エンジニアリングプラスチックの紫外線による 劣化状態評価

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エンジニアリングプラスチックの紫外線による
劣化状態評価
樹脂製品の劣化要因及び改善策検討のため、材種別の劣化状態評価方法をご紹介いたします。
紫外線劣化の評価 -その必要性と概要-
樹脂材料は熱や紫外線により劣化が生じますが、そのメカニズムは劣化要因や樹脂種により異なります。そのため、材料と
環境に適した評価を実施する必要があります。
代表的な例として、ポリアミド及びポリカーボネートの場合について、紫外線劣化に関する評価方法をご紹介いたします。
ポリアミドの評価事例
4
DSC (mW)
2
0
融点 220℃
熱量 68.7J/g
-2
-4
融点 217℃
熱量 64.0J/g
-8
150
170
190
結晶化度
235
-6
-10
50
融点
融点 (℃)
融点 226℃
熱量 76.8J/g
6
240
0Hr
96Hr
250Hr
8
45
230
40
225
35
220
30
215
25
210
20
0
210
230
結晶化度 (%)
10
100
250
200
300
促進暴露時間 (Hr)
温度 (℃)
図 促進試験※1) 後のDSC※2) 測定結果 (樹脂:6ナイロン)
図 促進試験後の融点と結晶化度※3) (樹脂:6ナイロン)
※1) 試験条件
紫外線照度: 81mW/cm2(波長295~780nm)
照射時湿度: 50%RH
照射時ブラックパネル温度: 63℃
シャワー: 120分に1回120秒
※3) 結晶化度の定義
結晶化度=⊿Hm/⊿Hm100%×100
⊿Hm100%=188J/g
(出展 Dole.M,Wunderlich.B,Makro chem,34(1959),29-49)
※2) DSC(示差走査熱量測定;Differential scanning calorimetry)
6ナイロンは、紫外線劣化により
融点及び結晶化度の低下が顕著
ポリカーボネートの評価事例
100
10%重量減少温度 (%)
割合(%)
75
250Hr
50
25
低分子量
成分が増加
0
3.5
500
0Hr(初期)
96Hr
4.0
4.5
5.0
Log[重量平均分子量]
480
460
440
420
400
380
5.5
図 促進試験※1) 後のGPC※2) 測定結果(樹脂:ポリカーボネート)
※1) 試験条件:ポリアミド(6ナイロン)と同条件
※2) GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ;Gel Permeation Chromatography)
低分子量成分の増加は、10%重量減少温度の
低下に対して影響が大きい。
0
50
100
150
200
促進暴露時間 (Hr)
250
300
図 TG※3) による樹脂の10%重量減少温度測定結果
※3) TG(熱重量測定;Thermo Gravimetry)
ポリカーボネートは、紫外線劣化により
10%重量減少温度の低下が顕著
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