女性を支え、力を活かす! 阪急阪神グループの女性支援策

NEWS LETTER Special Number Vol.5
2015年3月発行
女性を支え、
力を活かす!
阪急阪神グループの女性支援策
今号では、阪急電鉄がこの4月に関西の鉄道事業者として初めて開設する民間学童保育『アフ
タースクール Kippo』
と、阪神電気鉄道が昨年から始めた
『HANSHIN女性応援プロジェクト』
に
ついて取り上げます。
この二つはいずれも、女性が暮らしやすく、働きやすい沿線づくりを目指して、阪急阪神グループ
が力を入れている取組みです。女性支援を通して、皆様に選ばれる沿線作りに挑戦する阪急阪神
グループの今の姿をお伝えします。
「先の見通しができる」
女性を増やしたい。
女性に身近な施設で
子育てを支えます。
それぞれの環境に合った
ライフスタイルを応援。
阪急電鉄株式会社
経営企画部 課長
阪急電鉄株式会社
経営企画部
阪神電気鉄道株式会社
経営企画室 課長補佐
松本 美樹
竹之内 麻里
湯山 佐世子
阪急電鉄株式会社
アフタースクール Kippo
子育て世代の女性を支える
アフタースクールを開設
Kippo誕生の場所「食堂」
にて撮影。
松本 美樹(左)竹之内 麻里(右)
子育てと仕事を両立した経験から痛感した“小1の壁”
松 本 「アフタースクールKippoは、
“子育てがしやすい沿線、
次
女性の支援が欠かせない、
と直感しました。
関東では、
既に複数の
世代を担う子どもが住みやすい沿線とは何か”を改めて考えるとこ
鉄道事業者が学童保育に参入していますが、
何よりも
『安全』
を大
ろからスタートしました。
私自身、
仕事と子育てを経験する中で、
小
切にする鉄道事業者のDNAが、
『子どもの安全』
を守る際に強みと
学校からのサポート体制が脆弱なのがネックだと実感しました。
い
なっています。
また、
駅という拠点があり、
既存の設備や施設も活用
わゆる“小1の壁”ですね」
できます。
学童保育は、
一旦立ち上げたらきちんと続けなくてはいけ
竹之内 「私は育休からの復帰と同時にこのプロジェクトを担当し
ませんので、
その点でも、
沿線とともに事業を展開する企業として取
たので、
“子育てしながら働く” はまさに自分の問題そのもの。
です
り組んでいくべき事業だと考えています」
から、
子を持つ一人の女性として、
これからの沿線活性化には働く
NEWS LETTER Special Number Vol.5
沿線で暮らす働く女性たちに
「安心」
と
「余裕」
を提供する
竹之内 「Kippoの実現に向けて準備を始めたのですが、
最初の
ごすことで幼い頃から社会性を身に付けてもらう。
また、
阪急阪神
ハードルは、
社内の意思決定に向けて“小1の壁”や学童保育の重
グループの企業で働くプロ、
例えば駅長やコンビニの店長に協力し
要性を理解してもらうことでした。
『保育園と何が違うの?』
と言われ
てもらいながら様々な体験をすることで、
社会への扉が開ければと
たことも。
そこで、
まず学童保育の必要性を知ってもらうために、
ア
考えています」
ンケート調査やワークショップで、
沿線の働くママの声を集めること
竹之内 「Kippoは子ども達だけでなくママにも優しい施設を目指
から始めました。
」
しています。
私が日々実感していることなのですが、
働くママは、
毎日
松 本 「阪神電鉄でも学童保育を検討していたのですが、
その責
仕事と育児に追われて本当に時間がないし、
子育ての悩みや苦労
任者であった方が途中からチームに合流することになりました。
こ
を、
同じ立場のママ達と共有できたらって思うことが多いんです。
で
の方は奥様が“小1の壁”で仕事を辞めざるを得なかった経験をお
すから、
お預り時間の延長や夕食の手配など、
働くママが少しでも
持ちで、
ずっと“小1の壁”を解決したいと思われていたこともあり、
余裕を持てるサービスを充実させると共に、
ママ達が情報交換した
男親としての目線や緻密な分析などで大きな推進力になってくださ
り助け合ったりするための“緩やかなつながり”を持てるコミュニ
いました。
事業へのGOサインが出た後、
コンセプトを“子どもの将来
ティもご提供したいと考えています」
につながる
『今』
を大切に。
働く女性の子育て支援を通じてキャリア
を応援” に正式決定しました。
学童保育には、
大きく分けて
『学習』
と
『社会性』
という2つの軸がありますが、
Kippoでは、
“学びと遊びを
通じて社会を知る”をテーマにしたプログラムを提供する、
『社会
性』
を重視しています。
これは、
事前の調査やワークショップ、
説明会
などで、
働くママの皆さんから、
学習だけでなく社会性の要素を求
める声を多数いただいたからです。
年齢が違う子ども達と一緒に過
働くママのニーズを探るため、
事前に行ったワークショップの模様
Kippoが目指す10年後の未来 ~女性が先を見通せるまちに~
竹之内 「私自身、
実家が遠く、
身近に子育てを手伝ってもらえる手
ポイントだと思っています。
子どもの成長に合わせて女性が働き方
がすごく少ない。
周りにもそういうママ達が多いので、
Kippoが増え
やキャリアを考えるうえで、
Kippoがその一助となれるよう沿線に
ていけば、
女性が働きやすいまち・沿線作りに大きな役割を果たせ
定着させていきたい。
今後、
拠点が増えていくことで、
コミュニティ
るのではないでしょうか」
の輪も広がっていきますし、
共働き世代の方が何を求めておられる
松 本 「10年間、
仕事と育児を両立してきた経験から、
“先の見通
のか、
沿線ごとのニーズもつかみやすくなるでしょう。
そのときはさ
しを立てられること”が、
女性が働きやすい沿線を実現するための
らに領域を拡大して沿線活性化に取り組みたいと考えています」
阪急豊中駅に直営のアフタースクールを4月1日に開業!
■所在地 大阪府豊中市本町3-1-26
(阪急豊中駅北改札より徒歩1分)
■定員 40名(初年度は20名予定)
■営業時間 通常日 13:00~19:00
(前延長 12:00~ 延長 ~21:00)
休校日 8:30~19:00
(前延長 8:00~ 延長 ~21:00)
■対象年齢 小学1年生~6年生
社内外で女性を支えるグループの風土
仕事と子育てを両立しようとすると、
職場で
「申し訳ない」
と感
娘は現在3歳。
これから“小1の壁”を迎えますが、
日々の生活を
じる場面が出てきます。
そんなとき、
当社には、
長い目で見守っ
充実させる一方で、
仕事では限られた時間内で成果も出して
てくれる土壌があるのがありがたいですね。
女性にとって働き
いきたい。
社内では育児休暇や短縮時間勤務などを利用しな
やすい制度も充実しています。
Kippoが典型例ですが、
女性と
がら働き続ける例が増え、
結婚や出産を機に退職する女性は
男性、両方の視点が入ることでより良いものが出来上がりま
ほとんどいません。
私自身が家庭と仕事、
両方大切にするスタ
す。
今後、
管理職の女性が増えれば、
企業の力が底上げされる
イルを体現したロールモデルとなって、
後輩たちにつなげてい
のではないでしょうか。
私自身、
体力的に一番辛い時期は過ぎ
きたいですね。
そのためにもKippoをたくさん増やして、
働く女
たので、
これからは後輩のために女性の働く環境を整えていき
性が前向きに仕事に取り組める沿線を実現していきたいと思
たいと思っています。
います。
Profile 松本 美樹 (まつもと・みき)
Profile 竹之内 麻里 (たけのうち・まり)
1993年入社。人事部門を経て、2007年、
(株)阪急リテー
2008年入社。
阪急阪神ビルマネジメント
(株)
に出向し、
阪
2013年から沿線価値創造チーム兼務、
その
ルズ※に出向。
急西宮ガーデンズの運営管理を担当。2011年に育児休
後専任となり、
2014年から本格的にKippoの立上げに携
職。2013年に復職、沿線価値創造チームの配属となり、
わる。
2度の育児休職・復職を経験。
Kippoの立上げに携わる。
※現、
(株)
エキ・リテール・サービス阪急阪神
女性の力をより発揮できる
企業グループへ。
阪急阪神ホールディングス株式会社 取締役 人事総務室長 兼
阪急電鉄株式会社 専務取締役
野崎 光男
女性が活躍できる沿線作りには、
グループ内での女性の活躍が不可欠
さらに広がる女性活躍の場
応じて、
育児休職期間や短縮勤務時間、
ベビーシッター利用補
阪急阪神ホールディングスグループでは、
事業戦略の一つに
助など、
子育てをしながら仕事を続けるための支援制度を充実
「沿線の価値向上」
を掲げており、
女性が働きやすい沿線を作っ
させ、
積極的な利用を促進してきました。
それに加えて、
今後、
「女
ていくためには、
まず、
鉄道会社自体が、
「女性が活躍する企業で
性のモチベーション」
を上げるためには、
次世代の女性社員の道
あること」
が必要です。
標となるようなロールモデルを増やしていく必要があります。
グループの中核会社の一つである阪急電鉄では、
ここ2~3
女性の
「ロールモデル」
を増やす
年、
意識的に女性の採用数を増やしています。
その背景には、
不
そこで、
阪急電鉄では、
2年前から“女性管理職によるロール
動産事業・リテール事業の拡大により、
商業ビルのテナントリー
モデルセミナー”を定期的に開催しています。
これは、
女性管理職
シングやマンション販売の現場で女性の視点が不可欠となって
が
「自分がこれまで歩んできた道」
を、
茶話会形式でざっくばらん
きたことがあります。
現在、
総務や人事、
広報などのスタッフから
に語るというもの。
身近な実例を知ることで若手女性社員に目指
鉄道部門まで、
幅広く女性が活躍しています。
すライフスタイルを見出させ、
モチベーションを高めてもらおうと
「制度」
と
「モチベーション」
が重要
いう試みです。
参加者から大変好評で、
今後は回数を増やして実
女性の活躍推進の重要ポイントは二つ。
「制度」
と
「女性のモチ
施していく予定です。
ベーション」
だと考えています。
当社グループでは、
各社の事情に
NEWS LETTER Special Number Vol.5
阪神電気鉄道株式会社
HANSHIN 女性応援プロジェクト
より魅力ある沿線を目指して
女性のライフスタイル作りを応援
Profile 湯山 佐世子 (ゆやま・さよこ)
2003年入社。
ハービスOSAKA・ENTの
運営担当を経て、阪神甲子園球場のリ
ニューアルに携わる。
2011年から経営企
画室で沿線活性化を担当し、
HANSHIN
女性応援プロジェクトを立ち上げる。
女性が活躍しやすい沿線へ。生活がより便利になるサービスを紹介
沿線活性化の施策の一つとして、
“沿線生活をもっと便利にするサー
プロジェクト第一弾の
「家事おたすけサービス」
は、
まだ始まったばか
ビス”を模索していたとき、
(株)
ベアーズの
「家事代行サービス」
と
りですが、
モニター募集に多数の応募があり、
手応えを感じています。
(株)
AsMama(アズママ)の
「子育てシェア」
に出会いました。
これらは
「子育てシェア」
については、
まずママ同士がリアルにつながる場が必
フルタイムで働く女性だけでなく、
パート、
在宅ワーク、
専業主婦など
要ですので、
現在分譲中の住宅地
「ハピアガーデン四季のまち」
でセ
様々な立場の方をサポートするサービスでしたので、
阪神電鉄として
ミナー&交流会を2月に開催。
今後は、
沿線の商業施設などでも交流
もぜひ沿線に広め、
皆さんにご活用いただきたいと考えました。
イベントを順次開催し、
子育ての輪を広げていきたいと考えています。
一人ひとりの環境に合わせた ライフスタイルを
結婚、
出産、
仕事など、
女性を取り巻く環境は人によって様々です。
のコミュニティが生まれることにも。
阪神電鉄では、
沿線の活性化
このプロジェクトでは、
沿線にお住まいの女性、
一人ひとりのライフ
に向けて、
「住みやすさ」
「心地よさ」
と共に、
”様々な立場の人の交流
スタイルが“自分らしさ”に溢れたものになるよう、
沿線の皆さんの
による緩やかなつながり”を意
声も聞きながら、
仕事や生活の環境作りを幅広くサポートしたいと
味する
「知縁」
の創出を目指し
考えています。
さらに、
家事代行サービスなら、
利用される方だけで
ており、
このプロジェクトを進
なく、
ベテラン主婦や再就職を望む女性にも活躍の場を提供でき
めることで、
さらに沿線の魅力
ますし、
子育てシェアなら、
これまで出会うことがなかったママたち
を高められると考えています。
男女を問わず活躍できる 阪神電鉄の企業風土
阪神電鉄には、
「女性だからここまで」
という制限も、
逆に
「女性なら
がほとんど。
私も今後、
家庭環境の変化に対応しながらずっと仕事
では」
という凝り固まった概念もありません。
男女の枠を超えて、
の
を続けていくつもりですので、
家事代行サービスなども上手に利用
びのび働ける会社です。
今では、
結婚・出産後も仕事を続ける女性
して、
無理なくイキイキと働く姿を後輩に見せていきたいですね。
一人ひとり違った環境で暮らす女性のために、
役立つ情報やサービスを紹介・提供し、
女性のイキイキとした暮らし
を応援。
女性が活躍しやすい沿線を作るプロジェクトです。
これからも順次新しいサービスを増やしていく予定です。
専門スタッフが自宅に伺い、
掃除や洗濯、
料理といった家事を
(株)
AsMamaが運営する、
顔見知り同志が共助し、
子どもの送迎や
お客様に代わって行うサービス。女性の日々の生活を
「便利
託児を頼り合うインターネットの仕組み。
この
「子育てシェア」
を沿
に」
「
、楽しく」
「
、快適に」
することで、
女性が暮らしやすく、
活躍
線に広め、
地域一体で子育て中の女性たちを支え合うコミュニティの
できる地域づくりを進め、
さらなる沿線の活性化を図ります。
形成を促進することで、
「女性が活躍しやすい沿線」
を目指します。
グループ経営企画室 広報部
〒530-0012 大阪市北区芝田一丁目16番1号 Tel : 06-6373-5092 Fax : 06-6373-5670
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