 P.26 ■ 環境影響を認識し、環境マネジメントを徹底するとともに、環境に配慮し自ら行動する人 材を育成する。 P.28 石炭 68 57 40 ■利便性 20∼37 0 環境マネジメント 天然ガスは、都市ガスとして家庭用から業務用まで幅広 0 P.14 抑制し、効果的かつ現実的な地球温暖化対策を推進する。 100 71 参照項 ■ 業務の継続的改善により、自社事業活動におけるCO2排出の低減に努める。 れたエネルギーです。 化石燃料の燃焼生成物の発生量比較 ■ 環境性に優れた天然ガスをはじめとするクリーンエネルギーの普及拡大と高効率・高度 利用、さらには再生可能エネルギーの活用を通して、お客さま先におけるCO2排出を 経 営 の 透 明 性・健 全 性 の 確 保 化学スモッグの原因となるNOxの排出も少なく、大気汚染 天然ガス 環境に関する技術開発を推進します。 まに届けられます。都市ガス工場におけるエネルギー製造 石炭・石油と比較してそれぞれ43%・29%少ない上、光 石油 指針4 環境行動ガイドライン(2011年3月制定)は、東邦ガスグループが取り組む重要な環境活動に対する考え方や方向性を示 天然ガスは、化石燃料の中でも燃焼時のCO2発生量が、 60 地域・国際社会と協働し、環境貢献を推進します。 天然ガスは、都市ガス工場からガス導管を通じてお客さ 時もエネルギーロスがほとんどなく、経済効率性の高いエネ 80 指針3 ■環境行動ガイドライン ルギーです。 100 事業活動における環境負荷を低減します。 ■経済性 ■環境性 100 指針2 オーストラリア 3.8 効率はほぼ100%である上、ガス導管による都市ガス輸送 CO2 お客さま先における環境負荷低減に貢献します。 出典:BP Statistical Review of World Energy 2014(単位:兆㎥) 供給安定性 注)石炭を100とした指数 指針1 指針 中南米 7.7 東邦ガスは、グループ各社とともに、地域および地球規模での 環境保全の重要性を深く認識し、クリーンなエネルギーの供給を柱として、 企業活動のあらゆる場面を通じて、環境調和型社会の実現に貢献します。 社会報告 カタール 24.7 天然ガス 基本方針 中国 3.3 その他アジア 3.9 マレーシア 1.1 ブルネイ 0.3 インドネシア 2.9 アフリカ 14.2 4 つのプレミアム カナダ 2.0 アラブ首長国連邦 6.1 経済性 環境性 環境報告 天然ガス確認埋蔵量 天然ガスの優れた特性 い分野で利用されています。快適な生活、都市や産業の発 出典:CO2は火力発電所大気影響評価技術実証調査報告書(1990.3) /(財)エネルギー総合工学研究所 NOx、SOxは「Natural Gas Prospects」 (1986)/ IEA 展を支えるエネルギーとして、厨房・給湯はもちろんのこ ■環境行動目標の達成状況 と、ガスコージェネレーションシステム、ガス空調、燃料電 これまでの環境行動目標は、2013年度が最終年度であり、各目標の達成状況を下表にまとめました。 ■供給安定性 池、自動車など様々な用途で利用されています。 6つの数値目標のうち、5つの目標は達成できましたが、ガス工事における非開削工法適用率については、工期の制約や工 天然ガスは、世界に広く豊富に存在し、LNGタンカーで 加えて、天然ガスは太陽光エネルギー、バイオガスなどと 事延長によっては経済合理性がなく、適用できる工事の比率が低く未達となりました。 オーストラリア・マレーシア・カタール・ロシアなど様々な国 ベストミックス利用が可能となり、再生可能エネルギーの導 から日本へ運ばれて来ます。最近では採掘技術の向上によ 入促進にも役立つ利便性に優れたエネルギーです。 り、従来では採掘困難であった大深度の天然ガス資源や、 再生可能エネルギーとの親和性 分野 地球 温暖化対策 非在来型天然ガス資源※1が産出可能となり、安定した供給 環境行動目標(2011∼2013年度) ①都市ガス事業CO2排出原単位(ガス販売量あたり) ▲5% ▲17.0% ○ ②熱供給事業CO2排出原単位(熱・電気販売量あたり) 2009年度の水準維持 ▲ 6.2% ○ ゼロエミッション維持 ○ ①都市ガス工場におけるゼロエミッションの維持 が見込まれています。 さらに、日本の近海には、日本の約100年分の消費量に 資源循環 相当するメタンハイドレート※2が存在しており、政府主導で 2013年度実績 達成状況 ②ガス工事における非開削工法適用率向上 ・・・・・・・ 新設工事20% 10% 49% ・・・・・・・ 入替工事50% × ③ガス導管工事から発生するアスコン(アスファルト・コンクリート)塊 商業利用を目指す開発計画が進められています。 使用済みポリエチレン管の100%リサイクル 100% ○ ※1 非在来型天然ガス資源 コールベッドメタン、シェールガス、タイトサンドガスなど ※2 メタンハイドレート メタンガスと水が低温・高圧の状態で結晶化した氷状の物質 ④オフィスにおける紙ごみ100%リサイクル 100% ○ コージェネによる発電出力変動の補完イメージ 注)購入電力のCO2排出係数は2009年度を基準とする。2009年度実績(①16.5g-CO2/N㎥ ②85.2kg-CO2/GJ ④新設工事8%、入替工事33% ⑤100% ⑥100%) 11 東邦ガス株式会社 環境・社会報告書 2014 東邦ガス株式会社 環境・社会報告書 2014 12 環境報告 環境報告 地 球 温 暖 化 防 止に向けて 環境 行 動 指 針・ガイドライン・目標 地球温暖化防止に向けて、天然ガスの普及拡大と高効率・高度利用による お客さま先におけるCO 2 排出抑制と事業活動におけるCO 2 排出低減に取り組んでいます。 家庭用ガス機器情報 業務用・産業用情報 詳しくはWebで お客さま先におけるCO 2 排出抑制への貢献 新しい環境行動目標では、各社での目標設定に加え、東邦ガスグループ共通の目標を新たに設定しました。目標の対象期間は、 新中期経営計画と整合させ5年間とし、目標の基準年度は、これまでの環境行動目標との連続性の観点から2009年度としました。 分野 会社 目標項目 2009年度実績(基準値) 2014 ∼18年度目標 Web 計CO2排出抑制量は136万t-CO2となりました。 当社は、地球温暖化防止に貢献するため、天然ガスおよ なお、2013年度のお客さま先における都市ガスの使用 び高効率ガス機器・システムの普及により、お客さま先にお によって排出されたCO2量は882万t-CO2でした。 けるCO2排出抑制に貢献しています。2009年度からの累 都市ガス事業(工場・オフィス等)における ガス販売量あたりCO2排出原単位の期間 平均値を、基準年度実績に対して削減 16.5 g-CO2/N㎥ ▲10% (14.8g-CO2/N㎥) お客さま先における累計CO2排出抑制量 86.8 kg-CO2/GJ 期間平均値を、基準年度実績に対して削減 ▲2% (85.0kg-CO2/GJ) 家庭用分野におけるエネファームなど高効率ガス機器・システムの普及によるCO2 排出抑制量と、業務用分野における燃料転換やガスコージェネレーションなどの普及に よるCO2排出抑制量 ・ 家庭用CO2抑制量(エネファーム・エコウィル・エコジョーズ・ダブル発電) 100 社会報告 熱供給事業(主要5地冷)における 熱・電気販売量あたりCO2排出原単位の CO2排出抑制量の算定方法 136 150 東邦ガス 地球温暖化 対策 お客さま先におけるCO 2 排出抑制量 環境報告 新しい環境行動目標・環境効果指標(2014∼2018年度) ・ 業務用CO2抑制量(燃料転換・ガスコージェネレーション・ガス空調など) 注)購入電力使用量削減に伴うCO2排出抑制効果の算出には、マージナル電源(火力 発電)によるCO2排出係数を使用 50 2013 グループ共通 オフィス単位面積あたりのCO2排出原単位の 期間平均値を、基準年度実績に対して削減 ※ 93.6 kg-CO2/㎡ ▲6% (88.0kg-CO2/㎡) ※データセンターを含む 注)購入電力の排出係数は0.474kg-CO2/kWh(09中電実績)を使用 会社 ■CO2削減効果の算定 ■マージナル電源とは 目標項目 2014 ∼18年度目標 日本の電力は、主に火力・水力・原子力の各発電所から供給 国の温室効果ガス算定・報告・公表制度においても、削減効 されています。水力発電の年間発電量は降水量によって決まりま 果を評価する方法については、対策によって影響を受ける電源 す。また、原子力発電は定 用紙の使用量(枚数)の期間平均値を、 基準年度実績(39百万枚)に対して削減 ▲5%(37百万枚) 電源別発電パターンイメージ (※東日本大震災前) 期点検などのほかは一定 ガス導管工事で使用する天然山砂・砕岩使用量を 従来工法による使用量から抑制 100% (マージナル電源)の排出係数を用いて算定することができると されています。 運 転されています。従っ ガス導管工事から発生するアスコン塊をリサイクル 東邦ガス 省エネルギーなどの対策により、電気の使用量を減らしたときに削減できるCO2量は、 対策によって影響を受ける発電所の電源(マージナル電源)で評価する必要があります。 経 営 の 透 明 性・健 全 性 の 確 保 分野 電気の使用を減らすことによる 適切なCO 2 削減評価について CO2削減量(kg-CO2)=電気の削減量(kWh)× マージナル電源係数(火力電源係数) (kg-CO2/kWh) て、電力需要の変動によっ て影響を受ける電源は火 発電量は降水量に依存 力発電と考えられます。 火力電源係数 0.69kg-CO2/kWh 注)火力電源係数の出典は、中央環境審議会地球環境部会目標達成シナリオ 小委員会中間とりまとめ(2001.6) 15%以下 資源循環 ガス導管工事で発生する すべての廃棄ガス管(鋳鉄管・鋼管・ポリエチレン管)をリサイクル 都市ガス工場におけるゼロエミッションの維持 グループ共通 グループのすべてのオフィスで発生する紙ごみをリサイクル 100% 最終処分率3%以下 100% 家庭用分野での取り組み 来型給湯器によるシステムと比べて、約1.5t-CO2少なくな ■家庭用燃料電池システム「エネファーム」 ります。これは、約3,300㎡のブナの森が1年間に吸収す エネファームは、都市ガスから取り出した水素と空気中の酸 るCO2量に相当します。発電時の熱エネルギーを給湯に利 素を化学反応させて発電し、その際に発生する熱を給湯に有 用するため、約95%の高いエネルギー利用率を実現するな 効利用する、家庭用ガスコージェネレーションシステムです。 ど、省エネルギー性と環境性に優れた製品です。2014年2 エネファームを使用する家庭での年間CO2排出量は、従 月には、累計販売台数が5,000台を突破しました。 注)エネルギー利用率は低位発熱量基準(LHV) 分野 会社 グリーン調達 東邦ガス 目標 エネファーム販売台数 エネファームの仕組み 温水 暖房 ❶燃料処理装置 事務用品の期間平均グリーン調達率(BIZNET購入分金額比率) 90%以上を達成 ※ ❷スタック(発電装置) 2500 2,188 ❸インバータ ❹熱回収装置 2000 ❺貯湯タンク ❻バックアップ 1500 給湯器 1000 ■環境効果指標 会社 東邦ガス 500 目標 天然ガスの普及拡大などによりお客さま先CO2排出量を40万t-CO2(2014∼18年度の合計)抑制 0 エネファーム 202 2009 2013 イメージ図 CO2削減量等の数値は、当社試算条件によるシミュレーションの一例です。家族構成・生活 スタイル・建物・使用機器・使用状況・気温等によって値は異なります。 13 東邦ガス株式会社 環境・社会報告書 2014 東邦ガス株式会社 環境・社会報告書 2014 14
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