数理統計学 レポート問題 2014/6/11 担当:勝島 義史 提出期限は 6/25 までとする. 全く解けなくても, 提出していただけると幸いです. 1. 確率変数の列 {Xi } は独立で, それぞれ区間 [a, b] 上の一様分布 U (a, b) に従う, すなわち, Xi の周辺確率密度は { fi (xi ) = 1 b−a 0 (xi ∈ [a, b]) (xi ∈ / [a, b]) と表されるとする. (1) 正の実数 ϵ < b − a を固定する. 確率変数 Xi に関して, Xi − a が ϵ 以上になる確率 P (Xi − a ≥ ϵ) を求めよ. (2) 自然数 N を固定する. すべての i, 1 ≤ i ≤ N , に対して Xi − a が ϵ 以上になる, つまり, Xi たちの最小値 min1≤i≤N Xi が a + ϵ 以上になる確率 P (min1≤i≤N Xi − a ≥ ϵ) を求めよ. (ヒント:Xi たちは独立なので, 同時確率密度は周辺確率密度の積に分解される.) (3) 正の実数 δ > 0 を固定する. (2) で求めた確率 P (min1≤i≤N Xi − a ≥ ϵ) が δ 以下となる ような自然数 N を一つ求めよ. また, N 以上の自然数 n についても, P (min1≤i≤n Xi − a ≥ ϵ) ≤ δ が成立することを確かめよ. (注) この問により, 確率変数の列 {min1≤i≤k Xi }k=1,2,3,... は a に確率収束することがわかる. 従って, min1≤i≤k Xi は, 一様分布 U (a, b) の母数 a の一致推定量となる. 2. (1) 確率変数の列 {Xi } は独立で, それぞれベルヌーイ分布 (つまり, n = 1 の二項分布)Bi(1, p) に従うとする. すなわち, 各 Xi に対し, 周辺確率分布は P (Xi = 1) = p, P (Xi = 0) = 1 − p であるとする. このとき, X1 から Xn までの平均を X の列 {X (n) (n) = 1 n ∑n i=1 Xi とすると, 確率変数 }n=1,2,... は p に確率収束することを示せ. (ヒント:大数の法則を用いる.) (2) 確率変数の列 {Yi } は, 独立で, 同一分布に従うと仮定する. 区間 [a, b] に対し, P ({ω ∈ Ω | Yi (ω) ∈ [a, b]}) = p とする. このとき, 確率変数 pn を, pn : ω 7→ pn (ω) := i ≤ n, Yi (ω) ∈ [a, b]} と定めると, pn は p に確率収束することを示せ. (ヒント:1[a,b] (y) = 1 (y ∈ [a, b]), 0 (y ∈ / [a, b]) を用いると, pn (ω) = 1 n ∑n i=1 1 n #{i|1 ≤ 1[a,b] (Yi (ω)) となる. 1[a,b] ◦ Yi の分布を考えよ.) (注) (2) は, 階級 [a, b] の度数を n で割ったものが, 階級に対応する確率 p に, 確率収束すること を意味する. つまり, 任意の確率変数に対し, (度数)/(標本数) は, 区間の確率の一致推定量 である. 1
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