(お問い合わせ) 植松公認会計士事務所 E-Mail :[email protected] お問い合わせには出来る限り対応しますが、ご返信が数日後になる可能性 もありますのでご了承ください。 Q : 海外子会社の円貨への換算方法を教えて下さい。 (解説) 在外子会社の円貨への換算については、外 せんし、円建て債権債務の場合にも、親会社 貨建取引等会計処理基準によって規定され と子会社の採用している CR が同じである限 ています。基本的な換算方法は、下記のとお り差異は発生しないと考えられます。実際に りです。 は CR で換算すると債権債務が不一致になっ 資 資 産 項目 、 負 債 本 収 益 及 び 費 用 親会社との取引による収益、費用 P/L 項目の「経常利益」 、 「当期純利益」は、 他の P/L 科目同様に AR 又は CR で換算します レート 決 算 時 レ ー ト ( C R ) 株式取得時:株式取得時のレート 株 式 取 得 後 : 発 生 時 レ ー ト 株 式 取 得 後 の 評 価 差 額 金 : C R 支払配当金:親会社が換算に用いるレート 期 中 平 均 レ ー ト ( A R ) 又 は C R 親 会 社 が 換 算 に 用 い る レ ー ト てしまうことがあるため、実務上は親会社の 円貨に一致させる方法が採られます。 が、親会社との取引で発生した収益や費用を 第二に、子会社同士の取引や債権債務につ 「親会社が換算に用いるレート」で円換算し いては無視してよいのかという点です。この ている場合には差額が生じてしまいます。こ 点については、実務上は親会社と子会社の換 の差額は「為替差損益」として処理すること 算に準じて処理されていることと思います。 とされています。 第三に、子会社の決算書に計上されている少 上記は基本的な扱いを示していますが、こ れだけでは実務上不明な点がいくつかあり 数株主持分を換算する場合に使用するレー トは何かという点です。 ます。 これについては外貨建取引等会計処理基 第一に、親会社との間で発生した債権や債 準では何も触れられていないため、理論的に 務などの B/S 項目について、上記に基づき CR 解決するしかありません。資本項目は発生時 で換算すると「債権債務金額」が不一致にな レートが基本ですが、経常的に発生する性質 ってしまうがどうすればよいのか、という点 の取引に発生時レートを適用するのは容易 です。 ではありません。 理論的には、外貨建債権債務では、個別と 連結の CR が同じである限り差異は発生しま また、少数株主持分の増減は P/L 項目であ る少数株主損益と評価差額金等の少数株主 © CPA Ryo Uematsu All rights reserved 1/2 持分割合部分の増減などで構成されていま す。少数株主損益は AR または CR で、評価差 額金は CR で換算されることから、少数株主 持分については資産・負債項目に準じて CR で換算するのが合理的と考えられます。 なお、 「貸借対照表の純資産の部の表示に 関する会計基準等の適用指針 30 項」におい て、在外子会社で計上した少数株主持分につ いては、決算時の為替相場で換算すると明記 されています。 ご利用の際のご注意 本文書に掲載されている内容は一般的な参考目的の利用に限られるものとし、専門的な判断の材料としてのご利 用はお断りいたします。本書により発生したいかなる損害についても一切の責任を負いません。 © CPA Ryo Uematsu All rights reserved 2/2
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