米ユーラシア・グループと 新興国投資でパートナーシップ;pdf

2015 年 3 月 30 日
プレスリリース
日興アセットマネジメント株式会社
ユーラシア・グループ
日興アセット、米ユーラシア・グループと
新興国投資でパートナーシップ
日興アセットマネジメント株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長兼 CEO: 柴田拓美、
以下、
「日興アセット」)と世界の政治リスクを分析するコンサルティング会社ユーラシア・
グループ(本社: 米国ニューヨーク、社長: イアン・ブレマー)は、日興アセットのマルチ
アセット運用戦略にユーラシア・グループが独自開発した政治的リスク指標を活用するこ
とで合意しました。世界的に増大する政治および経済的懸念を背景に、地政学的リスクの
評価・分析と資産運用、それぞれの分野で高い専門性を誇る 2 社が、リスクをコントロー
ルした新興国投資ソリューションの提供において協力体制を構築します。
ユーラシア・グループ社長で国際政治学者のイアン・ブレマーは、「現在、世界中で地政学
上の創造的破壊が起きています。政府間の協調が非常に少ない中、政治的・経済的課題が
蔓延しています。投資家にとって、ロードマップの必要性がこれまでにないほど増してい
ます。投資家は、これまで以上に慎重になっています。なぜなら、投資判断の情報が足り
ないことを認識しているからです。これこそがユーラシア・グループと日興アセットが提
供しようとしているものであり、両者の協調は革新的なものでしょう」と述べています。
ユーラシア・グループは、政治的リスクおよび、それが新興国市場の資産価格に与える影
響を体系的に定量化し、日興アセットに提供します。これは、(1)現時点における各国の政
治的な安定度を算出し、国ごとに数値化する「グローバル・ポリティカル・リスク・イン
デックス」
、(2)各国の政治的な安定度および、それがビジネス環境におよぼす将来的な影響
度を測る「政治的な観点による今後の予想」(ポリティカル・トラジェクトリー)、(3)政治
的リスクと市場価格の相関を予測する資産評価モデル、などをもとにして算定されます。
日興アセットの代表取締役会長であるデービッド・セマイヤは、
「世界中の機関投資家なら
びに個人投資家が、新興国市場がもたらす投資機会に大いに注目しています。日興アセッ
トはユーラシア・グループと協働し、ユーラシア・グループが定量化した新興国市場に関
連する地政学的リスクのデータを投資プロセスに活用することができるようになります。
これは、既に危機に陥っている、もしくはこれから危機に陥りそうな国を避けながら、広
範な投資国から利益を享受し最大化するうえで、このうえない優位性をもたらすでしょう」
と述べています。
国際通貨基金(IMF)によれば、新興国経済は 2015 年に 4.3%、2016 年には 4.7%の成長を
達成し、いずれの年も成長率 2.4%にとどまると予想される先進国経済を大きく上回ると見
込まれています。さらに、新興国市場では 2008 年の世界金融危機以降、各国間の投資リタ
ーンのばらつきが大幅に拡大しており、アクティブ運用によるマルチアセット戦略を通じ
た投資の重要性がいっそう増しているといえます。
日興アセットの調査によると、新興国の株式、債券、通貨に均等にウェイトを配分したマ
ルチアセットのポートフォリオにおいて、2008 年以前は株式によるリスクが全体の約 70%
を占めていました。そうした中、投資家は「ボトム・アップ型」で銘柄を選定するアプロ
ーチを志向する傾向が強く、一方で、ダウンサイドリスクが許容範囲内に留まるであろう
と考える投資家が大勢を占めていました。しかし、金融危機以降はポートフォリオにおけ
る債券や通貨が占めるリスクの割合が高まっており、特にボラティリティが高止まりして
いる環境においてはこのリスクが 50%程度で推移することもあります。
こうした分析を背景に、地政学的リスクにより不確実性が高まっている環境下では「トッ
プ・ダウン型」のマクロ・アプローチによる新興国市場投資が、伝統的な「ボトム・アッ
プ型」の資産選定プロセスに比べて優れた投資成果をもたらすという考えのもと、ユーラ
シア・グループのアナリストと日興アセットのマルチアセット運用チームが緊密に連携し、
ユーラシア・グループの政治的リスク分析を資産運用に体系的に組み込むプロセスを構築
しています。
ユーラシア・グループの新興国市場戦略を統括するアレックス・カザンは、
「ユーラシア・
グループは定量・定性の両データを総合的に分析して、どの国が政治関連の衝撃に対して
脆弱かを体系的に算定するアプローチを開発しました。弊社のアナリストは、現地で収集、
あるいは広く公開されている情報ソースに基づく膨大なデータを評価し、他に類を見ない
ほど広く深い実用的な情報を作り出しています」と述べています。
ユーラシア・グループの 60 余名のアナリスト集団は、アフリカ、アジア、ユーラシア、
ヨーロッパ、南米、中東、アメリカ地域の 100 以上の国々に関する政治的なリスク分析を
行っています。
日興アセットのマルチアセット グローバル・ヘッドであるアル・クラークは、
「資産運用
会社はみな、地政学的リスクに関する膨大なデータを効果的にポートフォリオ・マネジメ
ント・プロセスに取り入れる試みを続けてきました。ユーラシア・グループの政治リスク
分析やそれに基づく各国の評価により、これまでせいぜい定性的なものにとどまっていた
情報を定量化できるようになります。これは、新興国市場ポートフォリオ運用における革
新的な一歩となると確信しています」と述べています。
なお日興アセットとユーラシア・グループは今後、この戦略に基づく機関投資家ならびに
個人投資家のみなさまを対象とした投資商品を開発し、グローバルなマーケティング活動
を展開していく方針です。
以上
日興アセットマネジメントについて
日興アセットマネジメントは、日本そしてアジアを代表するグローバルな運用会社であり、
世界の投資家の皆様に一流の投資ソリューションを提供しています。世界 30 以上の国か
ら集まる豊富な人材を世界 12 カ国に擁し、290 名超の運用プロフェッショナルが 18 兆円
*余りの資産を運用しています。55 年の実践を経た投資哲学をアジアから世界へ広げてい
きます。
(上記データはすべて 2014 年 12 月末現在)
日興アセットマネジメント株式会社および海外子会社の連結運用資産残高(投資助言を含む)の 2014 年 12 月末
現在のデータ
** 日興アセットマネジメント株式会社、連結子会社および持分法適用関連会社の役社員を含む。
*
ユーラシア・グループについて
ユーラシア・グループは、地政学的リスク分析を専門とするコンサルティング会社のさき
がけとして、1998 年に発足しました。以来、60 余名のアナリストが、アフリカ、アジア、
ユーラシア、欧州、米州、中東地域の 100 以上の国々に関する政治的なリスク分析を行い、
機関投資家や多国籍企業に対し、マーケットを動かす要素となる政治リスクについてアド
バイスやコンサルティングを行っています。各国の安定性、財政・金融政策、選挙、治安、
法案や規制リスクなどに関するリスクやビジネスチャンスを分析・予測するほか、国境を
越えた地政学事項、たとえば、安全保障、貿易、エネルギー、サイバーセキュリティ、金
融規制、グローバルな公衆衛生問題なども分析しています。米国および欧州のおよそ 300
社の顧客(うち約 40 社が日本顧客)を抱えており、銀行・証券、保険、アセットマネジ
メント、大手総合商社、エネルギー会社、重工業、自動車、テクノロジー、電化製品 を
はじめとする各種製造業、政府系機関など、国際政治経済の最先端で活躍する幅広い分野
の皆様を対象にアドバイスを行うほか、政官界とも頻繁に意見交換を行っています。