∼8.決算管理(消費税含む)操作編∼

∼8.決算管理(消費税含む)操作編∼
平成 27 年1月
JA長野県営農センター
(株)長野県協同電算
1.このマニュアルについて
<はじめに>
JA長野県らくらくWeb農業簿記システム(以下、らくらくWeb簿記)は、決算
管理に必要な各種帳票出力、棚卸、家事関連費用の計算機能が盛り込まれています。こ
のマニュアルは、らくらくWeb簿記における決算管理関連の操作をまとめたものです。
<目次>
1.このマニュアルについて・・・・・・・・1ページ
2.決算管理に関する操作について・・・・・2ページ
3.消費税について・・・・・・・・・・・・3ページ
4.各種帳票について・・・・・・・・・・・4ページ
5.棚卸について・・・・・・・・・・・・・5ページ
6.家事按分について・・・・・・・・・・11ページ
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2.決算管理に関する操作について
決算管理に関する操作は、らくらくWeb簿記トップメニューの「決算メニュー」内に
ある「決算管理」にて行います。ここで、
「各種帳票」、
「棚卸」および「家事」に関する情
報を登録します。
(農業用の「青色申告決算書」、
「e-Tax 組込用決算書データ
ード」については、「農業用青色申告決算書操作編」をご覧下さい。)
ダウンロ
各メニューの操作は次のとおりです。
決算管理
●各種帳票
消費税区分別科目
集計表
消費税区分別科目集計表を出力します。
課税取引金額集計表
課税取引金額集計表を出力します。
●棚卸
棚卸登録
期首・期末の棚卸に関する情報を登録します。
棚卸一覧表
棚卸一覧表を出力します。
棚卸仕訳変換
棚卸の決算仕訳変換を行います。
棚卸データ
アップロード
CSV形式で作成したデータをらくらくWeb簿記に取り込みま
す。
●家事
家事関連費割合登録
家事関連費の割合を登録します。
家事関連費仕訳変換
家事関連費の決算仕訳変換を行います。
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3.消費税について
消費税は、売上に含まれる消費税(仮受消費税)と経費に含まれる消費税(仮払消費税)
の差額を申告して納めることになります。
課税事業者かどうかの判断及び消費税の計算方法の選択については、以下の通りとなっ
ています。
消費税の概略
一昨年1月1日∼12月31日
(基準期間)
昨年1月1日∼12月31日
(特定期間)
1月1日∼6月30日
本年1月1日∼12月31日
(課税期間)
課税売上高
1,000万円超
課税事業者
課税売上高(または
給与等支払額)
1,000万円以下
1,000万円超
課税事業者
1,000万円以下
1,000万円以下
免税事業者
※納める消費税額の計算方法
・簡易課税:
「受け取った消費税額−受け取った消費税額×みなし仕入率」で計算し
ます。
みなし仕入れ率 は「農業」の場合は 70%、
「作業受託」の場合は 60%。
・本則課税:「受け取った消費税額−支払った消費税額」(実額)で計算します。
※簡易課税で申告したい場合は税務署へ届出が必要。何もしないと本則課税となります。
らくらくWeb簿記では勘定科目によって課税取引の課否を判断し、消費税額を自動計
算しています。(税率の変更にも自動で対応)
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4.各種帳票について
① 消費税区分別科目集計表
伝票日付を指定して「印刷プレビュー」ボタンをクリックします。取引のある科目ごと
に課税仕入額、課税売上額等が表示されます。
② 課税取引金額集計表
部門区分(農業、不動産)を選択のうえ、伝票日付を指定して「印刷プレビュー」ボ
タンをクリックして表示します。取引のある科目ごとに税込金額、非課税額、課税取引
額、仮払消費税、仮受消費税が表示されます。
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5.棚卸について
農産物には原則として「収穫基準(その年に収穫された農産物はその年の収益とすると
いう考え方)」が摘要されますので、期末に売れ残った農産物は棚卸をして収穫した年の収
益に計上しなければいけません。ただし、生鮮野菜等は棚卸をしなくても良いものもある
ので、実質的には米麦等の穀物に限られています。
肥料・農薬・飼料等は、期中に買ったものが使い切れずに期末に残る場合がありますが、
期中に使った分(その年の収益に対応する分)しか費用にはできません。しかし、肥料費、
農薬費などは発生する(=購入する)都度記帳していますから、使い残した分も費用には
含まれています。従って、使い残した分は今期の費用から差し引かなければいけません。
そして、使い残した分は次期になれば使いますので、期末の時点では今期の費用から差し
引くと同時にその分を資産に計上して(貸借対照表に記載して)次期に繰越します。次期
になったら逆に資産から費用に移します。つまり、今期の使い残し分は次期の費用として
計上する(前期の使い残し分は今期の費用に計上する)ことになります。
らくらくWeb簿記では、期末棚卸分が次期の期首棚卸に自動で繰り越されます。
棚卸のポイントについては以下の通りです。
棚卸のポイント
棚卸が必要なもの
例
棚卸高の計算方法
棚卸が省略できる場合
米・大豆等
未販売農産物(製品)
数量×販売単価
りんご、いも類等
未収穫農産物(仕掛品) 立毛中の麦等
販売用動物(仕掛品)
生産資材(原材料)
肥育家畜等
数量がわずかな場合
投下した種苗費、肥料費、
作付け規模が毎年同等の場合
農薬費等で計算
投下した素畜費、飼料費、
種付け料等で計算
肥料、飼料、農薬等
数量×仕入単価1)
貯蔵品
在庫量が毎年同程度の場合
消耗品、包装資材等
1):原則として、期末に最も近い時期に仕入れた際の単価で計算します。
① 棚卸登録
棚卸メニューより「棚卸登録」を選択し、期末棚卸結果の登録を行います。米(農産
物)を例に、登録画面から棚卸結果を新規登録してみます。
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②「棚卸登録」で処理区分を「登録」とし、
「新規」ボタンをクリックします。入力項目は
品目コード、品目名、棚卸資産分類、期末(あれば期首も)の数量、単価、金額となり
ます。「品目コード」、「品目名」は任意とし、「棚卸資産分類」は
ボタンから「棚卸
資産分類検索」画面より該当するものにチェックを入れ選択します。
③「期末」項目に数量(kg)と単価(円)を入力すると自動的に金額が計算されます。
(農
産物以外を選択しても入力方法は同様です)前期の棚卸がある場合は期首の棚卸結果(前
期末棚卸結果)も合わせて登録します。金額のみの入力も可能です。
④棚卸修正
「棚卸登録」の「処理区分」を「修正」とし、
「表示」ボタンをクリックします。修正画
面が表示されますので、品目名称、期首・期末の金額等該当項目を修正後、
「修正」ボタ
ンをクリックします。
期首→
期末→
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⑤棚卸一覧表
棚卸メニューより「棚卸一覧表」を選択、対象年を指定してから、「印刷プレビュー」
ボタンをクリックし、一覧表を表示します。複数の棚卸分類がある場合、
ボタンから
該当するものを選択します。
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⑥棚卸仕訳変換
棚卸メニューより「棚卸仕訳変換」を選択し、
「更新」ボタンをクリックすると、棚卸結
果の決算仕訳が自動生成されます。
変換の結果は仕訳日記帳で確認できます。仕訳は、期末である 12 月 31 日の日付で「決
算仕訳」として作成されます。
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⑦棚卸の登録情報は、農業用青色申告決算書の各欄に自動で入力されますので、農業用メ
ニューの「青色申告決算書」から確認します。(農業用の「青色申告決算書」について
は、「農業用青色申告決算書操作編」をご覧下さい)
農産物の期首、期末棚卸残高は青色申告決算書1枚目(損益計算書)に表示されます。
農産物以外の期首、期末棚卸残高は青色申告決算書2枚目に表示されます。
※収入金額の内訳(A欄)、雇人費の内訳(C欄)、専従者給与の内訳(D欄)への入力
方法は、「農業用青色申告決算書操作編」をご覧下さい。
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⑧棚卸データアップロード
棚卸メニューより「棚卸データアップロード」を選択し、登録データを参照して「アッ
プロード」ボタンをクリックすると、エクセル等で作成したCSV形式の棚卸資産データ
をらくらくWeb簿記の棚卸資産データとして取り込むことができます。
棚卸データアップロードの詳細については、ヘルプコーナーの「操作マニュアル」を
ご覧下さい。
・CSV形式のフォーマットはヘルプコーナー(「フォーマットはこちら」)から保存し
ます。
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6.家事按分について
農業経営と家事の両者で必要となる電話料金や燃料代、電気・水道料、減価償却費など
は、支払時に全額を経営上の費用として記帳しておき、期末に家事用分をその使用割合(作
付面積、使用頻度等)によって按分し費用から差し引くことが必要です。
ただし、これらの費用を支払時に家事用分と区分して記帳している場合はその必要はあ
りません。
①家事関連費割合登録
農業経営と家事に共通して発生する費用は、家事割合を登録し按分振替仕訳を作成し
ます。
②家事メニューより「家事関連費割合登録」をクリックします。対象年度、部門区分を確
認し「表示」ボタンをクリックします。
※動力光熱費のように按分対象が複数含まれる科目は、あらかじめ補助科目で仕訳を整
理しておけば、補助科目ごとに家事割合を設定することができます。
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③対象科目の家事割合を入力し、「修正」ボタンをクリックします。
④家事関連費一覧表
登録した家事関連費割合は「印刷プレビュー」ボタンにより、「家事関連費一覧表」と
して家事金額、決算修正後残高とあわせて確認できます。
⑤家事関連費仕訳変換
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家事メニューより「家事関連費仕訳変換」をクリックします。
「更新」ボタンをクリックすると現在までの家事関連費の残高に対して家事費用が計算
され、決算仕訳が自動生成されます。
変換の結果は仕訳日記帳で確認できます。仕訳は、期末である 12 月 31 日の日付で「決
算仕訳」として作成されます。借方勘定科目は「事業主貸」となります。
登録した割合に相当する金額が、家事消費
分(事業主貸)として経費から差し引かれ
ます。
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<注意>家事関連仕訳を再作成(修正)するには以下の手順で行います。
①「家事関連費割合登録」で「表示」ボタンをクリックし、表示・入力フレームの「再集
計」ボタンをクリックします。
②家事割合を修正し、「修正」ボタンをクリックします。
③「家事関連費仕訳変換」で「更新」ボタンをクリックすることで、先に作られた仕訳デ
ータは無効となり、新しい仕訳データが作成されます。
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