(平成26年6月27日) PDF(7840KB)

平成26年6月27日
工業会会報 第91号
発行元 一般社団法人日本非破壊検査工業会
ⓒ日本非破壊検査協会
平成26年度
The Japanese Association For NonDestructive Testing Industry (JANDT)
〒101-0047
東京都千代田区内神田2丁目8番1号 冨高ビル3F
電話 03-5207-5960 FAX 03-5207-5961
URL : http://www.jandt.or.jp/
E-mail : [email protected]
編集 : 広報部会
定時総会を開催
5月26日、東京都千代田区内の東海大学校友会館において第22期第43回定時総会が開
催され、150社
(正会員56名、委任状94名)
が出席した。総会に先立ち松村理事長は
「平成25
年度は一般社団法人への移行後2年目の事業活動に積極的に取組み、
「 公益目的支出計画」
の2つの実施事業を確実に進めてきた。また、今年度は経済産業省をはじめ国土交通省等の
中央省庁との連携を強化し、非破壊検査技術向上や普及を促進する活動を進めた。今年度
も、これまで継続してきた事業や重点施策の実施とともに、引き続き非破壊検査活用等の新
定時総会のもよう
たな市場創出に向けた施策を強力に推進し、業界の発展と社会の安全・安心に寄与していき
たい。」
と今年度の事業推進の方針を示し、挨拶とした。
総会では平成25年度事業報告、財務諸表等並びに監査報告、第22期
(平成26・27年度)の
理事及び監事選任について審議され、満場一致で承認された。続いて平成26年度事業計画・
収支予算書、平成25年度公益目的支出計画実施報告書の概要が報告された。
事業内容については、
「 公益目的支出計画」
に設定している
「非破壊検査技術の調査・研究・開
発及びその成果の普及事業の推進」
「 非破壊検査の展示・啓発及び普及事業の推進」の2つの継
続事業の確実な実施、資格認証・講習会事業の推進、国の経済対策に対応した高齢化・老朽化し
た社会インフラの安全性確保と長寿命化のための検査診断技術や検査手法の普及に向けた施
松村 康人
理事長
秋野 公造
参議院議員
須藤 治
産業機械課課長
廣瀬 壮一
JSNDI会長
策の推進、業界の動向調査・関連情報の収集と経済・産業政策への提案・
提言等の活動強化、関係団体との連携強化などの説明があった。
総会終了後、
「日本非破壊検査工業会賞」
2件の表彰が行われた。
続いて懇親会が開催され、120名を超える各界からの出席者があっ
た。来賓挨拶で、秋野 公造参議院議員は非破壊検査振興議員懇話会や
太田 昭宏国土交通大臣への要望書提出のことを紹介し、
「 工業会・協会
と協力し、社会インフラ診断の資格者制度等の検査品質向上に向けた
仕組み作りを進めていく。」
と述べ、佐々木 さやか参議院議員も非破壊
検査の普及に力を尽くすと挨拶した。経済産業省製造産業局産業機械
佐々木 さやか
参議院議員
課の須藤 治課長は
「経済産業省で進めている中小企業投資促進税制、生産性向上設備投資促進税制などの成長戦略の経済活性化施策
をしっかり活用してほしい。」
と訴えられた。また、
( 一社)
日本非破壊検査協会の廣瀬 壮一会長は
「社会インフラ診断に向けてのロボット
やセンサー開発などの学術・技術面での研究を進めて、工業会との連携を強化・協力していきたい。」
と述べられた。
本年度総会での表彰 [日本非破壊検査工業会賞]
小倉 幸夫 理事(ジャパンプローブ株式会社 代表取締役社長)
(表彰理由)
第
14期(平成10年)
より21期(平成26年)
に亘り理事を務められ、その間3期6年間に亘り副理
事長として当工業会と学識経験者との連携や、産業界のグローバル化に沿った日韓交流会開
催に指導的役割を果たし、海外の実情を理解する機会を創られました。
また、配筋探査技術者の教育講習事業、資格認証事業の立ち上げと普及に努め、社会イン
フラの戦略的維持管理での社会的ニーズに合致する体制の礎を構築するなど、当工業会
小倉 幸夫理事 表彰のもよう
の新たな事業への進展に尽力されました。
森永 紘治 理事(一般社団法人 日本非破壊検査工業会 専務理事)
(表彰理由)
平 成18年より専務理事として当工業会の体制強化を図り、事業経営や組織運営の改善・改
革に尽力し、管理運営体制の構築を図り、公益法人制度改革における一般社団法人として
新たな第一歩を踏み出すことが出来ました。
また、財務基盤の強化や経理システムの改善にも注力され、経済産業省をはじめ中央省庁と
の連携・交流の強化に努め、非破壊検査業に対する理解の向上と当工業会が業界を代表
する団体として認知される道筋を作られました。
森永 紘治理事 表彰のもよう
1
工業会会報 第91号
第22期(平成26・27年度)の新役員
定時総会において理事7名及び監事1名の重任、新任理事として田代 秀夫【本部事務局】、小田原 勝彦【日本非破壊検査(株)】、
安田 裕之【(株)
ジャスコ】、富田 裕樹【総合検査(株)】、坂本 敏弘【計測検査(株)】が、また、監事として八木 洋兒【(株)
アイエム
シー】が承認された。総会後の臨時理事会にて、前期に引き続き理事長に松村 康人【(株)
辰起非破壊検査工業】、副理事長には新た
に岡 賢治【(株)検査技術研究所】、長岡 康之【(株)
アミック】両氏、専務理事には田代 秀夫が就任した。また、今回退任となった小
倉 幸夫、森永 紘治両氏が参与に委嘱された。新役員及び会務の担当は次の通り。
■会務担当役員(平成26年5月27日から平成27年定時総会まで)
役 職
(敬称略)
担当理事名
理事長
備考(特記事項)
松村 康人
岡 賢治
資格認証部会長兼務
長岡 康之
技術部会長兼務
専務理事
田代 秀夫
本部事務局長兼務
総務部会
松村 康人、岡 賢治、長岡 康之、田代 秀夫、
渡辺 正宏、富田 裕樹、藤本 秀博、塩山 哲生、八木 洋兒
広報部会
猿渡 保、渡辺 正宏
技術部会
長岡 康之、藤本 秀博、安田 裕之
副理事長
教育講習部会
小池 幸洋、坂本 敏弘
資格認証部会
岡 賢治、小田原 勝彦
安全部会
小田原 勝彦、富田 裕樹
放射性同位元素等安全管理委員会 小田原 勝彦
放射線管理手帳発効機関
東日本支部長
小田原 勝彦
統括管理責任者
渡辺 正宏(副支部長:小田原 勝彦)
関西支部長
富田 裕樹(副支部長:小池 幸洋)
西日本支部長
藤本 秀博(副支部長:坂本 敏弘)
機材支部長
監事
岡 賢治 (副支部長:猿渡 保)
塩山 哲生、八木 洋兒
■新任役員
■退任役員
【退任理事】
小倉 幸夫 [ジャパンプローブ
(株)
]
森永 紘治 [(一社)
日本非破壊検査工業会]
久内 伸悟 [日本工業検査
(株)
]
八木 洋兒 [
(株)
アイ・エム・シー)
]
笠岡 正雄 [日本シーレーク
(株)
]
田代 秀夫 専務理事
安田 裕之 理事
富田 裕樹 理事
坂本 敏弘 理事
【退任監事】
小田原 勝彦[日本非破壊検査
(株)
]
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2
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支店/営業所
大阪/和歌山/鹿島
工業会会報 第91号
東日本支部 平成26年度定期大会を開催
6月5日、東日本支部の支部定期大会が参加者24名のもと秋田県仙北市内で
開催された。この行事が秋田県で行われるのは初めてである。渡辺支部長は先
の本部総会において引き続き支部長の職に就くことなり、副支部長については日
本非破壊検査㈱の小田原氏が就くことが報告された。次に業界を取巻く環境に
触れ、
「 原子力分野はいまだ見通しが立たない状況である。石油化学プラントに 渡辺 正宏支部長
おいては春先から繁忙期に入っているが、夏から秋に向けて不安定感な状況で
抱返り渓谷にて
あると推察される。しかしながら、中長期的には国の政策としての国土強靭化や東京オリンピックに向けてのインフラ設備の調査や診
断が注目されており、また、工業会としてもこれらの政策に沿った方針が重点事項となっているので、その具体化が待ち遠しいところで
ある。このような行事を通じて会員間の情報交換や協力体制を強めていただければ幸いです。」
と挨拶を行った。次に秋田県の出身で
ある畠山監査より、地元、八幡平の歴史と文化が紹介された。その後、支部定期大会は式次第に則り進められ、新役員の紹介や平成25
年度の表彰が行われた。最後に、新たに就任した長岡副理事長の音頭で懇親会が開宴し、和やかな雰囲気の中で歓談がなされた。
関西支部 平成26年度定期大会を開催
6月5日、平成26年度の関西支部定期大会が岐阜県高山市飛騨高山温泉「高山グリーンホテル」で開
催された。小池副支部長の開会宣言に続いて、八木支部長は、
「日本の景気は回復傾向にあると思われ
るが、非破壊検査業界は本格的な業況回復には至って居らず先行きは楽観できないが、当工業会は平成
25年度に『資格認証事業』や『教育講習事業』の主要事業のほか、会員共通の利益に資する委員会活動
や関係各省との連携強化を図り、新たな市場創出に向けた活動を推進した。関西支部としても、本部事 八木 洋兒支部長 富田 裕樹新支部長
業への支援・支部事業活動共に目標通りに成果を上げることが出来たと確信している。」
と挨拶し、また、
この度支部長を退任する旨を告げられ、2期4年に亘る会員の協力に対して感謝の気持ちを表された。
続いて平成25年度事業報告、決算報告並びに監査報告が行われた後、富田新支部長の新任の
挨拶が行われた。富田新支部長は最初に八木前支部長のこれまでの業界活動に於ける多大なる
貢献に対してお礼を述べ、
「 関西支部の良き伝統を継承し、微力ながらも業界発展のために精励
するので、是非、会員の皆様のご協力を戴きたい。」
と挨拶した。
支部大会のもよう
続いて、平成26年度事業計画と予算書の報告、各種表彰、機材支部の製品紹介が行われた後、会
場を移し懇親会が行われた。錦戸幹事の乾杯挨拶で開宴し、各社出席者が親交を深めるなか、川崎幹
事の中締めの挨拶により散会した。翌日、希望者により上高地観光、及び、飛騨高山カントリーに於いては親睦ゴルフコンペが行われた。
「放射線透過試験 演習問題解説書」発刊予定のお知らせ
工業会では、平成26年8月にJSNDIの放射線透過試験受験者向けに、
「演習問題」
とその問題についての「解説」を主体にとして試験に向けて
の実践を重視し、また、関連する用語やきず分類などの知識を整理して
覚える工夫をした放射線透過試験解説書「RTレベル2受験者向け 放射
線透過試験 実践演習・解説」の発刊を予定しています。ご活用ください。
【講習会開催情報】
●非破壊検査基礎講習会[機材支部]
4月22日、23日/
(一財)
日本溶接技術センター/受講者25名
●JASS 5 T-608講習会[教育講習部会]
5月7日~9日/
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3
工業会会報 第91号
超音波伝搬シミュレータ SWAN21
1. 概要
SWAN21は2次元の超音波伝搬状態をリアルタイムでシミュレートする。お絵かきソ
技 術 情 報
フトのようなGUI( Graphical User Interface)により、誰でもその日から簡単に使う
ことが可能。何度でもコンピュータ上で超音波伝搬をシミュレーションできるため、探
傷方法やプローブ選定など最適な測定条件を洗い出すための仮想実験が可能。超
音波伝搬シミュレータS W A N21は超音波の研究や現象の確認にとどまらず、製品開発工程や検査測定手法の事
前検討を支援し、開発スピードの大幅な短縮、
コストダウンを実現する。
2. 利用方法
アレイプローブの伝搬解析、設計の事例を示す。
モデル図
シミュレーション結果
S W A N21の伝搬シミュレーションにより、
アレイプローブ試作前の段階で何通りものチャンネル、超音波の入射角、
収束距離で仮想実験することができ、適当なアレイプローブ仕様の目安を探ることができる。使用用途はアレイプロー
ブに限らず、垂直、斜角、水浸探触子、非接触・空中伝搬超音波検査のシミュレーションも可能。
3. 計算手法と並列処理高速計算
有限積分法(愛媛大 中畑和之准教授らが提案している並列計算法)
による高精度解析を行う。
またC P U4コアま
で、GPU(Graphics Processing Unit)
に対応することで、CPU並列計算、GPU計算によるシミュレーションを高速
に行う。
流体(空気、水)、生体の解析、P-SV波の他SH波も解析可能。
4. 用途・解析例
溶接部探傷及びレール探傷のシミュレーションによる事例を示す。
溶接部探傷写真
シミュレーション結果
モデル図
シミュレーション結果
左はシミュレーションにより溶接部欠陥の仮想探傷試験を行うことで、
ソフトプローブの有用性をデモした事例。
右はシミュレーションによりレール頭部のシェアリングきずを底部から空中から仮想探傷試験を行った事例。
その他用途例として、
ガイド波の伝搬解析、接合部・損傷部からの散乱波の評価、層状材料中の伝搬解析などがある。
詳しくはHPへ! 動画によるモデル作成、シミュレーション事例あり!
http://jp-probe.com/seihin/swan/swan.html
問合せ先 :ジャパンプローブ株式会社 研究開発センター 田中雄介 TEL:045-252-0531 e-mail:[email protected] URL:http://www.jp-probe.com
開発元:イーコンピュート株式会社(東工大発ベンチャー第24号)
4
工業会会報 第91号
「高エネルギーCT」について
1. はじめに
工業界での放射線C T(3D)画像は、高分子材料から鋳鋼品まであらゆる材質・材料が対象となっているため、使
用する線源も軟X線装置から電子加速器まで、対象物を考慮して撮影する必要が生じている。
しかしながら、放射
技 術 情 報
線の漏洩、管理、法令等の問題から1MeV以上の出力を有す線源は、
あまり利用されていないのが現状である。そこ
で、現在市販されているX線装置の中で最も高出力であるCOMET社製600kVを線源としたCTを開発する必要性
があり、当社では現在構築中である。構成内容をここに紹介する。
2. 装置概要(構成)
表1 構成装置
構成装置類は大きく分類し、X線発生装置、検出器、
構成設備
主な仕様
C T再構築ソフト、回転機構などに別けられる。それらを
X線発生器
COMET社、
出力:600kV、焦点寸法:0.4/1.0mm
表1に示す。
また、使用するX線装置を図1に示す。
検出器
(フラットパネル)
視野:8”
/16”
、
エネルギー範囲:20keV - 15MeV
解像力14/16bit
CT・回転機構等も含む 第三世代
図1 COMET社製X線発生器
(MXR-600HP/11)
3. 特徴
◦高エネルギーのX線装置(600kV)
を使用しているため、鋼100mm以上が透過可能である。
◦画像合成に影響があるアーチファクトの除去に優れたCTソフト。
◦通常のCT技術からヘリカル、
オフセット等、様々なスキャンができる画期的なCTソフトの採用。
◦検出器にフラットパネルを使用しているため、短時間で3D画像の取得が可能。
◦リバースエンジニアが可能であり、設計行程に反映できる。
◦立体的に内部の欠損、状況が評価できる。
4. 採取画像例
一例として、CT画像のレンダリングによる3D画像を図2、図3に示す。
5. まとめ(展開)
図2 エンジンブロック
(シリンダーヘッド)
図3 ダイキャスト
当社は海外の優れた高エネルギーX線発生器の国内サプライヤーである。一方、
あらゆる工業用X線に対応可能
なCTソフトを採用することにより、高エネルギーCTシステムを供給することが可能となった。現在、450kV出力の線源
を使用したCTシステムが数社から販売されているが、透過能力に満足できない対象物が多く見受けられる。
当社はCOMET社のX線装置をはじめVarian社の加速器も供給可能であり、顧客ニーズにより9MeVまでのあら
ゆる高エルギー線源を採用したCTシステムを供給することが可能である。
問合せ先 :ポニー工業株式会社 システム営業部
TEL:06-6262-2451(代) FAX:06-6263-9001 URL:http://www.ponyindustry.co.jp
5
工業会会報 第91号
アコースティック・エミッション(AE)試験の紹介
1. はじめに
アコーステック・エミッション
(A E)は、直訳すると
「音の放出」
という意
メリ!メリ!
技 術 情 報
味であるが、非破壊検査技術の一つであるアコースティック・エミッショ
ン試験(A E試験)は、材料に応力などの負荷を加えた時に材料内部
から生じる弾性波(AE波)
を捉え、
その材料の健全性や強度などを評
価する技術をいう。
もっと分かりやすく説明すると、木の枝を両手で掴
図1 音の放出の概念
みへし折ろうとすると、
「めりめり」
という
音がした後に枝は折れる。
これは、枝に力を加えることで、枝の内部
に蓄積したひずみエネルギーが枝の微小破壊を起こすことで解放さ
れ、そのエネルギーの一部が音という形で放出されるためである。A E
試験では、
この破壊に至る前の予兆音に相当する超音波領域の弾性
波を検出し、材料の健全性などを評価する。
2. AE試験における評価方法
一 般 的なA E 試 験では、図 2に示 すようなA E 計 測システムで、材
料中や表面を伝播するA E波を検出し、その強度(振幅値やエネル
ギー)や発生頻度などで材料の健全性を評価する。A E試験における
計測方法や評価方法は、計測対象により異なる。
図2 AE計測システム
図3にA E計測における代表的な評価手法としてカイザー効果(フェリシティ比)
を用いた評価手法を示す。
カイ
ザー効果とは、材料中に応力を加え、除荷した後、再度載荷すると最初の応力に達するまではA Eは発生しない現象
をいう。
この最初の最大応力σ0と次の載荷時にA Eが発生し始める時の応力σ1の比をフェリシティ比という。材料が
健全な場合には、
フェリシティ比は1に近づくが、一旦、材料の強度に影響するような損傷が起こると、
フェリシティ比は
小さくなる。
これは、強度が下がることで、
より小さな応力で破壊が進展するためである。
この現象は、古くは地圧の測定に利用されてきたが、最近では、CFRPなどの複合材料の評価に広く用いられている。
(左軸:AE発生数、右軸:荷重)
図3 CFRP引張試験のデータ例
3. まとめ
A E試験は、近年のコンピューターの性能向上に伴い、A Eデータの採取・解析能力が格段に向上し、
これまでにな
い広い分野で利用が広まりつつある。今後、A E技術がさらに発展し、多くの分野で適用されることで、信頼性の高い
非破壊検査技術として認められることを切に願う。
問合せ先 : 株式会社 IHI検査計測 営業統括部
TEL:03-6404-6033 FAX:03-6404-6044 URL:http://www.iic-hq.co.jp/
6
工業会会報 第91号
第12回資格認証試験 受験者情報
6月6日
「第12回コンクリート構造物の配筋探査技術者資格認証学科試験」が実施された。受験者情報は表のとおり。
学科(1次)試験結果
関東
関西
九州
合計
合格者
合格率
新規受験
95名
58名
33名
186名
109名
59%
建築資格取得の為の受験
36名
36名
9名
81名
70名
86%
実技(二次)
試験日程予定
受験地
関東(川崎市)
関西(大阪市)
九州(北九州市)
日 付
8月26日(火)~27日(水)
8月19日(火)
8月5日(火)
第10回 日本非破壊検査工業会 技術討論会 開催案内
特別講演1件、基調講演3件、一般講演5件及びパネルディスカッションが予定されています。討論会と合わせ開催する懇親会も情
報交換の場として参加、ご活用ください。
テーマ
「BM(Breakdown Maintenance)からPM(Preventive Maintenance)へ」
(社会インフラの事後保全から予防保全へ)
主 催
(一社)
日本非破壊検査工業会
協 賛
(一社)
日本非破壊検査協会
開催日時
会 場
後 援
東京大学 先端科学技術研究センター
平成26年7月11日
(金)9時50分~16時40分
東京大学 先端科学技術研究センター3号館南棟 ENEOSホール
懇親会会場 東京大学 先端科学技術研究センター内 「カポ・ペリカーノ」
各支部会員会社の景況感:前年同期比
指数(増加-減少)会社 東日本
2014年1月~3月
関西
西日本
機材
◦定期月次売上調査結果による対前年同期比の売上比較で増加会社と
減少会社数の差
◦増加した会社が多い場合の顔のマーク:
◦減少した会社が多い場合を顔のマーク:
2013年10月~12月
四半期比較
2013年 7月~9月
2013年 4月~6月
センサ本体
バッテリ
2013年 1月~3月
2012年10月~12月
2012年 7月~9月
探査状況
2012年 4月~6月
表示装置例
(オプション)
見えないものを 『見る』 技術
検査・調査のエキスパート
株式会社
シンワ検査
一級建築士事務所 ・ ISO(9001)品質システム認証事業者
[安全・公正・正確]
エックス線・コンクリート内部調査
建築物・土木構造物調査
非破壊検査・品質管理・派遣業務
〒224-0025
横浜市 都筑区 早渕 1-22-15
本 社
TEL: 045-590-0780 FAX: 045-590-0781
URL: http://www.shinwa-kensa.co.jp E‐mail:[email protected]
関西営業所 TEL:06‐4961‐6471 FAX:06‐4961‐6472
静岡営業所 TEL:054‐237‐4440 FAX:054‐237‐4441
名古屋出張所 TEL:052‐734‐3501 FAX:052‐734‐3502
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工業会会報 第91号
太田国土交通大臣にインフラ維持・点検に係わる要望書を提出
5月23日、工業会は松村 康人理事長以下関係者が国土交通省に出向き、インフラ点検の信頼性
を高めるため、次の二点について太田 昭宏国土交通大臣に要望し、前向きに検討するとの心強い言
葉をいただいた。
要望Ⅰ:『インフラ調査士(仮称)』公的資格制度の創設について
人材不足が懸念されるインフラ点検に広く人材の活用を図るため、インフラ点検の実務経
験者並びに非破壊検査技術者(J I S Z 2305資格者)の資格保有者(全国に約5万人の取得
要望書提出のもよう
者)
に、インフラ点検に必要な知識、技能を付加することにより、インフラ調査士
(仮称)
として活用できる公的資格制度の創設。
要望Ⅱ: 既存橋梁への配筋状況、コンクリートかぶり厚さ資格者の活用
既存橋梁の維持管理、健全性を確保するため、現在新設橋梁の検査技術者の要件とされている
「配筋探査技術資格保有者」の既存橋
梁調査への活用拡大。
「先端設備に係わる仕様等証明書発行」
について
生産性向上設備投資促進税制の先端設備に該当する設備に係わる仕様等証明書発行業務を
開始しておりますので、ご活用ください。申請手続きの案内・申請用紙等は、工業会ホームページ
(トップページ)
に掲載しております。ご質問等ございましたら事務局までお問い合わせください。
本 部 (敬称略)
会員動向
証明書発行状況 2月 3月 4月 5月
発行件数
1
17
28
24
(広報部会先端設備評価委員会)
6月1日現在、187社
(東日本支部71社、関西支部42社、西日本支部38社、機材支部36社)
入 会
■東日本
株式会社 さくら検査
代表取締役 安田 正美
〒221-0865 神奈川県横浜市神奈川区片倉2-1-55 水鳥ビル2F
TEL 045-488-6401 FAX 045-488-6402 e-mail : [email protected]
株式会社 フジテックサービス
代表取締役 藤井 重哉
〒065-0022 北海道札幌市東区北22条東3-1-35 ハイテクビル
TEL 011-596-8737 FAX 011-596-8738 e-mail : [email protected]
■東日本
株式会社 アイ・エム・シー
(支部協力員)
8
千葉事業所 所長 木津 琢也
〒260-0833 千葉県千葉市稲荷町2-11-6
TEL 043-261-7744 FAX 043-261-7369 e-mail : [email protected]