フェアコンサルティング台湾 News Letter ~2014年8月号 Vol.2

フェアコンサルティング台湾 News Letter
~2014年8月号 Vol.2~
中小企業発展条例の修正
行政院は「中小企業発展条例」の修正案を示し、従業員の昇給を実施した中小企業については、給与
額に昇給額の30%(上限)を加算した金額を、損金として計上可能とする改正を行った。台湾政府は、
かねてより賃上げの実施を企業へ呼びかけており、今回の修正案は中小企業に対して、賃上げのインセン
ティブを与えるものである。
本修正案によると、例えば通常であれば1,000万台湾ドルを支給している企業が、100万台湾ドルの昇
給を実施し、1,100万台湾ドルを支給した場合、1,130万台湾ドル(給与額:1,100 + 昇給額の
30%:100×30%)を営利事業所得税額の計算上、損金として計上することが可能となる(下記【控除
額の解説図】を参照)。
本修正案は、9月から立法院にて審議予定であり、2015年からの施行が見込まれている。なお、本条例
は景気動向を示す指標が一定の条件に達することを適用条件としており、景気の下降局面において適用す
ることが想定されている。
【控除額の解説図】
・通常、1,000万台湾ドルを支給している企業が、100万台湾ドルの昇給を実施し、1,100万台湾ドルを
支給するケース
昇給分
100万台湾ドル
1,000万台湾ドル
昇給額の30%の
追加計上可能
130万台湾ドル
合計1,130万
台湾ドルを損金
として計上可能
1,000万台湾ドル
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LineやFacebookを利用した営業行為への課税強化
インターネットを利用した営業行為として、従来は通信販売やショッピングモールが一般的であったが、近年
はLineやFacebookを利用した取引が増加している。こうしたLineやFacebookを利用した営業行為が常
態化している場合、営利事業所得税等の納付義務が発生するため、台湾の税務当局は、調査を強化し
ている。
直近の事例として、あるグループは物件の所有者から当該物件を賃借した後、Facebook等を利用して、
別の第三者へ当該物件を賃貸することにより賃貸収入を得ていた。ところが、当該物件の所有者およびグ
ループは所得の申告を行っていなかったため、税務当局は当該状況を指摘し、税金を納付するよう命じた。
他にもインターネットを利用した営業行為が近年増加しており、台湾の税務当局はインターネット取引に関
する専門調査を実施している。営業登記および営業税の支払義務が生じる基準は、業種および営業額に
基づき以下のとおりとなる。
 販売業、製造業、飲食業等 ・・・ 8万台湾ドル/月 超~
 サービス業、賃貸業、広告業等 ・・・ 4万台湾ドル/月 超~
インターネットを利用した営業行為は調査が困難であるが、営業額が大きくなった場合には、一般的に消
費者からの通報がなされる。このような事態を引き起こさないためにも、適切に営業登記および納税申告を
行う必要がある。
【本件問い合わせ先】
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担当:伊藤潤哉(日本国公認会計士)、陳吟芳(台湾高考会計師(CPA)、日本語可)
電話:+886-2-2175-2287 FAX:+886-2-2175-2336
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