医療用麻薬等の 取扱いについて

兵庫県 薬務課
医療用麻薬等の
取扱いについて
兵庫県健康福祉部健康局薬務課
薬務対策班
1
麻薬の流れは一方通行
(かつ、同一県内のみ)
麻薬卸売業者
麻薬診療施設×麻薬小売業者×麻薬研究施設
× 原則はできないが・・・
麻薬小売業者
2
麻薬の譲渡・譲受①
購入できる相手は、兵庫県内の麻薬卸売業
者のみ
麻薬譲渡証と麻薬譲受証の交換が必要
麻薬譲受証は、あらかじめ交付するか、
あるいは同時交換
麻薬譲渡証の保存は、交付を受けた日から
2年間
3
麻薬の譲渡・譲受②
麻薬譲受証
・免許の種類、免許番号
・譲受人の氏名(法人は名称、代表者の職氏名)
・麻薬業務所の所在地、名称
・譲受する麻薬の品名、数量、製品番号
押印(法人は、代表者印又は専用印)
4
麻薬の譲渡・譲受③
麻薬専用印(法人の場合)
・原則、法人の代表者印
ただし、本社が遠隔地等事務に支障をきたす
場合、店舗毎に麻薬専用印を使用することが
可能
・覚せい剤原料と兼用可能
・専用印に記載すべき文字
法人名と麻薬専用等の文字
5
麻薬の譲渡・譲受④
麻薬専用印
必ずしも店舗名、代表者名は必要としない
見本
株式会社 ○○
麻薬及び覚せい剤
原料専用印
6
麻薬小売業者間譲渡許可①
麻薬在庫不足により調剤出来ない場合に限り、当
該不足分を近隣の麻薬小売業者間で譲渡・譲受が
可能
条件
譲受人:当該麻薬処方箋の写し及び譲受確認書
をあらかじめ交付、又は麻薬と同時交換
譲渡人:麻薬と引き換えに譲渡確認書を交付
麻薬処方箋写し及び譲渡又は譲受確認書は2年間
保存すること
原則麻薬は各薬局で備えておくべきもの
7
麻薬小売間譲渡許可②
留意事項
(1) 共同して申請するすべての麻薬小売業
者が同一の市区町村内である場合につ
いては、当該申請は原則認める。
(2) 申請は、近畿厚生局麻薬取締部
(兵庫県は経由しない)
8
外来患者への麻薬の交付①
麻薬処方箋による調剤、交付(手渡し)のみ
・薬局と病院等の間での貸し借りは禁止
・卸売業者への返品は禁止
・交付する相手
患者又は患者家族
患者等の意を受けた看護師、ホームヘルパー、
介護福祉士、ボランティア等
(書面、電話等で確認)
本人確認は、現場での柔軟な対応に委ねられる
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外来患者への麻薬の交付②
麻薬注射剤
患者、家族等に薬液を取り出せない構造で麻薬施
用者が指示した注入速度を変更できないものを手
渡す場合のみ可
例、バルーン式ディスポーザブルタイプ連続注入器
ただし、患者の意を受け麻薬施用者の指示を受け
た看護師が患者宅へ麻薬注射剤を持参し、患者へ
の施用を補助する場合はこの限りではない。
(麻薬小売業者が患者宅へ麻薬注射剤を持参し、
麻薬施用者から医療上の指示を受けた看護師に
手渡す場合を含む)
10
麻薬の保管・管理①
業務所内に設けた鍵をかけた堅固な設備に保管
人目につかず、関係者以外の出入りのない場所に保管
鍵をかけた堅固な設備とは
・固定した金庫又は容易に移動できない金庫
(重量金庫)
・ダイヤルと錠等の二重施錠
・固定されていない手提げ金庫、スチール製の
ロッカー、事務机の引き出し等は不可
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麻薬の保管・管理②
麻薬保管庫内に、麻薬以外の医薬品、
帳簿等を一緒にいれることは不可
麻薬保管庫は、出し入れのとき以外
必ず施錠
定期的に帳簿と在庫を確認
在庫確認した旨の記録を帳簿に残すことが望
ましい
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麻薬処方箋の受付
麻薬処方箋の記載事項
一般処方箋記載事項以外に、
①患者の住所 ②麻薬施用者の免許番号
※H27年有効な施用者免許番号の頭数字は、
「2○○○○」、「3××××」、「15△△△△」
ファクシミリによる調剤開始
・後刻、実物の麻薬処方箋を受領・確認してから交付する
・受け取りに来ない場合は、再利用可
・再利用できない場合は、事前に麻薬廃棄届を提出する
偽造処方箋(カラーコピー等)
疑義があれば、医師に照会
13
麻薬帳簿①
麻薬の現品の有無に関わらず備える
記載事項
・譲渡譲受した品名、数量、年月日
・口座は、品名、剤型、規格別に作成
・コンピュータによる帳簿は定期的な出力が望ましい
・自然減量や秤量誤差は開設者又は管理薬剤師
もしくは麻薬管理者が立会人のもとに補正
・麻薬事故届を提出した場合は、備考欄に事故年月日
や届出年月日
14
麻薬帳簿②
帳簿の記載は、ボールペン等消えないものを使用
帳簿の訂正は、二本線等により判読可能なように
抹消(修正テープ等は使用しない)
譲受け・譲渡しがあった都度記入
帳簿は、最終の記載日から2年間保存
15
患者等からの譲受(麻薬)
患者の死亡等により返却された麻薬
・品名、数量、年月日を帳簿(補助簿)に記載
・同じ日に複数の患者からが返却があれば、区別
し記載
・返却麻薬の受取りは、交付した麻薬以外の麻薬も可
患者等から返却された麻薬は、再利用できない
・調剤済麻薬廃棄届の提出(廃棄後30日以内)
・開設者又は管理薬剤師もしくは麻薬管理者以外に立
会者が必要
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麻薬の廃棄
麻薬廃棄届
陳旧、変質、汚染、割れ、調剤ミス麻薬を廃棄する場合
・あらかじめ届出
・麻薬取締員や健康福祉事務所職員の立会が必要
調剤済麻薬廃棄届
患者等からの返品があった場合
・廃棄した後、30日以内に届出
(複数ケースを1つの届出書で提出可)
・開設者もしくは管理薬剤師と他の職員の立会が必要
・麻薬帳簿もしくは廃棄用補助簿に受け入れ及び廃棄した
旨の記録を残す
17
麻薬事故届
所有する麻薬に、滅失、盗取、破損、流出、
所在不明等の事故が生じた際に届出
すみやかに届出をする
事故の状況を明らかにして
盗取された場合(疑いも含む)は、警察署にも
届出
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麻薬の年間届
報告対象
・10月1日現在、麻薬小売業、麻薬管理者(管理者
のいない病院・診療所においては麻薬施用者)の
免許取得者
報告事項
・前年10月1日に所有していた品名、数量
・前年10月1日~その年の9月30日までの間に譲り
受け、交付した品名、数量
・その年の9月30日に所有する品名、数量
・「在庫なし」でも報告が必要
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麻薬の取扱いをやめた時
(例)業務廃止日 10月31日
業務廃止届 15日以内 11月15日まで
所有麻薬届(在庫なしでも必要) 15日以内
麻薬の在庫がある場合
(廃止後50日しか所持できない)
50日を過ぎると不法所持
それまでに麻薬譲渡届(県内にかぎる)又は麻薬廃
棄届により対応
※50日を過ぎた場合は早急に薬務課もしくは管轄する
健康福祉事務所に連絡を入れ、指示を仰ぐこと
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携帯輸出入
携帯許可
患者が、自己の疾病の治療目的で麻薬を携行
して輸出入する場合は、近畿厚生局長の許可
が必要
申請先
申請は、直接、近畿厚生局麻薬取締部に提出
電話06-6949-6337
21
向精神薬の保管・管理
保管
・業務所内の人目につかない場所で保管
・盗難防止に努める
・従業員がいない時間は、鍵をかけた設備内で保管
(可能な限り、鍵付きの保管庫等に保管すること)
平成23年度には県内で盗難事例数件あり
偽造処方箋(カラーコピー等)
処方箋の精査
疑義があれば、処方医に照会
(ハルシオン、レンドルミン、マイスリー等注意が必要)
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向精神薬の記録
記録
・第1種及び第2種向精神薬を譲り受け、譲り渡し
又は廃棄したときに必要
(第3種についても記録を残すことが望ましい)
内容:品名、数量、その年月日
相手の氏名又は名称及び住所(廃棄の際は不要)
・向精神薬の記載された伝票を保存することで譲り受け
の記録に代えることが可能
他の医薬品伝票と別に保存する
23
向精神薬事故届
所有する向精神薬に、下記の数量以上の滅失、盗
取、所在不明その他の事故が生じた時に届出
末、散剤、顆粒剤
100グラム(包)
錠剤、カプセル剤、坐剤
120個
注射剤
10アンプル(バイアル)
内容液剤
10容器
経皮吸収型製剤
10枚
すみやかに届出をする
事故の状況を明らかにして
盗取された場合(疑いも含む)は、上記の数量以下
の場合でも届出し、警察署にも届出
24
覚せい剤原料の譲渡・譲受
覚せい剤原料譲渡証と覚せい剤原料譲受証
の交換が必要
覚せい剤原料譲受証は、あらかじめ
交付するか、あるいは同時交換
覚せい剤原料譲渡証の保存は、交付を受
けた日から2年間
覚せい剤原料の譲り渡しは、原則処方箋によ
る譲り渡しのみ
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覚せい剤原料の保管・記録
保管
鍵をかけた場所に保管
・保管庫が容易に持ち運び出来る場合は床
等に固定する
・業務所内の人目に付かない場所で保管
記録
帳簿を備え、麻薬と同様の記録を残すことが望
ましい
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覚せい剤原料の廃棄
覚せい剤原料廃棄届
①陳旧、変質、汚染、割れ、誤調剤を廃棄する場合
②処方変更があった場合
(再利用不可)
・あらかじめ届出
・薬務課や健康福祉事務所職員の立会が必要
※無届廃棄の違反事例が多く発生しています。
患者等からの廃棄依頼(持参)があった場合
・患者等の廃棄の補助
・麻薬のように譲り受けができない
※麻薬のような「調剤済廃棄届」はないため
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その他覚せい剤原料に関する届出
覚せい剤原料事故届
麻薬事故届同様の扱い
業務所を移転・廃止・法人化等した時
所有数量報告(在庫なしでも必要) 15日以内
(様式名称:指定の失効等に伴う所有覚せい剤原料報告書)
・覚せい剤原料の在庫がある場合
(廃止後30日しか所持できない)
不法所持
それまでに指定の失効等に伴う覚せい剤原料譲渡報告書
又は廃棄届により対応
※30日を過ぎた場合は早急に薬務課もしくは管轄する
健康福祉事務所に連絡を入れ、指示を仰ぐこと
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