FX Weekly Report USD/JPY 28 Nov. 2014 “足もとの米国経済指標の弱さが” ド ル 円 予 想 レ ン ジ ■12/1 週のイベント 116.50-120.00 円 [重要度] 12/1 24:00 米 11 月 ISM 製造業景況指数 ☆☆ 12/3 22:15 米 11 月 ADP 雇用統計 ☆☆ 12/3 24:00 米 11 月 ISM 非製造業景況指数 ☆☆ 12/4 04:00 米 米地区連銀経済報告(ベージュブック) ☆☆ 12/4 08:50 日 対内対外証券売買契約等の状況 12/5 22:30 米 11 月非農業部門雇用者数変化 ☆☆☆ 12/5 22:30 米 11 月失業率 ☆☆☆ 12/5 24:00 米 10 月製造業新規受注 ☆ 米国 NFP と失業率の推移 ☆ ☆☆☆ ■12/1 週の見通し (データ元:Bloomberg 、作成:上田ハーロー) 今週のドル/円は 117 円台後半で取引を開始。ユーロのショートカバーを受けたユーロ/円の上昇に連れたことや、リスク選好 ムードがやや高まったことで 118.56 円まで上昇。ただ、月末に絡んだ本邦輸出勢のドル売りに圧されたことや、米国の住宅指標 や景気指数が弱い結果となったことでドル売りが優勢となり、117.24 円まで反落。週後半は売りが一巡すると買い戻しが優勢と なり、OPEC(石油輸出国機構)が減産見送りを決定するとドル買いに反応。日経平均株価も堅調となったことで 118 円台を回 復する展開となった。 (11/28 15:00 時点) 次週はドル買い相場が再開するか、足もとの景況感を確認する展開となろう。米国 7-9 月期の GDP 改定値が 3.9%と速報値 3.5%から上方修正されたがマーケットの反応はいま一つで、むしろ、直近 11 月の経済指標が全体的に弱い数字となっているこ とでドルが弱含む展開となっている。次週は米 11 月 ISM 景況指数やベージュブック、米雇用統計が予定されており、労働市場に 関しては米連邦準備制度理事会(FRB)が毎月公表している労働市場情勢指数(LMCI)が改善傾向を示していることや、11 月は 時間当たり賃金が上昇する見込みで期待できるものとなっていることで、雇用統計をきっかけに再びドル買いが強まる可能性があ る。反対に引き続き足もとの指標が弱い結果となる場合には、米景気減速懸念から緩やかなドル高修正が進む展開も。また、原油 価格の下落が続くなか、OPEC が原油生産量目標の減産を見送ったことを受けて原油価格が一段と下落、代替資産としての側面を 持つドルが買われる展開となっている。しかし、原油価格の下落で世界的なディスインフレーションが進行する場合には、米国の 金利正常化時期が後ずれしていくことが懸念され、米金利低下とともにドルが売られる展開へと変化する可能性も考えられる。と はいえ、複数の大手金融機関がドル/円の見通しを大きく上方修正しているように、現在の状態が続く限り中長期でのドル高・円安 方向の流れに変化はないと考えられ、日米金融政策を背景としたドル買い需要は旺盛。短期的には調整局面が訪れる可能性はある ものの、引き続き、基本的に下がったところは買いのスタンスは維持で良いだろう。 テクニカル分析では年初来高値 105.43 円を更新したことで上昇トレンド再開。2008 年 8 月高値 110.65 円を突破する と勢いづき、11/20 に高値で 118.97 円まで上昇。挙げていたターゲットである 2007 年 10 月高値 117.93 円、エリオット 波動 5 波延長 118 円台前半、8 月からの上昇を起点とした E 計算値 118.63 円を達成しやや調整気味。目先は 117.50 円をし っかり割れると調整が長引き 115.50-116.00 円のサポートを試す可能性も。一方、118.30-60 円は抵抗となりやすいが、超 えてくると 119.00 円台乗せ、そして上昇機運の高まりから節目の 120.00 円を目指す可能性が出てくるだろう。 このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するものではございま せん。為替レートは参考値であり上田ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポートの情報・分析・予測でいかな る損害が生じたとしてもその責を負いません。内容の無断転載・コピーを禁止します。 FX Weekly Report EUR,GBP 28 Nov 2014 “中期レジスタンスラインを試す展開となるか?” ユーロドル予想レンジ 1.2250-1.2600 ポンドドル予想レンジ 1.5550-1.5850 ■12/1 週のイベント [重要度] 12/1 18:00 欧 11 月製造業 PMI(改定値) ☆ 12/1 18:30 英 11 月製造業 PMI ☆ 12/2 18:00 欧 10 月卸売物価指数(改定値) 12/3 18:00 欧 11 月サービス部門 PMI(改定値) ☆ 12/3 18:30 英 11 月サービス部門 PMI ☆ 12/3 19:00 欧 10 月小売売上高 ☆☆ 12/3 19:00 欧 3QGDP(改定値) ☆ 12/4 21:00 英 BoE 金融政策発表 ☆☆ 12/4 21:45 欧 ECB 金融政策発表 ☆☆ EUR/USD 日足 ☆☆ ■12/1 週の見通し EUR/USD 先週末のドラギ ECB 総裁発言を受けて 12 月理事会での国債 QE 開始に関する思惑が高まり 1.2350 台へと急落した EUR であ ったが、週明けにはバイトマン独連銀総裁より国債 QE には問題がある旨の発言が見られ反発。ECB 副総裁の来年 1Qには国債 QE 開始判断との発言に再び軟化したものの、逆に 12 月理事会では QE がないとの解釈が勝り 1.2530 台へと値を戻した。 12 月理事会での追加緩和に関する思惑が高まったものの、結果的には早期の国債 QE 開始への期待を剥落させただけでなく、 ECB が一枚岩ではないことを再度露呈した。EUR ショートに傾いている相場であり、「下げきれない」足許の値動きも本質的にはポ ジションの偏りが背景か。さりとてショートスクイーズを引き起こす材料も得られず、相場は「煮詰まって」来ているとの印象。 来週は ECB 理事会が予定されているが、国債 QE への「期待度」は下がっており、金融政策の変更は行われない見通し。但し、 ECB インフレ予測の下方修正等が見込まれている他、足許の ECB 高官発言は意見調整不足が目立ち、真打「スーパーマリオ」の 本領発揮には警戒が必要だろう。また、来週は米 11 月雇用統計の発表を控えていることから、同指標は勿論、米経済指標への感 応度が高いことが予想され、USD の強弱が EUR/USD 相場の方向性を決定付ける可能性も考慮しておきたい。 GBP/USD インフレ見通しの下方修正を受けて金融引き締め観測が後退した GBP は直近安値水準 1.56 ドル前半で停滞していたものの、シ ョートカバー主体で値を戻し 1.5820 台まで反発した格好。英 3QGDP は市場予想と一致し、動意を促すには至らなかった。 英ファンダメンタルに対する見方に特段の変化はなく、BoE の金融引き締め観測後退に伴う売りも一服か。現状で英米の材料を 比較すると、米国優位であることに違和感はないが、茲許の GBP の下げはやや過剰との感もあり、調整幅が拡大しても不思議で はない。利上げ「観測」レースで首位の座から陥落した GBP ではあるが、来週の BoE 金融政策はノンイベントと予想され、英 国サイドの材料で巻き返しは難しそうだ。但し、トップに躍り出た USD が雇用統計の不振等で失速し、混戦にもつれ込む展開と なる可能性は残る。その際は、7 月半ば(1.7190)から上値をキャップしているレジスタンスラインを上抜けすることとなりそう で、短期的にはそのテクニカルな要因に注目したい。同線は現在 1.58 ドル後半水準を緩やかに下降する形となっており、米経済 指標の失速があれば米 11 月雇用統計の発表を待たずして上抜けを試しても不思議ではない水準にも見える。同線をバックにして のショートメイクと、仮に上抜けがあった際の途転がワークしそうなイメージ。 このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するものではございま せん。為替レートは参考値であり上田ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポートの情報・分析・予測でいかな る損害が生じたとしてもその責を負いません。内容の無断転載・コピーを禁止します。 AUD,NZD FX Weekly Report 28 Nov 2014 来週は、イベント週!! 豪ドル円予想レンジ ■12/1 週のイベント NZ ド ル 円 予 想 レ ン ジ 97.00-102.00 円 88.00-94.00 円 [重要度] 12/01 10:00 中 11 月製造業 PMI ☆☆☆ 12/02 09:30 豪 7-9 月期経常収支 ☆☆ 12/02 12:30 豪 RBA 理事会 ☆☆☆ 12/03 09:30 豪 7-9 月期 GDP ☆☆☆ 12/04 09:30 豪 10 月小売売上高・10 月貿易収支 ☆☆☆ 12/04 21:45 欧 ECB 理事会(21:45 ☆☆☆ 12/05 22:30 米 11 月雇用統計 ドラギ ECB 総裁記者会見) ☆☆☆ ■12/1 週の見通し 今週の豪ドルは軟調な展開。週初、対豪ドルで米ドル買い、ユーロ買いになったことに加え、ロウ豪州中央銀行(RBA)副総裁が「豪ド ルのさらなる調整がやがてくると予想」 「利下げを必要とすれば我々は可能」との発言を受けて、豪ドル売りが加速し、AUDJPY は 99.92 円まで、AUDUSD も 0.8479 ドルまで下落。その後は、欧州要人の発言を受けたユーロクロスの下落や、7−9 月期豪民間設備投資が 市場予想を上回ったことで、AUDJPY は 101.04 円まで、AUDUSD も 0.8587 ドルまで上昇した。(11/27 時点) 来週は、イベント盛りだくさん!!豪国内では、12/02 に RBA 理事会、12/03 に 7-9 月期 GDP、12/04 に 10 月小売売上高・10 月貿易収支が発表される。RBA 理事会は、金利・政策共に現行水準に据え置かれる見通し。ただし、今週のロウ RBA 副総裁の発言と同 様の内容(豪ドル高けん制)を、スティーブンス RBA 総裁が理事会後の会見で発言した場合は、豪ドルにとってはネガティブに作用す ると思われる。7-9 月期 GDP や 10 月貿易収支については、11/20 にヒース豪中銀経済分析局責任者が「鉱業投資の減少は GDP を 大きく圧迫」と発言しているように、豪の主産業である鉱工業の輸出依存度の高い中国国内の景況感の悪化からネガティブな見方がされ ている。10 月小売売上高についても、前月分の大幅上昇の反動から、ネガティブな見方がされており、豪ドルにとってはダウンサイド リスクとなりえる。 豪と交易関係の深い中国では、先週、中国人民銀行が 1 年物預金金利を 0.25%、1 年物貸出金利を 0.40%引き下げた。中国人民銀行 は9月に国有銀行5行を対象に、臨時貸出制度(SLF)を使って資金供給したばかり。今回の利下げで、中国政府としては、市場をじ ゃぶじゃぶにして国内の消費や企業の経済活動を後押ししたいと考えていると思われる。今週、中国政府の経済成長率の目標を 2015 年に 3 年ぶりに引き下げる方向で最終調整に入ったとの報道もあり、来週発表される、11月製造業 PMI や 11 月 HSBC 製造業 PMI・ 改定値、11 月サービス業 PMI の結果次第では、さらなる追加緩和が必要となる可能性がでてくる。 「穏健な金融政策を変更しない」と の方針は今のところ変更はないものの、ここ最近のコモディ価格の下落や今回の利下げによるディスインフレの進行懸念もあり、 「預金 準備率の引き下げ」も視野に入ってくることになり、結果豪ドルにとっては、中長期的にはポジティブに作用すると思われる。 また、先週の豪中自由貿易協定(CHAFTA)の締結で豪国内の景況感の回復期待は高まりつつあるものの、一方で、中国国務院は、2020 年までの石炭消費目標を 42 億トンにすると先週発表。石炭輸出国の豪にとっては、仮に 42 億トンの目標が達成された場合は、減産が 余儀なくされ、豪国内の鉱工業セクターの回復の鈍化につながり、結果、豪国内の景況感の悪化につながる可能性が高くなると見られる。 このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するものではございま せん。為替レートは参考値であり上田ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポートの情報・分析・予測でいかな る損害が生じたとしてもその責を負いません。内容の無断転載・コピーを禁止します。
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