EYジャパン・ビジネスサービスの林 裕孝部長

Escrituração Contábil
Fiscal – ECF –
法令12.793と税務帳簿システム
July 2014
RTT - Regime Tributário de Transição
暫定課税方式
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
RTT – Regime Tributário de Transição
コンセプト-RTTの導入経緯-
►
►
►
►
ブラジル会計基準のIFRSへのコンバージェンスの一環で、
2007年12月に会計基準の改正に関する法令(Lei
11.638/07)が制定され、ブラジル会社法をはじめとする
関連法令が修正された。
IFRSを適用した場合と、ブラジル会計基準を適用した場
合との中立性を維持する税務処理の便宜で、暫定課税方式
(RTT:Regime Tributário de Transição)を作成。
RTTにおいては、2007年12月31日までの旧ブラジル会計
基準を税務として容認する。
このモデルにより、法人は、財務諸表よりIFRSの影響を
除去し法人税申告書に沿った「税務貸借対照表」を作成す
ることを余儀なくされることとなった(2010年以降、RTT
は強制適用)。
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
RTT – Regime Tributário de Transição
コンセプト
2013年度 ou 2014年度以降
2008年度より
新BRGAAP
に基づく
貸借対照表
資産
負債
純資産
P/L 利益
FCONT
会計上の利益
2007年12月31日
時点の
旧BRGAAPに
基づく貸借対照表
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Ativo
Passivo
P/L 利益
PL
税務上の利益
本文中の意見にわたる部分は私見であります
新法人税制への改正
コンセプト-RTT改正概要-
►
►
►
►
►
2013年9月17日、国税庁通達Instrução Normativa RFB
1.397の発表
2013年11月12日、官報による暫定措置法Medida
Provisoria 627の公示
2014年5月14日、上記暫定措置法をもとにした新法例
Lei12.973官報により公布
RTTは今後廃止となり、会計上の利益(IFRS)から法人所
得税(IRPJ)及び利益に対する社会分担金(CSLL)を算
出する新たなモデルが示された。
新方式では、税務貸借対照表をもつことなく、IFRSに基
づき算定された純利益をスタートに使用し、損益影響を及
ぼすIFRS調整を排除するいくつかの税務調整を同時に実
施しなければならない。
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
新法人税制への改正
コンセプト-RTT改正概要-
►
主な税務上の個別論点として、これまで明示されていな
かったRTT下で計算されてきた以下に関する点及び適用開
始時期等が明らかとなった(詳細後述)
IN1.397→MP627→Lei12.973
►
►
►
►
►
持分法計算に用いる被投資会社純資産
利子配当計算に用いる純資産
配当金計算に用いる純資産
のれんに関する税務恩典(間接影響)
現在の法人税申告書DIPJ(Declaração de Informações
Econômico-fiscais da Pessoa Jurídica)はデジタル財務帳
簿( Escrituração Contábil Fiscal - ECF )に取って代わ
られることとなる
→電子ファイル間でより詳細な情報提出が必要
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
RTT – Regime Tributário de Transição
コンセプト
2013年度 ou 2014年度以降
2008年度より
新BRGAAP
に基づく
貸借対照表
資産
負債
純資産
P/L 利益
FCONT
会計上の利益
2007年12月31日
時点の
旧BRGAAPに
基づく貸借対照表
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Ativo
Passivo
P/L 利益
PL
税務上の利益
本文中の意見にわたる部分は私見であります
新法人税制への改正
税務貸借対照表及びFCONTの廃止
適用開始年度: 2014年 (早期適用) or 2015年 (早期適用なし)
新BRGAAP
に基づく
貸借対照表
資産
負債
純資産
SubContas
P/L利益
会計上の利益
資産
2007年12月31日
時点の
旧BRGAAPに
基づく貸借対照表
P/L利益
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
負債
純資産
税務上の利益
新法人税制への改正
-ECFコンセプト-
会計帳簿
P/L
Receitas
( - ) AVP
Receitas Não Tributáveis
Rec. Financeiras - AVP
Custos
Custos Não dedutíveis
Despesas
Depreciação CPC 27
Despesas Não Dedutíveis
Lucro Líq. Antes da CSLL/IRPJ
ECF (e-LALUR)
DEMONSTRAÇÃO
DO LUCRO REAL
Lucro Líq. Antes da CSLL/IRPJ
( + ) Adições
AVP
Custos Não Dedutíveis
Depreciação CPC 27
Despesas Não Dedutíveis
e-LALUR
PARTE B
( - ) Exclusões
Receitas Não Tributáveis
Rec. Financeiras - AVP
Depreciação Taxas Fiscais
Lucro Real
CONTROLE DO ATIVO
IMOBILIZADO - TAXAS
FISCAIS
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
RTTを巡る主要論点について
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
新法令の紹介
►
RTT関連諸規定( 本スライド)
►
在外所得の取り扱い(CFC Regime)
►
新分割支払い方式の導入(Parcelamentos)
►
その他
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
IN RFB 1.397/2013
RTTに関する一般条項
►
►
(IN RFB 1.397/2013)
2条 2007年12月28日公布の法11.638及び2009年の法
11.941により変更された点は、1976年12月15日公布の法
6.404の191条で定義された収益認識、原価及び費用、利益
の発生基準 RTTの下での法人の実質利益法及びCSLLの計
算について2007年12月31日時点で適用されていた会計基準
に基づいて計算されていなければならない。
§ 1º ....(略) .....
2項 法人所得税及びCSLLの計算根拠として関連する資産負債
及び純資産、収益、原価、費用からなる損益は2007年12月31日
に適用されていた会計基準に基づいて計算されたものでなければ
ならない。
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
IN RFB 1.397/2013
RTTに関する一般条項
►
►
►
►
8条 実質利益法の決定過程で7条単項を取り扱う純損益を
加える
1項 原価、費用、負担金、損失、引当金、利益及びその他
会計上の純損益計算の中で費用とされる項目は税務登録に
基づいて、実質利益の計算の中で税務上損金不算入となる
2項 利潤、利得、その他会計上の純損益を構成しない項目
は税務登録に基づいて、実質利益の計算の中では税務上益
金となる
単項.これらの追加項目は2007年12月31日に適用されてい
た会計基準に準拠して計算される
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
IN RFB 1.397/2013、MP627
RTTに関する一般条項
►
ブラジルの税務実務の中で、特に以下の3点で使用するべ
き貸借対照表について、いずれを使用するべきか議論と
なった。
►
持分法が適用される被投資会社(子会社、関連会社)の
投資評価
利子配当の損金算入限度額の計算に利用する貸借対照表
配当金計算に利用する貸借対照表
►
►
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
RTT関連規定-持分法-
持分法(Lei 12.973/2014)
► 原則適用(não optante)の場合(2015年1月1日から適用)
► 2014年度(2014年12月31日で終了する暦年)までは
新BRGAAPに基づいた計算も容認(いずれでもよ
い)
► 2015年度から、新BRGAAPに基づいた計算のみ税務
上容認
►
早期適用(optante)の場合(2014年1月1日から適用)
► 2013年度( 2013年12月31日で終了する暦年)までは
新BRGAAPに基づいた計算も容認(いずれでもよ
い)
► 2014年度から、新BRGAAPに基づいた計算のみ税務
上容認
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
新法制-利子配当①-
利子配当(Lei 12.973/2014 )
► 原則適用(não optante)の場合(2015年1月1日から適用)
► 2014年度(2014年12月31日で終了する暦年)までは新
BRGAAPに基づいた計算でも損金算入(いずれでもよ
い)
► 2015年度から、新BRGAAPに基づいた計算のみ税務上容
認
►
早期適用(optante)の場合(2014年1月1日から適用)
► 2013年度( 2013年12月31日で終了する暦年)までは新
BRGAAPに基づいた計算も容認(いずれでもよい)
► 2014年度から、新BRGAAPに基づいた計算のみ税務上容
認
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014その他
利子配当に関する関連論点-利子配当②-
►
►
日本本社への送金実務として一般化している
外国子会社配当益金不算入制度は、親会社が外国子会社か
ら受け取る配当額の95%相当額を益金不算入(配当の額の
5%相当額は、その配当に係る費用として益金に算入)と
するもの。
国税庁質疑応答事例「外国子会社配当益金不算入制度の対象とな
る剰余金の配当等の額の範囲について」の回答:
「外国子会社配当益金不算入制度においては、その対象となる剰
余金の配当等の額については、特段の制限は設けられていません
ので、損金算入配当及び優先株式に対する優先配当についても対
象」
※損金算入配当とは、外国法人から受ける配当において、その配
当が現地国で費用になる、すなわち、損金算入されるものをいい、
例えば、オーストラリア法人やブラジル法人から受ける配当がそ
れに当たります。
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014その他
利子配当に関する関連論点-利子配当③-
►
二重非課税排除のコンセプトに基づき、「税源侵食と利益
移転(BEPS:Base Erosion and Profit shifting)」の議論
開始
今後、ブラジル法人で損金算入となる配当(利子配当)
を日本親会社に行う場合、日本サイドで現行の益金不算
入制度を利用できなくなる可能性がある。
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
新法制まとめ -配当金-
► MP627からの変更点
► 2008年から2013年までの配当金計算はブラジル企業の税務
とは関係なく源泉税に関する罰金計算不要(税務の利益を
上回る額を配当していたとしても容認)
► 原則適用(não optante) の場合(2015年1月1日から適用)
► 2008年~2013年:問題なし
► 2014年:旧BRGAAPベースの純資産で計算
► 2015年以降~新法制(新BRGAAPベースの純資産で計算)
► 早期適用(optante) の場合(2014年1月1日から適用)
► 2008年~2013年:問題なし
► 2014年~新法制(新BRGAAPベースの純資産で計算)
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
のれんの税務恩典①
(RTT)企業結合に伴い発生するのれん
純資産と投資額との差額概念
(国内の正当な経済的目的がある投資ビークル経由で
あれば)税務上一定期間内での損金算入が可とされて
いた。
損金算入要件
買収・分割等の事実
正当な経済目的とその証明書
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
のれんの税務恩典②
(新方式)
► 今後、企業結合に伴い発生するのれんは、IFRSに基
づくPPA(Purchase Price Allocation)後、各資産
に按分された結果の残余分
►
PPA後ののれんの一定期間での損金算入は認められ
る(ただし、一定の条件あり、後述)
►
資産・負債構成によっては、のれん額、すなわち税
額メリットが減少する
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
のれんの税務恩典③
(1)従前
子会社B/S
負債
投資
150
純資産
100
のれん
50
投資額と純資産との差額概念
資産負債の構成によっ
て、のれん額が増減す
る可能性がある
( 2 ) 新 方 式 ( IFRSに 基 づ く の れ ん )
在庫
建物
投資
投資
150
150
土地
借入金
・
・
のれん(差額概念)
取得対価から、識別可能取得資産及び引き受け負債の
取得日現在の公正価値の純額を差し引いた差額
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
のれんの税務恩典④
► 新税制下における税務恩典(のれん償却)の要件
► 吸収合併、分割、新設合併
► RFBで認められた第三者による評価書もしくは13ヶ月以
内のCartório(公証役場)への登録
► 関連会社間の企業結合でないこと
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
Lei 12.973/2014
のれんの税務恩典⑤
► 各ケースによって、のれんの税務償却金額が異なる
(取引実施時期による区分)(Lei 12.973/2014 65条)
(例示)
► ケース1:2014年12月31日までに買収、かつ2017年12月
31日までに合併する場合
► ケース2:2014年12月31日までに買収、かつ2017年12月
31日までに合併できない場合
► ケース3: 2015年1月1日以降買収する場合
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
DIPJ 2014 (Lei 12.973/2014)
-早期適用(Optante)の選択について-
► 前述の点を考慮して選択決定
► 持分法
► 利子配当
► 配当金
► のれん
► 2014年度から新制度(1条、2条、及び4条~70条)を早期
適用する場合
► 2014年5月( IN RFB 1.469/2014 )のDCTF(未収・未払税
金申告書)の中で適用を表明(当初)
延期
► 現在の表明期日:2014年8月8日(但し、延期予定あり)
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
DIPJ 2014 (Lei 12.973/2014)
-早期適用(Optante)の選択について-
► 早期適用をした場合、または、しない場合においても、変更
はできない
► 2014年特有事項: 会社が新法制を早期適用した場合に、
DIPJのプログラムはRTT (税務B/S、 剰余金計算表、及び
P/L)の入力欄を利用できない
► 早期適用の場合も、全世界所得に関する法律(CFC
Regime)の適用とは独立して適用できる
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
DIPJ 2014 (Lei 12.973/2014)
-早期適用(Optante)の選択について-
► 早期適用を行うか否かの選択がDCTF提出期間後に行われた
場合は、無効
► 新法制を早期適用した場合、IRPJ、CSLL、PIS及び
COFINSは2014年1月に遡及して新法制の下で再計算され適
用されなければならない
► RFBは今後、早期適用に関してより詳細な規定(IN)を出
すと見込まれている
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本文中の意見にわたる部分は私見であります
ECF – Escrituração Contábil Fiscal
IN RFB nº 1.422/2013
► レイアウトは、2013年12月20日のAto Declaratório
Executivo Cofis nº 98で承認
► 2015年(2014年度にかかる所得)よりDIPJ及びFCONT
は代わることとなる(但し、2014年度に行われた特別事
象については、DIPJでの申告が行われる)
► SPEDへの年間移行処理は、2015年7月最終営業日の23時
59分59秒までに実施しなければならない
► ECFは、2014年に新税制を早期適用するか否かを問わず
適用(早期適用を行わない場合には、ECFの中のRTTに
特別区分が設けられる)
Page 28
本文中の意見にわたる部分は私見であります
(付録)Lei nº 12.973, de 13 de maio de 2014
Page 29
本文中の意見にわたる部分は私見であります
取り扱いテーマ
章
I
条文
02 a 51
取り扱い項目概要
IRPJ及びCSLLに関する規定の変更
II
52 a 57
PIS/Pasep 及び COFINSに関する諸規定の改定
III
58 a 62
その他税務処理に関する関連規定
IV
63 a 70
初度適用
V
71
VI
VII
72 a 74
75
VIII
76
IX
77 a 92
法人の全世界所得に関する税務
X
XI
93
94 a 119
特別分割納税規定Do parcelamento especial
最終規定
Page 30
金融機関等及びその他BACEN(中央銀行)関連管轄化にある
その他の企業に対する特別規定
RTT方式に関する規定
2014年度から新規適用する方法に関する規定
全世界所得課税に関する一般規定
本文中の意見にわたる部分は私見であります
CPCs X Lei 12.973/2014
テーマ
CPC
法12.973の関連条文
01
資産の減損
32, 59
02
外貨為替レート変動と財務諸表換算
62
04
無形資産
41, 42, 54, 55
05
関連当事者についての開示
61
06
リース
46 a 49, 54, 55, 57
07
政府補助金
30, 54, 55
08
債券や持分証券の発行に伴う取引費
用及びプレミアム
2, 7, 31
10
株式報酬
33
12
時価評価への修正
4, 5, 8, 10, 53, 54, 55
15
企業結合
2, 20 a 28, 37 a 39, 65
Page 31
本文中の意見にわたる部分は私見であります
CPCs X Lei 12.973/2014
テーマ
CPC
法12.973の関連条文
17
工事契約
29
18
関連会社に対する投資
51
20
借入費用
2, 7
25
引当金、偶発負債及び偶発資産
59
27
有形固定資産
40, 45, 54, 55
28
投資不動産
2
29
30
38
生物資産
収益認識
ヘッジ会計
CPC46の関連条文
46
公正価値評価
13 a 16, 64, 66 a 68
委譲契約
35, 36, 44, 52, 54, 55, 56, 69
ICPC 01
Page 32
63
本文中の意見にわたる部分は私見であります
e-LALUR
コンタクトX ECF
Multa por informação omitida, inexata ou incorreta
Hirotaka Hayashi
e-LALUR
ECF
[email protected]
3%
(três por cento), não inferior a R$ 100,00
3%, não inferior a R$ 100,00, do valor das
(cem
reais),
do valor3055
omitido, inexato ou
transações comerciais ou das operações
+55
11
2573
incorreto.
financeiras, próprias da pessoa jurídica
ou de terceiros em relação aos quais seja
responsável tributário.
A multa acima:
Yukio
a)Claudio
não será devida
se oYano
sujeito passivo
corrigi-las antes de iniciado qualquer
[email protected]
procedimento de ofício; e
11 2573
b)+55
será reduzida
em3840
50%, se forem corrigidas
no prazo fixado em intimação.
Quando não houver lucro líquido, antes do
IR e da CS, no período de apuração a que se
Aya Nishiguchi
refere a escrituração, deverá ser utilizado o
lucro
líquido, antes do IR e da CS do último
[email protected]
período de apuração informado, atualizado
+55 11 2573 3374
pela taxa Selic, até o termo final de
encerramento do período a que se refere a
escrituração.
Page 33
本文中の意見にわたる部分は私見であります