3.6 TT = Target Tracking (旧呼称:ARPA=Automatic Radar Plotting Aid) 14NInst:03-73 ○見合い関係 ・同航船(追い越し船) ・・・ . ・反航船(行き会い船) ・・・ . ・横切り船 ・・・ . 03-74 (追越し船) 第十三条 追越し船は、この法律の他の規定にかかわらず、追い越される 船舶を確実に追い越し、かつ、その船舶から十分に遠ざかるまで その船舶の進路を避けなければならない。 2 船舶の正横後二十二度三十分を超える後方の位置(夜間にあつ ては その船舶の第 十 条第 項に規定するげん燈のいずれ ては、その船舶の第二十一条第二項に規定するげん燈のいずれ をも見ることができない位置)からその船舶を追い越す船舶は、 追越し船とする。 3 船舶は、自船が追越し船であるかどうかを確かめることができな い場合は、追越し船であると判断しなければならない。 1 03-75 A追越し船(早い船) A B被追越し船(遅い船) B → 衝突のおそれ → × 針路・速力を保持 確実に追い越し ・・・ 十分に遠ざかるまで避航 03-76 (行会い船) 第十四条 二隻の動力船が真向かい又はほとんど真向かいに行き会う場 合において衝突するおそれがあるときは、各動力船は、互いに 他の動力船の左げん側を通過することができるようにそれぞれ 針路を右に転じなければならない。ただし、第九条第三項、第十 条第七項 は第十 条第 項若 くは第 項 規定 適 が 条第七項又は第十八条第一項若しくは第三項の規定の適用が ある場合は、この限りでない。 2 動力船は、他の動力船を船首方向又はほとんど船首方向に見 る場合において、夜間にあつては当該他の動力船の第二十三 条第一項第一号の規定によるマスト灯二個を垂直線上若しくは ほとんど垂直線上に見るとき、又は両側の同項第二号の規定に よるげん灯を見るとき 昼間にあつては当該他の動力船をこれ よるげん灯を見るとき、昼間にあつては当該他の動力船をこれ に相当する状態に見るときは、自船が前項に規定する状況にあ ると判断しなければならない。 3 動力船は、自船が第一項に規定する状況にあるかどうかを確か めることができない場合は、その状況にあると判断しなければな らない。 2 03-77 A B 衝突のおそれ 右転 → × ← 右転 右側通航;左舷対左舷で通過する。 03-78 (横切り船) 第十五条 二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそ れがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該 他の動力船の進路を避けなければならない。この場合において、 他の動力船の進路を避けなければならない動力船は、やむを得 ない場合を除き 当該他の動力船の船首方向を横切 てはなら ない場合を除き、当該他の動力船の船首方向を横切つてはなら ない。 2 前条第一項ただし書の規定は、前項に規定する二隻の動力船が 互いに進路を横切る場合について準用する。 3 14NInst:03-79 A船はやむを得ない場合を除きB船の船首方向を横切ってはな らない。 衝突のおそれ × B船は針路・速力を保持 B船は針路 速力を保持 減速(停止) (保持船) 激左転 右転 A船はB船を避航 (避航船) A B 03-80 ○プロッティング 見合い関係をレーダの情報から判断 ↓ 時系列をおって観測する必要 プロッティング ・ ・ ・ 本船 ? 他船 4 03-81 ○真運動の場合 (NorthUP TM) 12分後 9分後 9分後 ※いずれも 針路速力は「真」 12分後 6分後 3分後 6分後 3分後 他船 本船 」をかわる. この例では,他船は「 しかし,自船の動きと他船の動きを予測しなければ判断できない. 03-82 方位変化は パターン① 12分後 9分後 9分後 12分後 6分後 3分後 6分後 3分後 他船 本船 方位は右から左へ変化 (この場合,「 」をかわる) 5 03-83 パターン② 後 9分後 9分後 6分後 3分後 6分後 3分後 他船 本船 方位変化なし ( ) 03-84 パターン③ 12分後 9分後 6分後 12分後 9分後6分後 3分後 3分後 他船 本船 方位は左から右へ変化 (この場合,「 」をかわる) 6 14NInst:03-85 ○相対運動 (RM) 自船(真) ※他船の針路・速力は本船に対する「相対」 12分後 9分後 本船 6分後 他船(真) 他船の相対針路 相対速力を表す ベクトル (相対ベクトル) 3分後 他船 3分後 6分後 9分後 12分後 自船を固定して,他船の動きを相対的に表示すれば, おもてをかわる / 衝突のおそれ / ともをかわる を予測できる. 03-86 ※他船の針路・速力は本船に対する「相対」 自船(真) 他船(真) 他船の相対ベクトル 12分後 9分後 本船 6分後 3分後 6分後 9分後 12分後 3分後 他船 7 03-87 ○CPAとTCPA CPA(Closest Point of Approach): DCPA(Distance at the Closest Point of Approach): N M または Cable 単位 N.M. TCPA(Time to the Closest Point of Approach): 分単位 ※ DCPAを単にCPAということが多い BCR(Bow Crossing Range): BCT(Bow Crossing Time): ○レーダプロッティング であることが前提! 相手船,本船とも, 将来の動きを予測する 6分後 03-88 他船を相対運動とし... 3分後 ← 現在 過去の動きから 3分前 6分前 他船 本船 6分前 3分前 現在 3分後 6分後 プロッティングの流れ • Record plotting • Deductive plotting • Forecast plotting 8 03-89 (本船の船首方位は関係ない) 具体的な方法(相対プロット)① 自船の針路: 030° 速力12 ktsで航行中 レーダで相手船の 映像を 1000 061 8.1 N.M. 1006 059 6.6 N.M. 1012 048 4.9 N.M. に観測した. 自船 真針路速力 自船の真針路速力 (12分のベクトル) ・相手船の真針路, 真速力を求めよ. 相手船の真針路速力 (12分のベクトル) 12 06 1000 相手船の相対針路速力 (12分のベクトル) ①位置(×)をプロット ②線を引く(延長する) ③自船の真針路速力 のベクトルを描く ④針路を読み,距離か ら真速力を計算(12分) 03-90 具体的な方法(相対プロット)② 自船の針路: 030° 速力12 ktsで航行中 レーダで相手船の 映像を 1000 061 8.1 N.M. 1006 059 6.6 N.M. 1012 048 4.9 N.M. に観測した. ・CPAおよびTCPAを 求めよ. ①位置(×)をプロット ②線を引く(延長する) ③中心(本船)から垂線 を引く ④距離を測る:CPA 12 06 1000 相手船の相対針路速力 (12分のベクトル) ⑤相対速力を算出 ⑥距離から時間を計算:TCPA 9 14NInst:03-91 (Collision Triangle) 03-92 ○TT(Target Tracking) かつてはARPA(Automatic Radar Plotting Aid) と呼んでいた と訳されるのが一般的だが 直訳すれば 「自動レーダプロッティング補助」 ↓ こちらの方が実際の機能に合っている? TT(ARPA)=レーダプロッティングを自動化 TT(ARPA) レ ダプロッティングを自動化 ↓ 衝突予防の判断は,そのデータを見て人間が行う 10 03-93 操作手順 (Automatic Acquisition) ・・・ あまり実用てきでない (Manual Acquisition) 物標ごとに,カーソルを合わせて ・ターゲットを捕捉(Acquire Target): [ACQ]ボタン ・しばらく待つ に概略を予測 にその物標の移動を クトル(図形)で表示 にその物標の移動をベクトル(図形)で表示 ・データを表示(Target Data): [TARGET DATA]ボタン ・不要なターゲットは消去(Cancel Target): [TARGET CANCEL]ボタン 03-94 11 03-95 03-96 TT(ARPA)のデータ表示 ターゲットの番号 Bearing (方位) Range (距離) Course Over Ground(真針路) Speed Over Ground(真速力) Closest Point of Approach(最接近距離) Time to CPA(最接近時間) xx分xx秒 Bow Crossing Range(船首横切り距離) Bow Crossing Time(船首横切り時間) -x:y(マイナス)のTCPA,BCTは,すでにかわったことを意味する. (x分y秒前が最接近点であった・現在は遠ざかっている) 12 TT(ARPA)データの図形表示(シンボル) 例: TTシンボルとデータ TTシンボル 14NInst:03-97 03-98 ※ この機種では時間はxx.xx 分 TT ID BRG Range Course Speed CPA TCPA※ BCR BCT※ TTデータ 13 03-99 2008年7月より新しいIMOレーダ性能基準が適用されている (試験規格: IEC 62299) 旧基準 新基準 捕捉(安定) 危険 捕捉(初期) 侵入 ロスト データ表示中 航跡 03-100 14 03-101 ○ターゲットのベクトルによる表示 ・ターゲットのベクトル (レンジにもよるが通常,数分間※の 移動を予測した線) ※ 時間は設定可能 向きが針路を表し 長さが速力を表す さが速 を表す (例:1分~60分,カーソルを 表示画面のV t Ti 表示画面のVector Time に移動 右クリック True Vector(真ベクトル) : TRU または T 相手船の真針路真速力を示す Relative Vector(相対ベクトル) : REL または R 本船に対する相対針路速力を示す [TRU/REL] ボタンで表示を切り替え 03-102 15 14NInst:03-103 Target Information TT/AIS Vector R 6min Limit 1.5NM 10min Past POSN R 0.5 NM AIS Trails T 15min 03-104 True Vector 表示 (North UPの例) 追い越し船 横切り船(衝突のおそれ※) 行き会い船 自船の針路 横切り船(おもてをかわる※) 横切り船(ともをかわる※) True Vector表示では 見合い関係の判別は困難 16 03-105 Relative Vector 表示により見合い関係を判断 (North UPの例) 追い越し船 横切り船(衝突のおそれ) 行き会い船 自船の針路 横切り船(おもてをかわる) Relative Vectorの場合, 横切り船(ともをかわる) 自船のベクトルは表示 されない: 自船を(中心に)固定して表示しているため TT ID BRG Range Course Speed CPA TCPA BCR BCT 03-106 TTターゲットの番号 Bearing(自船からの方位) Range(自船からの距離) C.O.G. = Course Over Ground(物標の真針路) S.O.G. = Speed Over Ground(物標の対地速力) Closest Point of Approach(自船との最接近距離 = DCPA Time to CPA(最接近までの時間) Bow Crossing Range(自船の船首横切り距離) Bow Crossing Time(自船の船首横切り時間) CPA(DCPA)が小さい → 自船の大きさにもよるが,例えば 0.2 NM 以下 ・・・ 機を逸することなく避航の措置を 0.5 NM 以下 ・・・ かなり危険 1.0 NM 以下 ・・・ 注意を要す TCPAが短い → CPAが小さい物標については,TCPAが長く,十分に余裕のあるうちに 避航の措置をとるのが効果的である. なお,負(マイナス)のTCPAはすでに最接近点を過ぎ,遠ざかっていることを意味する BCRとBCTも同様に危険の指標として用いるが,船首をどの程度の距離 で横切るのかで考える場合にこれらの値を利用する. 17 ○自動捕捉ゾーンの設定 ・メニューで設定状態とし, 03-107 と で指定する. EBL VRM ○自動捕捉ゾーンの設定 03-108 ・メニューで設定状態とし,VRM と EBL で指定する. ○衝突判断の基準 (設定) ・CPA(距離) TCPA(時間) の基準値 ・CPA環 環 (CPA ( ring) i ) ・ガードゾーンの設定と監視 18 14NInst:03-109 ○警報 (Alarm) 警報(エラーメッセージ) が発生するとき CPA/TCPA Lost Max target ○試行操船 (Trial Maneuvering) 03-110 ・試行的に 自船の 「針路」 「速力」 を変化させて相手船との 関係を表示 ベクトルで判断し 見合い関係を見る ベクトルで判断し,見合い関係を見る 自船がどれだけ 変針 または 減速等 をすれば安全に避航 できるかの判断材料とする ※ 試行操船モ 試行操船モードの際は,レーダ画面上に大きく ドの際は,レ ダ画面上に大きく T と表示される. 19 03-111 03-112 ○AIS重畳表示機能 AISシンボル AISデータ デ タ 20 3.7 関係法規 03-113 総務省関係 電波法 電波法施行規則 無線設備規則 無線局運用規則 国土交通省関係 船舶安全法 船舶設備規定 その他国際条約等 IMO SOLAS STCW IEC (試験規格) 航法関係(海上衝突予防法等) 海上衝突予防法 03-114 (見張り) 第五条 船舶は、周囲の状況及び他の船舶との衝突のおそ れについて十分に判断することができるように、視覚、聴覚及びその 時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしな ければならない。 21 (安全な速力) 第六条 船舶は、他の船舶との衝突を避けるための適 切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停 止することができるように、常時安全な速力で航行しなければなら ない。この場合において、その速力の決定に当たつては、特に次 に掲げる事項(レーダーを使用していない船舶にあつては、第一 号から第六号までに掲げる事項)を考慮しなければならない。 (略) 七 自船のレーダーの特性、性能及び探知能力の限界 八 使用しているレーダーレンジによる制約 九 海象、気象その他の干渉原因がレーダーによる探知に与える影 響 十 適切なレーダーレンジでレーダーを使用する場合においても小型 船舶及び氷塊その他の漂流物を探知することができないときがあ ること。 十一 レーダーにより探知した船舶の数、位置及び動向 十二 自船と付近にある船舶その他の物件との距離をレーダーで測 定することにより視界の状態を正確に把握することができる場合 があること。 (衝突のおそれ) 第七条 船舶は、他の船舶と衝突するおそれがある かどうかを判断するため、その時の状況に適したすべての手段を 用いなければならない。 2 レーダーを使用している船舶は、他の船舶と衝突するおそれがあ ることを早期に知るための長距離レーダーレンジによる走査、探 知した物件のレーダープロッティングその他の系統的な観察等を 行うことにより、当該レーダーを適切に用いなければならない。 ダ ば 3 船舶は、不十分なレーダー情報その他の不十分な情報に基づい て他の船舶と衝突するおそれがあるかどうかを判断してはならな い。 4 船舶は、接近してくる他の船舶のコンパス方位に明確な変化が認 められない場合は、これと衝突するおそれがあると判断しなけれ ばならず また 接近してくる他の船舶のコンパス方位に明確な変 ばならず、また、接近してくる他の船舶のコンパス方位に明確な変 化が認められる場合においても、大型船舶若しくはえい航作業に 従事している船舶に接近し、又は近距離で他の船舶に接近すると きは、これと衝突するおそれがあり得ることを考慮しなければなら ない。 5 (略) 22 3.8 データ入出力 03-117 ○NMEA 0183 によるデータ入出力(シリアルセンテンス) 入力 船首方位 (ジャイロコンパス,GPSコンパス等から) 自船位置 (GPS等から) 自船真針路,対地速力(GPS等から) AIS他船ターゲットデータ(AISから) その他 出力 トーカ: RA センテンス: OSD(Own ship data) RSD(Radar system data) TLL(Target latitude and longitude) TTM(Tracked target message) TTM - Tracked target message 03-118 $RATTM,x.x,x.x,x.x,a,x.x,x.x,a,x.x,x.x,a,c--c,a,a,hhmmss.ss,a*hh<CR><LF> 1. Target number, 00 to 99 2. Target distance from own ship 3. Bearing from own ship, degrees, true/relative (T/R) 4. Target speed 5 T 5. Targett course, d degrees ttrue/relative / l ti (T/R) 6. Distance of closest point of approach 7. Time to CPA, min., "-"increasing 8. Speed/distance units, K/N/S 9. User data (e.g. target name) 10. Target status (see note) 11. Reference target = R, null otherwise 12. Time of data (UTC) ( ) 13. Type of acquisition A=automatic, M=manual, R=reported 14. Checksum NOTE - Target status: L = lost, tracked target has been lost Q = query, target in the process of acquisition T = tracking 23 (例) 03-119 $RATTM,01,4.69,88.6,T,,,T,,,N,,Q,,174036.00,M*05 24
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