ARIB TR-B14 1世代のみ コピー可、た だし MPEG_TS で の出力禁止

ARIB TR-B14
1 世代コピー後にコピー禁
1世代のみ
コピー可、た 止*4 *8
だし
MPEG_TS で
の出力禁止 *7
1
00 以外
*9
1 世代コピー後にコピー禁
1世代のみ
コピー可、た 止*4
だし
MPEG_TS で
の出力禁止*9
0
*1: 高速デジタルインタフェース出力の場合、DTCPで規定されるSource function の Copy Neverの処理を行
う。ただし、音声ストリームのみをIEC60958コンフォーマント形式で出力する場合、No More Copiesの処
理を行う。
*2: 高速デジタルインタフェース出力の場合、DTCPで規定されるSource functionのCopy One Generationの
処理を行う。
*3: コンポジット及びコンポーネント映像出力に対して適用される。また、受信した映像信号をフォーマット
変換して出力する場合も含まれる。マクロビジョンの制御が適用されるのは、480iのコンポジット及びコン
ポーネント映像信号である。
*4: アナログビデオ出力については、本編第一部5.3、及び5.5.2を参照のこと。
*5: 高速デジタルインタフェース出力の場合、DTCPの規定に従って暗号化を行う。ただし、音声ストリームの
みをIEC60958コンフォーマント形式で出力する場合、暗号化は行わない。
*6: コンテント利用記述子が無い場合の扱いは本規定の第四編を参照のこと。
*7: 「個数制限コピー可」として記録(蓄積)可能。
*8: 「個数制限コピー可」で記録(蓄積)した場合は本編第一部5.8を参照のこと。
*9: IPインタフェースの場合は、MPEG_PS、MP4も出力禁止。
4.2
放送におけるコンテンツ保護方式の運用
4.2.1
放送におけるコンテンツ保護方式の定義
 本編第一部で称する放送におけるコンテンツ保護方式とは、放送波において安全にコンテ
ンツを保護するためのスクランブル方式と、そのための鍵情報を始めとした秘匿情報の伝送
の仕組みを総括した方式を意味する。本編第一部 7.1 に関連記載がある。
 放送におけるコンテンツ保護方式は、CA_system_id で識別され、受信機から見れば、限定
受信方式の一つとして認識される。
 有料番組においては、本規定の第五編第一部で規定する限定受信方式によって運用される
ため、限定受信方式にてスクランブルされる場合もコンテンツ保護のための制御情報を伝送
し運用を行うことが可能である。
 無料番組の放送におけるコンテンツ保護方式については、本編第一部 4.3 で規定する。
4.2.2
複数の放送におけるコンテンツ保護方式の運用
 地上デジタルテレビジョン放送において、同一 TS 内で複数の放送におけるコンテンツ保護
方式を運用することが可能である。複数方式運用の詳細に関しては本規定の第五編第二部
4.14、および、第四編を参照のこと
 複数方式運用の概要は方式の種類に関係なく以下のとおりである。
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ARIB TR-B14
-
1 つの方式において、CA_system_id はただ 1 つのみである。
-
CAT に EMM を伝送する複数の限定受信方式記述子、および、アクセス制御記述子が
配置可能である。
-
PMT に ECM を伝送する複数の限定受信方式記述子、および、アクセス制御記述子が
配置可能である。
-
CAT や PMT に複数の限定受信方式記述子やアクセス制御記述子が配置されている場
合、受信機は搭載している限定受信方式の記述子だけを解釈し、その他の方式の記述子
は無視する。
-
コンテンツ保護を行う場合、ECM は必ず伝送する。当該コンテンツで運用される方
式の CA_system_id の有効な ECM を示す限定受信方式記述子、または、アクセス制御
記述子が PMT の第 1 ループに複数配置される。
-
放送におけるコンテンツ保護方式が複数であっても、コンテンツは同じ 1 つのスクラ
ンブル鍵(Ks)でスクランブルされる。この場合、Ks は並行運用される複数の方式用
の各々の ECM で伝送される。
 コンテンツ保護目的で複数の方式を運用する場合は、必ず地上デジタルテレビジョン放送
が開始された時点で運用した方式の ECM の伝送を行う。(既発売受信機での動作の担保)
4.2.3
スクランブルの運用
 スクランブル、ノンスクランブルを受信機で判定するため、TS パケットヘッダ中の
transport_scrambling_control フィールドを正しく記載すること。
この場合、free_CA_mode は有料か無料かの判定目的で使用するため、スクランブルモード
と必ずしも一致しない。(例えばコンテンツ保護を伴う無料番組は free_CA_mode=0)
 コンポーネントが課金対象またはコンテンツ保護の対象である場合にも、本規定の第五編
第一部および第二部で規定されている ES と ECM の関係が変更される場合など、常にスク
ランブルされるとは限らない。
 デフォルト ES 群以外のコンポーネントに対し、ノンスクランブル運用を行う場合は、
PMT の第二ループに無効な ECM PID=0x1FFF を配置する。
 詳細については、本規定の第五編第一部または第二部を参照のこと。
4.2.4
有料番組、無料番組、コンテンツ保護を伴う無料番組の運用
4.2.4.1 定義
 無料番組はデフォルト ES 群が非課金のもの、有料番組はデフォルト ES 群が課金対象のも
のをいう。
 コンテンツ保護を伴う無料番組とは、放送波において安全にコンテンツの伝送を行うため
スクランブル放送を行う無料番組である。
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4.2.4.2 運用
 スクランブル運用の有無に関わらず、無料番組は、EIT において、free_CA_mode=0 で、
有料番組は free_CA_mode=1 で運用する。
 コンテンツ保護を伴う無料番組については、ECM は必ず伝送する。PMT の第 1 ループに
有効な ECM を示す PID が運用される放送におけるコンテンツ保護方式毎に 1 個のみ配置さ
れる。
 コンテンツ保護を伴う無料番組については、SDT、または EIT において CA 契約情報記述
子を配置する必要はない。
 ティア課金されたサービスでは、通常 SDT に CA 契約情報記述子が配置される。ティア課
金サービスにおいて、ある時間帯の番組だけを無料番組としてコンテンツ保護を行う場合、
この番組を、受信機で EPG を利用した予約を行う際に、無料番組であるため無条件に予約
可能であることが望まれる。コンテンツ保護を伴う無料番組においては CA 契約情報記述子
を配置する必要がないため、このような有料サービスでは、SDT の CA 契約情報記述子が優
先される。しかし、コンテンツ保護を伴う無料番組では EIT において free_CA_mode=0 で
運用することにより、受信機において無条件に予約可の番組として認識させることが可能で
ある。
 有料番組の運用については、本規定の第五編第一部を参照のこと。
 上記以外の詳細については、本規定の第五編第一部または第二部を参照のこと。
4.3
放送におけるコンテンツ保護方式の運用詳細
ここでは、地上デジタルテレビジョン放送において、コンテンツ保護を伴う無料番組の放送
におけるコンテンツ保護方式の運用詳細について記載する。有料番組においてコンテンツ保護
を行う場合においては、本規定の第五編第一部で規定する限定受信方式によってスクランブル
が運用されるため、第五編第一部を参照願いたい。
4.3.1
ARIB STD-B25 準拠方式
4.3.1.1 部分受信階層以外でのコンテンツ保護を伴う無料番組の運用
 ARIB STD-B25 第 1 部または第 3 部準拠の限定受信方式における「スクランブル有り無料
番組」の機能を利用する。
 ECM は必ず伝送する。したがって下記に規定する CA_system_id の限定受信方式記述子、
または、アクセス制御記述子が必ず、PMT 第 1 ループに配置される。デフォルト ES 群以外
の ES においてノンスクランブルを運用する場合は、PMT の第2ループにおいて無効な
ECM を示す PID=0x1FFF を配置する。
 コンテンツ保護を伴う無料番組において、Kw 更新などの目的のため EMM 伝送することが
可能である。したがって、ARIB STD-B25 準拠方式によるコンテンツ保護が運用されている
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ARIB TR-B14
場合においても、CAT に限定受信方式記述子が配置されることがある。また、コンテンツ保
護とは直接関係ないが、EMM メッセージの運用を行う場合は、本規定の 第五編に従い運用
を行う(第五編第二部の EMM メッセージの運用については TBD)。
 ARIB STD-B25 第 1 部準拠方式を用いてコンテンツ保護を伴う無料番組を運用する場合は、
受信機でコンテンツ保護を目的とした無料番組と認識する目的のため、下記の事業体識別で
運用を行うこと。
限定受信方式識別(CA_system_id)
:0x0005
事業体識別(CA_broadcaster_group_id)
:0x1E
 ARIB STD-B25 第 3 部準拠方式を用いてコンテンツ保護を伴う無料番組を運用する場合の
限定受信方式識別(CA_system_id)については、本規定の第七編で規定される。
4.3.1.2 ECMの運用
 ARIB STD-B25 準拠方式における ECM の運用については ARIB STD-B25 及び本規定の第
五編第一部 4.10、または、第五編第二部 4.8 を参照のこと。
4.3.1.3 EMMの運用
 EMM 送出仕様については本規定の第五編第一部 4.11、または第二部 4.9 を参照のこと。
4.3.1.4 部分受信階層における運用
 部分受信階層ではスクランブルが運用されないので、コンテンツ保護のための ECM、
EMM は運用されない。
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6.2.4.2 鍵の管理
コンテンツの暗号化に使用した鍵は、そのままの状態で受信機からの出力、ユーザーアク
セスバスへの出力、あるいは、記録媒体への蓄積を行ってはならない。
また、受信機固有の鍵あるいは受信機固有の情報より生成した鍵を使用するなどの安全な
鍵管理手段を用いることによって、記録媒体を他の受信機やその他の機器に接続した時、あ
るいは他機器の記録媒体に不正コピーした際には、コンテンツの再生が不可能となるように
管理しなければならない。
6.2.5
限定受信放送に係わる制御信号
ECM、EMM、ICカードインタフェース信号については、ARIB STD-B25に規定されたイ
ンタフェース以外のユーザーアクセスバス上に、暗号化されていない状態で出力してはいけ
ない。また、いかなる出力にも出してはいけない。ただし、EMMメッセージ等の放送信号
復号に関連しない信号は除く。
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ARIB TR-B14
7 解
説
7.1
放送におけるコンテンツ保護方式について
7.1.1
放送におけるコンテンツ保護方式と限定受信方式の使い分け
限定受信方式が視聴者の視聴制御を行うことを目的とするのに対し、放送におけるコンテ
ンツ保護方式は、放送波で安全にコンテンツを伝送し受信機において本規定に準拠した制御
が行われるようにすることを本来の目的とするため、本編第一部において、限定受信方式で
はなく放送におけるコンテンツ保護方式として区別した表現を使用した。つまり必ずしも限
定受信方式のように視聴者単位の視聴制御を行う必要がない。
7.1.2
複数の放送におけるコンテンツ保護方式の運用について
地上デジタル放送のコンテンツ保護においては、ARIB STD-B25第1部準拠の限定受信方
式、および、ARIB STD-B25第3部準拠のコンテンツ保護方式を含む複数の限定受信方式を
運用可能である。複数の限定受信方式が運用される場合は、CAT、PMTに複数の限定受信方
式記述子、または、アクセス制御記述子が、各々1つまたは複数配置される。本規定の第五
編第二部4.14、および第四編に関連記載がある。
複数の限定受信方式が運用される場合でも、運用される限定受信方式のうち、どの限定受
信方式に対応した受信機においてもコンテンツ保護を目的とした無料番組の視聴を可能とす
るため、下記の運用イメージのように、運用される全ての方式のECMで同一のKsの伝送を
行う運用としなければならない。
STD-B25 第1部対応
受信機
STD-B25 第 1 部準拠の ECM
共通のKsでコンテンツを暗号化
STD-B25 第 3 部準拠の ECM
STD-B25 第 3 部対応
受信機
図 7-1 コンテンツ保護目的で複数の限定受信方式を運用した場合のイメージ
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