食品分析ニュースレター第5号(2014年9月)

Newsletter
Issue 5
Sep 2014
食品分析ニュース
2014年12月13日に適用されるEUの新食品表示規則、
the EU Food Information for Consumers (EU FIC)
Regulation (EC) No.1169/2011。適用まで残りわずかとなり、
大手食品メーカーの商品はすでに新ルールに則ったラベ
ル表示に切り替わっています。しかし、未だ未対応の中小
企業も少なからず存在しています。新規則において最も重
要な変更点はアレルゲン表示と栄養成分表示の義務化で
す。今回のニュースレターではEUの新食品表示規則につ
いてアレルゲン表示を中心にその内容をご紹介します。
Contents
-
特集:EUの新食品表示規則
包装前面にはどの様な情報の表示が必要ですか?
-
[EU] 遺伝子組換え微生物に関するRapid Alert
前面表示内容でFICが推奨しているのは、任意の栄養
-
[EU] 違反事例-表示
成分表示(副)のみです。表示する場合にはルールに則
る必要があります。
【特集:EUの新食品表示規則】
1. 新規則に関するFAQ
(DWFより抜粋)
単一原料製品(例えばMilk)もアレルゲンの強調表示
の対象ですか?
商品の名称からアレルゲン物質を明らかに特定できる
場合は(例えばMilk)、原材料欄における強調表示の必
要はありません。ただし、商品名称がアレルゲン物質を
直接指さず、原材料リストがない場合、”Contains Milk”
の表示が必要です。
新規則では、アレルゲンボックス表示は禁止となりま
すが、コンタミネーションの可能性がある場合の、”may
contains”表記は認められていますか?
禁止されてはいませんが、”may contains”表記について
は、FSAのガイダンスで、「消費者の選択肢が不必要に制
限されるべきではない」とし、「十分なリスクアセスメントの
結果としてコンタミネーションの可能性が明確に認められる
場合にのみ”may contains”表示は使用されるべき」として
います。
ユーロフィン・フードアンドプロダクト・テスティング株式会社
〒236-0003 横浜市金沢区幸浦 2-1-13
TEL 045-330-3004 FAX 045-330-0021
EMAIL [email protected]
WEB http://food.eurofins.co.jp/
現在の商品ラベルに栄養成分を表示していない場合、
2014年の12月13日までに表示する必要がありますか?
いいえ。包装された食品に対する栄養成分の義務表
示の適用は2016年12月16日です。ただし、栄養成分の
訴求表示がされている場合、また、ビタミンやミネラルが
添加されている商品については、栄養成分表示をしなけ
ればなりません。
2. アレルゲン表示について
新規則で表示義務となるアレルゲンは以下の14品目
です。
① グルテンを含有する穀類(小麦、ライ麦、大麦、オー
ツ麦など)
② 甲殻類(カニ、エビ、ロブスターなど)
③ 卵
④ 魚
⑤ 落花生(ピーナッツ)
⑥ 大豆
⑦ 牛乳
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⑧ ナッツ(アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ、ピーカン
ナッツ、ブラジルナッツ、ピスタチオナッツ、カシューナ
ッツ、マカダミアナッツ、クイーンズランドナッツ)
Sep 2014
【遺伝子組換え微生物に関するRapid Alert (EU)】
ビタミンB2はもともと化学合成で作られていましたが、
現在は遺伝子組換え微生物(GMMO)の力を利用して生
⑨ セロリ(セロリアックを含む)
産されるのが一般的です。例えば、Bacillus subtilusを用
⑩ マスタード
いた場合、ビタミンB2の生産量は50,000倍となります。
この度、EUにおいてはじめて、飼料中にGMMOの残留
⑪ ゴマ
⑫ 二酸化硫黄 (保存料として使用される)
DNAが確認されたとの警告がEU RASFFより発表されま
⑬ ルピナス
した (Notification 2014.1249)。公式な情報によると、問題
⑭ 軟体動物(アサリ、ムール貝、ツブ貝、カキ、エスカル
となったのは中国から輸出されたビタミンB2サプリメント
で、Bacillus subtilisのDNAが検出されたほか、クロラムフ
ゴ、イカなど)
表示の方法としては、原材料欄のアレルゲン品目に太
字、色字もしくはアンダーラインで強調します。また、原材
料欄で強調表示をしたあとで、欄外に重複し
て”Contains...”表記をすることはできませんのでご注意く
ェニコール耐性遺伝子も検出されたとのことです。
ユーロフィンでは、本件に対応する分析パッケージをご
用意しています。
《ビタミンB2 (GMMO) 残留DNA 検査》
項目: Bacillus subtilis (16s rDNA) の検出
ださい。
クロラムフェニコール 耐性遺伝子の検出
ユーロフィンでは新規則に対応した栄養成分分析やア
pUC プラスミド (組換え体特異) の検出
レルゲン検査、ラベルチェックを実施しています。是非ご
必要試料量:50g
相談ください。
納期:8営業日(検体ラボ到着日起算)
【EU違反事例情報-ラベル表示関係】
※Source : RASFF notification. 2014年1月~9月
date
notification type
subject
action taken
suffocation risk as a result of the consumption and insufficient
labelling of jelly cups from Vietnam
recall from consumers
confectionery
07/04/2014
information for attention
dietetic foods, food supplements, fortified foods
26/08/2014
alert
unauthorised novel food ingredient ginseng (Siberian) and
novel food ingredient milk thistle (Silybum marianum),
unauthorised substances arginine alphaketoglutarate and
L-carnitine fumarate in and insufficient labelling (warning only
in English language) of food supplement from the United
States, via Austria
no action taken
incorrect labelling (wrong BBD) on trout fillets in garlic from
Denmark
damaged packaging of and absence of health mark on chilled
yellowfin tuna (Thunnus albacares) from Grenada
poor temperature control of and incorrect labelling on frozen
Atlantic cod (Gadus morhua) from China
recall from consumers
fish and fish products
17/02/2014
information for follow-up
11/06/2014
border rejection
05/08/2014
border rejection
destruction
import not authorised
meat and meat products (other than poultry)
21/05/2014
information for follow-up
insufficient labelling (missing blue stripe indicating SRM which
needs removal) of chilled beef from Poland
withdrawal from the
market
poultry meat and poultry meat products
20/01/2014
information for attention
incorrect labelling (best before date) on chilled sausages from
Germany
ユーロフィン・フードアンドプロダクト・テスティング株式会社
〒236-0003 横浜市金沢区幸浦 2-1-13
TEL 045-330-3004 FAX 045-330-0021
EMAIL [email protected]
WEB http://food.eurofins.co.jp/
withdrawal from the
market