「 BEP(ブレオマイシン+エトポシド+シスプラチン)療法 」 「EP(エトポシド+

「
BEP(ブレオマイシン+エトポシド+シスプラチン)療法
「EP(エトポシド+シスプラチン)療法 」
説明および同意書
四国がんセンター 泌尿器科
患者氏名 (
)さん
「御本人さんのみへの説明でよろしいですか?」
(同席者の氏名をすべて記載)
(
(
」
□
はい
)
)
<病名>
精巣がん
① 非セミノーマのⅠ期(脈管侵襲あり)
② セミノーマおよび非セミノーマで転移を有する場合
転移部位 (
)
<治療>
BEP 療法(B: ブレオマイシン, E; エトポシド, P; シスプラチン)
EP 療法(E; エトポシド, P; シスプラチン)
<治療開始予定日> 平成
年
月
日
<治療期間> 3 週間を 1 コースとして繰り返し行います。治療回数はステー
ジによって異なります。BEP 療法か EP 療法かはステージによってそれぞれ選
択されます。また投与回数もステージによって決められています。
非セミノーマ
セミノーマ
<治療の前に>
この治療は上記①②の場合に行われる化学療法です。
① :Ⅰ期ですので現時点では CT などの画像上転移はありません。しかし、
病理結果で脈管侵襲があった場合、高頻度に転移をきたします。そのため、
予防的に化学療法を追加します。ただし、脈管侵襲があった場合の転移の
出現率は 50-75%と報告されていますので、何もしなくても転移を起こ
さない患者さんもいます。化学療法を施行する場合は BEP 療法になりま
す。
② :転移のある症例には BEP 療法か EP 療法が施行されます。ブレオマイ
シンは肺障害が高頻度に起こるため、セミノーマの予後良好群ではブレオ
マイシンを除いた EP 療法を選択することがあります。EP 療法を 4 コー
ス行えば BEP 療法 3 コースと同等の効果が得られます。その他のステー
ジでは通常 BEP 療法が 3-4 コース施行されます。
ここで重要なことが一つあります。多くの癌の場合、転移があれば根治は難
しいのですが、精巣がんは転移があっても根治の望める数少ない癌なのです。
根治のためには決められた投与方法(特に 3 週ごとに繰り返す)を守ることが重
要です。また、化学療法の後に、手術を組み合わせて行うこともあります。
Q:もし、この治療を受けなかったらどうなりますか?
A:化学療法(抗がん剤治療)を受けたくないという方がおられるかもしれませ
ん。気持ちはわかりますが、先に述べたとおり、精巣がんは転移があっても根
治出来る場合がほとんどですので、是非治療を受けて下さい。もし治療を受け
なければ、おそらく数ヶ月後には何らかの症状が出現してくるものと思われま
す。痛みなど多くの症状は現在の緩和治療でほとんど取り除くことができると
思われますが、時に腸閉塞などコントロールできにくい症状を認めることがあ
ります。ただ、症状を緩和する治療は日々進歩しており、つらい症状を抱えた
まま日々生活することはまずありません。
以上のことを十分理解した上でこの治療を受けてください(中止はいつでも
可能です)。
<治療内容>
BEP 療法は1日目から 5 日目まで連続してエトポシドとシスプラチンを点滴
します。
(約 10 時間)、2日目、9 日目、16 日目にブレオマイシンを点滴しま
す(約 2 時間)。6 日目から 8 日目までは抗がん剤以外の点滴もあります(約 6
時間)。また副作用によっては点滴が追加になります。1コース 3 週間で、2コ
ース目以降はこの投与方法の繰り返しとなります。EP 療法は上記からブレオマ
イシンを除いた治療方法です。精巣がんでは 3 週ごとにきちんと繰り返すこと
が最も重要です。
<合併症>(血液毒性の頻度は重篤なものだけです(早急に対策が必要なもの))
① 骨髄抑制:貧血(2-5%)、白血球減少(70-90%)、血小板減少(6-8%)
白血球減少が確認されると状況に応じて白血球を増やす注射を使用しますが、
この時期の感染症は致命的ですので注意が必要です。手洗いとうがいを励行し
ましょう。また、感染症がなくても発熱する場合があり(発熱性好中球減少;
5-7%)、点滴による治療が必要になります。また、貧血や血小板減少が重度な
場合には輸血が必要になります。
② 食欲不振や嘔吐など消化器症状(約 45%)
③ 間質性肺炎・肺線維症(10%)
:薬剤性の肺炎や肺線維症が起きる可能性が
あります。重症の場合には致死的な合併症になる恐れがあります。息苦しさ
などありましたら医師にお伝えください。また、肺機能チェックのために抗
がん剤投与前には胸部レントゲン写真や肺活量検査を行います。間質性肺炎
や肺線維症は、肺に基礎疾患を有する患者さんや、60 歳以上の高齢者に起
こりやすいとされています。通常、300mg までが上限とされていますが、
BEP 療法を 4 コース施行すると 360mg になります。この治療に限って投
与は許容されていますが、効果と副作用を十分評価する必要があります。
④ 発熱;ブレオマイシン投与後には 10%程度の頻度で起こります。
⑤ 脱毛や皮膚の色素沈着、爪の変化など皮膚障害が起こります(10%以上)。
⑥ 聴力低下・難聴(1.4%)
:シスプラチンの投与量が多くなると出現しやすく
なります。
⑦ その他(2%未満):心不全や腎不全、アレルギー反応などの重篤な合併症の
報告があります。
⑧ その他(頻度不明)
:肝機能障害、末梢神経障害(手足のしびれ)、ショック
などの報告があります。
⑨ 治療関連死:治療に関連した副作用で亡くなることをいいます。副作用対策
が確立してきましたのでほとんど起こらなくなりましたが、0%にはなって
いません(報告では 0.1%未満)。
採血やレントゲン検査を行い、異常の早期発見に努めますが、何かあればすぐ
にお知らせください。患者さんからの情報が合併症の早期発見のために重要で
す。早期発見できれば適切な対応策がとれ、重症化せずにすみます。
<健康被害が生じた場合>
この治療によって健康被害が生じた場合の特別な保証制度はありませんが、病
院で誠意を持って治療に当たらせていただきます。治療費は保険を使用した場
合の一般診療で行われます。
以上 □「
BEP 療法
」
□「EP 療法」
について説明しました。
説明年月日
平成
年
月
日
年
月
日
説明医署名
説明時同席者
担当医より上記内容について説明を受けました。
説明年月日
平成
患者氏名
同席者氏名
(患者さんとの関係:
)
同意書
独立行政法人国立病院機構四国がんセンター
院長殿
治療名:
□「
BEP 療法
」
□「EP 療法」
<説明および同意内容>
□<病名>
□<治療>
□<治療開始予定日>
□<治療期間>
□<治療の前に>
□<治療内容>
□<合併症>
□<健康被害が生じた場合>
私は、治療の内容についてそれぞれ説明を受けた上、治療を受けることに同意
いたします。
同意日
平成
年
月
日
患者氏名
同席者氏名
私は、治療について上記の項目を説明し、同意が得られたことを確認します。
確認日
平成
医師氏名
同席者氏名
年
月
日