平成27・28年度調布市青少年健全育成方針 次代を担う青少年が家庭や地域のぬくもりと恵まれた自然の中で, 安全かつ快適にのびのびと遊び,学び,夢と希望をもち,いきいき と育つまちをつくることは,全ての市民の願いです。その実現に向 けて制定した「調布市子ども条例」の精神のもと,平成27・28 年度における調布市青少年健全育成方針を以下のとおり定めます。 近年,青少年を取り巻く社会環境は大きく変化しています。イン ターネットや従来型の携帯電話だけでなくスマートフォンを始めと する新たな機器等メディアの急速な普及により生活が便利になる反 面,不健全な情報が氾濫し,それらの情報へ青少年が接触する危険 性が更に増大することも懸念されています。また,いじめ,自殺, 不登校,ひきこもり等の問題への対応も喫緊の課題です。こうした 問題の解決に向けて,関係機関との連携により社会全体で取り組ん でいくことが求められており,私たちは,不断の努力をもってその 対策を確立していかなければなりません。 家庭は,青少年が温かい愛情に育まれながら心身の健やかな成長 をしていくための重要な場です。しかしながら,家庭を取り巻く社 会環境の変化に伴い,家族のふれあいが減少し家庭に安らぎやゆと りが少なくなったと言われています。また,過保護,過干渉,放任 など家庭教育のあり方が問われ,児童虐待や子どもの貧困も深刻な 問題となっています。今,市民一人一人が家庭本来の役割を再認識 し,心の通う温かな家庭づくりを実践していくことが望まれます。 学校は,青少年の学力の向上を目指す場であるとともに教師や友 人との人間関係づくりを通してコミュニケーション能力や規範意識 を学ばせたり,豊かな心を育むなど大きな役割を担っています。個々 の青少年の状況に応じた指導や命の大切さを自覚し,お互いの良さ や違いを認め合うことのできる力を伸ばす教育に取り組み,知識の 習得に偏ることなく体験を通して学ぶことで様々な問題を解決する 能力を育てていくことが求められています。 1 地域も,家庭,学校とともに青少年の健全育成に欠かせない役割 を担っています。青少年は,保護者や教師からだけでなく地域の大 人からも人間関係や社会規範を学んでいきます。しかし,都市化の 進行の中で地域の関心や連帯感が薄れ,青少年の地域への関わりも 少なくなってきています。大人も青少年も,地域社会の一員として の自覚をもち,世代を超えた交流を通して地域の中での役割を果た していかなければなりません。 行政は,青少年を取り巻く状況を的確に把握し,情報を積極的に 発信するとともに,青少年の健全育成に係る総合的な調整を図り, 有効な施策を遂行する役割を担っています。 青少年が健康で心豊かに成長し,次代の担い手となれるよう,調 布市では,次のように重点目標を設定し,家庭,学校,地域及び行 政が連携・協力し,青少年の健全育成のための諸施策を推進してい きます。 重点目標 1 心の通う温かな家庭づくりへの支援 家庭は,社会の基盤であり,家族にとって最も心安らぐ居場所 です。青少年が心豊かに成長するうえでも家庭の役割は重要です。 命を大切にする心や基本的な生活習慣を身に付けさせ,社会生活 に不可欠な常識や規範の基礎となるしつけをすることも重要な役 割です。家庭がその本来の役割を果たすためには,保護者をはじ め大人がそれぞれの役割と責任を自覚し子どもたちに愛情をもつ と同時に,自分自身も成長していくという意識をもつことが大切 です。 そのため,家庭,学校,地域及び行政が連携して心の通うあた たかな家庭づくりを支援します。 (推進事項) ・ 家庭教育の充実 ・ 家族内のコミュニケーションの増進 ・ 食育の推進 ・ 児童虐待防止のための連携強化 ・ 心豊かな子育てへの支援 ・ 教育相談,スクールカウンセラー・ソーシャルワーカー等相談 2 機能の充実 ・ 心の居場所づくりの推進 ・ 不登校及びひきこもり対策並びに特別支援教育の充実 ・ 啓発活動の充実強化 ・ 子どもの貧困対策の推進 2 青少年の社会参加活動の推進 青少年は,様々な体験や人との関わりの中で思いやりの心を学 び,自立心を育て,生きる力を身に付けていきます。しかしなが ら,近年,地域社会の人間関係の希薄化などから青少年の社会参 加の機会が減少していることや,コンピュータゲームの普及など から疑似体験が増え,生活体験や自然体験が不足していることな どが懸念されています。また,青少年の規範意識の低下やマナー の悪さなども指摘されています。 青少年が社会の中で健康で心豊かに成長するためには,文化, スポーツ,レクリエーション,ボランティア活動など様々な活動 を通して地域社会の一員として認められていることを自覚すると ともに自分自身で生活できる力を育むことが重要です。また,多 くの人々との交流を持つことで社会性を養うことも必要です。 そのため,家庭,学校,地域及び行政が連携して青少年の社会 参加活動を推進します。 (推進事項) ・ 青少年の交流活動の推進 ・ 文化・スポーツ・レクリエーション活動への支援 ・ 様々な体験活動の充実 ・ 社会貢献活動の推進のための場の整備と機会提供 ・ 青少年の居場所の充実 3 健全な環境づくりと非行防止活動の推進 電子メディア社会は,従来型の携帯電話だけでなくスマートフ ォンを始めとする新たな機器等の普及により急速に発展していま す。しかし,これらの新たな機器からのアクセスによる情報入手 は簡便さなどとともに,情報の氾濫,疑似体験の増加などをもた らしています。このことは,心身の発育途上にある青少年にとっ 3 て必ずしも望ましい状況ではありません。また,青少年を被害か ら守るためには,インターネット利用に関する親子間でのルール 作りや情報モラルを身に付けることが重要です。さらに,犯罪の 被害やトラブル等に遭った際の相談窓口等について広報啓発を行 うことが必要です。 未成年者の喫煙,飲酒,児童売春,万引きなどの問題行動や非 行は後を絶ちません。特に,危険ドラッグの青少年への広がりな どが問題となっています。これらの問題やいじめの未然防止及び 早期発見の取組の強化とともに,連れ去りや痴漢などの被害から 青少年を守るために地域ぐるみの見守りの継続も大切です。 そのため,家庭,学校,地域及び行政が連携して健全な環境づ くりと非行防止活動を推進していきます。 (推進事項) ・ 電子メディア社会から青少年を守る対策の強化 ・ 児童ポルノ撲滅への取組の強化 ・ 健全な地域環境づくりの推進 ・ 安全な地域づくりの推進 ・ いじめの未然防止及び早期発見の取組の強化 ・ 非行防止の啓発活動の推進 ・ あいさつ運動の推進 4
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