SPring-8 BL46XU VG-Scienta R4000用 HAXPES自動測定システム マニュアル JASRI産業利用推進室 陰地宏,松本拓也,安野聡 (2014年7月8日改定) 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 1 GUIプログラムの立ち上げ 1. ショートカット 「System_Grabber.exe」をクリックす る。 2. SPECのログファイルを指定する。 3. 通常は「いいえ」を選択する。 ※もし,GUIのトラブル等でGUIを再起動した場合 など,直前のシーケンスを復活させたい場合 のみ,「はい」を選択。 • GUIプログラムが立ち上がる。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 2 試料を測定槽に導入する 1. 以下を確認する ・ロードロックの真空度が3×10-4 Pa以下であること。 ・ゲートバルブが開いていること。 2. GUIのメニューバーから 「Manipulator」 →「入れる」 を選択し,試料を測定槽に移動す る。 ※GUIプログラム操作上の注意 GUIプログラムは,GUI上でのユーザーの操作を判断して,SPECにコマ ンドを送信している。SPECの動作が終わるまで,次のコマンドは受け付 けられないので,SPECのコンソール上でプロンプトが戻るまで,次の操 作をしないようすること! 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 3 R4000とTCPサーバ(LabVIEW)の立ち上げ(1) 1. R4000制御PCのデスクトップ上の ショートカット「Start_R4000.exe」を クリックし,Start R4000.viを立ち上 げる。 2. 白矢印をクリックする 3. 初期化が終了するまで,しばらく 待つ(50秒程度) 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 4 R4000とTCPサーバ(LabVIEW)の立ち上げ(2) 1. 「HVユニットの電源をONにしてくだ さい」ダイアログが表示されたら, 測定槽の真空度が所定の真空度 (3×10-5 Pa)以下になっていること を確認してから,アナライザー電源 のスイッチをONにする。 赤LED ランプ ・LEDランプは電源投入後数秒間 間点滅するが,その後消灯する。 ※もし点灯・点滅状態がしばらく続く 場合,装置の異常が疑われるの で,電源スイッチをOFFにする。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 5 R4000とTCPサーバ(LabVIEW)の立ち上げ(3) 1. Kinetic Energyを設定する。 ※デフォルト値は7853 eV (Au 4f)。 ※Au以外のKEで位置合わせする場合,当該準 位のKEに設定しておくと良い。 2. HV ON/OFFスイッチを押す。 3. KE, Screen, MCPの各電圧が昇圧 するまで待つ。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 6 R4000とTCPサーバ(LabVIEW)の立ち上げ(4) 1. Start TCP serverボタンを押す。 • TCP サーバが立ち上がる。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 7 保存ディレクトリの設定 1. GUIのメニューバーから 「ホーム」 →「保存ディレクトリを指定」 を選択し,保存ディレクトリ名を指 定する。 ※ディレクトリ名は YYYYMMDD_name の書式で設定。 例:20140704_JASRI 2. TCPサーバの保存ディレクトリが更 新されていることを確認する。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 8 試料位置調整(0) 測定レイアウトの確認 ② ③ ① ④ ⑥ ⑤ 試料貼付面の番号 eTake-Off-Angle (TOA) 試料,アナライザー,X線ビームの位置関係 x-ray 出射角(TOA)定義 カメラ設置位置 ※直出射に一番近い条件 ⇒TOA=80° カメラ2 アナライザー レンズ軸方向 カメラ3 水平面内の斜め45度方向 2014/7/8 カメラ1 X線ビーム 斜め上 45度方向 HAXPES自動測定システムマニュアル 9 試料位置調整(1) 粗調整 1. 測定する試料貼付面の番号(Face Num)とTOAを入力し「変更」ボタン を押す。 2. 試料位置が測定位置の付近まで 移動する。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 10 試料位置調整(2) CCDカメラ画像による調整 • カメラ選択コンボボックス(①)でカ メラ1とカメラ2を切り替えながら, 試料位置の微調整を行う。 ③ ① ② • サンプル移動ラジオボタン(②)を クリックして試料画像をクリックす ると,クリックした位置にケガキ線 の位置に移動する。 • 微調整パネル(③)上の矢印ボタ ンで試料位置を微調整できる。数 カメラ1視点 字を変更するとボタンを押したとき の移動距離を変えることが出来る (単位:mm)。 • カメラ1視点でxs方向の調整を行う。 • カメラ2視点でys方向とzs方向の調 整を行う。 カメラ2視点 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 11 試料位置調整(3) Kintetic Energy (KE) の設定 ① ② ③ ④ 1. 元素選択コンボボックス(①)で元 素を選択する。 2. 内殻準位選択コンボボックス(②) で内殻準位を選択する。 • 元素と内殻準位に対応するKEがテ キストボックス(③)に設定される。 ※テキストボックスを編集してKEを手動で設定 することもできる。 3. 「変更」ボタン(④)を押しKEを設定 値に変更する。KEが指定の値にな るまでしばらく待つ。 ※SPECのコンソール及びTCPサーバの画面を 見れば,KEが変更中であるかどうか判断でき る。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 12 試料位置調整(4) 光電子強度による調整 ① 1. 「Live mode start」ボタン(①)を押 し,光電子のリアルタイムモニタを 始める。 2. 光電子強度(②)及び検出器の CCDカメラのイメージ(③)を見なが ら,試料位置を調整。 ③ ② ※以下は必要に応じて ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 3. スキャン軸(④)と,スキャン開始 (⑤) ・終了点(⑥) (相対位置), データ点数(⑦) ,1点当たりの データ蓄積時間(⑧)を設定し,開 始ボタン(⑨)でスキャンを開始す る。SPECで光電子強度がプロットさ れる。 4. Max, Center, Define, Exitのいずれ かを選び,試料位置を適切な位置 に試料を移動する。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 13 試料位置調整(5) 測定位置のセット ① ② ③ 1. Position名をテキストボックス①に 入力し,set positionボタン(③)を 押す。Position番号は自動的に連 番になる。 ※既存のpositionを上書きしたい場合はテキス トボックス②に既存のposition番号を入力しset positionボタンを押す。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 14 測定領域(Region)の設定 ② ① 1. 「連続測定」タブ(①)をクリックし, 測定条件入力モードにする。 2. Region作成ボタン(②)を押す。 ③ ⑥ ④ ⑦ ⑤ 3. Region_DialogでRegion名(③)と 測定開始(④) ・終了エネルギー (⑤) ,エネルギーステップ(⑥) , データ溜め込み時間(⑦)を入力し, OKボタン(⑧)を押す。 ⑧ ※Regionを設定したら,region fileを保存しておく とよい。 方法:メニューバーから 「パラメータ入出力」 →「regionリストを出力」 を選択 ※保存したregion fileを読み出すこともできる。 方法:メニューバーから 「パラメータ入出力」 →「regionリストを読み込む」 を選択 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 15 測定シーケンスの設定及び測定開始 1. 測定位置を設定(①) 。 ① 2. 測定領域を設定(②) 。 ② ③ ④ ⑤ 2014/7/8 3. sweep回数を設定(③) 。 4. 測定予定シーケンスにチェック (④) 。(ファイル名が自動的にセッ ト。手動変更も可。) 5. スタートボタン(⑤)を押し、シーケ ンスを開始。 HAXPES自動測定システムマニュアル 16 測定の途中終了 1. Stop Sweepボタン(①)を押す。 ① 2. 現在の測定を「今すぐ止める」 か「最後まで測定して止める」か, 選択する。 3. 次の測定に「移る」か「移らな い」か,選択する。 4. 本当に測定を止めるかどうか, 選択する。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 17 R4000とTCPサーバ(LabVIEW)の立ち下げ ① ② 1. 「Stop TCP server」ボタン(①)を押 し,TCP サーバを終了する。 2. HV ON/OFFボタンを押す(②) (緑 色ランプが消灯する)。 3. KE, Screen, MCPの各電圧が初期 値に降圧するまで待つ(数分かか る)。 4. この間,試料をロードロックに退避 しておくと良い。 方法:メニューバーから 「Manipulator」 →「出す」 5. 「HVユニットの電源をOFFにしてく ださい」ダイアログが表示されたら, アナライザー電源のスイッチをOFF にする。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 18 トラブルシューティング(1) システムハングアップ時の復旧手順 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 実験ハッチを開け、アナライザーの電源をOFF。 LabVIEWのエラーダイアログを閉じる(LabVIEWが強制終 了する)。 SPECのプロンプトが表示されない場合は Cntl + c を入力し、SPECのマクロを停止する。 TCPサーバを再度起動する。 アナライザーの電源をON。 アナライザーの電圧を昇圧する。 TCPサーバを起動する。 測定を開始する。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 19 トラブルシューティング(2) GUIプログラム再起動 1. 「閉じる」ボタンを押す。 2. Region fileを保存したい場合, 「はい」を選択する。 3. シーケンスを一時ファイルに保存 したい場合,「はい」を選択する。 4. GUIを起動する。 ※「GUIプログラムの立ち上げ」の項を参照 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 20 トラブルシューティング(3) 「SPECが動作中です」というダイアログが表示され GUIで操作ができない場合 1021.SCIENTA> 1. SPECのプロンプトが表示され, SPECが動作中でないことを確認。 2. メニューから 「Staff用」 →「ロック解除」 を選び,ロックを解除する。 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 21 参考:自動測定システムの概略 従来システムでは、R4000はVG-Scienta製のソフトウェア、試料位置はSPEC システムにより、互いに独立に制御されていた。我々はVG-Scienta提供の LabVIEW用ライブラリ(SES Wrapper)を用いてR4000を制御するTCPサーバを 新規に作成し、SPECからTCPサーバにソケット通信でR4000制御用コマンドを 送信する方式で、両者の制御を統合した。さらに煩雑なコマンド入力が必要 とされるSPECにGUIをかぶせることにより、操作を容易にした。本システムの 導入により以下のことが可能となった。 •容易なアナライザー電圧設定。 •試料観察CCDカメラ画像を見ながらの直感的な試料位置調整。 •光電子強度の試料位置スキャン。(試料表面上にパターンを形成した試 料などで、より正確な位置あわせが可能。) •複数の測定位置をまたぐ自動測定。 2014/7/8 Ver. 2014/7/8 HAXPES自動測定システムマニュアル 22
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