197 VOL. YOKOHAMA National University Public Relations Magazine 横浜国立大学 広報誌 横浜国大の開放性 ー ダイバーシティ BE OPEN 開かれた大学 へ 横浜国大の開放性 ー ダイバーシティ BE OPEN 開かれた大学へ 本学の開放性の対象は地域へ、社会へ、世界へとしています。 言い換えればすべての人々に対してその使命を果たすこと が精神です。本号では女性研究者支援をメインとしていま すが、これは本学がなすべき多様性の一端です。ほかにも、 例えば知的障害のある子供たちを支援する附属特別支援学 校での教育活動、900 名にも及ぶ海外からの留学生たちと の協働活動など、あらゆる角度で受け入れるとともに多方 面にわたって積極的にアプローチしています。本学が人々 へ貢献しようとする姿勢をご理解いただければ幸いです。 広報 YNU vol.197 CONTENTS 横浜国大の開放性ーダイバーシティ BE OPEN 03 08 開かれた大学へ YNU 女性研究者支援:みはるかす研究員制度 開放性×ダイバーシティで社会とつながる 幅広い学びを実現する副専攻プログラム 【地域創造科目】 地域に開かれた YNU 10 保土ケ谷区との防災協力協定締結 神奈川県教育委員会との連携 YNUS 【表紙について】躍動感あふれ、空高く舞う鳥たちは、1981 年、ロンドンで 1 年をかけて制作されたジル・ファンショー・加藤の作品である。セラミッ ク製で、大きさは 92㎝ 四方、横浜国立大学経済学部講義棟の壁面に施され たウォールミューラルである。「未来に向けて大きく飛べ」というメッセー ジを過去から現在、未来へと向けて発信し続けている。 11 12 横浜国立大学国際プログラム 世宗大学校日本交流プログラム 研究拠点紹介 人機能再建のための工学支援研究拠点 13 研究室探訪 14 Campus News 15 メディア掲載情報(2013.8 - 2014.1) 左/ジル・ファンショー・加藤さん 中、右/最近の作品 【作者について】ジル・ファンショー・加藤:ロンドンのチェルシー美術大学で油絵 を専攻後、日本で陶芸家の井高洋成氏に師事。日本、英国、中国、フランス、米国、ニュー ジーランド等で展覧会を開催、講義やワークショップを行うなど幅広く活躍している vol.197 2 研究員制度 援:みはるかす で ィ テ シ ー バ イ ダ × 性 放 開 る が な つ と 社会 支 YNU 女性研究者 を支援す 再チャレンジ の 者 究 研 性 女 た、 した。 らスタートし 話をうかがいま お 2013 年 10 月か に ん さ 皆 の 先生方と研究員 制度を運営する 渉外室 聞き手:広報・ る「みはるかす 研究員制度」。 研 究 者の 「 短 期 間 雇 用による 本 格 的 女性研究者の支援を進めるためにアンケー 安 全 性 も高いと評 判がよく、 多 くの方 こと も あり、 緑 が 豊 かで 静 かな 環 境 、 生がおっしゃって、先 行 事 例 として参 考 性 支 援 と 言っても 、 個 別にさまざまな ンがあ り ま し た。 男 女 共 同 参 画 、 女 る方と学 内に預けたい方とふたつのパター を 預 ける 場 合 、 自 宅の 近 所 を 希 望 す 学 内 関 係 者へのアンケートでは、 子 育てと 研 究 を 両 立 するためにお子さん ドルを少しでも 低 くできないものか、そ くためのハードルが非 常に高い。そのハー し た 。 空 白 期 間 があ る と 、 常 勤 で 働 がとても 難 しいという 現 実 がわかりま アを 中 断 すると 、 研 究の場に戻ること 子 育てによって、研 究 者 としてのキャリ 生かして長 屋のお母さん的な存 在になっ いう名 称を使うことにしたのです。 山田 「 将 来をみはるかす」 ということ で、とてもいい名 前だと思いました。 中 村 先 生は、女 性 教 員への目 配りを ずっとされていた方 なので、その経 験を に育てていただいて、 催しなどの実施、④ ベビーシッター券利用の窓 研究者などへの研究活動支援のための「研究支 口、⑤ 様々な情報発信、⑥ 働きやすい職場環 援員制度」、② 様々な理由で研究を中断せざる 境の整備への要望提案など男女共同参画を進め を得なかった女性研究者の「短期間雇用による るための様々な活動に、積極的に取り組んでい 本格的研究始動への支援制度(みはるかす研究員 ます。 ﹁将来をみはるかす﹂ という思いを込めて 横浜市認可保育所「 森のルーナ保育園 」 研 究 活 動への 支 援 活 動 ( みはるかす 研 トを取ったところ、多くの課 題が見えて が利 用されています 。 事 情や 状 況 、 考え方があります 。 ることにつながるのではないかと 。 子 育 ていただこう と、コーディネーターをお Y N U 中 村 私は 制度)」 、③ 男女共同参画に関する各種講演会や 基本方針にそって、① ライフイベント中の女性 山 田 科 学 技 術 振 興 機 構の女 性 研 究 者 研 究 活 動 支 援 事 業 に 申 請 を 行い、 2013年4月に同 推 進 室は、教 育・ 研 究の機 能 を 備 えた 男 女 共 同 参 画 推 進センターへと発 展 改 組しました。その 活 動のひとつとして、さまざまな 理 由 ンポジウムの開 催など、さまざまな活 動 をキャンパス内に開 設 。 医 学 部 、 保 育 で 研 究 を 中 断せざるを 得 なかった 女 性 を行ってきました。ここ数 年は、全 国 的 究員制度) 」 をスタートさせたのです。 きて、ひとつずつ解 決 していくことにな にさせていただいたお茶の 水 女 子 大 学 り、 りました。 そこで、ま ずは一時 保 育 を 希 望 され る方への対 応から始めることにしました。 てをしながら 常 勤 ではないが、 自 分の 願いしました。 Y N U の学 生 歌から 「みはるかす」 と 横 浜 市や 保 土ケ 谷 区 から 近 隣の 待 機 ライフスタイルに合 わせて 働 き ながら、 、そして日 本の活 力 を 上げ 児 童 解 消 の 要 請 も あ り、 本 学 の 女 性 研 究 者 としてステップアップできる 仕 組 れが 研 究 者・大 学 院の 教 育・研 究 環 境の みが必 要だという 結 論に至ったのです 。 の 「みがか ず ば 研 究 員 」 にな らって、 そ の 後 、 女 性 研 究 者 の 皆 さんのご 意 見をうかがう会を継 続 的に行う中で、 中 村 「 研 究 補 助 員 」 とかではな く、 すてきな 名 前 をつけたいね… と 山 田 先 や 看 護の養 成 学 科がないのに、 保 育 園 東京大学工学部土木工学科卒業。東京大学大学院 工学系研究科土木工学専攻修士課程修了。工学博士 に女 性 研 究 者の減 少が問 題 視されてお 理事(国際・評価担当)・副学長 男女共同参画推進センター長 大学院都市イノベーション研究院 都市イノベーション部門 教授 改 善を図るために、2012年4月に、 Y N U 横浜国立大学の男女共同参画推進センターでは、 中断した キャリアをつなぎ 研究者として ステップアップ 山田 横浜国立大 )で は、 学( YAMADA Hitoshi 山田 均 があるのは 珍 しい。 大 学の 構 内 という “子どもを産んで育てることは、人生における大切 な仕事。研究との両立を大学がサポートしたい” もその例 外ではありません。 中心に、講 演 会やシ 共 同 参 画 推 進 室を 2010年から男 女 Y N U Y N U YNU 男女共同参画への取り組み 4 vol.197 BE OPEN 開かれた大学へ 研 究を 続けながら、2人の子 どもを 育 てました。それができ たのは、同 じ 研 究 棟の物 理や化 学の先 生に、ロールモデ ルとなる女 性の先 輩がいたからです。そ ばにそ ういう 存 在 がいるということは、 非 常に大 切 だと 身を 持って知っていたの で、私の 経 験が役 立つのであれば … と 入れ教員の研究室で各自の研究に取り組んでい 究員の呼称は本学の学生歌「みはるかす」からとっ ます。 ならば、週に 時間は必要だと思いまし 得者(文系 1 名、理系 3 名)であり、本学の受け 進めるよう支援することを目的としています。研 た。この点について大学側に認めてもらう 公募によって採用された 4 名は、全員が博士号取 中 村 の女 性 研 究 者 で、介 護 や 子 に研究の機会と場所を提供して、次のステップへ ために、 山田先生にご尽力いただきました。 大 河 原 常 勤でないと 産 休は取れない ので、子 どもを 産んだら 仕 事はなくな でほしいとの願いから命名しました。 たものの、研究再開を希望する優れた女性研究者 育てをしながら研 究を みはるかす研究員に 応募したそれぞれの理由 井 上 育 児や 家 事 など、日々のことに 追 われると 研 究の時 間を 作ることは難 いることです。所 属は男 女 共 同 参 画 推 るだろう…と育 児に専 念してきました。 先 生からこの制 度のことを教えていただ きました。ステップアップの機 会を与えて いただけるなら、ぜひ!と応 募しました。 の 講 座で 非 豊 田 私 も3歳 半の息 子がいます。 子 育て中はなかなか研 究する機 会がなく、 やっと 昨 年の4月に た。 講 座の 最 終 日にすごく 悲 しくなっ のライフイベントにより研究中断を余儀なくされ 続 ける 方 の 研 究 者 支 援制度はできた。次に、 ライフイベントのために 研 究を中 断されている 制を 作ろうということ しいです。 少 しでき たら、ま たしばら 人に対 するサポート体 になったのです。 く 空 白 期 間ができる … という日々を 繰 り 返 していました。 以 前から 研 究 を 続 の教 員の方から制 度のご案 けたいと 周 囲に言っていたのが功 を 奏し て、 進センターで、研 究は受け入れ教 員のも 子 どもが6か月になり、保 育 園にも 預 内をいただきました。 とで行います。私たちがこだわったのは勤 の けられる 状 況になった 頃に、 鈴 木 公 募の条 件は、博 士 号を取 得し ていること、 内に受け入れ教 員が いただきました。 山 田 中 村 先 生・鈴 木 先 生には 制 度 設 計から 運 用 基 準の策 定にも 携 わって 男女共同参画推進センター コーディネーター 横浜国立大学名誉教授 務 時 間です。ステップアップとしての機 会 横浜国立大学大学院環境情報学府環境マネジメ ント専攻博士課程修了。博士( 学術) お引き受けしました。 ステップアップの機会として こだわった条件とは 山 田 中 村 先 生には、 みはるかす研 究 員 制 度 の前から、ライフイベン ト中の女 性 研 究 者など 男女共同参画推進センター コーディネーター 特任教員(准教授) Y N U てしまって…これからどうやって研 究 を 女性研究者の再チャレンジを支援する「みはるかす研究員」制度 10 常 勤 講 師 として教 えることができまし Y N U への研 究 活 動 支 援のた SUZUKI Noriko 鈴木紀子 めの 「 研 究 支 援 員 派 遣 制 度 」 をはじめ、さ まざまなコーディネート をしていただいています。 vol.197 5 NAKAMURA Eiko 中村栄子 Y N U “ 本センターは、女性研究者をはじめ、学生、教職 員、地域の方に開かれた場になることを目指して います” たもので、女性研究者が未来をみはるかして進ん 「みはるかす研究員」制度は、子育てや介護など Y N U 横浜国立大学教育学部卒業。工学博士。 旧所属:横浜国立大学教育人間科学部 地球環境課程 Y N U “ 私も先輩の研究者の姿をモデルに、研究と子育 てを両立。本学と先輩たちへの恩返しができれば と思っています” 度のお話を伺ったのです。 相 談 したところ、みはるかす 研 究 員 制 続けようかと指 導していただいた先 生に れ る 時 間 は 今 だ け なの さな 子 どもと一緒にいら に 集 中 し たい。で も 小 し ま し た。 学 生 の 間 は 横 浜 市 の 認 可 柏 﨑 私は博 士 課 程の学 生 だった時に 子 どもが生 まれて、去 年の9月に修 了 そ れ 以 外 の日 は 子 育 て ている 間に研 究 をして、 だから、一時 保 育で預け で、そ れ も 大 事 にし た 保 育 所に預けられたのですが、修 了 後 に 専 念 す る ― という の が 私 にはいいバランスで 朝から 晩 まで研 究 室にいて学 生の面 倒 い。それが本音なんです。 は在 宅で仕 事をしながら非 常 勤 講 師を していました。 子 育てと 研 究の頭の切 す ね。 研 究 者 である 夫 も 理 解 して 協 井上 研究員の皆さんと、ランチミーティ ングなどを 通 じてつながりができたこと して、暮らしぶりや 研 究についての考 え たいと思うようになりました。 大 河 原 取り残されたという感じもあっ たし…でも 子 どもが生 まれたら両 立し みはるかす研究員 専門分野は都市計画・まちづくり。博士( 工学 ) 。 研究題目は、アジアの都市住民組織と地方自治 体の協働プロセスに関する比較研究。2 児の母 きたのがよかったです。 大 河 原 出 産 後は、わ りと 孤 独 なんですよね。 い」 と 言っても、イメー 育てしながら研 究をした ンを 描 く 時に、子 育て経 験のある女 性 「 子 育てしやすい街づくり」 などのビジョ 柏 﨑 子 育てから 学ぶこともとても 多 いです。 私 は 都 市 計 画 が 専 門 なので、 普 通の主 婦の方に 「 子 ジが 湧 か ないだ ろ う し いらっしゃいま す。 自 分 で を立 少なくてすごくご苦 労されている先 生も 思っています。工 学 系は女 性 研 究 者が 研 究 者の声をいかせば、もっと変 わると 細い糸でもつなげていれば 何十年後かに必ず花が咲く 方 な ど、「 私 だけじゃない」 と 共 感 で プするしかありません。 …という時に、子どもができたら、ストッ す。 業 績 を 残 してやっと 常 勤になれる り替えがすごく 難しく、講 義の準 備 も かけていただいて、その方の研 究 室に受 も 私にとっては 大 き な 収 穫でした。 領 子 ど も と 離 れた 場 所 で 研 究 域 はちがっても、研 究 者 として 母 親 と け入れていただきました。 さいお子さんを抱えている先 生から声を る時 間がまったく確 保できなかった。 小 を 見て、研 究 室が家 族のようになりま 。研究題 専門分野は臨床心理学。博士( 心理学 ) 目は、精神分析的心理療法における作業同盟 概念の現代的検討。2 児の母 力してくれています。 みはるかす研究員 多 かったので、自 分の 研 究に集 中でき “ 他の研究員の皆さんとの交流も、私にとっては とてもうれしい収穫でした” ……。 柏 﨑 同 世 代の研 究 者 が准 教 授 などになると、 「 研究員になって、調査の ための海外出張も実現で きました 」と、柏﨑さん。ほ かの 3 名の研究員も、キャ リアを継続させる制度と してそれぞれの期待を 語った INOUE Misuzu 井上美鈴 N P O KASHIWAZAKI Kozue 柏﨑 梢 研究者として母親として 同じ境遇の友に巡り会えた 大河原 “教員、研究者、そして母親と、仕事をこなしてい る受け入れ教員の先生から学ぶことも多いです” BE OPEN 開かれた大学へ ち上げて、そこを拠点に研究されたり… 。 井 上 活 躍 されている 女 性 研 究 者 は、 独 身や 子 どもがいない方 も 多いです ね。 昔 は もっと 大 変 だったのだろ う と 思い 中 村 みはるかす 研 究 員の全 員が、将 来 、研 究 職につきたいと強い希 望を抱い 柏 﨑 私は 月 、タイのバンコクに海 外 出 張に行かせていただきました。 子ども のが本 当に難しいのです。だからどんな てはいけない。 切ってしまうと 再 開 する “ 研究もやりたいけれど、子どもと過ごす時間も かけがえがないものです” 山田 私もこの制度が、 皆さんのキャリアをつな ぐ一助になればと願ってい ファン ま す。これによって一人 でも 多 く がで き て、 から 研 究 者 として世 界には TOYODA Lama 豊田良眞 ます 。 豊 田 3年 半 も 研 究から 離れていたの で、最 初 は 不 安でしたが、徐々に勘 を 取 り 戻 すことができました。 子 育てを 終えて戻ってきても再びできると自 信が 湧いてきました。 を 夫 の両 親に預けて海 外に行 くことは に細 くてもいいから 続けてほしい。そう ています。 研 究 というものは、どんなに 非 常にハードルが高いことでした。でも、 すれば、何 十 年 後になるかわからないけ 種多様性と生息分布に関する研究。1児の母 れど、必 ず 花が咲 きます。だから 皆さ 専門分野は分類学、生物多様性学。博士( 環境 納 得して協 力してくれますし、現 地で 学) 。研究題目は、深海生 soft-shelled 有孔虫の んには絶対にあきらめないでほしいのです。 いうのはとても大きいと実 感しました。 みはるかす研究員 大 学の研 究 員の名 刺で調 査ができると 細い糸になってもいいからずっと続けなく の研 究 員ということで義 父 母 も 11 “みはるかす研究員になって、 「 自分のために研究 している」 と実感しています” ばたいて活 躍していただ vol.197 7 OHKAWARA Niina 大河原にい菜 Y Y N N U U ければ、すごくうれしい ですね。 「 みはるかす研究員のご意見を反映して、さらに 制度を改善していきたい 」 と中村先生、山田先生 Y N U みはるかす研究員 専門分野は構造工学。博士( 工学 ) 。研究課題は、 既存橋梁の振動解析におけるモデル妥当性評 価法に関する研究。1児の母 営めるような 地 域を 創 造 することが求 国境を越えひろがる市民活動(都市イノベーション研究院 8 vol.197 幅広い学びを実現する副専攻プログラム︻地域創造科目︼ 解決困難な地域の課題を 専門性と学際性を融合して解決する 複雑に関連し、専門領域だけで解決することが 困難な地域社会 の 課 題 。 総合的・学際的に対応してそれらを解決できる人材を育みます。 います。 複 雑に関 連し、事 態を深 刻 化 させている諸問題に対して、社会 、教育 、 副 専 攻プログラムとは、知 識 基 盤 社 会 が 求 める 総 合 性・学 際 性への 対 応 、 められています。 複雑で解決が困難な 地域の課題にアプローチする 工 学 、環 境 な どの 各 視 点 から 課 題 を ま た 学 生 からのニーズへの 対 応 として、 検 討し、人々が安 心して豊かな 生 活を 自 分 の 専 攻 以 外 の 分 野 を 系 統 的に学 「 地 域 創 造 科 目 」 は、それらの地 域 課 題に対して、各 専 門 領 域に基 盤を持 的な課 題 把 握 力を有し、かつ総 合 的に 習するプログラムです。 では、グローバルな も と も と 視 野をもって、地 域 課 題を 解 決できる 解 決できる人 材を育 成 するための教 育 ち、理 論 的に問 題を捉えながら、学 際 実 践 能 力 を 身につけるための、「 地 域 プログラムです。 レジリエントなサプライチェーン(経営学部 ● 関連科目 交 流 科 目 」 という 学 部の副 専 攻プログ 初年度にも 充実した成果が得られた 「 地 域 創 造 科 目 」 は、必 修コア科 目 「 地 域 創 造 論 」 2単 位 と、「 関 連 科 かつ総合的に解決できる力をつける。 藤掛教授) ● 関連科目 各大学院の専門分野の教授陣による授業を受けることができ、 幅広い視野を養うことができる 学際的に課題把握能力を有し、 松井教授) 地域空間のモビリティと持続性(都市イノベーション研究院 複眼的な視野で地域のビジョンを 横浜・神奈川地域にみる地域課題の諸相と取り組み 中村教授) (都市イノベーション研究院 人の国際移動から見る『地域』 ● 工学 (神奈川県安全防災局 金井氏) Solution ラムを 設 置 していました。その 延 長 線 上 として、2012年 度に新 規 開 設さ れたのが、大 学 院の 「 地 域 創 造 科 目 」 現 代 社 会においては、経 済や 教 育の 格 差 、工 業 倫 理の低 下や 環 境 問 題の 目 」( 専 門 型・実 践 型 )6単 位 以 上 か という副 専 攻プログラムです。 深 刻 化などにより、住 民 生 活の継 続や らなる 科 目で構 成されています 。 関 連 リスクマネジメントのための 技術者倫理 マルチエージェントシステム 等 小ヶ谷准教授) ● 教育学 ● Vision Archi Aid の活動(都市イノベーション研究院 必修コア科目 各自の専門性を活かしながら、 小嶋教授) ● 環境汚染リスクの 評価と対策技術、 ライフサイクルアセスメントと 持続型社会 等 地域創造論 佐渡原教授) 環境未来都市への道筋(都市イノベーション研究院 ● 関連科目 科目 創造できる力をつける。 社会思想論講義 自然地理学講義 体育社会学講義 等 チや解決策を発表・提言します。 都市・居住環境論 地域・都市環境計画論 都市基盤と地域開発 等 ●『生存』のための地域復興をめざす(国際社会科学研究院 大門教授) 財政学 政策特論 会計特論 地 域 社 会の存 続が支 障をきたし始めて 関連科目 講義内容( 2012 年度の例) 環境情報 会科学 て学生が文理融合のグループをつくり、各課題に対するリサー 開拓するプログラム 政の方による地域課題に関する講義が行われ、それを踏まえ 各専門分野の活かし方を発見し、 地域創造論 「ポスト 3.11 の新たな地域像」 複雑で解決困難な 副専攻プログラム【地域 創造科目】コア科目 副専攻プログラム【地域創造科目】 当授業では「文理融合」を念頭に、各大学院の教員および行 地域課題を題材に、 都市 イノベーション Y N U 各専門領域に基盤を持ち理論的に問題を捉えながら、 BE OPEN 開かれた大学へ ら一貫したテーマとしています 。 コア科 目 「 地 域 創 造 論 」 では、「ポ スト311の新 たな 地 域 像 」 を 開 講か 野から選ぶことができます 。 工 学・教 育 学・国 際 社 会 科 学の5分 科目は、都市イノベーション・環境情報・ した 上で、後 半のグループワークに入り 各 自レポートにして 提 出 。それを 議 論 にグループで活かすかを 専 門に照らして した。 中 間 発 表 会では、それまでの授 踏 ま えて、 前 半 の 講 座 を 少 し 削 り ま 見 し、 開 拓 するプログラム」の 主 旨 を 村過疎 」 「 産業 」 「 観光 」 「まちづくり」 ました。 今年は、 名の受講生が、「 農 業から 発 見 したこと、それをどのよう 昨 年 は、「 文 理 融 合 」 を 念 頭 に、 各 大 学 院 の 教 員8名 と 行 政 の 方によ る地 域 課 題に関する講 義を行いました。 「 商 店 街 」という5つのグループに分 か 齢 化・子 育てグループ)を発 表しました。 民 活 動 と 公 共 活 動に関 す る 研 究 ( 高 交 流 活 動 の 提 案 ( 社 会 グループ)、 市 光 戦 略 の 提 案 ( 観 光 グループ)、 地 域 環 境 グループ)、 鎌 倉 の 外 国 人 向 け 観 材の活 用についての提 案 ( 農 業・農 村・ 最 終 成 果 発 表 会では、 神 奈 川 県 産 木 ません。 た 新 しいアプローチが見つかるかもしれ ら行うことで、今までは思いもつかなかっ な る 専 門 分 野 の 学 生 と 議 論 を し なが クして理 論 を 組み立てる。しかも 、 異 目の当たりにして、もう一度フィードバッ ち が、地 域 の 課 題 という 「 現 実 」 を 教 科 書で 現 実の 抽 象 化 を 重 ねた 結 果 としての理 論を学んできた受 講 生 た れて課 題 解 決に取り組んでいます。 それを 踏 まえて学 生が4つのグループ をつくり、それぞれが決 めたテーマにつ どれも 非 常に充 実した内 容で、異なる いてリ サーチを 行い、 解 決 策 を 議 論 。 分 野 を 研 究 する 学 生 たちがつながり、 地 域の課 題を 解 決 するために、さまざ どのよ う な 組 織 で 仕 事 を していて も 、 り開いてほしい。また、企 業や自 治 体 、 このプログラムで学んだ学 生たちには、 研 究 者になるのならば独 自の分 野を切 融 合した結 果が得られました。 各専門分野の 活かし方を発見し、 開拓する 新 たな 価 値 を 創 造できる 社 会 人になっ まな視 点から現 実を捉えることができ 、 昨 年 度の運 営 方 法 を 鑑み、授 業 内 容 を 若 干 変 更 しました。プログラムの てほしいと 思っています 。 専 門の異 なるメンバーでチームを 組んで 副 題 「 複 雑で解 決 困 難 な 地 域 課 題 を 題 材に、 各 専 門 分 野 の 活 かし 方 を 発 9 20 高見沢 実 大学院 都市イノベーション研究院 教授 TAKAMIZAWA Minoru 東京大学工学部都市工学科卒業。東京大学 大学院工学系研究科博士課程修了。博士( 工 学) 。専門は、都市計画。現在の研究課題は、 都市計画システム、まちづくり、地域再生 国際社 関連 「地域創造論」の授業ブログで授業の様子を掲載しています ▶ chiikisozo.blogspot.jp 地方 農業 国民 Problem 地域における複雑で解決困難な課題 BE OPEN 開かれた大学へ 保土ケ谷区との防災協力協定締結 大規模な災害発生時 学内施設を避難場所として提供 UEHARA Mitsuo 安心・安全の科学研究教育センター 客員教授(学長特任補佐) 元横浜市危機管理監、元横浜市消防 長、元北海道警察本部長、元岡山県警 察本部長、元警察庁官房審議官 神奈川県教育委員会との連携 ワイナス 運動施設の開放、 スポーツ教室の開催を通じて、 スポーツの普及・指導を通じて 地域の人々に貢献する Y N U S 周辺地域との交流を深める取り組みが始まっています。 は、神 奈 川 県 教 育 委 員 会 と 「スポーツの 推 進 に 係 る 連 携・協 力 に 関 する 協 定 」 を 締 結 し、ライフステー の教 員や が ジに応 じたスポーツ活 動の 推 進に協 力 し ていま す。 運 営する 法人 が委 託 を 受 け、秋の 県 民スポーツ週 間には、 野 球 場 とフットボール場の 無 料 開 放 、 小・中 学 生の 陸 上 教 室 、高 校 生 から 月からは、野 球 場 と シニアを 対 象 とする表 現 運 動 教 室を 開 催 。2013年 フットボール場の有 料 開 放 をスタート。 の運 動 施 がウェブサイトを 活 用 して 運 営 管 理をしています。 設 を 開 放 し、スポーツの普 及・指 導 を 通じて地 域 と 交 流 することは、学 生が 社 会 貢 献を体 験 することに通じます。 気 軽にスポーツを楽しむことができる欧 米 型の地 域のスポーツセンターのように、 スポーツ教 育や、人々の 健 康 維 持・増 進に寄 与できるように、今 後 はさらに 内 容を拡 充する予 定です。 田中英登 安心・安全なまちづくりのために締結した防災の協力協定。 まれています。 大 学 周 辺の地 域 住 民の皆さんととも に、大 災 害に対し十 分な備えを実 施し 上原美都男 Y N U 地域との連携を深める具体的な内容が盛り込まれています。 平 成 年 月 日、 本 学 と 横 浜 市 保 土ケ 谷 区 との 間で、防 災 協 力 協 定 が締 結されました。その内 容は、保 土 てまいります。 地域に開かれたYNU ケ 谷 区 内で発 生した大 規 模な災 害にお いて、区 長 の 要 請 に 基 づき、本 学 が一 時 的に学 内 施 設 を 避 難 場 所 として 提 供 するというもので、区 内 指 定 避 難 所 の補 充 的 効 果が期 待されます。 昨 年 横 浜 市が発 表 した 地 震 被 害 想 定では予 想 避 難 者 数が以 前より大 幅に 増 加しており、新 たな 避 難 所の確 保が 人)で 最 大 本学が避難場所とし て提供する施設 上/教育文化ホール 中/第 1 食堂 下/体育館 10 vol.197 筑波大学大学院体育研究科修士課程修了。博士( 医学 ) 。 専門は環境・運動生理学 急 務となっていました。このような状 況 をふまえ、学 内 施 設を3か所 選 定し、 提 供できる 期 間や 連 絡 体 制 などについ て検 討を 進めた結 果 、協 定の締 結にい たりました。 ( 第 1 食 堂( 人の受け入れが可 能です。 運 営は、区 職 員が実 施 しますが、本 学への学 生ボ ランティアの 支 援 要 請 が協 定に盛 り 込 Y N U YNUS が開催する少年野球教室の様子 教育人間科学部 教授 NPO 法人 YNU スポーツアカデミー(YNUS)理事長 11 23 収 容 可 能 人 数 は、体 育 館・武 道 館 人) 、 教育文化ホール( 人) 、 1 9 9 1 2 3 5 N P O Y N U Y N U S O B 10 2 6 4 Y N U S 25 7 7 2 神奈川県、保土ケ谷区との連携事例 TANAKA Hideto 横 立 浜国 国 大学 大学 校日本交流プ グラム・世宗 ログラ 際プロ ム( 日本を理解した 有為な人材を育成する 世宗 プロ グラ ム ) 世宗大学校日本交流プログラムは、韓国の世宗大学校人文科学大学と横浜国立大学教育人間科 学部との学術交流協定( 2012 年 2 月締結)に基づいて創設され、今年度より実施されています。 このプログラムでは世宗大学校の正規在学生 35 名程度を横浜国立大学に派遣し、1 年間、日本語 や日本文化を学びます。今年度は 34 名が参加しています。 聞き手/広報・渉外室 世宗大学校生 インタビュー インタビューに参加してくれた学生 左から/イ・ヒジさん、ユ・スンヒさん、中/ミン・アンギさん、ガン・ジュンギュウさん、右/ジョ・ジユンさん、キム・ヒョンヒさん ガンさん:私は日本の文化、特に意識や価値観の差を 留学生が実感する 日本での学び・経験について 知りたいと思っていました。 ―― 日本に来て一番学びたいと思っていたことや、 実 際に得たことは何ですか? ミンさん:日本に来て、教科書には載っていない同年代の 「若 者 言 葉」を実 際に聞いたり使ったりできたことはよ い経験だと思います。 ミンさん、ジョさん、キムさん:まずは日本語を学びたい と思っていました。 イさん、ユさん:日本では友人をたくさん作りたいと思って いました。 実際は日本以外から来た人と友達になること イさん、ユさん:実際に経験したことで興味深いのは韓 が多かったので、残りの滞在期間中に日本人の友人を 国で見た日本のドラマのシーンを見られることです。 例え 作りたいと思います。 ば、足を踏まれた人が、踏んだ人とお互いに「すみません」 と謝る場面です。 韓国ではこういう時は双方が何も言わ 知識と実行力ある架け橋に ないですね。あとは、お弁当の文化です。 学生や社会 世宗大学校の皆さんは、それぞれ目標をもって来日し、 人が家からお弁当を持ってきているのは私たちにとっては 日々、日本語と日本文化に触れています。 韓国で学ん 珍しい光景です。 だ知 識を日本で実践し、日本での経験を生かして両国 に貢献できる有為な人材に育ってくれることでしょう。 1 ∼ 3 学部生とともに国際文化学の講義を受ける世宗プログラム生 4 日本人学生とクルーズに参加 5 合同プレゼンテーションの様子 1 11 vol.197 2 4 3 5 研究拠点紹介 ⑤ 人機能再建のための工学支援研究拠点 高田 一 TAKADA Hajime 大学院工学研究院 高齢者の生活向上のために 工学支援で 人の運動機能を再建する システムの創生部門 東京大学大学院工学系研究科機械工学専門課程博 士課程修了、工学博士。横浜国立大学講師、助教授 を経て現職。専門は、機械力学、人間工学。人と機 械との協調、自動車ドライバの特性、リハビリテー ション工学、耐震工学について研究している 聞き手/広報・渉外室 支援機器が拓く新たな可能性 ―― この研究の目的を教えてください。 日本では2010 年に高齢者( 65 歳以上)人口が 23% ( 2945 万人)に達しましたが、国連によると2050 年には 練運動パラメータの有効性を示しています。 福祉機器の開発では、入浴回数が制限されている 入所高齢者や在宅の高齢者が自ら身体を洗浄できる ように、ベッド上で使用できる身体洗浄シャワーの開 発(写真 2 )、歩行できない要介護者をベッドから車 いすへ短時間で移乗させる機器の開発(写真 3 )を 38.8 %( 3766 万人)にのぼり、平均寿命は男性 81 歳、 行いました。 現在、実用化に向けて実験と改良が行 女性 89 歳になると予測されています。 われています。 このような高齢社会において、要介護高齢者も増 加すると予想される一方で、介護スタッフの数は日本 だけでは対応できず、海外へ求めている状況です。 ―― この研究成果が社会でどう活用されていくのでしょ うか。 こういった事情を背景に、本研究拠点では高齢者 現 在、人 機 能の再 建(リハビリテーション)、とくに の生活向上のため、工学支援により人の運動機能を 歩行訓 練を行っている高齢者の介護 度や訓練方法 再 建する手 法の転 換、および 高 齢 者のための福 祉 判定は医者や理学療法士が行っていますが、介護ス 機器の開発を行うことを目的としています。 タッフの増加が見込めない状況において、介護度を ―― 具体的にはどのようにして研究が進められている のでしょうか。 高齢者自らが判定できるシステムの構築につながります。 その結 果、車いすから歩 行 器、杖の使 用、最 後 は独歩ができる訓練の選択が可能になります。 ベッド 高齢者の下肢運動の測定では、車いす使用の高 齢者を対象に施設で写真 横 浜 国 立 大 学 で は 世 界 的 に 活 躍 す る 研 究 者 が 研 究 グ ル ー プ︵ 研 究 拠 点 ︶を 形 成 し て 研究プロジェクトを推進しています。 教授 1 にある測定装置を使って 下肢運動を測定し、同じ高齢者に平行棒内でフォー 上でのシャワー使用、ベッドから車いすへの短時間移 乗なども、少ない介護スタッフで高齢利用者のお世話 をする際の手助けとなります。 スプレート上を歩行してもらい特性を測定しています。 福祉機器の開発では、機器を3D プリンタ、あるい 1 3 は企 業で製 作・開 発を進めています。シャワーの開 発では漏 水しないことが第 一 条 件ですので、水と空 気の流れを実験および気液 2 相流の数値計算の両方 で進めています。 移乗機器は介護スタッフの負担軽 減と同時に、移乗される人の負担軽減のため実験と 2 計算を繰り返しています。 ―― どのような成果があがっているのでしょうか。 これまでに高齢要介護者の膝関節運動、足首関 節運動における下肢訓練運動パラメータや前脛骨筋、 腓腹筋の筋電位活動比と歩行能力との関連を明らか にしており、歩 行 能力を評 価する指 標として下 肢 訓 1 下肢運動計測装置 2 ベッド上で使用できる身体洗浄装置 3 移乗支援機器 「 だっこ君Ⅱ 」 vol.197 12 12 聞き手/矢貫詢・林駿希・丸山直純 ( 経済学部 3 年) 文献が少ない数理統計学 ゼミでは先生の口伝で学ぶ のを 対 象 とし ま す。オフラインの 問 題 ( 過 去のデータを取り扱 う 問 題 )は すでに他の研究者が解明していますが、 オンラインについてはまだ 解けていない 永 井 先 生ご自 身の研 究 テーマに ― 問 題ばかりで、この 年 間 研 究 して ついて教えてください。 私の専 門は、 応 用 数 学の一分 野で あ る 数 理 統 計 学 で す 。その 中 の 統 がいくつかあって、一人で高 所 登 山にア ました。 私 自 身 も 解けていない問 題 私 と 共 同 研 究 者がいくつかの重 要 な 計 的 逐 次 解 析 という 分 野 が 私 の 研 タックするように取り組んでいます。 問 題について本 質 的 部 分の解 明 をし 究 テーマ。オンラインでデータが 刻一 ― 刻 と 入ってくるような 状 況で、 何 ら かの意 思 決 定が必 要 な 場 合 、いつサ 心がけていらっしゃいますか? 警 告 を 発 す る 必 要 があ り ま す 。 株 が来 たときには 正 確に、しかも 早 く をできるだけ低 くして、 危 機 的 状 況 のでは 「 緊 急 警 報 」。 誤 報 の 確 率 い。1日5〜6時 間 続けてレクチャー が学んだことをゼミ生に教えるしかな 献で学ぶことができません。だから私 この 分 野 はまだ 論 文 がないので、文 学 部 で 学 んだことを一度 捨 てて、 統計学的思考を学ぶ必要があります。 研究室では、 どのような指導を ンプリングやデータの 観 測 を 止 めて 式 市 場 での 株 の 売 買 や 工 場 の 機 械 することもあります。 最 新のコンピュー 意 思 決 定 を 行 うのかということを 研 の 故 障 を 知 らせる 警 報 な ど 、 数 理 タの 知 識 も 必 要 で す。 統 計 学 は 人 究 しています 。たとえば、 簡 単 なも 統 計 学の基 礎 理 論は、さまざまなこ 材 が 育っていませんが、ビッグデータ グデータの需 要 予 測やマーケティング 分 野です。 基 礎 理 論の研 究 者 、ビッ 時 代が到 来し、今 注 目を 集めている とに応 用されています 。 ― 具体的にはどのように研究され 解 析 な ど、世 界 中 で 多 くの 人 材 が れど、学 生にモチベーションを植えつけ ているのですか? この分 野では、扱 うモデルが複 雑に なり、かつ高い精 度が求められていま ながら、数 理 統 計 学の 高みに向 かっ 求められている。 学びの道は険しいけ す。 前のデータが 次のデータと 依 存 てみんなを導いていきたいですね。 ヨット部とウインドサーフィン部の顧問でもあ る永井先生。海上で遠くを眺めると、研究による 眼精疲労が癒されるとか。ゼミ生にマリンスポー ツを体験させ、みんなで BBQ を楽しむことも 大学院国際社会科学研究院 教授 YNUの研究室の 一橋大学商学研究科、ラトガー ス大学大学院統計学博士課程 修了。博士( 哲学 ) 。2002 年より 本学。現在の研究課題は、逐次 解析および変化点探索の研究 未解明の部分が多く、手さぐりで研究を進めています。 活動をお伝えします。 NAGAI Keiji 膨大なデータを逐次読み解き、 そこに規則性やモデルを見出す数理統計学。 取材を通して、 永井圭二 世界が注目するビッグデータなど 最先端の数理統計学を学ぶ 研究室探訪 10 関 係にある、時 系 列の構 造があるも vol.197 13 経済学部 永井ゼミ YNU Campus News 大 学ニュース 第 8 回ホームカミングデー開催 1 悪天候のなか 延 1000 名以上の方々が参加 台 超 風 27 号接近により開催が危ぶまれましたが、10 月 26 日、 第 8 回横浜国立大学ホームカミングデーを開催しました。 荒天にもかかわらず延 1000 名以上の方々の参加がありました。 今回のテーマは『 YNU の学風、伝統を見つめる』。メイン講 演は科学技術振興機構顧問で本学出身の相澤益男氏による「未 2 3 4 5 来社会づくりに挑む科学技術イノベーション」で、<世界を惹き つけ引き込む Global Excellence の実現に日本は立ち向かうべき、 その中で YNU への期待>を熱く語りました。また、「鈴木達治(煙 洲)先生と名教自然」では、横浜高等工業学校卒の村松四郎 氏が三無主義の YNU の伝統等について講演されました。 これからもホームカミングデーは続きます。 主催者である大学、 とりわけ教職員、学生が更に参加され、卒業生や一般の方々 が絆をつなぐ形にしたいものです。 1 多くの方が参加したメイン講演会 2 豊かな教育を語る会 4 交流会:本学管弦楽団による演奏、綺麗な音色が会場をつつみます 5 グリークラブコンサート 3 ビジネスプランコンテスト 。 ― 逃 げ ない姿 勢 で 切 り 開いた 研究者人生と、 リ スク 研 究 のこ れ か ら リスク 研究への 道のり 中西 準 子 展 Junko Nakanis hi 瑞宝 重光章 受章 2013 本学名誉教授の中西準子先生が2013年11月3日に瑞宝 重光章を受章されました。この勲章は、公共的な業務に 長年にわたり従事して功労を積み重ね、その果たした職 務が、複雑度、困難度、責任の程度などの面から特に重 要と認められた方に授与されるものです。 今回の受章を記念して、中西準子名誉教授のこれま での研究人生を紹介するパネル展が 2014 年 1 月 27 日 より YNU ミュージアムにて開催中です。 受章報告 中西準子名誉教授が 瑞宝重光章を受章 本学で講演を された時の 中西準子先生 学名誉教授の中西準子先生が ものです。 2013 年 11 月 3 日に瑞宝重光 中西先生は、環境リスク学の先駆者 章を受章されました。この勲章は、公共 として永年にわたり化学物質及びナノ材 本 超 的な業務に長年にわたり従事して功労 料のリスク評価に関する研究を指揮し、 を積み重ね、その果たした職務が、複 リスク評価・管理手法の学術的発展及 雑度、困難度、責任の程度などの面か び社会的普及に著しい貢献を果たしたこ ら特に重要と認められた方に授与される とが評価され、今回の受章となりました。 中西準子展 リスク研究への道のり 逃げない姿勢で切り開いた研究者人生と、リスク研究のこれから―。 YNU ミュージアム開館日/月・金曜日:12:00 ∼14:00 水曜日:11:00 ∼13:00 ※ 開館日は予告なしに変更する場合がございます。 お出かけの前に、YNU ミュージアムホームページにて、ご確認ください。 ▶ http://www.ynu.ac.jp/about/center/museum/schedule/index.html vol.197 14 主なメディア掲載情報( 2013 年 8 月_ 2014 年 1 月) M E D I A I N F O R M AT I O N 一環 新聞 「 YNU 日本語 、留学生 大会 2013 」 横浜国立大学 N E W S PA P E R 国9人 自分 変 学院 開 。5 体験 発 自動 点 訳 楽譜 会 、 活用 普及 楽譜出版社 、点字楽譜利用連絡 協力 自動点訳 証実験 始 実 紹介( 9/6 朝日新聞 ) ● ≪五 輪 夢 ≫∼幻 終 1940 年 東京五輪 競技用 、 ( 8/25 NHK E 」 ● 2013 年 度 秋 誉教授 激化 幻 瑞 宝 重 光 章 受 章。酒 井 志 郎 名 誉 教 設計図 … ( 9/7 NHK BS1 ) WAVE 」 番 組。 「 北京大渋滞 」 /大学院都市 2013 年 度 創出 化 新 事 業「 革 新 的 決 )研究教員 ●「 。拠 点 、横 浜 国 立 大 学 研究院 王鋭( )」 ( COI 採択 事例 受賞作品 中心 瑞宝中綬章 受 ●「 、40 件 進 」部門 紹介/教育人間科学部 高橋和子教授 聞、日本経済新聞、神奈川新聞 ) 決 見 )… 若者 祭典 「 創作 章( 11/3 読 売 新 聞、産 經 新 聞、朝日新 聞、毎日新 ● 文部科学省 、正 式 種目 開発 、中 西 準 子 名 授、松 田 保 彦 名 誉 教 授 2 名 横浜工業高等学校( 現:横浜国立大学 ) 日本発 叙勲 40 年 東 京 大会用設計図∼第 2 次世 界 大 戦 /大学院 ●「 第 26 回 全日本 高 校・大 学 開 今 年、点 字 関 熱 語 ( 10/27 読売新聞 ) ● 大学院環境情報研究院 後藤敏行教授 研究 環境情報学府生 田髙初奈 ( 9/13 」 紹介 競技 朝日)… 熱中症障害 /教育人間科学部 田中英登教授 ( 11/18 日刊工業新聞 ) 紹介( 9/18 読売新聞 ) ● 11 月 30 日、 「 第 18 回天心 ● 宮脇昭名誉教授 境 、11 月 3 日 開催 「 森 「森 講演会 」 救 ∼緑 、講演 防潮堤 」 行 学生 保護者 30 人 部 赤木範陸教授 学生 ( 9/19 神奈川新聞 ) ( 9/23~26 FM 東京)… 各界 「知 ●「未来授業」 in 横浜 ( 本学共催 ) 三溪園 絵画教室 」 環 参加 。教育人間科学 描 説明、 構図 巨人 」 「 次世代 開 催、小 師 迎 、未来 知 」 講 日本人 送 授業/大学院都市 ( 12/1 神奈川新 洋子教授 影 研究者 自転車 研究院 藤掛 聞) ●「 ● 横浜国立大学統合的海洋教育・研究 主催 公開 「 減 水産物、増 海獣∼ ● ≪秘密保護法案≫∼友好 絶滅危惧 水産生物 持続可能 漁業 」 、28 日 ∼在日 教育文化 育人間科学部 松本尚之准教授 大集会室 開催 ( 9/20 神 奈川新聞) 人 憂 研究 ( 10/18 930 」 教 ( 12/2 /大学院都市 ●「 聞 ∼横 浜・北 仲 通 再開発計画 進 帝蚕倉庫 代表 調和 共存 対 当 山 、 、演奏 歴史的建造物 、吉田鋼市名誉教授 見解 ● 今後 使 探 出 南米 「 楽器 展 望 聞 ( 9/22 神奈川 、楽器 演奏 通 交流 介護 女性研究者 支援 究員 」制度 研究 中 「 研 ( 10/3,17 日本経済新聞 ) 学研究院 今野紀雄教授 ●「 ( 11/12 NHK 総合 )… 洗浄 」 活性化 向 、東京都 対 都営 鍋 焦 落 専門 /大学 院環境情報研究院 大矢勝教授 12 月 2 日、 「 横国大生 ( 主催:横浜国立大学学生支 合同会社説明会 」 援課、神奈川新聞社 ) 開 320 人 学生 35 社 参加 時間運行 襲 ! 出演/大学院工 ( 12/4 朝日 新聞、12/5 神奈川新聞 ) ● 横浜国立大学 ● 町 』」 家 ● 横浜国立大学 子育 ( 11/7 朝日放送 )… 」 『 数字 」 3 日、横浜国立大学 訪問。学生 現状 ! 「 巧妙 新聞 ) 断 研究院 中村文彦教授 朝日新聞 ) ● ≪論説・特報≫∼識者 地区 神奈川 )… 最新 「 COGOO 」 関 。説明会 、約 来場 、企業側 県内 中心 ●「 朝 ( 11/18 TBS !」 ) … 2013 年 11 月 15 日 千葉県野田市 発生 施設 ( 12/4 神奈川新聞 ) 家 24 爆発事故 立場 廃油 関 ,爆 発 物 専 門 /大学院環境情報研究院 三宅淳巳教授 大学院都市 研究院 中村文彦教授 ●「 ( 10/20 朝日新聞 ) ● ≪時流 自流≫∼地球環境 影響 抑 、災害 院都市 地球環境 強 都市 研究 、 語 (10/20 神奈川新聞) T V・R A D I O 変 災協力協定 締結 食堂 施設 避難場所 避難場所 運営 力 保土 。災害発生時 学生 開放 ●「 池上彰・緊急 … 憲法 ( 8/16 」 議論、解説 番組 ) 監修/大 ●「 ●「 世界一受 、 募集 協 高齢者負担∼大学院国際社会科学研究院 熱中症 ( 8/17 日本 授業 」 紹介( 10/24 日本経済新聞 ) 行事 生体認証。普及 、問題点 進 課題 探 / )… /教育人間科学部 田中英登 教授 ●「 古典芸能 !鶴蒔靖夫 本 )… 横浜国立大学 際化 ( 11/24 NHK E 招待 」 富士山世界遺産指定 ( 8/21 」 日 特徴、 考 、研究力強化 狙 放映 、富士山 際 )… 関係 、解説 行 /教 育人間科学部 三宅晶子教授 化・国 、今後 目標 ●「 地域情報便 対談/鈴木邦雄学長 ( 8/24 TBS ●「 夢★夢 Engine! 」 ( 2014/1/10-12 横浜 ! !」 )… 研究 vol.197 企業 注目 能 狂言 ● ≪時事解析≫消費増税 医療・年金改革∼増 15 現場 大学院環境情報研究院 松本勉教授 谷区 防 体育館 ●「 ● 10 月 26 日、第 8 回 東京 )… ( 11/21 NHK BS1 ) WAVE Tonight 」 … 日本 現状 通 ( 10/23 日本経済新聞 ) 山口修教授 」第 6 弾 女性技術者 !/卒業生 町田恵津子 学院国際社会科学研究院 君塚正臣教授 ● 10 月 23 日、横浜国立大学 ( 11/19 」 変 、大学 研究院 佐土原聡教授 問題 テレビ・ラジオ 英知 ∼環境 夜明 「働 方 )… 大 様子、復帰後 研究員 大河原 研 究員 感想 菜 生活 紹介/ 【 YNU ミュージアムコレクション ② 】 タイガー手廻計算機 大正時代に開発された国産の手廻計算機(写真は昭和 40 年代のモデル)。大桁数の加減乗除計算を容易にこなすこ とができる画期的な計算機であり,当時その恩恵は計り 知れないものがあった。電卓の登場で,惜しまれつつ昭 和 45 年製造完了となった。 横浜国立大学広報誌 第 197 号 2014 年 2 月 28 日発行 編集・発行 国立大学法人横浜国立大学広報委員会 〒240-8501 横浜市保土ケ谷区常盤台 79 番 1 号 YNU 編集委員長 お問い合わせ 山田 均( 理事・副学長/大学院都市イノベーション 研究院 教授) 横浜国立大学 総務部 広報・渉外室 TEL. 045-339-3016 FAX. 045-339-3179 URL. www.ynu.ac.jp アートディレクション 神里僚子( 経営学部卒業生)/ 株式会社リポグラム 横浜国立大学ホームページ URL ▶ www.ynu.ac.jp 横浜国立大学で行われる各イベントに関する情報は、上記アドレスからご覧になることができます。
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