28amF094 メ ロぺネ ムお よび ビアぺネ ムの腎排浬 に関す る検討 ○市村 祐一 1,斉藤 俊英 1,村部 嵩 1, 小田 雅子 1,斉藤 浩 司 1( 1北医療大薬 ) 【目的】カルバペネム ( CP)系抗生物質は,腎機能の低下 した患者や高齢者 では 投与量 を減ず る,あ るいは投与間隔 を空 けるな どの対応 が必要 とされ てい る.CP 系抗生物質の適正使用 のため,その ク リアランス機序 を明確 にす る必要があるが, CP の腎排湛機構 について不明な点が多い.そ こで,本研 究ではラ ッ ト腎皮質スラ イ ス を用 いて,メ ロペネ ム ( MEPM)及 び ビアペネ ム ( BI PM)の腎取 り込み挙動 について検討 を加 えた.【 方法】常法によ り作成 した腎ス ライスを一定時間薬物溶 液 中にてイ ンキュベ- トし,腎ス ライス中-の薬物 の取 り込み量 を HPLC 法 にて 測定 した.【 結果 ・考察 】MEPM 及び BI PM のラ ッ ト腎スライス-の取 り込み量は 腎組織 1mgあた りそれぞれ約 1 4pmol ,約 1 0pmolであった. MEPM 及び BI PM 溶 ア ミノ馬尿酸 ( P AH)又 はテ トラエチルア ンモニ ウム ( TEA)を共存 させ た 液 に pところ, MEPM の取 り込みは PAH共存下で有意 に低下 したが TEA共存下では影響 されなかった.これ に対 し,BI PM の取 り込みは TEA 共存下で有意 に低下 したが pAH に よる阻害はみ られ なかった.したがって MEPM は有機 アニオ ン輸送担体 ( OAT)の,一方 BI PM は有機 カチオ ン輸送担体 ( OCT)の基質 として輸送 され るこ とが示唆 され た.また,腎機 能低 下時 に血 中濃度 が上昇す るアニオ ン性尿毒症物 質の一つであるイ ン ドキシル硫酸 ( I S)共存下でのMEPM及び BI PM の腎取 り込み を検討 した ところ,両薬物の取 り込みは有意 に低下 した.【 結論 】MEPM と BI PM は異 な る機構 で尿細管分泌 を受 けることが明 らか となった.また,末期 腎不全 な どで I Sの血 中濃度が上昇 した際に,これ らCPの尿細管分泌の腎 ク リアランスが低 下す る可能性 のあることが考 え られた.
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