製品コード Refolding CA Large Kit 説明書 7351 大腸菌等で組換えタンパク質を発現させる際に生じた不溶性の封入体(inclusion body)を活性を有す るタンパク質として再生させる(refolding)有効な手段として、リフォールディング操作を 2 段階に 分け、各々の段階に適した種類の化合物を使用する方法が報告されています。1 ~ 3)。タカラバイオで は、この 2 段階操作を行い効率を上げた上でリフォールディングの条件を検討するためのキットとして、 Refolding CA Kit(製品コード 7350)を販売しております。本製品 Refolding CA Large Kit は、Refolding CA Kit で条件検討を行なった後、スケールアップしてリフォールディング操作を行なう場合などに 利用できるラージスケールのキットで、封入体をアンフォールディングするための塩酸グアニジンとリ フォールディングに重要な高重合度シクロアミロース(CA)を含みます。 I.内容 1.8M 塩酸グアニジン(GdmCl) 2.3% CA(高重合度シクロアミロース) 10 ml × 2 20 ml × 6 これらを溶解した際に沈澱が生じる場合があります。37℃に加温して完全に溶液を溶解 してからご使用ください。CA は、50 回の凍結融解にも安定です(ただし、CA 溶液に微 生物やアミラーゼが混入しますと開環してリフォールディング能が低下しますのでご注意 ください)。なお、本キットには、DL- シスチン、DTT および界面活性剤は含まれており ません。 II.保存 - 20℃ *適切に保存し、受取り後2年を目途にご使用ください。 III.原理 界面活性剤をタンパク質の変性溶液中に添加することにより、変性剤の濃度を希釈すると 共にタンパク質分子同士の凝集を防ぎます。次いで CA を添加し、その包接能を利用して タンパク質-界面活性剤複合体から界面活性剤を除くことによって、タンパク質を活性を 有する正しい高次構造にフォールディングさせます。 2 IV.操作 以下は条件検討時の操作手順です。条件決定後は適宜スケールアップしてご使用ください。 以下の手順に従いアンフォールディングした後、使用する界面活性剤の種類等を変えてリ フォールディング条件を検討する。 [ アンフォールディング ] 1.封入体(inclusion body)を形成したタンパク質を適当な緩衝液に懸濁する(10 mg/ml 以下が望ましい) 。 2.封入体懸濁液 24 μl に 8M 塩酸グアニジン 75 μl, 4M DTT 1 μl を加え室温で1時間放 置する。 [ リフォールディング ] 3.アンフォールド溶液 20 μl に界面活性剤(+ DL- シスチン)溶液* 1.4 ml を加え、室 温で1時間放置する。 *: 適当な緩衝液(1.33 ml)に界面活性剤(1% Tween® 40、1% Tween® 60、1% CTAB または 1% SB3-14 など)を 1/20 量(70 μl)加えて調製する。さ らにシスチンも加える場合は、この液に 200 mM DL- シスチンを 1/100 量 (14 μl)添加する。 4.上記反応液 400 μl に 3% CA 溶液 100 μl を加え、室温で一晩放置する。 5.15,000 rpm で 10 分間遠心し、上清を回収する。 VI.Q & A Q1:Refolding CA Kit(製品コード 7350)で処理可能なタンパク質の量は?また、得られ るリフォ-ルディングタンパク質の量は? A1:本キットは、リフォールディング条件の検討を行うためのキットですので、一度に 大量のタンパク質を処理することはできません。Inclusion Body を形成したタンパ ク質を 10 mg/ml 以下の濃度で懸濁し、まずアンフォールディング操作を行います。 この際、塩酸グアニジンを添加した段階で溶液の粘度が高くならなければ、操作上 は問題ありません。10 mg/ml の濃度で使用した場合、プロトコールに従った 1 回の 処理で 100%のリフォールディングが起こると、約 14 μg のリフォールディングタ ンパク質が得られます。 Q2:Refolding CA Kit でリフォールディングした後のタンパク質溶液に沈殿が再び生じる ことがあるが、どうしてか? A2:リフォールディングの過程では、CA が界面活性剤を包接し、包接化合物(白い綿状 の沈殿)を生じます。この遠心上清を集めてリフォールディングタンパク質溶液と していますが、放置しておくと、残っている CA と界面活性剤が反応して沈澱が生じ ることがあります。これを再度遠心して沈殿を除いても、リフォールディングされ たタンパク質には特に影響はありません。 Q3:Refolding CA Kit でリフォールディングした後のタンパク質溶液中のリフォールディ ングタンパク質の検出や精製は? A3:遠心上清として得たリフォールディングタンパク質溶液は、多くの場合、その まま酵素活性などの生理活性の測定に使用できます。活性測定が困難な場合は、 SDS-PAGE を行い、タンパク質のサイズを確認することで、リフォールディングの成 否が判断できます。タグ(His・Tag、GST・Tag など)を付加した組換えタンパク質 に関しては、タグを利用した通常のアフィニティ精製を行ってください。 3 VI.参考文献 1) Daugherty,D.L., Rozema,D. ,Hansen,P. E., and Gellman,S.H. (1998) J.Biol.Chem . 273, 33961-33971 2) Sundari, C.S., Raman, B. and Balasubramanian,D. (1999) FEBS lett . 443, 215-219 3) Machida,S., Ogawa,S., Xiaohua,S., Takaha,T., Fujii,K. and Hayashi,K. (2000) FEBS lett . 486,131-135 VII.関連製品 Refolding CA Kit(製品コード 7350) VIII.注意 ・ 本製品は研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用し ないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。 ・ タカラバイオの承認を得ずに製品の再販・譲渡、再販・譲渡のための改変、商用製品の 製造に使用することは禁止されています。 本製品は、独立行政法人食品総合研究所、生物系特定産業技術研究推進機構、江崎グリコ 株式会社よりライセンスを受け、タカラバイオ株式会社が製造販売しています。研究用途 以外の使用、スケールアップ、商用利用については以下へお問い合わせ下さい。 江崎グリコ株式会社新規事業本部 大阪市西淀川区歌島 4-6-5 Tel 06-6477-8281, Fax 06-6477-8278 NOTICE TO PURCHASER: LIMITED LICENSE [L22] Refolding CA Kit This product is covered by the claims of U.S. Patent No. 5,563,057. [L23] Refolding CA Kit This product is covered by the claims of U.S. Patent No. 6,852,833 and its foreign counterpart patent claims. 本製品は、独立行政法人食品総合研究所、生物系特定産業技術研究推進機構、江崎グリコ株式会社 より、ライセンスを受け、タカラバイオが販売しています。 v200908
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