±3g 3-Axis Accelerometer with IC H48C H48Cは、半導体技術とマイクロマシニング技術で作られた 微細なシリコンセンサーチップと補正機能を有する増幅回路 CMOS ICチップを同一セラミックパッケージに気密封止した小 型かつ信頼性に優れたIC付き3軸加速度センサーです。室温 におけるゼロg電圧、感度の個体間ばらつき、さらにそれらの 温度ドリフトも工場出荷時に全数補正を行なっています。 特長 ■補正機能付き増幅回路内蔵で、3軸(X,Y,Z)加速度に 比例したアナログ電圧を同時出力。 ■IC補正機能による高検出精度 個体間ばらつき、温度ドリフトを補正。 ■+2.2から+3.6V の単電源動作 ■低消費電流 動作時 typ. 0.58mA at 3V 待機時 1uA以下 ■加速度検出範囲 ±3g (1g=9.81m/s2) ■静的加速度、動的加速度の計測可能 ■耐衝撃性 5000g ■落下検出機能装備 X,Y,Z軸の全てが略ゼロgの間、パルスを出力 ■温度センサー出力端子装備 ■QFNパッケージ採用により高密度実装可能 パッケージサイズ ;4.8×4.8×1.5mm ■無鉛はんだ対応 図1 H48C外観写真 Z H4 Y 表1 端子番号機能説明 端子番号 Vcc +3V 32k Cx 13 32k AMP SENSOR Y AOY 5 Cy 15 32k SENSOR Z AOZ 4 Cz 32k 0. 1uF AOX 6 SENSOR X Tout 温度センサー電圧出力 3 AGND アナログ系グランド 4 AOZ Z軸出力 5 AOY Y軸出力 6 AOX X軸出力 7 NC 8 NC 11 STBYB スタンバイ制御(Lo:スタンバイ/Hi:動作) 12 Reserved GNDへ接続のこと 13 AVCC アナログ系電源 14 Vref ゼロG基準電圧(1/2 Vcc) 15 DVCC ディジタル系電源 11 16 Reserved GNDへ接続のこと STBYB 17 Reserved GNDへ接続のこと 18 Reserved GNDへ接続のこと 19 ZeroG ゼロGフラグ出力(自由落下検出) 20 DGND ディジタル系グランド VREF 14 ZeroG 19 Vref Cref CONTROL CONTROL 18 2 NC 32k 17 GNDへ接続のこと NC 20 16 機 能 説 明 Reserved 10 Tout Ct 3 12 名称 1 9 2 SENSOR T 1 X 8C ZeroG 端子番号21,22,23,24は、はんだ接合補強ランド 図2 機能ブロック図 注) ゼロgフラグ未使用の場合は、ZeroG端子はOPENで御使用ください。 Rev. C -1- Hitachi Metals, Ltd.’s Proprietary ±3g 3-Axis Accelerometer with IC H48C 表2 標準仕様 項目 条件 仕様 1 動作電圧 Vcc 温度-25℃~+75℃ 2 消費電流 Vcc=3.0V 3 待機電流 Vcc=3.0V、温度65℃以下 4 ターンオン時間 スタンバイ解除後から99%立ち上がり 単位 Min. Typ. Max. 2.2 3 3.6 V 0.58 0.85 mA 1 uA 150×Cx,Cy,Cz(uF) ms 5 保存温度 -40 85 ℃ 6 動作温度 -25 75 ℃ -3 +3 g 7 加速度検出範囲 8 感度 動作電圧3V、動作温度範囲内 306 333 360 9 ゼロg電圧 動作電圧3V、動作温度範囲内 -45 0 45 mV 2 6 % +2 % 10 他軸感度 11 感度の直線性 -2 12 センサー周波数応答 Cx,Cy,Cz=0.01uF時、-3dB 13 ノイズ特性 BW =0.1 to 100Hz 14 耐衝撃性 振り子式衝撃試験機にて 15 温度センサー精度 0℃~75℃範囲内 DC mV/g 500 Hz 0.6 mVrms 1.8 mgrms 5000 g -3 3 ℃ 16 落下検出 ゼロG認識閾値 0.4 g 注1 1g=9.81m/s2 注2 感度、ゼロg電圧は各軸の出力(AOX,AOY,AOZ)と基準電圧Vrefの差分電圧で定義。また、それらはVccに対し て Ratiometricに設計されているため、Vccに比例します。 注3 前記仕様は断りなく変更することがあります。 表3 最大定格 項目 記号 仕様 単位 電源電圧 VCC -0.3~+4.5 V 端子電圧 VIN -0.3~VCC+0.3 V 動作温度範囲 TOPE -25~+75 ℃ 保存温度範囲 TSTG -40~+85 ℃ 表3の電源電圧、端子電圧を超えての使用は永久破壊となることがあります。 Rev. C -2- Hitachi Metals, Ltd.’s Proprietary ±3g 3-Axis Accelerometer with IC H48C 2.出力信号のマイコンへの取り込み方 H48CのVref端子は基準電圧(=1/2 Vcc)を出力する端子で、 加速度出力電圧(AOX,AOY,AOZ)と温度電圧(Tout)はこの Vref電圧を基準にして校正されています。従って通常の使い 方では、加速度出力電圧(AOX,AOY,AOZ)や温度電圧(Tout) と共にVref電圧をA/Dコンバータを介してマイコンに取り込み、 マイコン内でVref電圧との差分を取る演算により校正済みの ディジタル値を得ます。あるいは差動入力形式のA/Dコンバー タの場合は、Vref電圧を基準電圧とした校正済みの差動電圧 を直接取り込むこともできます。 1.H48C 1.H48Cの概要 H48Cの概要 H48Cは、従来加速度センサの課題; ①室温での感度、 ①室温での感度、 ゼロg g電圧の個体間ばらつき ②感度、ゼロg ゼロ 電圧の個体間ばらつき ②感度、ゼロg電圧の温度ドリフ ト を解決すべくそれらの補正機能を有する増幅回路付きCMOS ICチップとMEMSセンサーチップをワンパッケージにした3軸 加速度センサーです。X、Y、Z軸方向の加速度に比例したアナ ログ電圧が同時に出力されます。加速度1g当たりの電圧は略 333mV(動作電圧3Vの場合)です。補正は工場出荷時に全数 実施しています。 H48Cの出力電圧(検出感度を含む)は、いずれも、Vccに対 してRatiometric に設計されています。従って、A/Dコンバータ の 基 準 電 源 ( A/D 変 換 ス パ ン を 決 め る 電 圧 で 、 通 常 は AVDD,VREF などの端子名のことが多い)にH48CのVccと同じ電 源電圧またはそれを抵抗分割した電圧を供給してA/D変換ス パンをVccに対してRatiometric にすると、トータルの検出感度 がVccの変化の影響を受けないように出来ます。 動作電圧は+2.2から+3.6Vの単電源で動作し、出力は全て VCCに対してRatiometricに設計されています。加速度の検出 範囲は、規格として±3gです。 H48Cでは温度センサーを内蔵し、内部で温度ドリフトの補正 を行なっています。温度センサー出力はパッケージ端子にも外 部出力されており簡易的な温度センサーとしても使用できます。 以上の使い方において、g換算加速度値と温度値は次の式 で計算されます。(A/Dコンバータ10bit、VCC=3Vの場合) さらに自由落下時、各軸(X,Y,Z)はすべてゼロgとなること利 用した機器の落下を検知できる機能を有しています。各軸が共 に略ゼロgにある間、フラグを出力する端子が標準装備されて います。温度センサーならび落下検出については別紙アプリケー ション・ノートを参照ください。 AOX A / D値 − Vref A / D値 3000 ⋅ 1023 333 AOY A / D値 − Vref A / D値 3000 ⋅ gy = 1023 333 AOZ A / D値 − Vref A / D値 3000 ⋅ gz = 1023 333 Tout A / D値 − Vref A / D値 3000 ⋅ + 25 (℃) T= 1023 10 gx = AOX、AOY、AOZはX、Y、Z軸方向の加速度に比例したアナ ログ電圧が出力され、ゼロgでは略Vcc /2 (V)です。 Toutは温度センサーの電圧が出力されます。温度25℃での 電圧は約Vcc/2(V)、65℃の電圧は約Vcc/2 + 0.4(V)です。 Vrefは略Vcc/2(V)の電圧が出力されます。 工場出荷時の 調整ではAOX、AOY、AOZ、Toutは全てVref出力電圧を基準 に調整しています。よって、使用に際して、 AOX,AOY,AOZ,ToutはVrefとの差分で利用する事を推奨し ます。 3.出力端子の負荷条件 3.出力端子の負荷条件(A/Dコンバータの入力インピーダン 出力端子の負荷条件 ス)について について ZeroGは、X、Y、Z軸が共に略ゼロgを検知している間、フラ グとしてVcc電圧を出力します。 加速度検出信号(AOX,AOY,AOZ)、温度検出電圧(Tout)、 及びVrefの各出力信号は32kΩの出力抵抗を介して出力され ます。従って、出力端子に接続されるA/Dコンバータが直流的 負荷になる場合は計測値に誤差を発生する恐れがあります。 STBYB端子は待機制御を行います。待機時は0Vを動作時 はVcc±0.3V電圧を印加してください。 A/Dコンバータにはいくつもの方式がありますが、大体は入 力電圧をサンプリングキャパシタ(Csamp)にサンプルホールド するようになっています。サンプリングされた電荷は毎回クリ アされるため、信号源から見るとサンプリング毎に電荷がA/D コンバータ側に吸収されるように見えます。したがって、サンプ リング周波数がfsampのときに、A/Dコンバータの直流的な等 価入力抵抗(Rin)は Rin = 1/(fsamp×Csamp) で表されます。 負荷効果による計測誤差を0.3%以内にするにはRinは10MΩ 以上が望まれます。 通常Csampは数pFから数10pFですが、一例としてCsampが 10pFでfsampが1kHzの場合を試算すると、Rinは100MΩとなり ます。これは出力抵抗による計測誤差を無視しうるに十分な 高抵抗と言えます。 Rev. C -3- Hitachi Metals, Ltd.’s Proprietary ±3g 3-Axis Accelerometer with IC H48C 5.静加速度印加と出力の関係 静加速度 1g(重力) これに対して、ΣΔ形のA/Dコンバータでは1データの変換に 256回等のオーバーサンプリングを行うので、直流的な等価入力 抵抗(Rin)が低くなってこの用途には適していません。使うとすれ ば、入力バッファアンプ付きのものを選択する必要があります。 H48C なお、信号源の出力抵抗は、一般的にはサンプリングキャパシ タの1回毎のセトリングタイム注1にも効いてきますが、H48Cの使 用方法ではCx,Cy,Cz,Ctが高周波に対するバッファの働きをして いるので、出力抵抗によりセトリングタイムが悪化する懸念はあ りません。 H48C 高いサンプリング周波数では反比例して等価入力抵抗が低くな るので、サンプリング周波数は必要最小限に低く設定して使うこ とが好ましいと言えます。この観点で、逐次比較形のA/Dコンバー タは1回のサンプリングで1データの変換が出来るので、低いサ ンプリング周波数で使うのに適したA/Dコンバータです。 H48C 注1:サンプリングキャパシタの充電が完了するのに要する時間 Typical output AOX=1.5V AOY=1.167V AOZ=1.5V Typical output AOX=1.167V AOY=1.5V AOZ=1.5V 静加速度 1g(重力) top bottom Typical output AOX=1.5V AOY=1.5V AOZ=1.833V Typical output AOX=1.5V AOY=1.5V AOZ=1.167V Typical output AOX=1.5V AOY=1.833V AOZ=1.5V 4.帯域制限キャパシタ(Cx 4.帯域制限キャパシタ(Cx,Cy, Cx,Cy,Cz ,Cy,Cz,Ct Cz,Ct) ,Ct)の設定 H48C H48C の 内 部 構 成 を 図 1 に 示 し ま す 。 加 速 度 検 出 信 号 (AOX,AOY,AOZ)及び温度検出電圧(Tout)はバッファアンプと出 力抵抗(設計値32kΩ)を介して出力されます。出力端子の外付 けキャパシタ( Cx,Cy,Cz,Ct )は内部の出力抵抗とにより1次ロー パス形の帯域制限フィルタを構成します。帯域制限フィルタの周 波数帯域幅(BW)の概略値は Typical output AOX=1.833V AOY=1.5V AOZ=1.5V 図3 H48Cの静加速度(重力)に対する標準的出力 (VCC=3Vの場合) BW=5/C (Hz) ここに、CはCx,Cy,Cz,Ctの容量値をuFを単位とした数値 で決まります。但し、出力抵抗の抵抗値は±30%程度初期誤差を 伴うため、BWについても同程度の初期偏差が有ることを考慮くだ さい。 周波数帯域幅(BW)の設定には、加速度変化の応答性(応答 周波数)、ノイズ性能(S/N)、スタンバイ復帰時間(ターンオン時 間)などを総合的に勘案することが大切です。200Hz以下の周波 数領域においては、それぞれは周波数帯域幅(BW)に対して概 略次のような関係にあります。 加速度変化の応答性(応答周波数)・・・BWに比例 ノイズ性能(S/N)・・・・・・・・・・・・・・・・・・BWの平方根に反比例 ターンオン時間( Ton)・・・・・・・・・・・・・・BWにほぼ反比例 Ton = 750/BW (ms)スタンバイ解除後99%立ち上がり時間 注意 1)ゼロgフラッグ出力(自由落下検出)未使用の場合、端子#19 ZeroG端子はOPENとしてください。 特に注意すべきことは、ノイズ性能(S/N)が加速度応答性とター 2)H48Cセンサ単体を床に落下させた場合、5000G以上の衝撃 ンオン時間に対してトレードオフの関係にあることです。普通は、 が加わり、特性に影響を与える恐れがあります。 取り扱いに 応答性とターンオン時間の観点で必要最小限の周波数帯域幅 注意ください。 (BW)に設計することが総合的に良い結果を生みます。 3) H48CではESD保護回路を備えていますが、高エネルギーの Cx,Cy,Czの推奨値の一例は、0.047uFで、このときに、BWは略 静電放電にさらされたデバイスには回復不能な損傷が残ること 100Hz、フルスケールに対するS/N値は略60dB、ターンオン時間 もあります。従って、性能低下や機能喪失を避けるために適切 は略8msです。 なESD予防措置を取るようお奨めします。 なお、CtとCrefは各0.01uFを推奨します。 ゼロgフラッグ出力(自由落下検出)のみ使用の場合は、 Cx,Cy,Cz,Ct,Crefは不要です。 Rev. C -4- Hitachi Metals, Ltd.’s Proprietary ±3g 3-Axis Accelerometer with IC H48C 図4 パッケージ外形寸法 図5 実装基板側パッド配置参考図 Rev. C -5- Hitachi Metals, Ltd.’s Proprietary 使用上の注意 1 本書に記載の製品及び技術のうち「外国為替及び外国貿易法」に基づき安全保障貿易管理関 連貨物・技術に該当するものを輸出する場合、または国外に持ち出す場合は日本国政府の許可 が必要です。 2 本書に記載された情報の使用に際して、弊社もしくは第三者の特許権、著作権、商標権、その他 の知的所有権等の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。 また本書に記載された情報を使用した事により第三者の知的所有権等の権利に関わる問題が 生じた場合、弊社はその責を負いませんので予めご了承ください。 3 製品及び製品仕様は予告無く変更する場合がありますので、最終的な設計、ご購入、ご使用に 際しましては、事前に最新の製品規格または仕様書をお求めになりご確認ください。 4 弊社は品質・信頼性の向上に努めておりますが、宇宙、航空、原子力、燃焼制御、運輸、交通、 各種安全装置、ライフサポート関連の医療機器等のように、特別な品質・信頼性が要求され、その故障 や誤動作が直接人命を脅かしたり、人体に危害を及ぼす恐れのある用途目的に作られておりませ ん。そのため、この様な目的でご使用をお考えのお客様は、事前に弊社営業担当迄ご相談をお願い 致します。 5 設計に際しては、特に最大定格、動作電源電圧範囲、放熱特性、実装条件及びその他諸条件に つきましては、弊社保証範囲内でご使用いただきますようお願い致します。 保証値を越えてご使用された場合の故障及び事故につきましては、弊社はその責を負いません。 また保証値内のご使用であってもセンサー製品について通常予測される故障発生率、故障モード を ご考慮の上、弊社製品の動作が原因でご使用機器が人身事故、火災事故、その他の拡大損害 を生 じないようにフェールセーフ等のシステム上の対策を講じて頂きますようお願い致します。 弊社は、センサーの故障で第三者に危害を与えたとき、責任を一切持ちません。 6 本製品は耐放射線設計をしておりません。 7 本書の一部または全部を弊社の文書による承認なしに転載または複製することを堅くお断り致し ます。 8 本書をはじめ弊社センサーについてのお問い合わせ、ご相談は弊社営業担当迄お願い致します。 Rev. 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