意匠の国際登録制度について

平成26年度制度改正説明会(意匠)
意匠の国際登録制度について
ハーグ協定に基づく国際的なデザイン保護制度
平成27年3月13日現在
【第1部】
ハーグ協定に基づく
意匠の国際登録制度の概要
説明内容
1.導入
2.ハーグ協定のジュネーブ改正協定の概要
3.日本における国際出願の取扱い
4.ロカルノ協定に基づく国際意匠分類
2
1.導入
2.ハーグ協定のジュネーブ改正協定の概要
3.日本における国際出願の取扱い
4.ロカルノ協定に基づく国際意匠分類
3
(1)協定加入の背景
経済のグローバル化に伴う、我が国企業の外国意匠出願件数の増加
≫過去10年間で外国への意匠出願件数が増加した我が国企業・・・61%
≫過去10年間における外国への意匠出願件数の増加割合・・・約2倍
出典:国際協定への加盟に向けた意匠制度の在り方に関する調査研究(2012)
日本から外国への意匠出願件数.
ハーグ制度の利点に関する日本企業の意見
1
一の出願により複数の国で意匠権を取得可能
84.7%
2
一の出願に複数の意匠を含めることが可能
57.9%
3
意匠権の一元的管理(国際登録簿)
56.5%
4
6月(12月)以内にオフィスアクションが行われる
30.2%
5
一の言語でよい(翻訳不要)
29.7%
出典:同上
出典:WIPO統計
主要国の加入状況(ハーグ協定のジュネーブ改正協定)
・加入済み
:EU、ドイツ、デンマーク、フランス、スイス、スペイン、韓国、シンガポール、
OAPI(アフリカ知的財産機関)、米国(未発効)
・準備中
:カナダ、英国
・検討中
:中国、ロシア、インド、ASEAN(シンガポール、ブルネイは加入済み)
※2015年2月現在
4
(2)協定加入に向けた我が国の取組状況
2014年
1月
産構審意匠制度小委員会報告書「創造的なデザインの権利
保護による我が国企業の国際展開支援について」取りまとめ
4月
意匠法改正法案が国会で可決・成立
(第6章の2 ジュネーブ改正協定に基づく特例)
5月
ジュネーブ改正協定加入が国会で承認
12月
改訂意匠審査基準の内容が意匠審査基準WGで了承
2015年
1~2月
意匠法改正に関する政省令の整備
2月13日
WIPO国際事務局への協定加入書の寄託
5月13日
ジュネーブ改正協定の我が国での発効
改正意匠法の施行
(ジュネーブ改正協定に基づく国際出願の受付開始)
5
1.導入
2.ハーグ協定のジュネーブ改正協定の概要
3.日本における国際出願の取扱い
4.ロカルノ協定に基づく国際意匠分類
6
(1)ハーグ協定の改正協定とその関連規則
ハーグ協定は、複数国における意匠登録手続の簡素化と経費削減を目的とした
国際条約(同協定に基づく国際登録制度は、WIPOが管理・運営)
※ WIPO:世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization)
ハーグ協定には3つの改正協定があり、このうち、我が国が加入するのはジュ
ネーブ改正協定
ハーグ協定の下には、より具体的な手続について規定する規則類も存在する
•
ハーグ協定のジュネーブ改正協定(1999年)
•
ハーグ協定のハーグ改正協定(1960年)
•
ハーグ協定のロンドン改正協定(1934年、現在凍結)
ハーグ協定の1999年改正協定及び1960年改正協定に
基づく共通規則
ハーグ協定に係る出願のための実施細則
※ 以下、本資料においては、上記ジュネーブ改正協定、共通規則及び実施細則の参照条文番号を、A1(1)、R1(1)、S101のように表記
しています。(それぞれ、協定第1条(1)、共通規則第1規則(1)、実施細則第101節を表します。)
7
(2)ジュネーブ改正協定による国際登録制度の概要
実体審査国の加入促進を目的として
1999年に作成(2003年発効)
出願人
〔国際出願〕
EU、韓国等を含む計47の国と政府間
機関が加入しており、中国、ASEAN諸
国等も、加入準備又は検討中
WIPO国際事務局
国際登録簿への記録
〔国際登録〕
(※2015年2月現在 (日本及び米国については未発効))
A国:grant!
B国:grant!
C国:reject
以下の特徴を併せ持つ
指定国情報
審査結果
意匠について複数国(指定国)へ
の一括出願を可能とする国際出
願制度
A国
B国
C国
複数国における意匠権の一元的
管理を可能とする国際登録制度
実体審査なし
実体審査あり
実体審査あり
8
(3)国際出願・国際登録の手続の流れ
国際出願
方式審査
国際登録
・保護を受けたい意匠、保護を求める国(複数可)等を記載した
一通の出願書類(単一言語)をWIPO国際事務局へ提出
・出願書類に不備がなければ国際登録簿に記録(国際登録)
・国際登録により、各指定国への正規の出願と同じ効果が発生
複数国・複数意匠の出願手続負担の軽減
国際公表
実体審査
権利発生
・国際登録から6月後(※)に、国際登録の内容がWIPOウェブ
サイト上で公表(国際公表)
※国際登録後の即時公表、又は、公表の延期も請求可能
・国際公表後6月又は12月まで(※)に、各指定国で意匠権が発生
※この間、各指定国は国内法の実体的要件に基づき拒絶することができる
維持管理
・国際登録の更新や名義変更などの維持管理手続は、WIPO
国際事務局で一元化
各国意匠権の維持管理手続負担の軽減
※ WIPO国際事務局に対する手続についての代理人選任は任意であり、協定上義務づけられていないが、
拒絶通報への対応等、各指定国の官庁に対する直接の手続に際して現地代理人を要する場合がある
[R3]
9
(4)国際出願(1/5)
出願資格を
有する者
・締約国である国又は政府間機関の構成国の国民
・締約国の領域に住所、営業所を有する者
[A3]
言語
[A5(1)]
[R6(1)]
出願の内容
[A5]
[R7]
・英語、フランス語、スペイン語から出願人が選択した単一の言語
翻訳負担軽減
・国際出願には、以下の内容を含め又は添付する
必須の内容
(出願人、指定国、意匠の複製物(図面/写真)など)
特定の締約国を指定する場合の追加の必須の内容
(創作者、意匠の複製物又は特徴についての簡潔な説明など)
任意の内容(優先権主張など)
・一つの国際出願で、複数の締約国を指定することが可能
・一つの国際出願に、最大100の意匠を含めることが可能(※)
※全ての意匠が国際意匠分類(後述)の同一の類に属する必要あり
出願書類作成負担軽減
10
(4)国際出願(2/5)
国際出願に含め又は添付する具体的内容
必須の内容 [A5(1)] [R7(3)]
国際登録の請求/出願人(氏名又は名称、住所、締約国)/意匠の複製物(図面又は写
真)/意匠を構成する製品/指定国/意匠の数/手数料の額
追加の必須の内容(特定の締約国を指定する場合) [A5(2)] [R7(4)]
創作者(ルーマニア)/意匠の複製物又は特徴についての簡潔な説明(ルーマニア、シ
リア)/請求の範囲(該当する締約国なし) ※ 2015年2月現在
任意の内容 [A5(3)] [R7(5)] [S407] [S408]
創作者/意匠の複製物又は特徴についての簡潔な説明/代理人/優先権の
主張/公表の延期の請求/本意匠の表示/新規性喪失の例外に関する宣言
特別の要件(特定の締約国を指定する場合) [R8(3)]
創作者(フィンランド、ガーナ、ハンガリー、アイスランド) ※ 2015年2月現在
複製物に関する要件
[R9] [S401~405]
・図面又は写真(白黒又はカラー)
・意匠の詳細の全てを明確に識別でき、公表可能な品質であること
・意匠以外の対象物、付属品、人や動物を含めてはならない(※)
※ ただし、複製物中に表されるが保護を求めないものについて、説明において、
及び/又は、点線若しくは破線又は着色により、複製物中に表すことが可能
・軸線や寸法を備えた技術的図面、図面内への注釈文や凡例の記載は不可
11
(4)国際出願(3/5)
複製物の提出方法(書面で出願する場合)
(A4用紙)
1.1
・複製物は、白色不透明なA4用紙(縦)に
貼り付け又は印刷する
× 複製物を折りたたむ、ステープルで留める
複製物の番号
・2つの数字をドット(.)でつなげて記載する
(例:意匠1の2番目の複製物は「 1.2 」)
・余白に記載する
複製物
1.2
周囲に5㎜以上の余白を設ける
表現物
・複製物は矩形とし、背景は無彩色・無地
・表現物の大きさは、最大16㎝×16㎝
・1枚の用紙に含められるのは、最大25図まで
・複製物は、番号順(昇順)に並べ、公表を希望する
向きに配置する
・複製物中への記載等の可否
○ 凹凸を表す陰影・斜線
○ 保護を求めない部分を表す点線・破線・着色
× 意匠以外の対象物・付属品・人・動物
× 番号
× 軸線・寸法・注釈・凡例
× インクや修正液による修正
12
(4)国際出願(4/5)
手数料
[R12]
[R27]
手数料の一覧表
(共通規則の末尾)
・手数料は、基本手数料、指定手数料、公表手数料からなり、その
金額は、意匠の数、指定した締約国などにより異なる(後述)
・支払は単一の通貨(スイスフラン)
支払手続負担軽減
方式審査
[A8]
[R14]
・国際事務局による一元的な方式審査
※方式審査で出願書類の記載等に不備が発見された場合は、補正が可能
(3月以内)
※各指定国の官庁は、自国の法令に基づく方式要件違反を理由に拒絶す
ることができない
・以下のような不備の場合は、補正を受理した日に出願日が繰り
下がる
国際登録を求める旨の表示、出願人の表示、出願人等の
連絡先の表示、意匠の複製物(図面など)、締約国の指定、
の欠落
多言語を用いた出願、所定の言語以外の言語(例:日本
語)を用いた出願
13
(4)国際出願(5/5)
出願様式
・WIPO国際事務局が定めた様式(DM/1等)(後述)
WIPOウェブサイト
(http://www.wipo.int/hague/en/forms/ ※2015年2月現在)
提出先
・WIPO国際事務局(直接出願) 又は 日本国特許庁(間接出願)
[A4(1)]
国際事務局が推奨するオンライン出願(E-filing)
(https://www3.wipo.int/login/en/hague/index.jsp ※2015年2月現在)
・出願様式の入力項目チェック機能
等のメリットあり
・クレジットカードによるオンライン決済機能
WIPO国際事務局に直接提出する場合(直接出願)、出願日は、WIPO国
際事務局が受理した日 [A9(1)]
日本国特許庁を通じて提出する場合(間接出願)、出願日は、日本国特許
庁が受理した日 [A9(2)] [R13]
14
(5)国際登録
国際登録
[A10(1)]
・WIPO国際事務局は、国際出願を受理し、方式審査を行った後、
直ちに国際出願された意匠を登録する
※国際事務局から不備の補正を求められた場合、補正の受理後直ちに登録
※国際登録に関する情報は、WIPO国際事務局が管理する国際登録簿に記
録される
登録の効果
[A14(1)]
・国際登録は、国際登録の日から、各指定締約国における正規の
出願と同一の効果を有する
※国際登録により、直ちに各指定締約国で意匠権が生じるわけではない
国際登録日
[A10(2)]
・国際出願の出願日が、国際登録の日となる
※ただし、出願日認定のための追加必須事項(創作者の表示、意匠の特徴
についての簡潔な説明、請求の範囲)の記載を求める国の指定を含む国
際出願において、国際出願時に記載不備があった場合には、その不備の
補正をWIPO国際事務局が受理した日
15
(6)国際公表(1/3)
国際公表
[A10(3)]
・国際登録された意匠の内容は、
国際意匠公報(International Designs Bulletin)において公表される
公表時期
・国際公表の時期は、原則、国際登録の日から6月後
[R17(1)]
・出願人の請求により、国際登録後の即時公表又は公表の延期を
選択することも可能
※公表の延期の可否と延期可能期間(最長30月)は、指定国に応じて変化
国際意匠公報の例
16
(6)国際公表(2/3)
公表の延期を請求する場合の手数料
・公表の延期を請求する場合、公表手数料の支払は、延期期間満了の3
週間前まで猶予される [R12(2)] [R16(3)]
公表の延期をする場合の見本の提出
・平面的な意匠について公表の延期の請求を行う場合には、国際出願時
に、複製物(図面/写真)に代えて、所定の条件を満たす見本を提出す
[R10] [S406]
ることが可能
・国際出願時に見本を提出した場合、上記公表手数料の支払期限の3月
前までに、複製物を提出することが必要 [A11(6)(b)] [R16(4)]
公表の延期を請求したものについて、国際公表がされない場合
・公表の延期の期間中に、全ての指定国について、国際登録を放棄、又
は、国際登録の対象である意匠を限定した場合 [A11(5)]
・公表手数料の支払、複製物の提出が適正になされなかった場合
[A11(6)] [R16(5)]
17
(6)国際公表(3/3)
公表の延期可能期間 [A11]
・各指定国が認める延期期間のうち最短の期間内で、公表の延期が可能
例1)EU(30月)と韓国(30月)を指定
→ 最大30月延期可能
例2)EU(30月)とOAPI(12月)を指定
→ 最大12月延期可能
例3)EU(30月)とシンガポール(延期不可)を指定
→ 延期不可
※公表の延期を認めない締約国を指定国として含めた状態で公表の延期を請求してし
まった場合、WIPO国際事務局からの通知後1月以内に当該締約国の指定を取り下
げない限り、公表の延期の請求が考慮されないこととなるため、注意が必要 [R16(2)]
主な締約国の公表延期可能期間
・最長30月 :EU、フランス、スイス、ドイツ、スペイン、韓国、トルコ (日本)
・最長12月 :OAPI
・最長 6月 :デンマーク、ノルウェー
・延期不可 :ポーランド、シンガポール
18
(7)権利発生(拒絶の通報)
拒絶の通報
[A12]
[R18]
・指定国の官庁には、国際登録の対象である意匠が自国の法令に
基づく実体的な保護の要件を満たしていない場合に、その国際登
録に基づく保護の効果を拒絶することが認められている
・拒絶の通報が可能な期間は、国際公表から6月又は12月以内
・拒絶の通報は、国際登録簿に記録され、その写しが国際登録の名
義人に送付される(代理人がいる場合には代理人宛て)
・拒絶の通報を受けた国際登録の名義人には、当該指定国の正規
の出願の場合と同じ救済手段が与えられる
・拒絶の通報には以下のような事項が含まれる
拒絶の根拠となる理由
拒絶の対象となる意匠
拒絶の見直し又は不服申立ての可否、その手続及び期間
主な締約国の拒絶通報期間
・ 6月 :EU、フランス、スイス、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、ポーランド、OAPI
・12月 :スペイン、韓国、トルコ (日本)
※新規性を含む実体的要件の審査を行う官庁を有する国及び異議申立制度を有する国
のみが12月を選択可能
19
(7)権利発生(拒絶の取下げの通報/保護の付与の声明)
拒絶の取下げの通報
[R18(4)]
・指定国の官庁に対する意見の提出や補正手続等により、拒絶の
理由が解消した場合には、拒絶の通報を行った官庁は、当該国で
の意匠権を生じさせるため、WIPO国際事務局に対して拒絶を取り
下げる通報を行うことが可能
・拒絶の取下げの通報は、国際登録簿に記録され、その写しが国際
登録の名義人に送付される(代理人がいる場合には代理人宛て)
・拒絶の取下げの通報には以下のような事項が含まれる
拒絶の取下げの対象となる意匠
当該指定国で保護の付与の効果が生じた日
官庁での手続により補正された場合は、その全ての内容
保護の付与の声明
[R18の2]
・拒絶の通報の有無を問わず、指定国の官庁は、その指定国で意
匠権を生じさせるため、WIPO国際事務局に対して保護の付与の
声明を行うことが可能
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(8)維持管理
登録更新
[A17]
・国際登録は、国際登録の日から当初5年間有効であり、その後、
更新手続により5年ごとの延長(複数回)が可能
・更新を望む指定国及び意匠数により、手数料額は異なる(後述)
主な締約国の最長権利存続期間(最短15年)
・25年 :EU、フランス、スイス、ドイツ、スペイン、ノルウェー、ポーランド、トルコ
・20年 :韓国 (日本)
・15年 :シンガポール、OAPI
所有権変更
[A16(1)(i)]
放棄・限定
[A16(1)(iv),(v)]
その他
・国際登録に含まれる指定国(複数)の一部又は全部、意匠(複数)
の一部又は全部について、国際登録の所有権の変更が可能
・新権利者は国際出願の資格を有することが必要
・指定国(複数)の一部又は全部についての、国際登録の放棄、国
際登録の対象である一又は二以上の意匠への限定が可能
・国際登録の名義人の名称変更など
[A16(1)]
各種手続の様式(http://www.wipo.int/hague/en/forms/
※2015年2月現在)
・DM/2(所有権変更)、DM/3(限定)、DM/4(登録更新)、DM/5(放棄) など
21
1.導入
2.ハーグ協定のジュネーブ改正協定の概要
3.日本における国際出願の取扱い
4.ロカルノ協定に基づく国際意匠分類
22
(1)協定加入に向けた課題と対応
検討を行った主な課題
課題への対応
複数意匠一括出願
国際出願の対象である意匠ごとにされた出願
とみなす
公表の延期
最長30月の延期を認める
国際出願への適用
新規性喪失例外
適用する
部分意匠
適用する
秘密意匠
適用しない
公報発行、原簿管理
日本国内での公報発行及び原簿管理を行う
手数料納付形式
一括納付
(拒絶の場合は登録料相当分を返還)
自己指定
許容する
国内官庁を通じた出願
受け付ける
国際公表後の補償金請求権
導入する
国際分類と日本意匠分類
両分類を併用する
23
(2)国際出願の我が国への受入れ
我が国の意匠登録出願とみなされる国際出願
[改意60の6(1)]
・以下の条件を満たす国際出願は、国際登録の日にされた我が国の意
匠登録出願とみなされる
日本を指定国としている
その国際出願に係る国際登録について、国際公表されている
※ 当該国際出願を「国際意匠登録出願」という
・国際意匠登録出願は、意匠法の規定に基づき、通常の国内出願と同
様に扱われる
日本
国際出願
国際意匠登録出願
DM/1
国際登録
意匠登録願
国際公表
[指定国]
日本、EU、・・・
※ 以下、改正意匠法の参照条文番号を、改意60の6(1)のように表記しています。(改正意匠法第60条の6第1項を表します。)
24
(3)複数意匠一括出願の受入れ
複数意匠を含む国際出願の取扱い
国際意匠登録出願(出願数:4)
国際出願(意匠数:4)
複数意匠一括出願
一意匠一出願
改正法の要点 ・国際出願が複数の意匠を含む場合、含まれる意匠ごとの複数の
[改意60の6(2)]
出願とみなす
審査
・我が国の出願とみなされた各出願の意匠について、個別に審査
を行う
・登録査定となったものから、順次、意匠権の設定の登録を行う
25
(4)新規性喪失の例外適用・優先権主張の手続
新規性喪失の例外適用の申請手続
[A5(3)]
[S408]
・例外適用の申請
国際出願時に、WIPO国際事務局に提出
又は
国際公表後30日以内に、特許庁に提出
[改意60の7]
[改意60の7]
・例外適用が可能な意匠であることを証明する書面(証明書)
国際公表後30日以内に、特許庁に提出
優先権主張の手続
[A6(1)(a)]
[改意60の10]
[改意60の10]
・優先権の主張
国際出願時に、出願様式(DM/1)中に記載
・優先権証明書
国際公表後3月以内に、特許庁に提出
26
(5)国内公報発行、国内原簿管理
国内公報
・国際登録を基礎とした意匠権の先行意匠調査を容易にするため、
国内出願と同様の意匠公報を発行する
国内原簿
・国際登録を基礎とした意匠権について、国内の登録原簿で、国内
出願に基づく意匠権と同様の内容を把握可能とする
国内の登録原簿
・ 意匠権の設定
・ 意匠権の移転
・ 意匠権の消滅
(存続期間満了以外)
・ 意匠権の消滅
(存続期間満了)
・ 専用実施権の設定
・ 質権の設定
など
・これらは国際登録簿に記録される
事項の複製であり、国際登録を基
礎とした意匠権の移転及び消滅
(存続期間の満了によるもの以外)
については、国際登録簿に登録さ
れたところによることとなる
[改意60の19]
27
(6)国際公表後の補償金請求権
国際公表後の補償金請求権
[改意60の12]
・国際公表から設定登録までの間、第三者の実施(模倣)による被
害を補償するための新たな権利を創設
・補償金請求権の行使
国際公表後、国際意匠登録出願に係る意匠を記載した書面を提示して警
告
警告後から意匠権の設定登録までの間に、当該意匠又はこれに類似する
意匠を業として実施した者に対して、実施料相当額の補償金の支払を請求
することが可能(ただし、補償金請求権の行使は設定登録後)
※ 警告しない場合であっても、国際公表された国際意匠登録出願に係
る意匠であることを知りながら、業としてその意匠又はこれに類似す
る意匠を実施した者に対しては、補償金請求権を行使可能
補償金請求権による保護
国際出願
国際登録
国際公表
意匠権による保護
設定登録
(意匠権発生)
28
(7)政省令改正の概要
「特許法等関係手数料令等の一部を改正する政令」
<特許法等関係手数料令>
・個別指定手数料の返還の額を定める
・国際登録出願(間接出願)に係る送付手数料の額を定める
<意匠登録令>
・国際登録を基礎とした意匠権について国内の登録原簿で管理する事項について定める
<弁理士法施行令>
・弁理士等以外が作成を業とすることができない書類に「意匠に係る国際登録出願」を追加する
「特許法施行規則等の一部を改正する省令」
<意匠法施行規則>
・国際意匠登録出願に係る国内手続に必要となる書面等の提出期間を定める
・国際意匠登録出願に係る新たな提出書面の様式を規定する 等
<意匠登録令施行規則>
・国際意匠登録出願に係る国内の登録原簿の様式について定める 等
<工業所有権に関する手続等の特例に関する法律施行規則>
・国際意匠登録出願に関して電子化する手続について定める 等
その他、特許法施行規則・実用新案法施行規則(出願変更に係る様式の規定)、弁理士法施行規則
(弁理士の意匠に関する実務実習の単位数を追加する)について規定を整備
29
(8)日本を指定国とする国際出願の主な手続の流れ
出願人/名義人
WIPO国際事務局
国際出願
方式審査
日本国特許庁
国際登録
国際公表
拒絶の通報の写しの受領
意見書の提出/補正
(国際意匠公報)
【国際意匠登録出願】
拒絶の通報
実体審査
(国際登録簿に記録)
登録(意匠権付与)できない理由があるか?
〔意見書提出のための指定期間〕
Yes
/
No
拒絶の通報の発送から
国内居住者:60日、海外居住者:3月
拒絶査定の受領
拒絶査定
拒絶査定不服審判請求
拒絶査定不服審判
登録査定
拒絶の取下げの通報の写し
/保護の付与の声明の写しの受領
拒絶の取下げの通報
/保護の付与の声明
(国際登録簿に記録)
意匠権の設定の登録
(国内の登録簿に記録)
登録査定・登録証の受領
国内の意匠公報の発行
30
(9)改訂意匠審査基準(概要)
我が国を指定国とする国際出願は、国際登録され、国際公表されると我が国
の意匠登録出願とみなされることから、その出願(国際意匠登録出願)の実体
的要件に関する審査判断は、国内出願についての審査判断に準じて行う
ただし、国内出願とは手続形式が異なる国際出願を新たに取り扱うこととなる
ため、以下のような観点から意匠審査基準を追加整備した
①
国際意匠登録出願を我が国の意匠登録出願として適切に審査するために、明確
にする必要がある事項 (第11部 国際意匠登録出願 の新設)
例)国際登録簿に記録された事項と意匠登録出願の願書又は図面に記載すべき事項との
対応関係
②
国際出願の受入れによって生じる国内出願の審査への影響
例)先願が国際意匠登録出願である場合の先後願の判断
③
ジュネーブ改正協定の趣旨を踏まえた審査手続の進め方
例)拒絶の通報をすべき場合
改訂意匠審査基準は、平成27年5月13日以降に審査される出願に適用する
(平成27年5月13日は、特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日
法律第36号)附則第1条第3号で定める、ジュネーブ改正協定に関連する規定
の施行日(ジュネーブ改正協定が日本国について効力を生じる日))
31
(9)改訂意匠審査基準(意匠の認定)(1/2)
国際登録簿に記録された事項と意匠登録出願の願書又は図面に記載すべき事項
との対応関係 [改意60の6(3),(4)]
・国際意匠登録出願の場合、
「国際登録簿に記録された事項」は、
「意匠法第6条第1項の規定により提出した願書に記載された事項」
「国際登録簿に記録された意匠」は、
「意匠法第6条第1項の規定により提出した図面に記載された意匠
登録を受けようとする意匠」
とみなされるため、国際意匠登録出願の場合には、以下の対応関係に従っ
て意匠の認定を行う
[表1]意匠法第6条第1項に定める事項についての対応関係
国際登録簿に記録された事項
意匠登録出願の願書の記載事項
国際登録の対象である意匠を構成する一若しく
【意匠に係る物品】
は二以上の製品又は国際登録の対象である意匠
が使用されることとなる一若しくは二以上の製品
国際登録名義人の氏名又は名称及びその住所
【意匠登録出願人】の氏名又は名称及び
住所又は居所
国際登録の対象である意匠の創作をした者の氏
名及びその住所
【意匠を創作した者】の氏名及び住所又
は居所
32
(9)改訂意匠審査基準(意匠の認定)(2/2)
[表2]意匠法第6条第1項に定める以外の事項についての対応関係
国際登録簿に記録された事項
意匠登録出願の願書の記載事項
出願の対象である意匠の複製物又は特徴につい
ての簡潔な説明
【意匠の説明】又は
【意匠に係る物品の説明】
※国際意匠登録出願においては、こ
れらの区別なく、いずれも【意匠の
説明】の欄に記載される。
本出願若しくは本登録又は本意匠の表示
【本意匠の表示】
新規性喪失の例外に関する宣言
【特記事項】の欄の「意匠法第4条第2項
の規定の適用を受けようとする意匠登録
出願」の記載
先の出願の優先権を主張する旨の申立て
【パリ条約による優先権等の主張】
[表3]意匠の複製物と図面についての対応関係
国際登録簿に記録された意匠の複製物
意匠登録を受けようとする意匠を記載し
た図面
33
(9)改訂意匠審査基準(意匠が具体的なものであること)
意匠が具体的なものであるか否かの判断基準は、国内出願と同様
ジュネーブ改正協定に基づく国際出願は、出願の様式や記載要件が国内出願と
は異なるため、国内出願の方式要件を満たさないもの(立体物の意匠について
一組の図面(六面図)が揃っていないものなど)の出願も想定されるが、意匠が
具体的でないと判断される場合、当該出願は拒絶の対象となる
意匠が具体的とは認められない例
国際意匠登録出願の場合
国内出願の場合
・立体物の全体意匠が1図のみ
で表されている
拒絶 (拒絶の通報)
(理由)意匠が具体的
でない
補正指令(方式)
(理由)一組の図面が
揃っていない
※具体的な意匠ともい
えない
34
(9)改訂意匠審査基準(一意匠一出願)
国際登録の対象である意匠が意匠法第7条(一意匠一出願)の要件を満たさな
い場合には、拒絶の対象となる
※複数の意匠を含む国際出願の場合、我が国では「国際登録の対象である意匠ごと」の出願と
みなされるが、それがそのまま、意匠法第7条に規定する「経済産業省令で定める物品の区
分により意匠ごと」にした出願を意味することとはならない
意匠法第7条に違反する出願の例(物理的に分離した部分意匠の場合)
・一方のみに限定する補正が可能
・出願の分割により、他方を新たな出願(通常の国内
出願)とすることも可能
※後輪のみ実線
※サドルのみ実線
・サドルと後輪を実線、その他を
破線で記載し、破線部は保護を
求めない旨を説明記載
意匠法第7条に規定する「意匠ごと」
の出願とは認められないため、拒絶
の対象となる
限定(一部削除)補正
分割出願(国内出願)
(説明のために他の部分の記載を省略)
35
(9)改訂意匠審査基準(部分意匠)(1/2)
国際出願では、図面中に図示されるが「保護を求めないもの」を、点線、破線若し
くは着色、又は出願様式中の説明欄の記載によって表すことが認められている
国際出願の出願様式には、「部分意匠」の欄の記載が認められていない
※ 国内出願では、出願人の意図を明確にするための「部分意匠」の欄の記載、及び、「意匠登録を
受けようとする部分」を特定するための記載(図面及び説明)が必要
国際意匠登録出願の場合、以下の条件が満たされている場合に、我が国の「部
分意匠」に相当すると判断する
・図面及び説明の記載の双方において、物品の部分について意匠登録を受けよ
うとするものであることが明確に示されている
・その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて、願書及び図面の記載
から以下の点についての具体的内容を直接的に導き出すことができる
①
②
③
④
意匠に係る物品
「意匠登録を受けようとする部分」の用途及び機能
「意匠登録を受けようとする部分」の位置、大きさ、範囲
「意匠登録を受けようとする部分」の形態
※ 部分意匠に相当すると判断される場合、他に拒絶の理由があれば出願人の手続補正により、他に
拒絶の理由がなければ審査官が、「部分意匠」の欄の追記を行う
36
(9)改訂意匠審査基準(部分意匠)(2/2)
「部分意匠」に相当すると認められる例
・図面中で「意匠登録を受けようとする部分」と「その他の部分」とを実線と破線により明確に描
き分けており、説明も記載されている
<図面中に「保護を求めないもの」を表した具体例>
他の図は省略
DM/076606(意匠番号6)
・前面部以外の部分を破線で記
載
・説明に「・・・No protection is
sought for the features of the
designs indicated by broken
lines, shown in the
representations・・・」と記載
他の図は省略
DM/072618(意匠番号7)
・ヘッド部を破線で記載
・説明に「・・・The broken line
disclosure (handle; neck)
does not form part of the
claimed design・・・」と記載
他の図は省略
DM/081639(意匠番号2)
・車体前部以外を青色に着色
・説明に「・・・the blue marked
parts are not coming into
the scope of the industrial
design (disclaimer)・・・」と
記載
37
(9)改訂意匠審査基準(拒絶の通報)
WIPO国際事務局を経由しての拒絶の通報を行うのは、国際意匠登録出願が
「法令に基づく保護の付与の条件を満たしていない場合」といえる以下の場合
①当該国際意匠登録出願が拒絶理由(意匠法第17条各号)に該当する場合
(※拒絶の通報によって拒絶理由通知を代替)
②当該国際意匠登録出願に関する手続又は処分の確定を待つ必要がある場合
③当該国際意匠登録出願以外の出願に関する処分の確定を待つ必要がある場
合(待ち通知)
一度拒絶の通報を行った場合、以後の手続では、拒絶理由の通知等は、WIPO
国際事務局を経由しての拒絶の通報にはよらずに、通常の拒絶理由通知等に
より、特許庁から直接通知を行う
WIPO国際事務局を経由しての拒絶の通報は、英語で行う
38
1.導入
2.ハーグ協定のジュネーブ改正協定の概要
3.日本における国際出願の取扱い
4.ロカルノ協定に基づく国際意匠分類
39
(1)ロカルノ協定に基づく国際意匠分類(1/4)
ロカルノ協定 ・意匠の国際分類を定める国際条約(WIPO国際事務局が管理・運営)
(同盟国:54か国 ※2015年2月現在)
・日本では、2014年9月24日に発効
・同盟国の官庁は、意匠の登録のための公文書又は刊行物に、その
意匠を構成する物品が属する国際意匠分類の番号を記載する
国際意匠分類 ・国際意匠分類は、以下の内容で構成される
32の類及びこれを下位展開した219の小類からなる分類
表(第10版)
7,157品目(第10版)の意匠を構成する物品とこれらが属
する国際意匠分類を表示したアルファベット順の一覧表
注釈
国際意匠分類(第10版)の確認方法(WIPOウェブサイト)
PDF版:http://www.wipo.int/classifications/nivilo/pdf/eng/locarno/LOC_10e.pdf
電子版:http://www.wipo.int/classifications/nivilo/locarno10/index.htm?lang=EN
※2015年2月現在
40
(1)ロカルノ協定に基づく国際意匠分類(2/4)
類別の表
(仮訳)
41
(1)ロカルノ協定に基づく国際意匠分類(3/4)
類・小類・注釈の例
類
小類
CLASS 17 Musical instruments
Note: Not including cases for musical instruments (Cl. 3-01), or equipment for the
注釈
recording or reproduction of sounds (Cl. 14-01).
17-01 KEYBOARD INSTRUMENTS
Note: Including electronic and other organs, accordions, and mechanical and
注釈
other pianos.
17-02 WIND INSTRUMENTS
Note: Not including organs, harmoniums and accordions (Cl. 17-01).
注釈
17-03 STRINGED INSTRUMENTS
17-04 PERCUSSION INSTRUMENTS
17-05 MECHANICAL INSTRUMENTS
Notes: (a) Including music boxes.
注釈
(b) Not including mechanical keyboard instruments (Cl. 17-01).
17-99 MISCELLANEOUS
42
(1)ロカルノ協定に基づく国際意匠分類(4/4)
物品の一覧表(アルファベット順)の例
意匠を構成する物品
・
・
・
物品が属する類及び小類
43
(2)国際意匠分類とジュネーブ改正協定の関係
[R7(7)]
国際出願に2以上の意匠を含める場合には、それらの意匠の全てが国際意匠分
類の同じ類に属するものでなければならない
国際出願に2以上の意匠を含める場合の例
第6類 家具
第12類 輸送又は昇降の手段
机
収納家具
レーシングカー
椅子
[R7(3)]
×
国際出願の願書に記載する製品の表示は、国際意匠分類の物品の一覧表に示
されたものを用いることが推奨されている
国際登録簿には、WIPO国際事務局が決定した国際意匠分類の該当する類が
[R15(2)(v)]
記録される
44
(まとめ)ジュネーブ改正協定の主な利点と活用例
ジュネーブ改正協定の利用により、以下の手続及び費用負担の軽減が可能
複数国・複数意匠(最大100意匠)についての出願手続が一括で可能
複数国における意匠権の維持管理手続が一括で可能
指定国によらず、単一言語(英語、フランス語又はスペイン語)で手続可能
指定国によらず、単一通貨(スイスフラン)で支払い可能
ジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際登録制度の活用例
国際登録された意匠は国際公表の後に各指定国で審査に付されることを
踏まえ、まずは日本で国内出願をして審査結果(FA)を確認した上で、登
録性の高い意匠について国際出願すれば、無審査国を含む各指定国に
おいて、より確実性の高い意匠権に基づく事業活動が可能
我が国を国際出願の指定国として含める場合、公表の延期を伴う国際出
願を本意匠とすると、当該国際出願が国際公表されるまでの期間(最大
30月)内に後日出願された同一出願人による類似する意匠について、関
連意匠としての登録を受けることが可能となる(※)
(※他の指定国においても公表の延期が認められ、ほかに拒絶の理由が存在しない場合)
45
(参考)締約国に関する情報(1/2)
政府間
機関
25
15
25
25
25
25
25
50
タジキスタン
法令に定める
最長の保護期間
(単位:年)
●
15
15
15
25
25
25
25
25
●
●
25
15
25
15
●
●
30
●
●
30
●
●
●
個別指定手数料
が適用される国
モンテネグロ
12
●
拒絶の通報期間が
12月の国
ウクライナ
30
スロベニア
30
セルビア
ルーマニア
30
●
公表の延期を
認めない国
ポーランド
30
マケドニア旧ユーゴスラビア共和国
30
モルドバ共和国
30
ラトビア
30
リトアニア
12
キルギス
ハンガリー
30
クロアチア
12
グルジア
30
エストニア
30
ブルガリア
30
ボスニア・
ヘルツェコビナ
30
アゼルバイジャン
30
アルメニア
30
アルバニア
30
モナコ
30
東欧
スペイン
30
ドイツ
30
スイス
12
リヒテンシュタイン
OAPI(アフリカ知的財産機関)
30
フランス
(
欧州連合)
EU
公表の延期を認める
期間(単位:月)
西欧
●
●
25
25
25
25
25
25
25
25
15
46
(参考)締約国に関する情報(2/2)
北欧
アフリカ
チュニジア
ルワンダ
サントメ・
プリンシペ
ナミビア
ガーナ
エジプト
ボツワナ
日本
韓国
ブルネイ
30 30 12 12 30 30 30 30 30 30 30 30 30
●
●
拒絶の通報期間が
12月の国
●
個別指定手数料
が適用される国
法令に定める
最長の保護期間
(単位:年)
シリア
●
オマーン
公表の延期を
認めない国
30
トルコ
6
シンガポール
フィンランド
6
モンゴル
ノルウェー
6
アイスランド
デンマーク
公表の延期を認め
る
期間(単位:月)
アジア
25
※1
25
25
※1
●
●
●
●
●
●
25 ※2 15 25 15 15 15 20 20 15 15 15 15 15 ※2 15
※1:スペアパーツについては15年
※2:未だ保護期間の宣言がなされていない
(補足) 韓国では以下の図面提出要件あり
組物: 全体について1図と、構成物品の図
タイプフェイス: 所定の文字、サンプルの文章、典型的な文字
47
(参考)国際登録の検索(Hague Express)
●国際登録の記載事項による検索が可能
(公報の号をまたぐ横断的な検索が可能)
●次の事項を任意指定しての検索が可能
【意匠】 製品の表示、ロカルノ国際意匠分類、説明
【名前】 名義人、創作者、代理人
【番号】 国際登録番号
【日付】 国際出願の日、国際登録の日、優先日
【国】 指定国、出願資格を有する国、出願人の締約国
●次の表示事項を選択しての絞り込み検索も可能
指定国、ロカルノ国際意匠分類(クラス単位)、
国際登録の日(年単位)、名義人の締約国
検索結果の一覧表示
●案件選択により、国際登録の詳細情報表示
(各指定国での登録/拒絶情報を含む)
http://www.wipo.int/designdb/hague/en/
48
(参考)国際意匠公報の閲覧
●公報各号単位での検索が可能
(号をまたぐ横断的な検索は不可)
公報は毎週金曜日に発行
(2004年4月~2011年12月の期間は月1回発行)
●公報の種別ごとの検索が可能
次の公報種別を選択可能
国際登録、更新、更新されなかった登録、所有
権の変更、国際登録の併合、名義人名称/住所
の変更、放棄、限定、拒絶、拒絶の取下げ、保護
の付与の声明、無効、更正
●国際登録の記載事項による検索が可能
次の記載事項を選択可能
国際登録番号、国際登録の日、優先日、ロカルノ国際
意匠分類、製品の表示、名義人、指定締約国
http://www.wipo.int/haguebulletin/?locale=en
49
【第2部】
意匠の国際登録制度の
具体的な手続方法について
説明内容
1. 国際出願時の手続
2. 日本国特許庁を経由して行う国際出願
3. 指定官庁としての日本国特許庁への手続
51
1. 国際出願時の手続
2. 日本国特許庁を経由して行う国際出願
3. 指定官庁としての日本国特許庁への手続
52
1.国際出願時の手続
直接出願の場合はWIPO国際事務局、間接出願の場合は日本国特許庁に、
それぞれ願書[DM/1]を提出する。
[DM/1]
直接出願
郵送、インターネット
出願人
WIPO国際事務局
or
間接出願
出願人
WIPO国際事務局
郵送、窓口
送付
日本国特許庁
53
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(1/8)~
願書[DM/1]の記載方法については、「DM/1.INF」で詳細を確認することが可能。
DM/1.INF :http://www.wipo.int/export/sites/www/hague/en/forms/docs/form_dm_1_inf.pdf
出願人
※出願人が複数いる場合は、
「CONTINUATION SHEET」を
使用し、下のボックスにチェック
を入れる。
通信のための宛先
※ 代理人が選任されておらず、
住所の異なる出願人が複数い
る場合は本欄に通信のための
宛先を記載する。
→ 通信のための宛先が第1欄に
記載した出願人の住所と同じ
場合は、本欄は空欄でよい。
※ 第5欄において代理人が選任
されている場合は、 WIPO国際
事務局からの通信は全て当該
代理人に送付される。
→ この場合、本欄は空欄でよい。
54
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(2/8)~
出願の資格
※出 願 の 資 格 の 根 拠 と な る
(a)国籍、(b)住所、(c)商業上
又は工業上の営業所、(d)常
居所についてそれぞれの資格
に該当する締約国(又は政府
間機関)をすべて記載する。
出願人の締約国
※ 1つだけ記載する(必須)。
※出願人が複数いる場合は、
「CONTINUATION SHEET」を
使用し、下のボックスにチェック
を入れる。
代理人の選任(代理人がいる場合)
※ 代理人の選任が認められるた
めには、第14欄において出願
人が署名するか、委任状を添
付するか、いずれかが必要。
該当する方のボックスにチェッ
クを入れる。
55
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(3/8)~
創作者
※ ルーマニア・アイスランド・ガーナ・ハン
ガリー・フィンランド・韓国・セルビア・ノ
ルウェー・ブルガリア・タジキスタンを指
定する場合は、記載が必要。
※ アイスランド・ガーナ・ハンガリー・フィン
ランドを指定する場合は、出願人名と創
作者名が異なる場合、出願人に譲渡さ
れたものと扱われる。
意匠、複製物、及び/又は見本の数
※ 日本を指定する場合にも創作者の記載
が必要となる予定。
意匠を構成する又は意匠が使用されることとなる製品
10
意匠が属する(ロカルノ分類の)クラス
製品
サブクラス(任意)
意匠番号(昇順)
例)
1
2
3
Alarm watch
Wrist watch
Wall clock
10-01
10-02
10-02
※ ひとつの出願に複数の意匠を含める場
合は、全ての意匠がロカルノ分類の同
じクラス(類)に属していなければならな
い。
※ エストニア・キルギス・シリア共和国・シ
ンガポール・タジキスタン・ルーマニアを
指定する場合、国際出願には意匠の単
一性の要件が課されるため、後に分割
等手続が必要。
※ 韓国では、ロカルノ分類の32類に属す
る製品(物品性を伴わないロゴ、表面模
様等)についての意匠は保護が受けら
れない。
56
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(4/8)~
(意匠の)説明
複製物(図面/写真)中に表れる意匠の
特徴についての記載。
※ 記載は原則任意だが、ジュネーブ改正
協定に基づきシリア共和国・ルーマニア
を指定する場合は、出願された意匠の
複製物又は特徴の簡潔な説明が必須。
※ 意匠の説明中に、ディスクレーム及び
保護請求範囲の除外部分を示すことが
可能。
※ 意匠の説明が100語を超える場合は追
加手数料が発生するため、手数料納付
時に注意する。
図の表示は(b)欄に記載する(任意)。
※「No.」には複製物に付した番号を記載する。
例)国際出願に含まれる意匠のうち
・ 1つ目の意匠の1番目の図の場合: 1.1
・ 2つ目の意匠の3番目の図の場合: 2.3
1.1
2.3
※「Code」には対応する図の凡例の番号を記載する。
なお、複製物に付す番号は、意匠の番号と複製物の
番号をドットでつないだものとする。
57
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(5/8)~
締約国の指定
※ 国際出願時に指定国を明示する必要
があり、国際登録後に指定国を追加す
ることはできないため注意する。
※ 自国の官庁を指定すること(自己指定)
も可能。
優先権主張(任意)
※ 優先権主張の対象とする、又は対象と
しない意匠を明示する。
※ 優先権主張は国際出願時にしか手続
が認められないため、優先権主張する
場合は必ず第11欄に必要事項を記載
する。
58
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(6/8)~
出願前に国際博覧会で公開された
意匠の一時的な保護を請求する場合
の記載。
国際博覧会(任意)
※ 一時的な保護を請求する意匠が国
際出願に含まれる意匠(複数)のす
べてでない場合は、請求する意匠
又は請求しない意匠を特定する。
国際登録の公表
即時公表又は公表の延期を希望す
る場合の記載。通常は、国際登録か
ら6月後に国際公表される。
※ 公表の延期(任意)は出願日又は
優先日から30月を超えない範囲で
請求が可能。
※ 国際公表の延期を認めていない国、
延期を請求できる最大の期間を6
月又は12月と短く設定している国
があるため注意する。
59
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(7/8)~
出願人又はその代理人による署名
願書提出官庁(該当する場合)
※ 第5欄で代理人を選任する場合、
第5欄(c)のチェック内容に合わせ
て、出願人又は代理人のいずれか
がが署名する(代理人が署名する
場合には委任状の添付が必要)。
※ 本欄は、間接出願の場合に官庁が
使用する欄のため、記載しない。
60
1.国際出願時の手続 ~願書[DM/1]の記載要領(8/8)~
願書の各欄に記載しきれない場合は、「CONTINUATION SHEET」を作成する。
例)出願人が複数いる場合、優先権主張が複数あり全て記載できない場合 など
複数の出願人を記載する場合の例
NO :
Continuation of item number (1)、●●
APPLICANT
A (a) Name: ISYO Taro
(b) Address: 3-4-5 Kasumigaseki Chiyoda-ku Tokyo 100-8913 JAPAN
(c) Telephone, Fax, E-mail address: ・・・
B (a) Name: ISYO Hanako
(b) Address: 3-4-5 Kasumigaseki Chiyoda-ku Tokyo 100-8913 JAPAN
(c) Telephone, Fax, E-mail address: ・・・
1
of
1.
様式の冒頭に、使用する
「CONTINUATION SHEET」の
頁数を記載する。
「CONTINUATION SHEET」に、
願書[DM/1]において該当する
項目番号を記載する。
「CONTINUATION SHEET」を作
成した場合はチェックボックスに
チェックを入れる。
チェックボックスがない場合は、
左図のように表示することをお
薦めする。
61
1.国際出願時の手続 ~ANNEX~
関連意匠出願をする場合、ANNEX A をWIPO国際事務局に提出する。(韓国)
新規性喪失の例外適用の申請をする場合は、ANNEX BをWIPO国際事務局に提出する。
(韓国)
ANNEX A について
ANNEX A は、現在韓国を指定国とする場合にのみ使用する、関連意匠出願用の願書[DM/1]の附属書。
国際出願に含まれるどの意匠を関連意匠とするのかを意匠番号により記載するとともに、その本意匠を
特定するための番号を、国際登録番号と意匠番号、韓国における国内出願番号等により記載する。
ANNEX B について
ANNEX B についても、現在韓国を指定する場合にのみ使用する、新規性喪失の例外適用の申請用の
願書[DM/1]の附属書。
申請に加え、新規性喪失の例外適用の申請証明書についても、ANNEX B-docs とする補足書類を使用
し、国際出願時にWIPO国際事務局へ提出することが可能。また後日、韓国特許庁へ直接提出すること
も可能。(後日WIPO国際事務局に提出することは不可。)
※ ANNEX A 及び ANNEX B を提出する場合は、願書[DM/1]の「For use by the applicant」欄 ANNEX A /
ANNEX B の□に必ずチェックを入れる。
※ ANNEX A 又は ANNEX B のみをWIPO国際事務局に提出することはできず、必ずDM/1に添付しなけれ
ばならない。
※ 日本向けにも、関連意匠出願及び新規性喪失の例外適用の申請用のANNEXが設けられる予定。
62
1.国際出願時の手続 ~手数料(1/2)~
国際出願に必要な手数料は、WIPO国際事務局に スイスフラン建て で一括納付する。
(公表の延期を請求する場合は、公表手数料を後日納付することが可能)
国際事務局は、①基本手数料、②公表手数料(、③追加手数料)を受け取る。
各指定国は、標準指定手数料又は個別指定手数料を受け取る。
間接出願の場合、日本国特許庁に対して送付手数料(3,500円)を別途直接納付する。(後述)
①基本手数料
②公表手数料
(③追加手数料)
標準指定
手数料
個別指定
手数料
①基本手数料
②公表手数料
(③追加手数料)
標準指定手数料
等級1
指定国A 特許庁
<無審査国>
国際事務局へ一括納付
出願人
WIPO国際事務局
標準指定手数料
等級2又は等級3
直接出願
指定国B 特許庁
<個別指定手数料の受領を
宣言していない実体審査国>
個別指定手数料
送付手数料
間接出願
日本国特許庁
指定国C 特許庁
<個別指定手数料の受領を宣
言している実体審査国、政府
間機関>
63
1.国際出願時の手続 ~手数料(2/2)~
WIPOが受領する手数料
基本手数料
最初の一意匠につき
397スイスフラン
同じ国際出願の中に含まれる追加の意匠ご
とに
19スイスフラン
公表手数料
公表される複製物ごとに 17スイスフラン
(複製物が紙で提出される場合)一又はそれ
以上の複製物が表されるページ(第二ページ
以降)ごとに
150スイスフラン
追加手数料
意匠の説明が百単語を超える場合に、百単
語を超えた一単語ごとに
2スイスフラン
指定国が受領する手数料 (出願手数料+5年分の登録料)
標準指定手数料
→個別指定手数料の受領を宣言していな
い締約国等を指定した場合
等級1
最初の一意匠につき
42スイスフラン
同じ国際出願の中に含まれる追加の意匠ごとに
2スイスフラン
等級2
最初の一意匠につき
60スイスフラン
同じ国際出願の中に含まれる追加の意匠ごとに
20スイスフラン
等級3
最初の一意匠につき
90スイスフラン
同じ国際出願の中に含まれる追加の意匠ごとに
50スイスフラン
個別指定手数料
→個別指定手数料の受領を宣言している
締約国等を指定した場合
各締約国等が定めた額(スイスフラン建て)
6つの国及び政府間機関が個別指定手数料の受領を宣言
※各締約国の指定手数料の額については、配付冊子「ハーグ協定
のジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際出願の手続」(黄色)
の参考資料1・2(P.251~253)参照
→韓国、キルギス、ハンガリー、モルドバ、
EU(欧州連合)、OAPI(アフリカ知的財産機関)
64
1.国際出願時の手続 ~手数料の計算方法~
WIPOが提供する Fee Calculator(手数料計算ツール)を用いて、簡易に手数料の額を計算
することが可能。 (Fee Calculator :http://www.wipo.int/hague/en/fees/calculator.jsp)
①
各項目について選択する
WIPO国際事務局(直接出願)
又は日本国特許庁(間接出願)
の受理日に有効な日を選択
②
出願人の締約国
指定国にチェックを入れる
意匠数
複製物の数
(紙媒体で出願す
る場合)複製物を
表すページ数
意匠の説明の単語数
③
計算結果が表示される
基本手数料
標準指定手数料
個別指定手数料
追加手数料
公表手数料
合計金額(スイスフラン)
65
1.国際出願時の手続 ~手数料の送金方法~
手数料の送金方法として、①WIPO口座への外国送金、②WIPOに設けた支払者口座からの引き落とし、
③クレジットカードがある。
※ただし ②:WIPOが別途定める要件を満たす必要あり ③:E-filingの場合のみ
外国送金依頼書(見本)
外国送金の留意点
「受取人への連絡事項」欄には、送金目的と
案件特定のための必要情報を英語で記載す
る。
・送金目的
・出願人の氏名又は名称
・支払に係る出願を特定できるもの
(願書[DM/1]の「For use by the applicant」
の「Reference」欄に記載する番号等)
スイスフラン建て
経由銀行等で発生する手数料は、送金者の
負担。
※送金後、WIPOから送金者宛に支払受領書が
送付される。
・送金目的
例)International application(Design)
・出願人の氏名又は名称
・支払に係る出願を特定できるもの
例)Reference:D1234
<WIPO銀行口座>
銀行名:Credit Swiss
銀行所在地:CH-1211 Geneva 70 SWITZERLAND
口座番号:CH51 0483 5048 7080 8100 0
Fee for international application of industrial design
66
1. 国際出願時の手続
2. 日本国特許庁を経由して行う国際出願
3. 指定官庁としての日本国特許庁への手続
67
2.日本国特許庁を経由して行う国際出願
日本国特許庁を経由しての国際出願(間接出願)を行うことができるのは、
①日本国民、②日本国内に住所又は居所(法人の場合は営業所)を有する外国人に限られる。
間接出願時に差出書・願書[DM/1]・複製物を提出する。
WIPO国際事務局に納める手数料とは別に、送付手数料として日本国特許庁へ3,500円を直接納
付する(改正意匠法第67条第1項第4号)。
dd/mm/yyyy
<差出書>
下記の内容を記載した書面
・提出日
・出願人の氏名又は名称
(・DM/1に記載した出願人の整理番号)
・送付手数料の納付方法に応じた内容
①差出書
②願書[DM/1]・複製物
送付手数料3,500円を納付
・印紙を添付
・納付済証を添付
・納付番号を記載
1月以内に届くように
願書・複製物を送付
郵送or窓口にて書類を提出
出願人
Applicant’s name:
Applicant’s reference:
日本国特許庁
WIPO国際事務局
納付方法は以下3通り
①特許印紙
→差出書に添付
②現金納付
→納付済証を差出書に添付
③電子現金納付 →納付番号を差出書に記載
※予納又は口座振替による納付は不可
68
1. 国際出願時の手続
2. 日本国特許庁を経由して行う国際出願
3. 指定官庁としての日本国特許庁への手続
69
3.指定官庁としての日本国特許庁への手続 ~手続概要(1/2)~
出願人 代
(理人
審査結果が登録の場合
国際登録証明書
の受領
審査結果が拒絶の場合
保護の付与の
声明の写し受領
拒絶の通報の写し受領
)
国際事務局
国際登録証明書
公表の写し
拒絶通報期間
12月以内
日本国特許庁
公表の写し受領
実
体
審
保護の付与の声明
査
登録査定
出願人 代
(理人
新規性喪失の
例外適用申請
証明書提出
)
30日以内
国際登録
国際登録簿へ登録
国際公表(国際公報発行)
通常は6月後
拒絶の通報(拒絶理由の通知)
登録証
優先権証明書提出
・代理人受任届及び委任状
・手続補正書・意見書等
の提出
3月以内
登録査定受領
登録証受領
設定登録 国内意匠公報発行
70
3.指定官庁としての日本国特許庁への手続 ~手続概要(2/2)~
拒絶理由が解消
しなかった場合
請求成立の場合
拒絶の取下げの
通報の写し受領
請求不成立の場合
拒絶の取下げの
通報の写し受領
出願人 代
(理人
拒絶理由が解消
した場合
)
国際事務局
実
体
登録査定
審
拒絶の取下げの通報
査
登録証
登録証受領
拒絶査定受領
登録証
審決
拒絶査定不服
審判請求書
審決受領
登録証受領
審決受領
出願人 代(理人
査定の送達日
から3月以内
登録査定受領
審決
拒絶査定
日本国特許庁
拒絶の取下げの通報
)
設定登録 国内意匠公報発行
設定登録 国内意匠公報及び
審決公報発行
71
3.指定官庁としての日本国特許庁への手続 ~手続のポイント~
手続は国際公表以後に可能
手続書面は、国際登録の対象である意匠ごとに作成する
書面(紙)による手続(オンライン手続不可、電子化手数料は不要)
ただし、拒絶査定不服審判及び補正却下決定不服審判に係る手続はオンライン手続可能
(両審判に係る手続を書面により行った場合は、電子化手数料が必要)
手続書面には、日本国特許庁が付与した出願番号を記載する
書面記載の注意点(国内の意匠登録出願の手続書面との違い)
・出願人の氏名/名称及び住所/居所は、日本語による表記と国際登録簿に記録された原語による
表記を併記する。
・意匠に係る物品、意匠に係る物品の説明又は意匠の説明は英語で記載する。
日本国内に住所又は居所を有しない者は、意匠管理人を介して手続を行う必要あり
権利の承継や移転、出願人又は名義人の氏名・住所の変更の手続は、日本国特許庁に
対して行うことができない
(国際登録の変更に係る手続はWIPO国際事務局に対して行う)
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3.指定官庁としての日本国特許庁への手続
~新規性喪失の例外適用の申請~
新規性喪失の例外適用の申請は、①国際出願時、又は②後日日本国特許庁に対して行う。
新規性喪失の例外適用の申請に係る証明書の提出は、国際公表から30日以内に
日本国特許庁に対して行う。
新規性喪失の例外適用の申請
①国際出願時に申請する場合
国際出願時に、願書[DM/1]とともに、日本用に設けられる新規性喪失の例外適用の申請用の
ANNEXを提出する。
②日本国特許庁に申請する場合
国際公表から30日以内に、日本国特許庁に新規性喪失の例外適用申請書を書面により提出する
(改正意匠法第60条の7) 。
新規性喪失の例外適用の申請に係る証明書
上記①②いずれの場合であっても、国際公表から30日以内に、新規性の喪失の例外証明書提出書
に証明書を添付して日本国特許庁に提出する(改正意匠法第60条の7) 。
新規性の
喪失の例
外証明書
提出書
+
証明書
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3.指定官庁としての日本国特許庁への手続 ~優先権主張~
優先権主張は、国際出願時のみ可能。
優先権主張に係る証明書は、国際公表から 3月以内に日本国特許庁に提出する。
優先権主張
国際出願時に、願書[DM/1]の第11欄に必要事項を記入し優先権主張を行う。
※後日、WIPO国際事務局及び日本国特許庁に対して優先権主張することはできない。
優先権主張に係る証明書
国際公表から3月以内に、優先権証明書提出書に証明書を添付して、書面により日本国特許庁に提
出する(改正意匠法第60条の10) 。
優先権
証明書
提出書
+
証明書
74
3.指定官庁としての日本国特許庁への手続 ~個別指定手数料返還請求~
取下げ又は拒絶の場合には、個別指定手数料(登録料相当額)の返還請求が可能。
取下げ又は拒絶の確定から6月以内に、日本国特許庁に個別指定手数料返還請求書
を提出する。
個別指定手数料返還請求の条件(改正意匠法第60条の22第1項)
①国際意匠登録出願が取り下げられたとき
・国際登録の限定又は放棄によるみなし取下げ(改正意匠法第60条の14第1項)
・特許出願又は実用新案出願への出願変更によるみなし取下げ
(特許法第46条第4項、実用新案法第10条第5項)
・補正却下後の新出願によるみなし取下げ(意匠法第17条の3第2項)
※設定登録された後に、その国際登録を基礎とした意匠権が消滅した場合は返還請求の対象とならない。
②国際意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したとき
個別指定手数料返還請求の期間(改正意匠法第60条の22第2項)
国際意匠登録出願が取り下げられ、又は拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定した日から6月以内
に、「個別指定手数料返還請求書」を日本国特許庁に提出する。
返還する個別指定手数料の金額
WIPO国際事務局にスイスフランで納付した個別指定手数料(更新時のものを含む)を日本国特許庁がWIPO
国際事務局から受領したときにおいて日本円に換算した額から、1万5,300円を控除した額(意匠登録料に
相当する額)。
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(参考)日本における意匠権の存続期間について
国際登録を基礎とした意匠権の存続期間は、設定登録から最長20年。
ただし、5年ごとにWIPO国際事務局に対して国際登録の更新手続を行うことが条件。
①最長20年の権利満了まで更新した場合
5年
5年
WIPO
国際事務局
日本国特許庁
(国際登録を基礎
とした意匠権)
5年
5年
国際登録から15年経過後の更新手
続においては、日本の個別指定手
数料は不要(改正意匠法第60条の
21第2項括弧書)。
・・・・・
更新
更新
更新
国際登録
設定登録
20年
更新
権利消滅
②途中で国際登録が更新されず消滅した場合
5年
5年
WIPO
国際事務局
日本国特許庁
(国際登録を基礎
とした意匠権)
・・・・・
国際登録
更新
更新されず
※ 国際登録を基礎とした意匠権は、国際登
録が更新されず消滅した場合、その意匠
権も消滅したものとみなされる(改正意
匠法第60条の14第2項)。
・・・・・
権利消滅
設定登録
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ハーグ制度に関するお問い合わせ先
●国際出願実務について
特許庁 国際商標出願室 ハーグ担当
〒100-8915
東京都千代田区霞が関3-4-3
TEL:03-3581-1101(内線:2649)
FAX:03-3501-0659 / 03-3580-8033
E-mail:[email protected]
●審査実務について
特許庁 意匠課 意匠制度企画室
〒100-8915
東京都千代田区霞が関3-4-3
TEL:03-3581-1101(内線:2934)
FAX:03-3595-2766
E-mail:[email protected]
※特許庁ホームページに順次最新情報を掲載してまいりますので、あわせてご参照ください。
特許庁HP: http://www.jpo.go.jp/indexj.htm
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