HIF マンスリーレポート Vol.2「事務処理ミスの傾向分析と対策」

HIF マンスリーレポート Vol.2「事務処理ミスの傾向分析と対策」
ひろさき未来戦略研究センター
行革・連携担当
1
事務処理ミスの傾向分析
(1)件数の推移
年 度
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
1月
2月
3月
年度
合計
2月末
時点
H24年度
2
2
0
3
5
5
2
4
5
4
7
15
54
39
H25年度
3
4
2
2
3
1
1
0
1
1
2
5
25
20
H26年度
1
5
4
3
2
1
2
4
2
1
0
25
25
3か年平均
(※)
2
4
2
3
3
2
2
3
3
2
5
10
-
28
※3月は2か年の平均
(2)事務処理ミスの種類ごとの分類
分
類
件数
事務処理ミスの例
1
誤徴収・誤払い
50 件
施設使用料や行政財産使用料などの過徴収、証明書等発行手数
料の未徴収、債権者とは異なる口座への振り込み、支払金額の
不足、補助金の支払処理を失念など
2
書類等の誤送付・誤送信
23 件
書類を別人へ郵送、既納付者への督促状や催告状の送付、FAX
を別人へ送信など。
3
書類等の誤記載
14 件
各種文書の相手方氏名等の誤り、送付先アドレスの誤りなど。
4
書類等の誤交付・紛失等
17 件
生年月日が同じ別人の証明書を交付、同姓同名の別人の証明書
を交付、届出書原本を破棄など。
(3)事務処理ミスの原因や要因ごとの分類
分
1
類
チェック体制の不備による
もの
件数
事務処理ミスの原因・要因の例
104 件
・日常的に、担当者に任せきりになっていた。
・処理件数が少ない事務のため、チェックリストを作成し
ていなかった。
・ダブルチェックが行われていたものの、本来チェックす
べきポイントが見過ごされていた。
88 件
・窓口対応に追われるあまり、確認を疎かにしてしまった。
・正しいという思い込みや先入観があり、つい確認を怠っ
てしまった。
・前任者に確認することなく、誤った認識のまま業務を執
行してしまった。
2
職員の不注意・確認不足(思
い込みを含む)によるもの
3
職員の法令・業務に対する
理解不足によるもの
30 件
・経験が浅く、事務の流れを十分に理解していなかった。
・新担当者に対する係内の指導が不十分のため、事務に対
する理解が足りなかった。
4
引継ぎの不徹底によるもの
8件
・前任者が忙しく、事務の引継ぎが十分に行われなかった。
5
その他(情報連携の不備、
業務手順の未確立など)
16 件
・職員への周知が不足していた。
・複数の人を介して情報が口頭で伝えられたため、正しい
情報が担当者に伝わらなかった。
・全体の3割から4割の事務処理ミスが年度末に集中し、5月にかけて微増
・事務処理ミスの5割が「誤徴収・誤払い」で最多
・事務処理ミスの3割が「情報データの入力・作成」に関係した作業
・全ての事務処理ミスに共通するのは「チェック体制の不備」
・チェック体制の不備による現金収納ミスが未だに発生
・事務処理ミスのほとんどが「職員の不注意・確認不足(思い込みを含む)」
2
対策
(1)事務処理ミスを防止するための3つの基本
・職員一人ひとりが事務処理ミスを防止しようと強く思うこと
・事務処理上のリスクを把握し、ミス防止に必要なポイントを明確にすること
・チェックを複数の職員で組織的に実行すること
(2)これからの基本的な対策
・チェックリストの活用
ミスの発生が想定される事務については、すべてチェックリストを作成する。
チェック体制が機能し続けるよう所属長による定期的な点検を実施するとともに、チ
ェックリスト自体に欠陥がないか、誰が見てもチェックできる内容となっているかな
ど、その有効性についても随時検証を行い、より良いものに改訂していく。
・事務の全庁点検の実施
ミスが発生した場合は、同じようなミスを二度と発生させないために、再発防止の
ための対策が適切に講じられているかなどについて、全庁的な事務の点検を実施する。
・引継ぎの徹底、マニュアルの充実
引継書については、予算特別委員会資料等を活用して、日常業務の中で改訂作業を
行い、マニュアルやチェックリストを加えて、内容の充実したものを後任の職員へ確
実に伝達する。
マニュアルも、事務を行いながら作成・改訂を行い、事務手順の標準化を進める。
・スタートアップ・ミーティングの活用
注意しなければならない事務処理を課内で情報共有し、注意点や役割分担等を確認
し合い、ミス防止を図る。
・過去の事務処理ミス事例の学習、事務やシステム等の見直し、研修の実施
3
事務処理ミスが起きてしまったら
・起きてしまった原因や未然に防げなかった原因を徹底的に究明し、明らかにする。
・職員一人ひとりが今後の事務処理やチェック体制のあり方を真剣に考える。
・ミスの原因は決して一つではなく、必ず複数存在する。それを掘り下げ、原因の中で
も核となるものを明らかにして、真の原因に対する改善策を講じることが、再発防止
にとってより効果的である。