投資情報室 2015 年 2 月 5 日(木) Weekly Outlook 週刊投資情報 No.191 CONTENTS 1.日本株見通しとポイント 2.米国株見通しとポイント 3.円相場見通しとポイント 4.国内経済動向 5.新興国市場・経済動向 6.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 7.今週のストラテジーセレクション 8.国内政治・政策動向~岩盤規制打破の象徴、農協改革に注目 9.南アフリカ~中銀はタカ派姿勢維持、ランドの支援材料に 10.来週・再来週の主なスケジュール 1/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 1.日本株見通しとポイント~ギリシャと金利と決算と 長谷川 浩 日経平均は、2 月 3 日に長期金利の急騰を受けて終値で 17,500 円割れ。4 日には反発したものの、ECB がギリシャ国債適格担保の適用除外を発表したことなどから、5 日には反落した。一方、2014 年度第 3 四半 期決算発表がピークを迎えている。円安等を背景に製造業が好調に推移する一方、原油価格の下落により 一部業種が大幅減益となっていること等から、非製造業の利益の伸び率は低い。 ◆やや乱高下となるも、売買代金は増加 ◆決算発表では原油安の負の影響も 先週末以降の日本株は、3 日に長期金利の上昇を嫌 気して大きく下げたものの、4 日は原油価格の上昇やギ リシャ懸念の後退を受けて大幅反発した。日経平均は、 昨年 12 月 8 日にリーマン・ショック後の高値となる 17,935 円をつけた後、12 月 24 日の 17,854 円、年明け 1 月 28 日の 17,795 円と、戻り高値を試しつつも上値を 切り下げている。一方、下値は 12 月 16 日の 16,755 円、 1 月 14 日の 16,795 円の下値ラインを固めているように 見える。2 月 3 日、4 日の両日で、東証 1 部の売買代金 はそれぞれ約 2.7 兆円、2.8 兆円と比較的高水準となっ ており、新高値こそ抜いてはいないものの、国内ファン ダメンタルズの改善を織り込んだ資金流入が始まってい ることをうかがわせる動きと言えるのではないか。 2014 年度第 3 四半期の決算発表がピークを迎えつ つある。弊社の集計では、2 月 4 日現在で TOPIX 構成 銘柄の内、約 57%の企業が発表を終えており、第 3 四 半期までの累計で経常利益は 6.8%増益となっている。 円安を背景として製造業が 2 ケタ増益となる一方、非製 造業は、国内景気のもたつきや原油価格の下落の影響 で、石油・石炭製品業や鉱業、卸売業の不振により 0.3 % の 増 益 に と ど ま っ て い る 。 産 業 構 造 上 、 米 国 S&P500 ほどではないものの、TOPIX においても原油安 の負の影響を受けていると言える。 ◆金利上昇は株価にマイナス? 20,000 日本の 10 年国債利回りは、昨年 11 月中旬以降ほぼ 一本調子で低下し、1 月 20 日には、一時、0.2%を割り 込むなど、過去最低水準を記録した。しかし、21 日の日 銀金融政策決定会合で、2015 年度の物価見通しが大 幅に下方修正されたが、その主な理由が原油安のため とされたことから、早期追加緩和期待が後退。長期債利 回りは上昇に転じた。また、2 月 3 日には債券価格の高 値警戒感が広がる中で、原油価格の反発や 10 年国債 の入札が不調だったことなどから利回りは一段と上昇し た。そうしたなか、同日の日本株の日中の値動きを見る と、長期債利回りの上昇と同じタイミングで株価は下落 した。 17,500 3.5 15,000 3 図表 1 日経平均と 10 年国債利回りの推移(週次) 4 日経平均(左軸) 12,500 2.5 (%) 10,000 2 7,500 1.5 5,000 1 2,500 0.5 10年国債利回り(右軸) 0 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 0 2014 (年) (出所:Astra Manager よりSMBC日興証券作成) 図表 2 第 3 四半期決算集計(2 月 4 日 17 時時点) もっとも、金利上昇が常に株価下落につながるという ことではない。景気回復に伴う金利上昇時には、ほぼ時 を同じくして株価も上昇トレンドとなるケースが見られる (図表 1)。足元の長期金利の急騰は、あまりに下がりす ぎたことによる反動の域を出ず、景気回復を織り込んだ 上昇トレンドに入ったとは言い難い。しかし、今後期待さ れる、デフレ脱却に伴う金利上昇局面では、株価も上 昇トレンドをたどることが予想される。3 日の株価下落は、 長期金利の急騰という価格変化に対する不安心理によ るものが大きいととらえていいだろう。当面、長期金利の 乱高下が続く可能性があるが、株価への影響は徐々に 薄れていこう。 2/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 (円) 銘柄数 開示数 開示比 3Q累積実績 増益率(前年同期比) 2013年4-12月期vs2014年4-12月期 (2013年3-11月期vs2014年3-11月期) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 TOPIX 1,504 855 56.8% 5.0% 5.1% 6.8% 5.5% 除く金融 1,368 769 56.2% 5.0% 5.1% 7.2% 5.4% 除く金融,電気・ガス 1,352 753 55.7% 4.9% 3.2% 5.5% 9.6% 製造業 721 390 54.1% 4.7% 8.4% 11.4% 15.8% 非製造業 647 379 58.6% 5.6% 0.2% 0.3% -9.7% 除く電気・ガス 631 363 57.5% 5.6% -4.9% -4.1% -1.2% (注:ユニバースは、TOPIX 構成銘柄のうち、決算期が 2 月、3 月のもの で、 2014 年 2 月期、3 月期決算を発表しており、2015 年 2 月期、3 月期 予想がある銘柄〈決算期変更銘柄は除く〉) (出所:QUICK よりSMBC日興証券作成) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 2.米国株見通しとポイント~上値は追いにくい 河田 剛 1 月 29 日以降の米国株は、原油価格がいったん反発したことや、ギリシャ政府が財政問題で軟化の動きを みせたことなどから上昇基調となった。先行きの企業業績は下方修正されており、2015 年前半は減益見通 しとなっている。一方、S&P500 の 12 ヵ月先予想 PER は 4 日時点で 16.7 倍と依然として割高な水準となっ ている。このため、当面は上値を追いにくい展開になるものと考えられる。 ◆先週、今週のレビュー~変動激しいが上昇 れるものの、概ね企業景況感は堅調とみられる。ただし、 今後のドル高、原油安の影響などについては注意する 必要があろう。 1 月 29 日の米国株市場は、12 月の中古住宅販売仮 契約指数が事前予想を下回ったものの、1 月 24 日終了 週の新規失業保険申請件数が事前予想を下回ったこと や、ダウ・ケミカルやコーチの 10-12 月期決算が堅調だ ったこと、原油価格の下落に歯止めがかかったことなど から、ダウ工業株指数(NY ダウ)は前日比+225 ドルとな った。30 日は、原油価格の上昇やアマゾン・ドット・コム の堅調な決算などのプラス材料はあったが、2014 年 10-12 月期 GDP(速報値)や 1 月のミシガン大学消費者 信頼感指数(確定値)が事前予想を下回ったことなどか ら、NY ダウは同▲251 ドルと反落した。週明けの 2 月 2 日は、1 月の ISM 製造業景況指数や 12 月の個人消費 支出、12 月の建設支出が事前予想を下回ったものの、 原油価格の上昇などから、NY ダウは同+196 ドルとなっ た。3 日は 12 月の製造業受注が事前予想を下回ったが、 ギリシャ財務相がユーロ圏諸国への債務減免要請を撤 回したと報じられたことや、1 月の自動車販売が好調だ ったこと、原油価格の上昇などから、NY ダウは同+305 ドルと大幅に続伸した。4 日には、1 月の ISM 非製造業 景況指数が事前予想を上回ったことが買い材料となっ たが、1 月の ADP 雇用統計が事前予想を下回ったこと や、原油価格の大幅反落、ECB(欧州中央銀行)がギリ シャ国債の担保に関する特例措置を終了すると発表し たことなどから、NY ダウは同+6 ドルとなった。 ◆当面の見通し~上値は追いにくい 経済指標では 6 日発表予定の 1 月の雇用統計(事前 予想:非農業部門雇用者数、前月比+23.0 万人、民間 部門雇用者数、同+22.5 万人、失業率、5.6%)、12 日発 表予定の 1 月の小売売上高(事前予想:前月比▲0.3%) などが注目される。S&P500 採用企業の 10-12 月期決算 は、288 社が発表済みの時点(4 日)で、1 株当り利益が 前年比+4.3%と直前予想(同+2.0%)を上回っている。し かし、先行きの見通しは下方修正されており、1-3 月期 の 1 株当り利益は同▲2.1%、4-6 月期は同▲1.1%と 2 四半期連続で減益予想となっている(1 月 30 日時点)。 7-9 月期も同+1.9%と回復が鈍い見通しで、ドル高、原 油安に一定の歯止めがかからない限り、企業業績の不 透明感は払拭しにくい状況となっている。一方、S&P500 の 12 ヵ月先予想 PER は 4 日時点で 16.7 倍と依然とし て割高な水準となっている。このため、当面は上値を追 いにくい展開になるものと考えられる。また、ギリシャの 財政問題に関する、ECB、ユーロ圏諸国の対応につい ても情報が錯綜しており、市場の攪乱要因となろう。 (注:事前予想は Bloomberg、2015 年 2 月 5 日 10 時時点のもの) ◆1 月の ISM 製造業景況指数 2 月 2 日に発表された 1 月の ISM 製造業景況指数 は、前月比▲1.6 の 53.5 と、事前予想(54.5)を下回った が、景況感の分かれ目である 50 を 26 ヵ月連続で上回っ た。内訳では新規受注が 52.9 と 12 月の 57.8 から低下 した。また、生産は 12 月の 57.7 から 56.5、雇用は 12 月 の 56.0 から 54.1 へと低下した。支払価格は 12 月の 38.5 から 35.0 へと低下が続いた。これは原油、天然ガス、ガ ソリンや重油、石油製品などの価格下落によるものと考 えられる。1 月 15 日に発表された 1 月のニューヨーク連 銀製造業景況指数、1 月 30 日に発表された 1 月のシカ ゴ購買部協会景気指数、2 月 4 日に発表された 1 月の ISM 非製造業景況指数は事前予想を上回ったが、1 月 15 日に発表された 1 月のフィラデルフィア連銀景況指 数は事前予想を下回った。一部でやや減速傾向がみら 図表 1 ISM 製造業景況指数の推移 (ポイント) 65 60 55 50 45 40 35 30 08 09 10 11 (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 3/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 景気の好不調の分かれ目の目安 となる50ライン 12 13 14 (年) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 3.円相場見通しとポイント~ギリシャ情勢は依然流動的 本間 英至 ドル円はこの 1 週間も狭いレンジでの推移となった。米国で市場予想を下回る経済指標の発表が続いてい ることから、米景気の先行きおよびゼロ金利の解除時期を巡り不透明感が燻っている。市場は米景気の動 向を見極めたい意向を強めているとみられ、膠着相場は今しばらく続きそうだ。来週にかけては、今週末に 米雇用統計が発表される他、ギリシャの財政問題を巡る関係者の発言が注目材料となろう。 ◆この 1 週間(1/29~)のレビュー 29 日のドル円相場は 117 円台半ばでスタート。米株 の大幅反発を受けて一時 118 円台半ばまでドル高が進 んだが、米実質 GDP の期待外れの結果等を材料にド ル売りが優勢となり、週明け 2 日の朝方には損切りも巻 き込んで 116.66 円と、約 2 週間ぶりの安値をつけた。そ の後、値ごろ感等から反発したものの買い材料に乏しく、 足元まで概ね 117~118 円での推移が続いている。ユー ロは 3 日にギリシャ懸念の和らぎを受けて 135 円台を回 復したが、4 日にはギリシャ懸念の再燃から 132 円台半 ば辺りまで押し戻された。一方、豪ドルは 3 日に豪中銀 による予想外の利下げを受けて急落し、一時 89.37 円と 約 1 年ぶりの安値をつけた。その後は買い戻しがやや 優勢となり、足元 91 円台前半で推移している。(東京時 間 2/5 正午時点) ◆ドル円の見通しと来週にかけての注目材料 ◇米経済指標は期待外れの結果が続く ドル円は足元で一段と膠着感を強めて推移している。 その背景として考えられるのが、米国景気の先行きに対 する不透明感の燻りだ。この 1 週間の経済指標を振り返 ると、昨年 10-12 月の実質 GDP 成長率が前期比年率 +2.6%と市場予想(Bloomberg 調査)の同+3.0%を下回 り、1 月の ISM 製造業景況指数は 53.5 と市場予想(同) の 54.5 を下回って 3 ヵ月連続で低下と、注目度の高い 指標がいずれも期待を裏切る結果に終わっている。 ただ、実質 GDP に関しては、昨年 4-6 月に前期比年 率+4.6%、7-9 月には同+5.0%と大きく上振れており、 10-12 月の拡大ピッチの鈍化は「持続困難なペース」か ら「持続可能なペース」へのスピード調整の側面が強い。 2%台前半と言われる米国の潜在成長率を超過しており、 在庫投資と政府部門と純輸出を除いた「国内民間最終 需要」ベースでは 3 四半期連続で同+4%前後の伸びを 記録したこと等を踏まえれば、悪い結果ではないと判断 される内容である。また、ISM 製造業景況指数について も、対象 18 業種のうち 14 業種が拡大と報告。米西海岸 における港湾ストという特殊要因が企業活動に悪影響 を及ぼしたとのことだが、それでも、53.5 という水準は実 質 GDP で 3.3%の成長ペースに見合うレベル(ISM より) を維持。米景気は好調に推移していることを示す内容と 4/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 いえよう。とはいえ、共に市場予想に届かなかったのは 事実であり、市場の失望を招く格好となっている。 ◇米景気と金融政策の不透明感がドルの上値を抑制 経済指標が市場予想を下回る傾向は、年明け以降、 徐々に鮮明となりつつある。(図表 1)では、米国の経済 サプライズ指数と実質金利(≒実質期待成長率)の推移 を示している。経済サプライズ指数の低下に連れて実 質金利も低下しており、米景気の先行きに対する自信 度が低下している様子が窺えよう。また、FRB(連邦準 備制度理事会)が「ゼロ金利の解除は経済データ次第」 との姿勢を強めていることもあり、利上げ時期の後ずれ 図表 1 米経済サプライズ指数と実質金利の推移 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 -0.5 (%) 米実質金利(5年、左軸) 50 米経済サプライズ指数(右軸) 40 30 20 10 0 -10 ※経済サプライズ指数:経済指標の結果と市 場の事前予想との乖離を数値化したもの。 -20 14/8 14/9 14/10 14/11 14/12 15/1 15/2 (年/月) (注:実質金利=名目金利-期待インフレ率) (出所: Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 図表 2 130 FF 先物金利とドル円の推移 (円/ドル) ドル円(左軸) 125 FF先物( 12ヵ月先、右軸) 120 115 110 105 100 14/8 14/9 14/10 14/11 14/12 (出所: Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 15/1 (%) 1.3 1.2 1.1 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 15/2 (年/月) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 向かう兆しも窺えた。 観測も浮上(図表 2)。これらが米ドルの上値を抑えてい ることが確認される。 しかし、その一方でドイツの強硬姿勢には何ら変化が みえない。一部報道によれば、ドイツは財政緊縮の緩 和を拒否。ギリシャに対して支援プログラムに基づく財 政再建策の順守を要請し、ギリシャの債務見直し案も受 け入れない意向とのこと。別の報道では、ドイツは交渉 の長期化によりギリシャを資金面で追い込み、大幅な譲 歩を引き出す戦略とも指摘されている。時間の経過と共 に資金繰りに窮することが予想されるギリシャは、新たな 財政支援計画を練る為の時間的猶予を確保すべく、短 期債の発行上限の引き上げを ECB(欧州中央銀行)に 求めたが、ECB は難色を示している模様だ。関係者に よると、ECB の譲歩なしでは 3 月にも資金が底をつく可 能性があるという。さらには、ギリシャ新政府の反緊縮ス タンスを受け、ECB は投資不適格級ながらもギリシャ国 債をオペの担保として認めてきた特例措置の解除を発 表。ECB は緊急流動性支援オペ(ELA)を延長しており、 ギリシャの金融機関に必要な流動性は確保できる形と なったものの、同国政府の対応次第では金融不安が浮 上する可能性も残すなど、ギリシャ情勢は足元も依然流 動的というのが実情である。 よって、ドル円の行方は米景気の動向次第ということ になるわけだが、経済指標が市場予想を下回る状況が 1 ヵ月以上に亘り続いてきただけに、市場は米景気の動 向を慎重に見極めたい意向を強めていると推測される。 今週末には最重要経済指標の雇用統計が発表される が、余程の上振れがない限りドル円相場が膠着を抜け 出すのは難しく、当面は 110 円台後半を中心としたレン ジ相場が続くとみている。 原油価格が急ピッチな下落局面を脱した感があり、フ リーフォール的な原油安を受けたリスク回避的な円買い の動きは一服している。ただ、短期的にドル円が 120 円 の大台を試すのは材料不足の感が強く、上値を試して 重いとなれば、市場は下値を試しに行く展開も想定され よう。その際は、昨年 10 月安値(105.23 円/ドル)から 12 月高値(121.85 円/ドル)の値幅の 0.382 倍戻しであり、 昨年 12 月半ばにつけた安値でもある 115 円台半ばが、 メドとして先ず意識されよう。もっとも、米景気の良好推 移から年央以降にはゼロ金利が解除されるとみており、 ドルが下振れした場面では押し目買いスタンスが望まし いとの従来の見方を継続する。 目先的には、今夜(2/5)のバルファキス財務相とショ イブレ独財務相の会談が注目となる。ここでドイツの考 えが示されるとみられる。来週 12 日には欧州首脳会議 が開催され、ツィプラス首相とメルケル独首相の会談の 可能性があるとのこと。実現すれば、大きな注目イベント となろう。ユーロ相場は当面、ギリシャを巡る関係者の発 言に左右される神経質な展開が予想される。円相場全 般にとっても、関係者の発言内容次第ではギリシャのデ フォルト(債務不履行)リスク等を意識してリスク回避的 な円買い材料となる可能性も想定され、しばらくは注意 を要する局面が続きそうだ。 来週にかけての材料としては、先ずは明日(2/6)の 1 月雇用統計が注目される。昨年 12 月分は時間当たり賃 金の前月比マイナスが市場の失望を招いたこともあり、 雇用者数とあわせて賃金の動向も要注目となろう。来週 は 12 日に 1 月小売売上高、13 日に 2 月ミシガン大学 消費者信頼感指数(速報)と家計関連の指標が発表さ れる他、ギリシャを巡る動向も注目材料だ(後述)。 ◆米国以外の来週にかけての注目材料 米国以外では、引き続きギリシャの動向が注目材料と なろう。ギリシャを巡っては情報が錯そうしているが、同 国の先行き不透明感は和らいでいないというのが現状 である。1 月 25 日の総選挙後に発足したツィプラス新政 権は財政緊縮路線の転換や国際支援プログラムからの 離脱、債務の減免等を主張し、市場の不安心理を煽っ てきた。しかし、同国のバルファキス財務相は 2 月 2 日 に債務の減免要請を取り下げ、債務の利払い負担を景 気の変動に連動させる債券等への債務交換を提案。返 済負担を軽減し、財政緊縮路線の転換と合わせて景気 の回復を実現し、より現実的な債務の返済と財政再建 を図ろうという目論見である。同財務相はプライマリーバ ランスの黒字化も約束し、民間債権者への負荷は考え ていないことも表明。欧州の一部首脳がギリシャに一定 の理解を示すと、ツィプラス首相は代替案を受け入れる 可能性も示唆する等、ギリシャの財政懸念が沈静化に 図表 3 ギリシャ国債利回りの推移(3 年物、10 年物) 20 18 16 10年国債利回り 14 3年国債利回り 12 10 8 6 4 2 14/8 14/9 14/10 14/11 14/12 (出所: Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 5/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 (%) 15/1 15/2 (年/月) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 4.国内経済動向~1~2 月生産も増産基調が継続する見通し 野村 真司 12 月の鉱工業生産は 2 ヵ月ぶりの増産で概ね市場予想通り。在庫等も改善し、10-12 月生産は 3 四半期ぶ りの増産となった。また、生産予測指数を勘案すれば 1-3 月も増産基調(2 四半期連続の増産)が期待され る。但し、鉱工業全体では 10-12 月時点で「在庫積み上がり局面」にあり、生産よりも在庫の取り崩しが優先 されよう。輸出数量の増加は朗報だが、内需を含めた生産の本格回復には時間を要する公算が大きい。 ◆12 月鉱工業生産:経産省は基調判断を上方修正 図表 1 主要業種の生産動向 12 月の鉱工業生産(季調値)は前月比+1.0%(11 月 同▲0.5%)と 2 ヵ月ぶりの増産で、概ね市場予想(同 +1.2%、Bloomberg 調査)通りだった。業種別でみると 15 業種中 11 種が増産。個別業種では、スマホ向けメモリ ーや液晶素子等の電子部品・デバイス、ノート型パソコ ン、カーナビ等の情報通信機械、軽自動車等の輸送機 械が好調だった。また、在庫、在庫率共に前月比マイ ナス(昨年 9 月以来)となり、生産・出荷増、在庫減と前 向きな動きが進行している。経済産業省は生産の基調 判断を「一進一退にある」から「緩やかな持ち直しの動き がみられる」に上方修正した(昨年 9 月以来)。 (季節調整値) 鉱工業生産 はん用・生産用・業務用機械 120 輸送機械 110 100 90 80 電気機械 70 60 50 電子部品・デバイス 情報通信機械 生産予測指数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 2013年 2012年 2014年 (月) 2015年 (出所:経済産業省「鉱工業生産」よりSMBC日興証券作成) 10-12 月の生産は前期比+1.8%と 3 四半期ぶりの増 産。同時に発表された製造工業生産予測指数(前月比 で 1 月が+6.3%、2 月が▲1.8%)を勘案すると、1~2 月平 均の生産は 10-12 月平均を 5.9%上回っており、2 四半 期連続の増産が期待できよう。1 月の大幅増産見通し は、一般機械類の生産が受注をこなし切れず後ろ倒し になっていることや、自動車でモデルチェンジが相次ぐ ことが背景にある。一方、鉱工業全体では 10-12 月時点 の出荷・在庫バランスは依然として「在庫積み上がり局 面」だ。出荷が増加しても在庫の取り崩しで出荷増が生 産増にそのまま結びつくわけではない。足元の米国向 けを中心とする輸出数量の増加は朗報だが、内需を含 めた生産の本格回復には時間を要しよう。 図表 2 鉱工業生産と輸出数量指数の推移 120 110 (季節調整値) タイの大洪水 東日本大震災 (2010年=100) 130 鉱工業生産指数 生産予測 指数 100 リーマン・ ショック 90 80 70 輸出数量指数 60 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (年) (出所:経済産業省「鉱工業生産」、 内閣府「輸出入数量指数」よりSMBC日興証券作成) ◆12 月新設住宅着工:下げ止まりから底入れへ 図表 3 新設住宅着工戸数の推移 12 月の新設住宅着工戸数は前年同月比▲14.7% (11 月同▲14.3%)と、10 ヵ月連続のマイナスとなり、消 費増税前の駆け込み需要の反動減が続いている。一 方でそうした反動減の影響がない前々年同月比では +0.6%、季調済前月比では+1.1%(11 月同▲1.5%)と 2 ヵ月ぶりのプラス。季調済年率換算値では 88.3 万戸と、 7 月の 85.1 万戸をボトムに下げ止まりから底入れしつつ ある。当面も、足元の雇用・所得環境の改善に加え、住 宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置拡充、長期 固定型の住宅ローン【フラット 35】S の金利引き下げ幅 の拡大、省エネ住宅に関するポイント制度(最大 45 万 円分のポイント付与)の実施等、経済対策の実施を考え 合わせれば、一段と底入れ機運が高まろう。 (万戸) 130 (季節調整済年率換算値) 120 110 100 90 80 70 60 50 40 08 09 10 11 12 13 14 (出所:国土交通省「建築着工統計」よりSMBC日興証券作成) 6/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 (2011年2月=100) 130 (年) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 ◆12 月雇用関連:足踏み状態から改善へ 図表 4 完全失業率と有効求人倍率の推移 12 月の完全失業率(季節調整値、以下同)は 3.4%と、 前月から 0.1 ポイント改善し 1997 年 8 月(3.4%)以来の 低水準。就業者数が前月比+43 万人の 6,388 万人に増 加した一方、完全失業者が同▲1 万人の 228 万人と減 少したことから失業率は低下に転じた。内容も良い。非 労働力人口(労働市場からの退出)が同▲46 万人と 3 ヵ 月ぶりに減少。労働市場への参入が就業に結びつく理 想的な形となっている。昨夏から改善の動きが足踏み 状態だったものの、12 月は総じて良好な内容となった。 また、女性は人手不足を背景に労働市場への参入が 引き続き活発化している。15 歳から 64 歳の生産年齢人 口にある女性の就業率は 64.4%(原数値)と歴史的高水 準。女性の就業者数は 2,763 万人(季節調整値)と、現 在の基準で調査を始めた 1953 年 1 月以降で最高とな った。なお、3.4%という失業率は 3%台半ばとみられる 構造的失業率を下回っている。構造的失業率とは、求 人と求職の間にあるミスマッチに起因する失業の存在を 前提として、過剰労働力が解消した状態にある失業率 をいう。すなわち現在の失業率の水準は賃金が上昇し やすい雇用環境にあるといえる。 (倍) 5.5% 5.5 1.4 1.15倍 (2014/12) 有効求人倍率 (右軸) 1.2 5.0 1.0 4.5 0.8 4.0 0.6 完全失業率 (左軸) 3.5 0.4 0.43倍 (シャドウ部分は景気後退期) 3.4% (2014/12) 3.0 0.2 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (年) (出所:総務省「労働力統計」、 厚生労働省「一般職業紹介状況」よりSMBC日興証券作成) 図表 5 新車販売台数の推移 50 45 (万台) (季節調整値) エコカー補助金終了 (2012/9/21) 新車販売台数 2010年8月 (軽自動車を含む乗用車) 45.1 1月 45.3 東日本大震災 (2011/3/11) 40 また、12 月の有効求人倍率は 1.15 倍と前月比 0.03 ポイントの改善で、1992 年 3 月(1.19 倍)以来、22 年 9 ヵ月ぶりの水準まで回復。また、12 月の新規求人倍率も 1.79 倍と同 0.13 ポイントと大幅改善している。新規求職 申込件数が減少(同▲3.3%)した一方、新規求人数が 増加(同+4.7%)したため改善した。業種別にみると、宿 泊業・飲食サービス業(前年同月比+17.7%)、教育・学 習支援業(同+17.3%)、医療・福祉(同+11.9%)等の新 規求人が好調。 1月 35.7 35 30 消費増税実施 (2014/4/1) エコカー補助金終了 (2010/9/7) 25 3月 20 エコカー補助金復活 (2011/12/20) (注)季節調整は弊社試算 4月 15 08 09 10 11 12 13 14 (注:季節調整は弊社試算) (出所:日本自動車販売協会連合会データよりSMBC日興証券作成) ◆1 月新車販売台数:増税関連、販売競争の反動減 1 月の新車販売台数(軽自動車含む)は前年同月比 ▲19.1%の 40.1 万台と 2 ヵ月ぶりのマイナスに転じた。 前年同月に消費増税前の駆け込み需要が膨らんだ反 動が大きく、マイナス幅は消費増税後で最大を記録。な お、前々年同月の水準(38.4 万台)は上回っている。季 節調整値でも前月比▲17.6%の 35.7 万台と 2 ヵ月ぶり のマイナス。東日本大震災発生のため、サプライチェー ンが壊滅的な打撃を受けた 2011 年 3 月(同▲22.9%) 以来となる大幅なマイナスとなった。季節調整値ベース では、前月に軽自動車メーカーを中心に年間のシェア 争いによる販売競争が激化した反動減が指摘される。 2015 年は 2014 年には少なかった初回と 2 回目の車検 を迎える車が増える。焦点は 4 月からの軽自動車税の 増税に伴う駆け込み需要、自動ブレーキ等の予防安全 技術や燃費向上等、需給両面のプラス材料で一定の 買い替え需要が喚起できれば、季節調整値ベースで 30 万台後半の水準は維持できよう。 7/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 (%) 6.0 15(年) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 山本 正樹 武田 泰典 5.新興国市場・経済動向 白岩 千幸 前田 佑太 新興国市場は、株式、通貨ともにまちまちの動き。新興国通貨では個別の材料からブラジルレアルやトルコ リラなどの下げが目立った。今週末から来週にかけては、引き続き乱高下する原油価格やギリシャ情勢に加 えて、米国の雇用統計なども控えており、市場は上下に振れやすい神経質な展開が予想される。新興国の スケジュールでは、インドの 10-12 月実質 GDP やトルコの 12 月経常収支の発表などに注目したい。 ◆最近の新興国市場の動向 足元の新興国株式市場はまちまちの動き。直近 1 週 間の株価指数騰落率(図表 1、4 日時点)では、ブラジ ル(+3.4%)が大幅高。汚職問題に揺れていた国営石油 会社ペトロブラスで、CEO(最高経営責任者)など複数 の幹部が辞任したことが好感された。一方、トルコ(▲ 4.9%)、中国・上海(▲4.0%)、インド(▲2.3%)などの株 価は軟調となった。トルコでは、中央銀行の独立性に関 する懸念が強まった(後述)。上海株は、信用取引に対 する管理強化を嫌気して売られた。インド株は 1 月に大 幅高となった反動や国営企業の株式売り出し等による 需給悪化などを背景に 1 月末頃から軟調となっている。 新興国通貨も個別の材料に左右され、まちまちの動 きとなった。直近 1 週間の通貨騰落率(図表 1、4 日時点、 対円)では、ブラジルレアル(▲6.3%)やトルコリラ(▲ 3.5%)の下げが大きい。ブラジルでは、1 月 30 日に発表 された 12 月の基礎的財政収支が予想に反して赤字と なったことや、同日にレアル下支えのための為替介入 に消極的ととれるレビ財務相の発言が報じられたことが レアル売り材料となった。トルコでは、政府が中央銀行 に対して利下げを求める圧力を強めていることから、1 月半ば以降、通貨安が継続している。(山本) 図表 1 主な新興国市場の動向 直近値 騰 落 率 (% ) 2月 4日 2015年 初 来 2014年 年 間 過 去 1週 間 過 去 30日 間 過 去 90日 間 過 去 1年 間 株価指数 中国 インド 韓 国 インドネシア タイ マレーシア フィリピン ロシア トルコ 南アフリカ ブラジル メキシコ 為替 上海総合指数 香港ハンセン指数 SENSEX30種指数 韓国総合指数 ジャカルタ総合指数 SET指数 FBM KLCI総合指数 フィリピン総合指数 MICEX指数 イスタンブール100種指数 JSE全株指数 ボベスパ指数 ボルサ指数 3,174.12 24,679.76 28,883.11 1,962.79 5,315.28 1,599.81 1,803.02 7,716.06 1,656.02 85,910.14 51,630.82 49,301.05 41,710.82 ▲1.9 4.6 5.0 2.5 1.7 6.8 2.4 6.7 18.6 0.2 3.7 ▲1.4 ▲3.3 52.9 1.3 29.9 ▲4.8 22.3 15.3 ▲5.7 22.8 ▲7.1 26.4 7.6 ▲2.9 1.0 ▲4.0 ▲0.7 ▲2.3 0.1 0.9 0.4 0.4 0.7 0.5 ▲4.9 0.8 3.4 ▲1.1 ▲5.3 4.0 3.7 2.5 1.8 7.9 3.8 6.0 15.3 ▲0.6 7.9 3.8 1.5 30.8 4.4 3.5 1.4 5.6 1.2 ▲1.6 6.6 10.6 10.8 4.1 ▲6.3 ▲7.0 56.1 15.3 42.9 4.0 22.1 25.3 1.4 31.1 14.9 36.9 16.2 5.0 4.1 ▲2.7 0.1 ▲1.5 ▲3.9 ▲1.3 ▲3.6 ▲0.4 ▲16.4 ▲7.2 ▲1.3 ▲5.1 ▲2.9 10.9 11.4 9.4 11.7 13.0 6.5 12.8 ▲35.6 4.6 3.2 1.0 0.5 ▲0.2 ▲0.9 ▲0.5 ▲1.4 ▲0.5 1.2 ▲0.4 ▲0.4 ▲3.5 0.7 ▲6.3 ▲1.2 ▲2.4 0.7 ▲0.1 ▲2.1 ▲1.0 ▲3.3 ▲0.4 ▲12.7 ▲7.3 ▲0.0 ▲3.3 ▲1.6 ▲0.4 1.3 2.2 ▲2.1 2.4 ▲4.1 4.5 ▲29.9 ▲6.5 ▲0.1 ▲4.6 ▲6.8 11.9 16.4 14.2 11.4 15.8 8.2 19.0 ▲40.7 4.7 11.6 1.2 3.2 ※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高 中 国 インド 韓 国 インドネシア タイ マレーシア フィリピン ロシア トルコ 南ア ブラジル メキシコ 円/人民元 円/インドルピー 円/韓国ウォン(x100) 円/ルピア(x100) 円/バーツ 円/リンギ 円/フィリピンペソ 円/ルーブル 円/トルコリラ 円/ランド 円/レアル 円/メキシコペソ 18.76 1.89 10.77 0.92 3.59 32.94 2.66 1.72 47.55 10.21 42.75 7.87 (注:「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載) (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 8/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 ◆新興国市場関連トピック り約 6,000 億元以上の資金が供給される見通し。 中国~1 月の PMI は若干低下 中国がこのタイミングで預金準備率の引き下げを行っ た背景としては、①春節の祝休日(2/18~24)前で資金 需要が強いこと、②資本流出で外貨準備が減少し、マ ネタリーベースが伸び悩んでいること、③上海株式市場 の過熱感が和らぎ、預金準備率を引き下げても大量の 資金が株式市場に向かう可能性が低下したこと、④1 月 の PMI が示唆したように景気のモメンタムが鈍化、公共 事業の発注が遅れている可能性があること、などが挙げ られる。 2 月 1 日に発表された中国物流購入連合会の製造業 購買担当者指数(PMI)は前月比▲0.3pt の 49.8 と、景 況感の分かれ目となる 50 を 2012 年 9 月以来初めて下 回った。このうち新規受注指数は、外需の落ち込みを内 需がある程度補ったものの、全体では同▲0.2pt となっ た。規模別 PMI をみると、中企業と小企業は共に改善 したが、大企業が同▲1.1pt と低下した。春節前は食品 や服飾産業等の中小企業のビジネス環境が改善しや すい一方、大企業は納期が長い注文が多いため、受注 環境は芳しくない傾向がある。ただし、今年 1 月の大企 業の落ち込みはデータ取得可能な過去 2 年間と比べて も大きくなっている。建設業の新規受注も大幅に低下し ており、今年から実施されている財政改革に伴って公 共事業の発注が遅れている可能性がある。 今回の預金準備率引き下げは、住宅取引の活発化 や、株価の安定的な上昇、資産効果による消費の押し 上げ等につながり、今年前半の景気を下支える効果が 期待される。(白岩) 図表 3 中国の消費者物価指数(CPI)と金融政策 同日発表された非製造業購買担当者指数は前月比 ▲0.4pt の 53.7 となった。業種別では、春節を前に小売 り、レストラン、旅行等は好調となったものの、不動産、 航空、物流倉庫等が 50 を下回り停滞した。引き続き個 人消費の堅調がうかがえる。 (%) (%) 10 22 21 8 預金準備率(右軸) 20 6 1年物預金金利(左軸) 4 一方、HSBC が発表した 1 月の PMI は、製造業が前 月比+0.1pt の 49.7、サービス業が同▲1.5pt の 51.8 とな った。両者を組み合わせた合成 PMI は同▲0.4pt の 51.0 と、景気のモメンタム鈍化を示した。(白岩) 19 1年物貸出金利(左軸) 18 17 2 消費者物価指数 (前年比、左軸) 0 16 15 -2 11/1 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 14 15/1 (年/ 月) 図表 2 中国の HSBC 購買担当者指数(PMI) (出所:CEIC、中国人民銀行他よりSMBC日興証券作成) 56 サービス業 55 54 53 インド~予想通り追加利下げは見送り インド準備銀行(中央銀行、以下 RBI)は 3 日、定例 の金融政策決定で政策金利をすべて据え置いた(レポ レートは 7.75%)。一方、法定流動性比率(SLR)を 7 日 以降、0.5%引き下げ 21.5%とすることも決定した(SLR と は、市中銀行が預金の一定割合を国債等で運用するこ とを義務付けられている制度における一定割合)。 52 51 50 49 合成 48 製造業 47 46 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) (注:鉱工業生産の 2 月の数値は 1 月と 2 月の累積値) (出所:CEIC、HSBC、中国国家統計局資料よりSMBC日興証券作成) 中国~2012 年 5 月以来の預金準備率引き下げ 中国人民銀行は 4 日、0.5%pt の預金準備率引き下 げを発表、預金準備率は 5 日から主要銀行で 19.5%と なった。また、中小企業や農業向け融資比率が高い金 融機関等では 1%pt 以上の引き下げとなった。預金準 備率引き下げは 2012 年 5 月以来。今回の引き下げによ 9/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 RBI は、原油安に伴うインフレ圧力の低下を背景に 1 月 15 日に定例外での緊急利下げに踏み切っていた。 その際に声明文で、先行きの追加利下げの可能性を排 除しない姿勢を示しつつも、2 月末発表の政府予算案 の内容を見極めたい意向を示唆していた。このため、今 回は政策金利の据え置きが予想されていた。今回の声 明文でもそうしたスタンスに変化はなく、追加利下げは 2 月末の政府予算案の発表後とみられる。場合によって は、4 月上旬に予定される定例の金融政策決定を待た ずに前倒しで利下げを決定する可能性もあろう。 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 今回の政策決定発表を受けて、市場では株価や通 貨がやや下落したものの、大きなサプライズはなく、反 応は限定的となった。今回の追加利下げは見送りとなっ たものの、金融緩和サイクルに入ったことは引き続き株 価の下支え要因となろう。また、昨年後半以降、インフレ 鈍化により、インフレ率を控除した実質政策金利はむし ろ上昇しており、原油安による経常収支の改善とも相俟 って、利下げが通貨安圧力につながる可能性は低いだ ろう。(山本) は個人消費等を後押しし、場合によっては利下げ余地 が生じる可能性もあり、景気の押し上げにもつながって こよう。(山本) 図表 5 インドネシアの消費者物価指数 9 (前年比、%) 総合 8 7 図表 4 インドの政策金利 11 6 (%) 5 10 4 9 コア 3 MSFレート 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) 8 (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) レポレート 7 リバース レポレート トルコ~臨時会合は見送りも、リラは再び安値更新 6 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) インドネシア~原油安効果でインフレ鈍化 2 日に発表された 1 月の消費者物価指数(CPI)は、 前年比+6.96%と 12 月の同+8.36%から大幅に鈍化し、 市場予想(Bloomberg)の+7.46%も下回った。前月比で は▲0.2%と 9 ヵ月ぶりにマイナスとなった。 政府は昨年 11 月に燃料補助金削減のため、ガソリン 等の燃料価格を大幅に引き上げており、この影響で 11 月と 12 月のインフレ率は急加速していた。その後、1 月 にはガソリンの補助金を廃止するとともに軽油と灯油の 補助金を 1 リットル当たり一定金額(1,000 ルピア)に固 定する新たな燃料補助金制度が導入された。これにより 燃料価格が市場価格に連動することとなり、最近の原 油価格の低下が燃料価格の低下につながっている。燃 料価格の低下は、バス料金等の引き下げにも波及し、 インフレ率の押し下げにつながった。 燃料補助金の削減を目的とした 11 月の燃料値上げ は、国民からの反発も根強く、政治的に困難な決断で あった。しかし、足元の原油安によって燃料価格が低下 したことは、昨年 10 月に発足して間もないジョコ政権の 政権運営にとって追い風と言えよう。足元の景気回復ペ ースは緩やかなものにとどまっているが、インフレ鈍化 3 日に発表されたトルコの 1 月の消費者物価指数 (CPI)は前年比+7.24%と、原油安などを背景に 12 月の 同+8.17%から大幅に低下した。一方、トルコ中央銀行 のバシュチュ総裁は、1 月の CPI が前月に比べ 1%pt 以上低下した場合、4 日に臨時会合を開催すると表明 していたが、今回その条件を満たさなかった。これを受 けて、中銀は 24 日の定例会合で詳細にインフレ見通し の評価を行うとして、臨時会合は見送ることを発表した。 トルコでは 6 月に総選挙が予定されており、エルドア ン大統領らは公然と中銀に利下げを要求している。イン フレ鈍化ペースを上回る大幅な利下げを強いられると の懸念から、トルコリラは 1 月半ば以降、対米ドルで過 去最安値を更新するなど下落基調が続いていた。しか し、臨時会合が見送られたことが好感され、3 日にリラは 前日比+1.3%と急反発した。 しかし、4 日のリラは対ドルで前日比▲2.7%と下落し、 再び過去最安値を更新した。エルドアン大統領は同日、 「高い金利が高いインフレを引き起こしている」などと述 べ、改めて中銀に利下げを要求、合わせて中銀の独立 性の弊害も主張した。市場では中銀が大幅な利下げを 強いられるとの懸念が再燃、リラの急落につながった。 焦点は 24 日の定例会合となろうが、政権の利下げ要 求は当面続くとみられることから、リラ相場は神経質な展 開が続こう。もっとも、これまでの中銀の金融政策スタン スを見る限り、実際に大幅な利下げを決定する可能性 は低く、小幅な利下げに留まれば会合後のリラへの影 10/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 響は限定的とみている。(前田) 図表 6 トルコリラ相場 2.05 (リラ/ドル) (円/リラ) 54 現状の水準で推移、またはさらに下落した場合、インフ レ圧力がかかる可能性があるとした。中銀は予想される 米国の利上げや通貨安への警戒感から、利下げに対し ては慎重な姿勢を示しており、政策金利は当面据え置 かれるとみている。(武田) 2.10 52 2.15 2.20 図表 7 メキシコの政策金利及び消費者物価指数 50 2.25 10 48 2.30 9 リラ高 2.35 対米ドル(左軸) 対円(右軸) 2.40 2.45 2.50 14/1 14/3 14/5 14/7 14/9 14/11 46 8 44 7 6 42 15/1 (年/月) (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 8 7 消費者物価指数 (左軸) 6 5 4 インフレターゲット 消費者物価指数コア (左軸) 3 2 (出所:CEIC、Bloomberg、メキシコ中銀などよりSMBC日興証券作成) ◆来週にかけてのスケジュールと見通し 足元では、原油価格が乱高下し、ギリシャ情勢を巡り 悲観と楽観がめまぐるしく入れ替わる中、市場は一喜一 憂の展開となっている。また、米国景気の先行きや昨年 来ドル高の悪影響に対する懸念もくすぶり始める中、今 週末には米国の雇用統計が控えており、グローバル金 融市場は当面、上下に振れやすい神経質な展開が予 想される。一方で、ここにきてオーストラリアや中国など グローバルな金融緩和の流れが広がっており、これらが リスク資産の下支えとなることも期待される。総じて、新 興国株式や通貨等の全般的な急落を伴うリスクオフ的 な局面も想定しにくく、新興国市場では、引き続き各国 固有の材料に左右される時間帯が続くとみている。 来週にかけての新興国のスケジュールでは、インドの 10-12 月の実質 GDP(9 日)やトルコの 12 月経常収支 (11 日)等の経済指標の発表が注目される。インドでは、 5 月に発足したモディ政権が“Make in India(メーク・イ ン・インディア)”のスローガンの下、海外企業の投資誘 致を積極化している。低迷していた投資の回復などポジ ティブな兆候がみられるかに注目したい。一方、このとこ ろ通貨安が続いているトルコについては、原油安を背 景とした経常収支の改善が顕著になれば、通貨のサポ ート要因となろう。(山本) 11/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 9 1 1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1(年/月) ブラジル中銀は 1 月 29 日、同 20~21 日に開催された 会合の議事録を公表した。中銀はインフレとの戦いはま だ十分ではないと指摘し、追加利上げの必要性を強調 した。また、前回会合で用いられた「金融政策の累積的 かつ遅行的な効果を考慮し、追加の金融政策(利上げ) は慎重に実施すべき」との文言については声明文と同 様、削除されている。加えて、中銀が調査しているエコノ ミストによる 2016 年末時点の拡大消費者物価指数・前 年比の予測値は+5.6%(1 月 30 日調査)とターゲットの 中央値(+4.5%)から大きくかい離している。中銀はイン フレ期待を測る上でこの調査結果を重視していることか ら、当面利上げが継続される可能性が高いとみている。 一方で、声明文は金融政策(利上げ)と財政緊縮の可 能性がマクロ経済の見通しを改善させているとも指摘。 2016 年にインフレ率がターゲットの中央値へ収束する シナリオは強化されつつあるとしており、利上げが最終 局面に差し掛かっている可能性も示唆している。このた め、次回 3 月 3~4 日の会合では、利上げ幅を 0.25%に 縮小する可能性もあるとみている。(武田) 中銀は声明文で、景気は緩やかに回復しているもの の、個人消費には明確な回復の兆しがみられず、公共 支出の拡大による景気押し上げ効果も限定的であると して、依然として大きな景気下振れリスクがあると指摘し た。一方、為替や、利上げが予想される米国との金融 政策の違いに特に注意が必要とし、通貨ペソが長期間 政策金利 (右軸) 10 4 3 ブラジル~利上げ幅縮小の可能性も メキシコ中央銀行は 29 日、市場予想通り、政策金利 を 3.0%と 5 会合連続で据え置くことを決定した。 ※データは政策金利が15年2月4日、 消費者物価が14年12月まで 5 2 メキシコ~政策金利を据え置き (%) (前年比、%) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 6.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 横山 敦史 東証 REIT 指数が 1 月下旬以降大きく下落している。足元で金利の低下に底打ち感が出ていることや、昨年 の日銀による追加緩和以降、REIT 指数が急ピッチで上昇していた反動などが背景にあるものと想定される。 一方で、日経平均は昨年末以降ボックス圏の値動きが続き、足元でテクニカル的な過熱感や売られすぎ感 はほとんど見られない。また、日経平均に比べて、新興市場の株価は軟調に推移している。 図表 1 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 【国内主要株価指数】 120 2,100 (150日前を100として指数化) 115 2,000 110 1,900 105 【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】 (pt) (%) 0.8 0.7 日本10年物国債利回り(右軸) 0.6 0.5 1,800 100 0.4 1,700 95 0.3 1,600 90 日経平均 日経JASDAQ指数 85 80 6/25 7/25 8/24 9/23 東証マザーズ指数 10/23 11/22 12/22 1/21 (%) 日経平均株価 (左軸) 18,000 20 15 17,000 16,000 10 25日移動平均 (左軸) 15,000 14,000 13,000 5 10,000 6/25 7/25 8/24 9/23 10/23 11/22 12/22 1/21 2015年 (月/日) 2014年 19,000 (円) 【日経平均と100日移動平均・乖離率】 (%) 日経平均株価(左軸) 18,000 100日移動平均(左軸) 16,000 10 5 13,000 0 12,000 11,000 -5 100日移動平均乖離率(右軸) -10 10,000 -10 6/25 2015年 (月/日) 7/25 8/24 9/23 10/23 11/22 12/22 1/21 2015年(月/日) 2014年 【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】 (円) 20,000 【日経平均 ストキャスティクス(9日)】 300 20,000 日経平均株価(左軸) 東証一部25日騰落レシオ(右軸) 19,000 250 17,000 16,000 15,000 120%ライン 14,000 50 6/25 2014年 7/25 8/24 250 200 150 80%ライン (%) 100 14,000 50 13,000 70%ライン 12,000 18,000 200 17,000 (%) 16,000 150 15,000 100 13,000 300 日経平均株価(左軸) %D(右軸) Slow %D(右軸) 19,000 18,000 20 15 17,000 9/23 10/23 11/22 12/22 1/21 2014年 (円) 8/24 14,000 -5 25日移動平均乖離率 (右軸) 11,000 7/25 15,000 0 12,000 0 6/25 2015年 (月/日) 【日経平均と25日移動平均・乖離率】 (円) 0.1 1,400 2014年 19,000 0.2 東証REIT指数(左軸) 1,500 20%ライン 0 12,000 9/23 10/23 11/22 12/22 1/21 2015年(月/日) 6/25 2014年 7/25 8/24 9/23 10/23 11/22 12/22 1/21 2015年(月/日) (注:データは 2015 年 2 月 4 日まで) (出所:各図表とも Astra Manager よりSMBC日興証券作成) テクニカル指標の見方 騰落レシオ(25 日):過去 25 日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買わ れ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。 ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。 %D=(直近終値と直近 9 日間の安値の乖離の 3 日移動平均)÷(直近 9 日間の高値と安値の乖離の 3 日移動平均) Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。 12/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 7.今週のストラテジー・セレクション 太田 千尋 日興ストラテジー・セレクションのなかから、株価トレンド面を踏まえて以下の銘柄を紹介する。それぞれのポ イントは下記の通り。今期増額銘柄および来期業績に期待が持てる銘柄の株価推移が順調である。 ◎三越伊勢丹ホールディングス(3099) 売買単位:100 株 【株価チャート(週次)】 1,800 【会社概要と株価状況】 国内最大の百貨店グループ。2008 年 4 月に三越と伊勢丹が統合。 週次移動平均線状況 2/5 現在 1,676.0 円 株価 13週線 1,567 円 乖離率 6.97% 26週線 1,453 円 乖離率 15.38% 【注目ポイント】 1 月 30 日発表の 15/3 期 3Q 累計(4-12 月期)営業利益は 264 億円(前年同期 比▲11%)と 2 桁減益も、決算後の株価 は堅調。市場の視線は、春節での観 光客増、消費増税の影響が消える来 期業績等に向いていると推測される。 (円) 1,600 1,400 1,200 1,000 (移動平均線は13週と26週) 800 13/2 13/8 ◎富士フイルムホールディングス(4901) 売買単位:100 株 週次移動平均線状況 2/5 現在 3,961.5 円 株価 13週線 3,846 円 乖離率 3.01% 26週線 3,597 円 乖離率 10.15% 【注目ポイント】 1 月 28 日発表の 15/3 期 3Q 累計(4-12 月期)営業利益は 1,244 億円(前年同 期比+25%)と順調。同時に通期業績及 び期末配当見通しの増額、自社株買 いの実施を表明。一服局面にあった株 価は、13 週線をサポートに出直りへ。 ◎東日本旅客鉄道(9020) 売買単位:100 株 【会社概要と株価状況】 鉄道最大手。首都圏・東日本が地 盤。駅ナカ物販事業などが成長。 週次移動平均線状況 2/5 現在 9,319.0 円 株価 13週線 9,009 円 乖離率 3.45% 26週線 8,594 円 乖離率 8.43% ◎商船三井(9104) 売買単位:1,000 株 【会社概要と株価状況】 海運大手。船隊規模世界一。鉄鉱 石船、タンカー等不定期船に強い。 週次移動平均線状況 2/5 現在 405.0 円 株価 13週線 373 円 乖離率 8.65% 26週線 364 円 乖離率 11.12% 週次移動平均線状況 2/5 現在 4,625.0 円 株価 13週線 4,450 円 乖離率 3.93% 26週線 4,171 円 乖離率 10.89% 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 (移動平均線は13週と26週) 1,500 13/2 13/8 14/2 (年/月) 【株価チャート(週次)】 (円) 8,500 8,000 7,500 7,000 6,500 (移動平均線は13週と26週) 6,000 13/2 13/8 14/2 14/8 (年/月) 【株価チャート(週次)】 【注目ポイント】 15/3 期は、コンテナ船運賃の低水準固 定により業績低調だが、16/3 期はこの 反動も含め海運大手中随一の増益率 が見込まれる(QUICK コンセンサスベ ース)。株価は昨年 12 月の戻り高値を 抜け、来期を視野に入れた展開か。 (円) 450 400 350 300 (移動平均線は13週と26週) 250 13/2 5,000 【注目ポイント】 2 月 3 日発表の 15/3 期 3Q 累計(4-12 月期)営業利益は 486 億円(前年同期 比+89%)と大幅増益。不採算案件処 理をほぼ終え、主力部門の稼働率・収 益性改善を確認。これを受け、株価は 昨秋以来の保合いから上放れを窺う。 13/8 14/2 13/19 14/8 (年/月) 【株価チャート(週次)】 (円) 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 13/2 (移動平均線は13週と26週) 13/8 (注:中期的な株価トレンドが良好な銘柄を紹介。各種テクニカル指標をベースに判断。) (出所:株式調査部アナリストレポート、東洋経済会社四季報最新銘柄レポート、Astra Manager 等よりSMBC日興証券作成) 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 14/8 9,000 500 ◎NTTデータ(9613) 売買単位:100 株 【会社概要と株価状況】 SI 専業国内最大手。官公庁、金融 機関向け大型システム受託に強み。 (年/月) (円) 9,500 【注目ポイント】 1 月 30 日発表の 15/3 期 3Q 累計(4-12 月期)営業利益は 3,864 億円(前年同 期比+3%)と堅調。新幹線収入の好調 などから、会社側は通期営業利益、経 常利益を増額。株価は昨年末の高値 を抜き、上昇トレンドが継続中。 14/8 【株価チャート(週次)】 4,500 【会社概要と株価状況】 写真フィルムから医療、液晶材料等 に転換。傘下に富士ゼロックス。 14/2 14/2 14/8 (年/月) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 8.国内政治・政策動向~岩盤規制打破の象徴、農協改革に注目 司 淳 補正予算が成立した。規模や内容について 100 点満点とは言えないが、それなりのプラス効果が期待でき よう。日本人人質事件は最悪の結果となったが、安倍政権への打撃は限定的で、むしろ逆に「安倍カラー」 が出始めた感がある。安倍総理は施政方針演説で農協改革を岩盤規制打破の象徴として訴える方針だが、 改革案には与党内で反発や異論が広がっており、最終局面では安倍総理のリーダーシップが期待される。 ◆3.1 兆円補正予算成立、地方の景気刺激に重点 は初めてで、参院選までに改正テーマを絞り込み、憲 法改正を最大の争点の一つとして掲げる見通しである。 いよいよ「安倍カラー」が出始めた感がある。 2 月 3 日、2014 年度補正予算が成立した。総額 3 兆 1,180 億円で、生活者支援や地方の活性化に重点を置 いた総額 3 兆 5,289 億円の緊急経済対策が盛り込まれ ている。金利低下による利払い費など既定経費の減額 (1 兆 7,780 億円)もあり、差し引きでは経済対策総額を 下回る。財源は前年度剰余金(2 兆 353 億円)や税収増 (1 兆 7,250 億円)のために、公債金は減額(▲7,571 億 円)するなど、わずかながら財政健全化にも資する。安 倍総理が「イスラム国」と戦う周辺国に人道支援として拠 出する 2 億ドル(約 235 億円)も、政府開発援助(ODA) 関連で含まれる。経済効果として政府は実質 GDP を 0.7%押し上げると見込んでいる。 2015 年度当初予算案は 2 月 12 日に国会に提出され る予定だが、提出時期は総選挙の影響で例年より半月 ほど遅れており、年度内成立は難しい。このため 10 日 間前後の暫定予算が必要になるとの見方が強い。政府 は遅くとも知事選や道府県議選などの投開票日である 4 月 12 日までの成立を目指している。 従来型の公共事業よりも個人消費や地方の支援に 軸足を置いたのが特徴と言えるが、対策の規模としては、 12 年度の 10 兆円超や 13 年度の 5.5 兆円に比べると小 さい。また企業の省エネ設備の導入支援や漁業者の経 営支援など、原油高を前提としたエネルギーコスト対策 (3,601 億円)は、原油価格の大幅下落で必要性が薄れ た面は否めない。対策の目玉とされる商品券や灯油購 入の補助に使える交付金(2,540 億円)などは、景気の 押し上げ効果としてよりも、4 月の統一地方選を意識し たものと指摘されている。しかし、財政政策を全く打たず、 やっと量的金融緩和に踏み切ることにした欧州に比べ れば、曲がりなりにも金融財政政策を両方とも実施する ことから、それなりの効果はいずれ生じてこよう。 安倍総理は 12 日に予定する施政方針演説で、農協 改革を岩盤規制打破の象徴として訴える方針である。し かし、自民党の農林関係議員がまとめた農協改革案を 巡って与党内に反発が広がった。農協を束ねる JA 全 中が持つ監査・指導権を廃止し、農協の活動や経営に 自由度を持たせる農協法改正に対して、谷垣幹事長や 二階総務会長が慎重な対応を求めたほか、公明党も社 団法人化に異論を唱えた。統一地方選や来夏の参院 選で農業票が離れることへの懸念が背景にある。骨格 の決定は施政方針演説の直前までもつれよう。最終局 面では安倍総理のリーダーシップが期待される。 ◆岩盤規制打破の象徴としての農協改革 図表 1 当面の主な政治・政策スケジュール 2月3日 2014年度補正予算成立 2月9日 G20財務相・中央銀行総裁会議(~10日、トルコ・イスタンブール) 2月12日 〃 2月17日 日銀金融政策決定会合(~18日) 2月18日 中国・春節(中国の旧正月、祝休日は18~24日) 2月19日 2月中 中東の過激派組織「イスラム国」による日本人人質事 件は、2 人目の人質も殺害されるなど最悪の結果となっ た。国会における集中審議の中では、政府の対応に疑 問点も浮かび上がってきた。とくにイスラム国が最初に 声明を出した 1 月 20 日までの対応が不十分だったので はないかとの指摘が出た。今後、有識者による検証でも 論点になるとみられ、安全保障法制の審議でも何らか の影響がありそうだが、今のところ安倍政権に対してさ ほどマイナスの影響はなさそうだ。 〃 3月1日 3月5日 そうした中、安倍総理は憲法改正の発議とその賛否 を問う国民投票の時期について、来夏の参院選後との 認識を示した。首相が具体的な改憲時期に言及したの テロ対策首脳級国際会議(米ワシントン) 安全保障関連法案に関する与党協議開始 TPP日米閣僚協議で大筋合意? 民主党大会 中国全国人民代表大会開幕 〃 ECB理事会 3月8日 自民党大会 3月16日 日銀金融政策決定会合(~17日) 17日 FOMC(~18日、経済見通し公表) 18日 春闘大手企業集中回答日 年度内 消費増税延期法案の審議 〃 2015年度当初予算の成立目指す(4月にずれ込む可能性も) 3月 九州電力川内原発の再稼働?(3月以降?) 〃 農協法改正案国会提出 〃 TPP12ヵ国閣僚会合で大筋合意? 〃 メルケル独首相訪日 〃 地方創生特区の指定(33自治体を軸に数ヵ所選定) (出所:各種報道よりSMBC日興証券作成) 14/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 EU首脳会議(~13日、ブリュッセル) 2015年度予算案国会提出。施政方針演説など政府4演説 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 9.南アフリカ~中銀はタカ派姿勢維持、ランドの支援材料に 武田 泰典 南ア中銀は 29 日の金融政策決定会合において、原油安や通貨ランドの反発を背景に足元でインフレ圧力 が低下する中でも、タカ派的な姿勢を維持した。中銀のこうした姿勢は、インドやトルコなど他の原油輸入国 が利下げに動く中、原油安の恩恵もあって、ランドの高い相対パフォーマンスにつながっている。計画停電や 鉄鉱石、石炭価格の下落には注意が必要だが、ランドは当面は底堅く推移するとみている。 ◆原油安でも中銀はタカ派姿勢を維持 格下落などには引き続き注意が必要であるものの、今 年は大規模な労働ストが発生する可能性が昨年に比べ て大きく低下していることもあり、通貨ランドは当面は底 堅く推移するとみている。 南ア準備銀行(中央銀行)は 1 月 29 日、市場予想通 り、政策金利を 5.75%で据え置くことを決定した。政策 金利は 7 月の会合で 0.25%引き上げられた後、9 月の 会合以降今回も含めて 3 会合連続で据え置かれた。足 元では原油安や通貨ランドの反発を背景にインフレ圧 力が低下する一方、クガニャゴ中銀総裁は 1 月 21 日の インタビューで、「(政策変更の前に)原油安の影響を評 価したい」と発言していた。こうした中、市場では、政策 金利ではなく中銀の物価見通しが注目されていたが、 声明文などは総じてタカ派的な内容となっている。 図表 1 南アの政策金利及び消費者物価指数 16 (%) 14 12 政策金利 10 消費者物価指数 (前年比) 8 6 中銀は声明文で、原油安を理由に 2015 年のインフレ 率 ( 消費 者物 価 指数の 前年 比 )見 通 しを+5.3%から +3.8%へ大幅に下方修正する一方、2016 年については 原油価格がわずかながらも上昇に転じる他、ランド安も 想定されるとして+5.5%から+5.4%へと小幅な修正に留 めた。クガニャゴ総裁は会合後の記者会見で、金融緩 和を検討する前にインフレ圧力緩和の持続性を確認す る必要があると指摘し、金融緩和に対する障壁は引き 続き高いとした。加えて、声明文では、前回会合までそ の途上にあるとしてきた「金利正常化(利上げ)」につい て、「インフレ鈍化によってそのプロセスを休止するいく らかの余地が生じた」とするに留まっており、引き続き次 回の政策変更が利上げである可能性を示唆している。 2 ※データは政策金利が15年2月4日、 消費者物価が14年12月まで 0 03/1 05/1 07/1 09/1 11/1 15/1 (年/月) 13/1 (出所:Bloomberg および南ア準備銀行などよりSMBC日興証券作成) 図表 2 輸出の品目別内訳(2014 年) その他 15% 食品・飲料等 3% 木材・パルプ 2% 農畜産物 6% 機械 9% 貴金属・真珠 15% 輸送機器 9% 中銀は利下げに対して極めて慎重な姿勢を示す一 方、インフレ率がインフレターゲット(+3~6%)の上限近 辺に加速するまでは利上げを見送るとみられることから、 政策金利は当面据え置かれるとみている。 ◆原油安の恩恵や金価格の上昇も通貨の支援材料 化学製品 7% その他金属 12% 鉱物性産品 22% (出所:CEIC 及び南ア統計省よりSMBC日興証券作成) 図表 3 ランドの対ドル相場及び金、原油価格 110 (2013.1.1=100) (2013.1.1=100) WTI原油先物価格 (右軸) 105 ランドの対ドル相場はこうした中銀のタカ派的な姿勢 に加え、原油安(南アは原油の純輸入国)や主要な輸 出品目である金価格の上昇なども支援材料となって 12 月半ば以降、上昇基調となっている。12 月の貿易収支 や 1 月のカギソ製造業 PMI が市場予想以上に改善する など原油安の恩恵が経済全体に徐々に波及する一方、 インドやトルコなど他の原油輸入国とは異なり、中銀が タカ派的な姿勢を維持していることがランドの高い相対 パフォーマンスにつながっている。発電所の老朽化に 伴う計画停電や、鉄鉱石や石炭など一部輸出品目の価 130 120 金先物価格 (左軸) 100 95 110 100 90 ランドの対ドル相場 (左軸) 85 90 80 80 70 75 ラ ン ド 高 70 60 50 65 ※データは15年2月4日まで 60 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 15/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 インフレ ターゲット 4 14/9 40 15/1 (年/月) 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 10.来週・再来週の主なスケジュール <来週のスケジュール> 発表日 国・ 地域 日本 2月 9日 (月 ) 独 インド メキシコ 2月 10日 (火 ) 中国 2月 11日 (水 ) 日本 トルコ ブラジル 日本 米国 ユーロ圏 2月 12日 (木 ) 英国 豪州 インド マレーシア フィリピン ブラジル 日本 米国 2月 13日 (金 ) ユーロ圏 独 12月 1月 1月 12月 12月 12月 10-12月期 1月 1月 1月 1月 - 12月 12月 12月 - - 1月 1月 12月 経常収支( 季調済) 景気ウォッチャー調査-現状判断DI 景気ウォッ チャー調査 -先行き判断 DI 輸出(前月比) 輸入(前月比) 貿易収支 実質 GDP( 前年比) 消費者物価指数(前年比) 新規銀行融資( 発表日未定、 ~ 15日) マネーサプライM2(前年比、発表日未定、~15日) 消費者物価指数( 前年比) 休場(建国記念の日) 経常収支 小売売上高指数(前月比) 機械受注( 船舶・ 電力除く 民需、 前月比) 15年度予算案提出、安倍首相の施政方針演説など政府4演説 日露次官級協議(ロシア・モスクワ) 小売売上高( 前月比) 小売売上高( 除自動車、 前月比) 鉱工業生産(前月比) 欧州連合( EU) 首脳会議 - - インフレ報告 1月 新規雇用者数(前月比) 1月 失業率 12月 鉱工業生産(前年比) 1月 消費者物価指数(前年比) 10-12月期 実質GDP(前年比) - 政策金利 12月 経済活動指数(前月比) - 安全保障法制に関する与党協議開始 2月 ミ シ ガン大学消費者信頼感指数( 速報) 10-12月期 実質 GDP( 前期比、 速報) 12月 貿易収支(季調済) 10-12月期 実質GDP(前期比、速報) 市場予想 7,587億 円 - - - - - - - 13,500億 元 12.2% 1.0% - - - 2.3% - - ▲0.3% ▲0.3% - - - 12,500人 6.1% - - 5.1% 4.00% - - 98.0 - - - 前月・ 前期・ 前年 9,145億 円 45.2 46.7 ▲1.9% 1.6% 179億ユーロ 5.3% 4.1% 6,973億 元 12.2% 1.5% - ▲56.4億ドル 0.9% 1.3% - - ▲0.9% ▲1.0% 0.2% - - 37,400人 6.1% 3.8% 5.00% 5.6% 4.00% 0.04% - 98.1 0.2% 200億ユーロ 0.1% 2月 14日 (土 ) 2月 15日 (日 ) (注:発表日は現地時間。市場予想と実績は 2015 年 2 月 5 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。) (出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成) 16/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 <再来週のスケジュール> 発表日 国・ 地域 2月 16日 (月 ) 日本 米国 ユーロ圏 NZ インド インドネシア タイ ロシア 日本 2月 17日 (火 ) 米国 ユーロ圏 独 英国 インドネシア 韓国 日本 米国 2月 18日 (水 ) 英国 マレーシア ロシア 南ア 日本 2月 19日 (木 ) 米国 中国 日本 2月 20日 (金 ) ユーロ圏 メキシコ 10-12月期 実質 GDP( 前期比年率、 1次速報) - 休場(大統領の日) - ユーロ圏財務相会合 10-12月期 実質小売売上高(前期比) 1月 卸売物価指数(前年比) 1月 貿易収支 10-12月期 実質GDP(前期比) 1月 鉱工業生産(前年比、発表日未定、~17日) 1月 全国百貨店売上高(前年比、発表日未定、~20日) 日銀金融政策決定会合( ~ 18日) - 2月 ニュ ーヨーク連銀製造業景況指数 欧州連合(EU)財務相理事会 - 2月 ZEW景気期待指数 1月 消費者物価指数(前年比) - 政策金利 - 政策金利 JNTO訪日外客数 1月 - 1月 1月 1月 1月 1月 - 10-12月 1月 - 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 2月 黒田日銀総裁が記者会見 住宅着工件数( 前月比) 住宅着工許可件数(年率換算) 住宅着工件数(年率換算) 住宅着工許可件数( 前月比) 鉱工業生産指数( 前月比) FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨(1月27~28日開催分) ILO失業率 失業保険申請件数 MPC(金融政策委員会)議事要旨(2月4~5日開催分) 消費者物価指数(前年比) 実質小売売上高(前年比) 消費者物価指数(前年比) 貿易収支 貿易収支( 季調済) 輸出( 前年比) 輸入( 前年比) フィラデルフィア 連銀製造業景況指数 - テロ対策の閣僚会合(ワシントン) 春節( 中国の旧正月、 祝休日は 18~ 24日の予定) - 1月 全国コンビニエンスストア売上高(前年比) 1月 全国スーパー売上高(前年比、発表日未定、~25日) 2月 製造業PMI(速報) 2月 サービス業PMI(速報) 10-12月期 実質GDP(前期比) 市場予想 3.7% 前月・ 前期・ 前年 ▲1.9% - - - - - - ▲1.8% - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▲1.4% - - - - - - - - - - - - - - - 1.5% 0.11% 1.87億ドル 1.1% 3.9% ▲1.7% - 9.95 - 48.4 0.5% 7.75% 2.00% 123.6万人 - 4.4% 105.8万戸 108.9万戸 0.6% ▲0.1% - 5.8% ▲29,700人 - 2.7% 5.3% 5.3% ▲6,652億 円 ▲7,121億 円 12.8% 1.9% 6.3 - - ▲1.2% ▲1.8% 51.0 52.7 0.5% 2月 21日 (土 ) 2月 22日 (日 ) (注:発表日は現地時間。市場予想と実績は 2015 年 2 月 5 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。) (出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成) 17/19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 投資情報室作成最新レポートのご紹介 【定期発行レポート】 Daily Outlook(日刊投資情報)、Weekly Outlook(週刊投資情報)、月刊投資情報(株式・為替・金利の見通し) 日本株投資戦略(月刊プレゼン資料) 、日興ストラテジー・セレクション(注目銘柄リスト) 、注目スケジュール etc 【スポット・レポート】 <株式> 2015/02/04 2015/02/03 2015/01/16 2015/01/06 No.91 No.90 No.89 No.88 日本株式:足元の J-REIT 市場の相場環境について 日本株式:国債入札の不調等で日本株もリスクオフ 日本株式:本日の株価急落と今後の見通しについて 日本株式:直近の株価急落の背景と今後の見通し <マクロ・為替・金利・新興国> 2015/02/04 トルコ経済 2015/02/03 豪ドル 2015/01/29 米 FOMC 2015/01/28 豪経済 2015/01/28 トルコ経済 2015/01/23 EU 為替 2015/01/22 日銀金融政策 2015/01/22 ブラジル経済 2015/01/21 NZ 経済 2015/01/21 トルコ経済 臨時会合の開催見送りを受けてトルコリラ反発 予想外の利下げを受けて下落 ゼロ金利の解除に向けてさらに一歩前進 引き続き落ち着きを示した 10-12 月消費者物価 2 月 4 日に緊急利下げも ECB が国債購入を含めた量的緩和の実施を決定 早期の異次元緩和再拡大への期待は後退 前回会合に続いて 0.5%ポイントの利上げを実施 2014 年 10-12 月の消費者物価は下振れ 予想外に 0.50%pt の利下げを決定 【カンパニー・ブリーフ】 2015/02/05 OLC(4661) 2015/02/05 デンソー(6902) 2015/02/04 新日鉄住金(5401) 2015/02/03 NTT ドコモ(9437) 2015/02/02 川重(7012) 【業界ナビ】 2014/09/02 2014/07/02 2014/06/11 2015/02/02 2015/02/02 2015/02/02 2015/01/29 2015/01/29 東芝(6502) 日立マクセル(6810) ミツコシイセタン(3099) ファナック(6954) 富士写真フイルム(4901) 成長産業としての農林水産業 福岡が熱い! クールジャパン・外国人観光客関連 【その他プレゼン資料】 2015/01/16 異次元緩和は第 2 ステージへ ~経済の好循環は継続~ 2015/01/06 ROE 解体新書 ~2015 年日本株事始~ 2015/01/05 過去の相場を振り返る(2008 年~2014 年) 【カントリー・レポート】 2014/12/22 トルコ共和国概観 2014/12/15 * 上記レポートをご希望の方は、最寄りの支店までお問い合わせください。 18/19 インドネシア共和国データ集 2015 年 2 月 5 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.191 本調査レポートについて 【免責事項】 本調査レポートは証券その他の投資対象の売買の勧誘ではなく、SMBC日興証券株式会社(以下「弊社」といいます)が情報の提供を目的に作成 したものです。本調査レポートは、弊社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づいて作成していますが、これらの情報が完全、正 確であるとの保証はいたしかねます。情報が不完全または要約されている場合もあります。本調査レポートに記載する価格、数値等は、過去の実 績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。かかる価格、数値等は予告なしに変更することがありますので、予 めご了承くださいますようお願いいたします。本調査レポートは将来の結果をお約束するものでもありませんし、本調査レポートにある情報をいか なる目的で使用される場合におきましても、お客様の判断と責任において使用されるものであり、本調査レポートにある情報の使用による結果に ついて、弊社及び弊社の関連会社が責任を負うものではありません。本調査レポートは、本調査レポートを受領される特定のお客様の財務状況、 ニーズ又は投資目的を考慮して作成されているものではありません。本調査レポートはお客様に対して税金・法律・投資上のアドバイスを提供す る目的で作成されたものではありません。投資に関する最終決定は、契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等 をよくお読みになり、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。 弊社及び弊社の関連会社のリサーチ部門以外の部門が本調査レポートで推奨されている投資や見解と整合しない又は矛盾するコメントを顧客又 は自己勘定部門に対して行う場合があります。弊社及び弊社の関連会社はかかるコメントを参考に投資決定を行うことがあります。弊社並びに弊 社の関連会社及びこれらの役職員は、本調査レポートで言及されている証券、その派生商品又は本調査レポートの対象会社の別の証券の売買を 行う可能性があります。 本調査レポートは、弊社又は弊社の関連会社から配布しています。本調査レポートに含まれる情報は、提供されましたお客様限りでご使用くださ い。本調査レポートは弊社の著作物です。本調査レポートのいかなる部分についても電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、 無断で複製または転送等を行わないようにお願いいたします。本調査レポートに関するお問い合わせは、弊社の営業担当者までお願いいたしま す。追加情報をご希望の場合にはご連絡ください。 本調査レポートに記載された会社名、商品名またはサービス名等は、弊社または各社の商標または登録商標です。 【金融商品取引法第 37 条(広告等の規制)にかかる留意事項】 手数料等について 弊社がご案内する商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等をご負担いただく場合があります。例えば、店舗における国内の金融商品 取引所に上場する株式等(売買単位未満株式を除く。)の場合は約定代金に対して最大 1.242%(ただし、最低手数料 5,400 円)の委託手数料をお 支払いいただきます。投資信託の場合は銘柄ごとに設定された各種手数料等(直接的費用として、最大4.32%の申込手数料、最大4.5%の換金手 数料又は信託財産留保額、間接的費用として、最大年率 5.61%の信託報酬(又は運用管理費用)及びその他の費用等)をお支払いいただきます。 債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます(債券の場合、購入対価に別途、経過 利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品の場合、円貨と外貨を交換、又は異なる外貨間での交換をする際には外国為 替市場の動向に応じて弊社が決定した為替レートによるものとします。上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含 む料率又は金額を記載しております。 リスク等について 各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を 含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、又は元本を超過する損失を生ず るおそれ(元本超過損リスク)があります。 なお、信用取引又はデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバティブ取引 等についてお客様の差入れた委託保証金又は証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共に、対象となる有価 証券の価格又は指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過損リスク)があります。 また、店頭デリバティブ取引については、弊社が表示する金融商品の売付けの価格と買付けの価格に差がある場合があります。 上記の手数料等及びリスク等は商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料等をよくお読みく ださい。なお、目論見書等のお問い合わせは弊社各部店までお願いいたします。 商 号 等 SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2251 号 加入協会 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会 (2014/12/01 版) 19/19
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