2014年7月のからだの健康相談通信

2014
8 月号
7月のご利用状況をお知らせいたします
各地で大雨や落雷による被害、水の事故、熱中症で救
急搬送される方が増えているなど、気がかりなニュース
が続きます。子どもたちだけでなく、たくさんの方が楽
しみしている夏休み、突然の事故や病気を防ぎながら、
安全に元気に過ごしたいものです。
相談室にも数多くの応急処置に関する相談が寄せられ
ています。「ハチに刺された」「骨がのどに刺さった」
「火傷をした」「子どもが異物を口にした」「けがをし
た」「動物や虫に噛まれた」「子どもが風呂場で溺れそ
うになった」など、その内容はさまざまです。このよう
なご相談をいただくときは、ご相談者様は大変に慌てて
いらっしゃいます。対応する相談員は、まずは、今のか
らだの状態が電話で相談を受けてよい状態かどうか、す
なわち救急車要請が必要な状態ではないかを確認しなが
ら、落ち着いてお話いただけるようなお声がけをします。
そして、症状の程度を伺いながら、受診の目安や受診の
仕方、医療機関の情報、家庭での手当の方法や症状の観
察ポイントなどをお伝えしています。
特に事故やけがは思いもよらないタイミングで起こり
ます。高齢者や小さな子どもは、危険があっても気がつ
かなかったり、自分では防げなかったりすることが多い
ので、周囲の方が目配り、気配りを行い、予防に努める
必要があります。また、万が一に備えて、救急箱、かか
りつけ医や近くの救急受診が可能な総合病院などの連絡
先、健康保険証や診察券、電話健康相談のフリーダイヤ
ルなどをわかりやすい場所に準備しておくのもよい方法
です。
電話健康相談は、24時間365日営業しております。
相談員一同、丁寧で信頼していただける対応を心がけて
まいりますので、安心していつでもご利用ください。
以下の公益社団法人 日本小児科学会のホームページで
は、子どもの事故や急な症状への対処の方法が、大変わ
かりやすく紹介されています。参考になさってください。
● http://kodomo-qq.jp/
● http://kodomo-qq.jp/jiko/index.php
看護師
7月の相談件数
川杉貴代
【10,362件】
からだの相談内容TOP10
1.応急処置
2.皮膚の症状
3.全身的な症状
4.消化器の病気
5.運動器の病気
580
525
390
357
349
342
338
284
280
276
6.専門医
7.手足についての症状
8.心の病気
9.脳神経の病気
10.医療機関情報
受診をためらっていましたが、後押しをしていただきました
不正出血があり、もしかしたら悪い病気ではないかと
心配で、眠れない夜を過ごしていました。すぐに受診
をする勇気がなくて、こちらへ相談しました。相談員
さんに不正出血の原因や検査のことなどを
丁寧に教えていただきました。受診につい
ても後押しをしていただきました。今日、
検査結果を聞いてきましたが、大きな病気
がないことがわかり、ほっとしています。
思い切って受診してよかったです。
50代 女性のご相談者様
気になる症状があっても、病院に受診す
るまでには、さまざまな思いが湧いてく
ることが少なくありません。ご相談いた
だくことで、受診する勇気が出た、心配
な気持ちが整理できたとおっしゃ
られる方が少なくありません。
どうぞ、いつでもご利用ください。
専門相談員 看護師
保健同人社 電話健康相談室 2014年8月11日発行
Copyright(C)2014 HOKENDOHJINSHA Inc. All Right Reserved.
当通信について無断での複製・転載・編集はご遠慮ください
「大人の病気」「子育て」「女性の健康」「メンタルヘルス」「高齢期の健康」「栄養」
6つのカテゴリーから、相談事例を紹介します。
妊娠中です。子どもが生まれたら、できるだけ母乳で育てたいと考えています。乳腺炎にかからな
いように注意したほうがよいと聞きましたが、乳腺炎の原因、症状、対処方法を教えてください。
20代
女性
産褥期(さんじょくき:分娩終了後からからだが非妊娠時の状態に回復するまでの期間のこと、一
般には産後6~8週間頃)にみられる乳腺炎には、ふたつのタイプがあります。それぞれ原因、症状、
対処法が異なります。ひとつは、うっ滞性乳腺炎で、これは乳腺内に乳汁が滞ってしまうことで起こ
るもので、本当の意味での炎症ではありません。もうひとつは化膿性乳腺炎といい、乳汁うっ滞に細
菌性感染(主にブドウ球菌)が加わって起こります。
うっ滞性乳腺炎の症状は、乳房の腫脹(はれ)、痛み、熱感、硬結(こうけつ:柔らかい部分が硬
くなった状態)、皮膚の赤みなどです。全身の症状はありません。
化膿性乳腺炎の症状は、黄色い乳汁、38℃以上の発熱、悪寒、倦怠感、乳房の腫脹、痛み、熱感、
皮膚の赤み、乳房の血管の怒張、わきの下のリンパ節の腫脹などです。
家庭での対処法は、うっ滞性乳腺炎であれば、回数を多く授乳し、たまった乳汁を外に出します。
また、赤ちゃんの抱き方をいろいろ変えて、吸ってもらうのもよいでしょう(例えば、子どもをフッ
トボールを抱えるように抱いたり、たて抱きにしたり、ラッコ抱きにするなどして乳腺をカラにする。
クッションや枕を使って固定するとよい)。必要に応じて搾乳も行います。症状が軽い場合には、授
乳の前や授乳中にしこりの部分を乳頭に向かってやさしくマッサージします。乳房が熱を持っている
場合には、濡れタオルなどで冷やします(氷や保冷剤での冷やし過ぎは禁物)。その他、きつすぎる
ブラジャーは避けて、ゆったりとした服装にします。また、水分を十分にとって休息を心がけます。
化膿性乳腺炎の場合には、症状が出始めて24時間以内であれば、助産師によるケアで症状が改善
することがあります。乳房ケアができる助産院、お産をした病院にすぐに連絡をしてみましょう。乳
房を冷やす、ゆったりとした服装にする、水分摂取や休息が勧められるのは同様です。助産師による
乳房ケアで効果がないもの、24時間を過ぎたものについては、抗菌剤による治療や切開して膿(う
み)を出す治療が必要になりますので、早めの受診をお勧めします。
先日、眼科で中学生の子どもの眼鏡の処方箋を作ってもらいましたが、眼鏡の購入はしばらく先に
なりそうです。眼鏡の処方箋に有効期限はありますか。
40代 女性
薬の処方箋の有効期限は4日以内と法律で決まっていますが、眼鏡の処方箋については法律上の規
定はありません。通常、眼鏡は1回作れば数年間は使用します。そうそう度数が変化するものではあ
りませんが、だからと言って、処方箋が出されてから半年先や一年後に眼鏡を作ることをお勧めする
こともできません。特に子どもの場合には、短期間で近視が進むなど、度数の変化が大きいこともあ
ります。
医療機関によって、お伝えする眼鏡の処方箋の有効期限は異なりますが、大人であれば2、3か月
以内、子どもであれば1か月以内に眼鏡を作成していただくのがよいでしょう。
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