資料4-2(1) 都市公園事業 国営滝野すずらん丘陵公園 事後評価結果準備書説明資料 平成26年度 北海道開発局 全国の国営公園の状況 ●法的位置づけ:都市公園法第2条第1項第2号 イ号公園:一の都府県の区域を越える広域の見地から設置する都市公園(12ヵ所) ロ号公園:国家的記念事業として、又は我が国固有の文化的資産の保存・活用を 図るために閣議の決定を経て設置する都市公園(5ヵ所) 区分 公園名 区分 公園名 イ 滝野すずらん丘陵公園 イ 備北丘陵公園 イ みちのく杜の湖畔公園 イ 讃岐まんのう公園 イ ひたち海浜公園 イ 海の中道海浜公園 イ 東京臨海広域防災公園 ロ 武蔵丘陵森林公園 イ アルプスあづみの公園 ロ 昭和記念公園 イ 越後丘陵公園 ロ 飛鳥・平城宮歴史公園 イ 木曽三川公園 ロ 吉野ヶ里歴史公園 イ 淀川河川公園 ロ 沖縄記念公園 イ 明石海峡公園 1 1.事業の概要 (1)事業目的 国営滝野すずらん丘陵公園は、道央圏を中心とする広域的なレクリエーション需 要に対応するために設置された国営公園です。 昭和53年から公園整備に着手し、昭和58年7月に「渓流ゾーン上流部」が供用開始 されて以来、順次供用区域を拡げ、平成22年度に概成し計画面積395.7haの全園を供 用しました。 ■公園位置 【基本テーマ】 「自然とのふれあい」 【基本理念】 ①環境保全と魅力ある空間づくり 都市縁辺部にある本公園は、大気の浄化、水源の涵養などの機能を果たすとともに、 野外レクリエーション活動の定着化、多様化に対応する。 ②多様なニーズに対応 大規模な面積を有する本公園は、北海道最大の人 集積地である札幌市からの大量の 大規模な面積を有する本公園は、北海道最大の人口集積地である札幌市からの大量の 利用需要を受け止めるとともに、多様な利用層の需要も受け止める。 ③四季を通じた利用 積雪寒冷地にある本公園は、冬期利用を推進するとともに、利用の低下する紅葉期を 過ぎ積雪が始まるまで、融雪が始まり新緑期までのグレーシーズンの利用向上を図る。 2 (2)計画の概要 ①公園種別:イ号国営公園 ②所 在 地:札幌市南区滝野247 ③計画面積:395.7ha ④事業主体:北海道開発局 ⑤利用料金:【夏期】渓流ゾーンのみ無料、その他は有料 【冬季】全域無料 ■公園平面図 ゾーン区分図 3 (3)経緯 昭和51年5月 ・都市公園法を改正し「国営公園」の制度を制定 昭和53年1月 ・滝野公園を都市計画決定(北海道知事) 昭和53年4月 ・事業採択 昭和53年8月 ・都市公園を設置すべき区域の承認(建設大臣) 昭和54年6月 ・都市計画事業の承認(建設大臣) ・用地及び工事着手 昭和58年7月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(渓流ゾーン上流部など30haを 供用開始) 昭和59年7月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(渓流ゾーン下流部など50haを 供用開始) 昭和62年1月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部許容開始(渓流ゾーン炊事遠足広場12haを 供用開始) 平成元年4月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(中心ゾーン駐車場など6haを 供用開始) 平成元年8月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(宿泊ゾーン青少年山の家など12haを 供用開始) 平成6年6月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(オートリゾート滝野など20haを 供用開始) 平成8年6月 ・第7回全国「みどりの愛護」を開催、皇太子同妃両殿下来園 平成9年4月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(中心ゾーンつどいの森など6haを 供用開始) 平成10年1月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(中心ゾーン歩くスキーコースなど4haを 供用開始) 平成11年12月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(中心ゾーンファミリゲレンデ14haを 供用開始) 平成12年6月 ・公開日時の変更及び有料区域の設定 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(中心ゾーンこどもの谷など28haを 供用開始) 平成14年6月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(中心ゾーン子供の谷Ⅱ期区域など4ha を供用開始) 平成14年8月 ・総入園者数が1,000万人を超える 平成16年7月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(中心ゾーン森のすみか6haを 供用開始) 平成20年11月 ・事業再評価 事業再評価 平成21年6月 ・国営滝野すずらん丘陵公園の一部供用開始(滝野の森ゾーン東エリア122haを 供用開始) 平成22年5月 ・全園供用開始(滝野の森ゾーン西エリア 82haを供用開始) 4 (4)整備の概要 渓流ゾーン アシリベツの滝 宿泊ゾーン オートリゾート滝野 青少年山の家 厚別川 H20年度以降新規供用ゾーン 滝野の森ゾーン(西エリア) H22年供用開始 中心ゾーン こどもの谷 カントリーガーデン 冬期(ファミリーゲレンデ) 滝野の森ゾーン(東エリア) H21年供用開始 森の交流館 (5)事後評価について 都市公園事後評価では、平成20年度に行った事業再評価以降の事 象を基に整理。 5 2.費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化 (1)人口の推移 人口は、北海道全体では減少傾向。 再評価で検証した滝野すずらん丘陵公園のある札幌市および周辺6市(石狩市、 江別市、北広島市、恵庭市、千歳市、苫小牧市)の人口推移は、平成22年、若干で 別市 北広島市 恵庭市 歳市 苫小牧市) 人 推移は 成22年 若 あるが増加傾向。また、同区域で年齡階層別の割合を見ると50歳以上が増加し、他 の年齡階層はいずれも減少する傾向にあります。 ■北海道および滝野公園周辺の人口推移 北海道全体 (万人) 札幌市+周辺6市 600 500 人 口 569 568 563 551 536 400 300 200 230 251 249 246 239 100 0 H7 H12 H17 H22 H27 ※推計人口 年度 ■滝野公園周辺の年齢階層別人口構成 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 29.3% 35.1% 39.3% 42.4% 45.7% 50歳以上 30.8% 28.4% 16.3% 15.6% 7.6% 6.6% 16.1% H7 30~49歳 28.2% 28.4% 14.3% 13.9% 5.7% 12.9% 12.0% 5.1% 12.2% H12 H17 H22 年度 27.6% 10.8% 4.6% 11.3% 20~29歳 15~19歳 15歳未満 H27 ※推計人口 出典(人口・年齡構成とも) :総務省統計局「国勢調査」(H7~H22) 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」(H25.3推計) 6 (2)事業費及び事業期間の変更 ①事業費の変更 追加開園を行った滝野の森ゾーンにおい て、高齢者、身障者を含め、誰もが滝野 の深い森へのアクセスを可能とするため 深 森 ク を 能とするため バリアフリー整備(エレベーター設置等) を行いました。(約5億円の増) 平成20年度 再評価時点 事業費 480億円 実績 485億円 滝野の森の入口となっている森の交流館にお いて、約15mの高低差が移動可能なエレベー ターを設置 ②事業期間の状況 本事業は、工事の着実な進捗を図り、計画通り事業が完了しました。 事業完了年度 平成20年度 再評価時点 実績 平成22年度 平成22年度 7 (3)来園者の状況 来園者数は、開園直後の昭和62年度に83万人を記録した後、概ね40万人台で推移 し、その後、有料区域の開園(H12年度)後は60万人前後で推移しています。 利用者数・供用面積の推移 (ha) (万人) 90 450 冬季無料エリア利用(12~3月) 夏季無料エリア利用者(4~11月) 80 80 400 夏季有料エリア利用者(4~11月) 75 395.7 供用面積(ha) 70 350 24 60 60 60 利 用 50 者 数 18 44 30 31 31 30 38 300 29 42 41 37 37 33 47 46 41 313.8 31 20 55 40 25 25 39 40 41 41 39 192.3 182 33 31 供 250 用 面 積 200 28 27 186.427 30 154 140 136.2 130 20 17 16 18 150 16 15 13 13 11 12 110 100 92 10 14 80 9 9 30 1 S58 S60 0 11 11 9 11 11 12 14 12 12 11 13 13 12 6 5 5 5 5 5 6 6 6 3 3 4 4 S62 H元 H3 H5 H7 H9 50 0 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25 年度 データ出典:国営滝野すずらん丘陵公園事務所資料 8 3.費用対効果分析 (1)費用便益の分析の考え方 本省 都市局公園緑地・景観課監修 法マニュアル」を使用 改訂第3版「大規模公園費用対効果分析手 ○総便益(B)を直接利用価値、間接利用価値の2項目で算出し、総費用(C) に対する総便益(B)の比率(B/C)で判断 効果分析フロー 対象公園及び競合公園データの整理 直接利用価値の計測 直接的に公園を 利用することに よって生じる価 値(健康・レクリ エーション) 間接利用価値の計測 〔旅行費用法(TCM) 〕 総費用の計算 〔効用関数法〕 間接的に公園を 利用することに よって生じる価値 (環境・景観、防 災) 総費用(C): 用地費、施設費、維持管理費 総便益(B)/総費用(C)の計算 計測期間:事業開始年(1978年)~公園供用開始後50年(2033年) 9 (2)直接利用価値の算出 ○旅行費用法(TCM:Travel Cost Method)により算出 「公園利用者は、公園までの移動費用をかけてまでも公園を利用する価値が あると認めている」という前提のもとで 公園までの移動費用(料金 所要時 あると認めている」という前提のもとで、公園までの移動費用(料金、所要時 間)を利用して、公園整備の価値を貨幣価値で評価 公園利用選択率の算出 公園の利用実態を基に利用者の 誘致圏を設定 誘致圏をゾーン(市町村)に区分 しゾーン内にある競合公園を選定 各公園の施設 内容から ○自然空間系 ○施設系 ○文化系 の魅力値を算出 各公園への ○移動費用 ○時間価値 ○利用料金 から旅行費用 を算出 を算 需要の推計 便益額の算出 ○魅力と旅行 費用、人口 密度から ゾーンごと の都市公園 需要量を推 計 ○利用選択率 より対象公 園の需要を 推計 需要推計と旅行費用 から便益を算出 単年度便益は利用者分類別 ゾーン別に、先に示した需要関 数を用いて消費者余剰分を計測 し、これらを足し合わせることに よって算出する。 消費者余剰とは、図 2‐2の需要 曲線の斜線の部分にあたる。な お、モデルの特性上、旅行費用 の上限値を定める必要がある が、ここでは検討対象ゾーンの 旅行費用の最大値を上限値とす る。 (改訂3版大規模公園費用対効 果分析手法マニュアルより転載) 公園利用選択率を算出 10 (3)間接利用価値の算出 ○効用関数法(Utility Function Method)により算出 効用関数法とは、「公園整備を行った場合と行わなかった場合の望ましさ(効 用)の違い」を貨幣価値に換算することで公園整備を評価する方法 違 を貨幣価値 換算す 整備を評価す 方法 効用関数の導出 満足度の算出 便益額の算出 利用圏内の各公園に ついて ○緑地、広場面積 ○公園との距離 ○防災機能の有無 から効用関数を算出 ○各公園の効用関数から 満足度を算出 ○対象公園の「有・無」 の差から対象公園の満 足度を算出 算出された満足度 を貨幣換算し便益 額を算出 11 (4)投資効果の分析 ○以上の総費用、総便益から本公園の費用便益比(B/C)は4.9であり、 本公園の整備に対して費用対効果が得られることを確認 便益 (億円) 費用 (億円) 前回評価 (H20再評価) 今回評価 (H26事後評価) 事業費 480 485 整備期間 昭和53年から平成22年 昭和53年から平成22年 基準年 平成22年 平成26年 直接利用価値 3 468 3,468 6 178 6,178 間接利用価値 657 627 総便益(B) 4,125 6,805 用地費 44 51 基準年差による増 建設費 802 945 基準年差による増 維持管理費 305 396 基準年差による増 総費用(C) 1,151 1,392 3.6 4.9 費用便益(B/C) 備考 バリアフリー化による増 ※ 注:便益・費用とも現在価値化した数値である。 ※再評価時点から便益が増加した理由 平成20年の再評価では、有料区域利用者のみを対象した便益計算を行い、総費 用は全体の費用で算出。 (有料区域利用者のみを対象としたため、便益額は少ない値となっている) 12 5.事業の効果の発現状況 (1)公園整備による効果 公園の整備により滝野すずらん丘陵公園の基本理念を基に自然・文化の保全・ 活用、新 活用、新たなレクリエーションの場の創出等の効果発現しています。 リ 場 創 等 効果発現 す。 整備効果 環境保全と魅力ある空間づくり ●園内の自然環境の質が向上しました。 ●北海道の自然 文化が保全 活用されています ●北海道の自然・文化が保全・活用されています。 ●地域の活性化に貢献しています。 多様なニーズに対応 ●多様な利用者が楽しめ、交流できる場を創出しました。 四季を通じた利用 ●季節性を克服し、冬を楽しめる場を創出しました。 その他 ●環境に配慮した効率的な管理・運営により、コスト縮減に務めています。 13 ●園内の自然環境の質が向上しました。 再評価後に整備した滝野の森では、 ため池の復元や野草生育地の整備、間 伐下刈等の樹林整備・水田の復元など 伐 等 樹林 備 復 の公園整備により、動植物の種数の増 加がみられました。整備を行った場所 は、均質な環境の樹林が多い公園内に おいて特異性のある環境であり、生物 多様性のホットスポットとなっていま す。このため動植物の観察や鑑賞の場 として、重要な利用ポイントにもなっ ています。 間伐下刈等を実施したエリアにおけるシラネアオイ の個体数の変化 主な自然再生整備の内容と発現効果 整備項目 ホタル池、 トンボ池、 ドジョウ池 復元 整備 実施年 度 H11-12 ミズバショ ウ生育池復 元 H11 シラネアオ イ等野草生 育地整備 H11 水田復元及 び湿地林整 備 H20-21 整備概要と発現効果 【整備概要】溜池跡地の堆積砂泥除去、休耕田跡湿地林の伐採、掘 り下げ、湛水化による開放水面及び湿地の復元 【発現効果】 ・これまでなかった止水環境の形成によって、止水性トンボや 水生昆虫が増加した。 ・ミズアオイやイトモ等の希少植物が発生した。 【整備概要】溜池跡地の堆積砂泥除去、堰き止め湛水化によるミズ バショウ生育環境の復元 【発現効果】 ・ミズバショウの生育が良好になった。 ・エゾサンショウウオが産卵するようになった。 【整備概要】ササの刈払い、間伐によるシラネアオイ生育地環境の 整備 【発現効果】 過年度調査では数株であったが、まとまった開花群落が形成 まとまった開花群落が形成 ・過年度調査では数株であったが され、滝野の森西エリアの一番の見どころとなった。 【整備概要】休耕田跡湿地林の伐開、造成による水田の復元、周辺 湿地林の樹林整備 【発現効果】 ・止水性トンボやエゾホトケ、ミズアオイ等の動植物が増加し、 種の多様性が増加した。 出典(解説、図表とも):滝野公園 滝野の森ゾ 滝野の森ゾーン保全調査業務 ン保全調査業務 報告書(H25) 14 ●北海道の自然・文化が保全・活用されています。 滝野の森では、園内の自然や歴史・文化資源の展示を行っているほか、これら資 源を活用した利用プログラムを実施しています。また、滝野の森に残る自生植物や 貴重植物については外来生物の駆除やボランティアによる林地の下草刈りなど、継 続的な管理によ て生育地の保全が図られています 続的な管理によって生育地の保全が図られています。 ・滝野の自然と歴史の発信 森の情報館では「北国の自然と人の関 わり」に関する情報を収集、整理、保 存しているほか、動植物の生体情報な どを蓄積し自然生態情報の拠点として 活用しています。 森のすみかにある「秘密の抜け道」 では、滝野の森の歴史や、滝野の動 植物を紹介しています。 ・豊かな自然の残る「滝野の森」での利用プログラム 滝野の森ガイドツアー 自然豊かな滝野の森ゾーンの楽しみ方 をガイド。夏にはナイトハイク、冬に はスノーシューガイドツアーも開催し ています ています。 滝野の森生き物調査隊 ボランティアと一緒に生き物探し イベントを実施しています。 「滝野の森」での利用プログラム実施回数:302回、延べ参加人数:9,118人 (平成25年度) 15 ●地域の活性化に貢献しています。 再評価以降においても滝野すずらん丘陵公園は、札幌観光の中核を担っている他、 周辺関連事業・施設との連携により、地域の活性化に貢献しています。 ・札幌都市圏の観光振興への貢献 本公園の入園者数は、札幌市内の主要観光施設で平成20年以降も毎年上位5位 以内にあり、札幌観光の中核を担っています。 札幌市内の主な観光施設の入場者数ランキング 1位 2位 3位 4位 5位 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 モエレ沼公園 円山動物園 円山動物園 円山動物園 円山動物園 813,820 923,503 832,419 791,754 748,321 円山動物園 モエレ沼公園 モエレ沼公園 モエレ沼公園 モエレ沼公園 700,558 829,787 792,694 666,050 704,970 滝野すずらん丘陵公園 滝野すずらん丘陵公園 滝野すずらん丘陵公園 サッポロさとらんど 藻岩山 588,237 571,242 600,562 647,010 658,090 サッポロさとらんど サッポロさとらんど サッポロさとらんど 滝野すずらん丘陵公園 サッポロさとらんど 531 096 531,096 568 503 568,503 589 960 589,960 593 616 593,616 653 220 653,220 藻岩山 藻岩山 札幌芸術の森 白い恋人パーク 滝野すずらん丘陵公園 493,247 479,195 415,908 374,080 635,230 ・周辺関連事業との連携による地域観光への 寄与 札幌国際芸術際2014連携事業として、花風 景とグラスアートの融合を楽しむ「フラ 景とグラスア トの融合を楽しむ「フラ ワーアートパーク2014」の開催や、札幌 シーニックバイウェイにおける「観光空間 づくり関連部会」の構成施設の一つとして、 地域の魅力づくりに貢献しています。 ・青少年山の家との連携 札幌市が管理する野外教育活動拠点「青少年山 の家 では 滝野公園の自然を活用した多くの の家」では、滝野公園の自然を活用した多くの 野外活動プログラムを展開しています。青少年 山 の 家 は 、 札 幌 市 内 204 校 の う ち 、 195 校 (96%)が利用しています。(平成24年度) 青少年山の家 16 ●多様な利用者が楽しめ、交流できる場を創出しました。 子供・高齢者・身障者など、幅広い利用者が安心・安全・快適に利用できる公園 環境を提供しています。また、ボランティア活動等、多様な主体へ参加・交流の場 を提供しています。 ・幅広い利用者へ、安心・安全・快適に利用できる公園環境を提供 森の交流館(平成21年供用)は、エレベー ターで15mの高低差を移動でき、高齢者や身 障者においても、豊かな自然が広がる滝野 の森へのアクセスを可能にしています。 ・ボランティア活動等、多様な主体へ 参加・交流の場を提供 滝野公園フラワーガイドボランティアをはじ めとする公園の管理運営に関わるボランティ ア活動の参加を継続して促進しています。 (平成25年度実績:2団体、延べ活動者数 2,291人) ファミリーゲレンデは、延長300m、平均 斜度10%と、ファミリー層、初心者、ハン ディキャップ利用者の利用に適しています。 ・外国人観光客受け入れ体制の充実 4カ国語(英語、中国語(簡体、繁体)韓 国語)による利用ガイドブックやHPの作 成など、外国人観光客の受入体制の充実を 継続して行っています。 17 ●季節性を克服し、冬を楽しめる場を創出しました。 丘陵地形を活かし、夏季、冬季それぞれの季節性を反映した魅力を提供していま す。雪に関連したレクリエーションだけでなく、一年を通じて遊ぶことができる屋 内遊具も充実しており、スポーツやレクリエーション活動の制約が多い北海道にお いて 貴重な冬を楽しめる場を提供し 再評価後も高い満足度を得ています いて、貴重な冬を楽しめる場を提供し、再評価後も高い満足度を得ています。 ・公園の地形特性を活かし、季節性を反映し た魅力を提供 【グリーンシーズン:カントリーガーデン】 ・冬季利活用のソフト展開 昭和62年から開催しているスノーフェス ティバルでは、雪を資源ととらえ、雪の滑 り台をはじめ、スノーシューを履いて園内 を散策するガイドツアーや馬そり体験、雪 合戦 会 合戦大会、公園内で実際に使用している除 実際 使 除 雪機械の展示、また冬の経験が少ない親子 を対象に、屋外での服装や遊び方等を学べ る子育て支援プログラムを用意するなど、 多様な取り組みを行っています。 【ホワイトシーズン:ファミリーゲレンデ】 ・冬でも遊べる屋内遊具 「虹の巣ドーム」では、冬季の休憩・採暖施 設であるだけでなく 全天候型の施設として 設であるだけでなく、全天候型の施設として 一年を通じて屋内ネット遊具で遊ぶことがで きます。 ・冬季も高い満足度を提供 楽しみが少ない冬季においても高い満 足度を提供しています (過去5年間で 足度を提供しています。(過去5年間で は全ての年度で「非常に満足」「まあま あ満足」をあわせた割合が90%以上) ホワイトシーズン 0% 20% 40% 60% 80% 100% H21 H22 H23 H24 H25 非常に満足した まあまあ満足した やや不満である 非常に不満である 18 ●環境に配慮した効率的な管理・運営により、コスト縮減に務めて います 再評価以降においても、資源リサイクルへの取り組みとして、芝、草、除草等、 植替(刈取)草花等を一部堆肥化し、施肥として活用している他、剪定枝、伐採木 等を 部 等を一部チップ化処理し、園路及び植栽地等におけるマルチング材として活用する 処 、園路 植栽 等 材 活用す など、環境に配慮した効率的な管理・運営により、コスト縮減に務めています。 園内草花等の堆肥化 19 6.事業実施による環境の変化 中心ゾーン(黄色枠内)を中心とした、主要な公園施設の整備箇所は、主にパイ ロットファームとして活用されてきた土地で、公園整備による環境へのインパクト は少ないといえます。他のエリアについても、生物生息場所の改変は、管理道路や アプローチ道路、駐車場付近でみられるものの、貴重種が多い谷斜面や源頭部の多 プ 道路 駐車 近 れ も 貴重種が多 斜 部 多 くが残存しています。 再評価以降に整備された滝野の森ゾーンにおいて、大きな面積で多様性が高い範 囲が維持されている他、自然再生をめざした公園整備・維持管理によって新たな多様 性も創出されているため、公園整備による生物多様性の低下は少ないといえます。 ・写真でみる環境の変化 写真でみる環境の変化 公園整備前の様子 (パイロットファーム・S30年代) 公園整備前(S53) 公園整備後(H13) ・植物相の変化 開園後の22、23年度の植物の確認種数は、過年度調査結果よりも多い結果となっています。 園内全体の植物確認種数の変化 シダ植物 裸子植物 単子葉植物 双子葉植物 計 昭和53年度 29 4 42 189 264 平成11・12年度 37 6 95 300 438 平成22、23年度 41 6 107 316 470 出典:滝野公園 滝野の森ゾーン保全調査業務 報告書(H25) 20 7.社会経済情勢の変化 (1)上位計画の変更の有無 平成20年の再評価後、滝野すずらん丘陵公園の整備によって、札幌 市総合計画、緑の基本計画、都市計画等の上位計画の変更はなし。 ※上位計画とは、市町村の総合計画、緑の基本計画、都市計画等を指し、公園の 整備により重大な影響を与える変更があった場合に、公園としてどの様な対処 を行ったかを判断するもの。 (2)周辺類似施設の整備状況 平成20年の再評価後、滝野すずらん丘陵公園(公園面積395.7 ha)と利用が競合する規模の公園整備はなし。 (参考)平成10年以降、滝野すずらん丘陵公園を中心として100km圏内では 42の都市公園が整備。 【札幌市】モエレ沼公園(H17年 全園開園) 【当別町】道民の森(H16年 全園開園) 21 8.今後の事後評価の必要性 ○今後の事後評価及び改善措置の必要性 本 園 、園 本公園は、園内の自然・文化の保全・活用が図られており、かつ、こ 自然 文 保 活用 図 り、 、 れまで北海道の冬に貴重な楽しめる場を創出した他、新たなレクリエー ションの導入や、美しい景観形成等により、札幌都市圏を中心とする、 利用者の幅広いニーズに対応してきています。 また、誰もが安心・安全・快適に利用できる公園づくりが進められ、 ボランティア等、多様な主体へ参加の場を提供しており、国営公園の役 割 及び本公園の基本テ 割、及び本公園の基本テーマ・基本理念に沿った効果が発現し、今後の 基本理念に沿 た効果が発現し 今後の 事後評価及び改善措置の必要性はないものと考えられます。 なお、今後も適切な管理運営により、さらなる利用者満足度の向上等 に努めていきます。 ○同種事業の計画・調査のあり方や事業評価手法の見直しの必要性 ○同種事業の計画 調査のあり方や事業評価手法の見直しの必要性 同種事業の計画・調査のあり方について、見直しの必要とする事項は なし。また、事業評価手法の見直しの必要性は無いと思われます。 22
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