第18回 アンサンブル・ フェスティバル OB・OG会 第4回コンサート

第18回
アンサンブル・
フェスティバル
スズキ・メソードの
子どもたちによる
献奏〜中嶋嶺雄先生を偲んで
OB・OG会
第4回コンサート
2013
56
(月・振休)
12:30 開場 13:00 開演 Seiko Ezawa
Keiji Kanamori
全席自由 1,000 円
国立オリンピック記念青少年総合センター 大ホール
ピアノ独奏:原 慧 五味田恵理子 山口泰平
主催:アンサンブル・フェスティバル委員会 スズキ・メソードOB・OG会 後援:公益社団法人 才能教育研究会
故中嶋嶺雄会長へ 追悼のことば
第 18 回アンサンブル・フェスティバル実行委員長
松井 直樹
去る 2 月 14 日に突然お亡くなりになられた中嶋嶺雄先生は、このア
ンサンブル・フェスティバルに、当初から長きにわたりご出演をいただ
き、まだまだ多くの曲をご一緒に演奏させていただけるものと思ってお
りましたが、これから先生がご参加されないこのコンサートは本当に寂
しくなります。
今までの想い出の中で、私たちがいつも感心させられたことの一つは、
当日早くからヴァイオリンを片手に少し緊張された面持ちで楽屋に入ら
れた後、ずっと楽屋にこもられ、練習を続けておられていたお姿には、皆、
頭が下がる思いでした。そして、恒例の大人のアンサンブルの「カノン」
では、いつもコンサートマスターを立派に務められましたが、フィナー
レで全員の演奏が終わると、小さなお子さんに囲まれて、本当に嬉しそ
うなお顔をされておられたのが印象的でありました。自らヴァイオリン
を弾く楽しさ、またアンサンブルを通して音楽の喜びを分かち合うこと
国際社会学者、国際教養大学理事長・学長。1936
年長野県松本市生まれ。47 年松本音楽院(鈴木鎮
一教室)入学。65 年東京大学大学院社会学研究科
修了。社会学博士(東京大学、80 年)。東京外国語
大学長、国立大学協会副会長、アジア太平洋大学交
流機構(UMAP)国際事務総長、財団法人大学セミ
ナー・ハウス理事長、文部科学省中央教育審議会委
員(大学院部会長・外国語専門部会主査)、内閣教
育再生会議有識者委員、オーストラリア国立大学、
パリ政治学院、カリフォルニア大学サンディエゴ校
大学院の客員教授などを歴任。2008 年才能教育研
究会会長に就任。
平成 15 年度「正論大賞」受賞。『現代中国論』、
『北
京烈烈』(サントリー学芸賞受賞)、『国際関係論』、
『21 世紀の大学』『音楽は生きる力』『世界に通用す
る子供の育て方』『学歴革命』など著書多数。
を皆に示してくださった先生は、いつも真摯にご自分の楽器と音楽に向
き合われ、私たちを励ましてくださいましたが、そのことはきっとこれ
からも多くの人の心に残り続けることと思います。
また、ヴァイオリンを習い、弾くだけでなく、アンサンブルを通して音楽を楽しみ、生活の中にその喜びを取り
入れることを大切に考えられた先生は、スズキ・メソードを子どもから大人まで、誰でもできる音楽の「生涯教育」
として位置づけをされ、その発展に大きな貢献をされました。生前に多くの業績を残された日常は、さぞご多忙な
ことだったと思いますが、そのような中でも音楽の他にも素晴らしい絵画、さらに数々の著書を残され、日々充実
された人生を歩まれた先生は、まさに日本の誇る真の文化人として私たちの尊敬するお方であります。
コンサートでヴァイオリンをやや下げられて弾かれる先生を懐かしく拝見できないのは、大変に悲しいことです
が、これからも私たちは先生のご遺志を引き継ぎ、誰もが生涯、音楽を通してアンサンブルを楽しみ、演奏する素
晴らしさをこれからもこのフェスティバルで続け、さらなる日本の音楽文化の向上に少しでも貢献していければと
思います。
それでは、本日は私たちからの哀悼の意を込めて、このコンサートを中嶋嶺雄先生に捧げさせていただきます。
心よりご冥福をお祈りいたします。 お別れの会が次のように予定されております。
5月 12 日(日)11 時 お別れの会 主催:公益社団法人 才能教育研究会、松本深志高校同窓会
ホテルブエナビスタ 2 階「メディアーノ」
(松本市本庄1の2の1)
6月 2日(日)11 時 お別れの会 主催:有志による発起人(代表 明石康 元国連事務次長)
ホテルオークラ東京「平安の間」
(港区虎ノ門2の10 の4)
2
第18回アンサンブル・フェスティバル
献奏〜中嶋嶺雄先生を偲んで
バッハ:管弦楽組曲第 3 番ニ長調 BMW1068 より
「G 線上のアリア」 指揮:守田千惠子
アンサンブル・ミューズ 指揮:古谷いづみ
コダーイ:三つのハンガリー民謡
宮チェロアンサンブル 指揮:宮田 豊
ヘンデル : パッサカリア
アメリカ民謡:キャベッジダウン
アーテム合奏団 指揮:守田千惠子
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第17 番 変ロ長調 K.458「狩」より
第1、第 4 楽章
ザイテ合奏団 指揮:板垣登喜雄
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア- 第 3 組曲
ビルケ合奏団 指揮:松井直樹
コレルリ:コンチェルト グロッソ ト短調 Op.6 No.8
アンサンブル・ソノリテ 指揮:斎藤りえ
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ドヴォルザーク : スラヴ舞曲 第10番 ホ短調 Op. 72 No. 2
休憩
OB・OG会 第4回コンサート
パッヘルベル:カノン 指揮:金森圭司
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K. 387より
第 1、第 4 楽章(弦楽合奏版) 指揮:金森圭司
ショパン:ピアノ協奏曲 第 1 番 ホ短調 Op. 11 より
第 1 楽章(弦楽伴奏版) ピアノ独奏 江澤聖子 指揮:金森圭司
全員合奏
菅野よう子:花は咲く(弦楽合奏版) 指揮:金森圭司
アンサンブル・フェスティバル委員会/板垣登喜雄・斎藤りえ・古谷いづみ・松井直樹・宮田豊・守田千惠子
スズキ・メソード OB・OG 会/秋葉三佐子・井崎展江・梅嵜玲子・川野俊彦・木村眞一・小玉由貴・佐野登喜男・新 巳喜男・鈴木祐子・
紿田俊哉・長原祐一・服部眞一郎・服部宏美・二木 亮壽・宮地若菜・守田千惠子 協力/公益社団法人才能教育研究会 東京事務所
3
Program note
曲目紹介
バッハ:管弦楽組曲第 3 番ニ長調 BMW1068 より
「G 線上のアリア」
バッハ(1685 〜 1750)が作曲したアリアをドイツのヴァイオ
リニスト、ヴイルヘルミがヴァイオリンの G 線 1 本で演奏するよ
うに編曲し、有名になりました。本日は弦楽合奏で演奏します。
コダーイ:三つのハンガリー民謡
ハンガリーのコダーイ(1882 〜 1967)は、民謡の収集にハン
ガリー各地を歩きました。それは、3000 にものぼるそうです。1
曲目は、美しいメロディに、変化に富んだ和声が魅力的です。2曲
目は、力強い弦の響きが、バルトーク風です。3曲目は、赤、緑、
白のスカートをひるがえして踊る乙女たちの歌です。コダーイは、
終生、子どもたちの教育に情熱を注ぎ、コダーイメソッドを生み出
しました。ハンガリー人の祖先は、アジア人です。懐かしい響きを
お聴きください。 アンサンブル・ミューズ…1991 年に古谷クラスに誕生しました。毎年春休みは、
楽しいアンサンブルの練習で皆が集います。今年は、世界大会で演奏することが
できました。お互いを思いやり、信頼しあいはげましあってハーモニーを作り上
げます。夏休みは、合宿で練習、発表します。本年 6 月 8 日には、ハワイのグルー
プ「ナメレオスズキ」と、2 回目のジョイントコンサートを開催します。音楽は、
心をつなぐことができます。豊かな心で豊かな響きを作ってまいります。
ヘンデル:パッサカリア
この曲は、ヘンデル(1685 〜 1759)のチェンバロ組曲第 7 番
ト短調最終楽章のパッサカリアを、チェロ四重奏に編曲したもので
す。同一の低音部に基づいて変奏曲が組み立ており、舞曲形式で作
られています。旋律はヘンデルらしい格調の高いもので、その旋律
を対話させた面白い曲です。
アメリカ民謡:キャベッジダウン
アメリカのカントリーダンスのメロディを 4 声部に分け、初心者
から上級者まで一緒に楽しめる楽しい曲です。曲の情景は、汽車に
山積みにされたキャベツがダメになったものは、上から投げ捨てら
れる、汽車と投げ捨てる情景がよく分かる曲です。
宮チェロアンサンブル…宮田豊先生のご指導のもと、現在育ちつつある子どもた
ちから卒業したOBまでで構成され、チェロアンサンブルを楽しんでおります。
東日本大震災の影響で予定していた曲を演奏できなかった 2011 年のコンサート
演奏予定曲目を、今日は演奏します。チェロアンサンブルの力強く、エネルギッ
シュで、どこかおもしろい演奏をお聞きください。
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第 17 番 変ロ長調
K.458「狩」より
第1楽章 Allegro vivace assai 第 4 楽章 Allegro assai
6曲のハイドンセット第4曲の「狩」はハイドンへの敬意ともと
Player
4
れるような明るい曲となっています。
「狩」という名称はモーツァ
ルト(1756 〜 91)がつけたものではないのですが、第1楽章冒頭
の角笛で吹いているような快活な主題により、こう呼ばれています。
第1楽章 6/8 ソナタ形式
冒頭の狩りの角笛を彷彿させる第一主題が爽快な気分を提示して
印象的です。展開部では新たな主題が出てきますが、狩の途中に一
休みするような感じでのどかな新しいメロディが出てきます。
第4楽章 2/4 ソナタ形式
全体としてはフィナーレらしい軽快さと同時に対位法的な緻密
さを併せ持っています。第1主題にはハイドンの弦楽四重奏曲
Op.33-4 の旋律が巧く織り込まれていて、ハイドンへのオマージュ
と言われています。
アーテム合奏団…守田クラスの中で結成された合奏団です。アーテム(Atem)
とは、独語で「呼吸」という意味で、演奏にそれが感じられる本物の音を目指し
て励んでおります。アーテム合奏団では 今までにモーツァルトの作品を数多く
演奏して来ました。今回はモーツァルト弦楽四重奏曲第 17 番
「狩」
を演奏します。
この曲はアンサンブルでの演奏技術はかなり難しいですが、皆でがんばって挑戦
しました。指揮はコンサートマスターと兼ねていたします。この合奏団が常に目
指している音の響きと、活き活きとした演奏ができましたら幸いです。
レスピーギ:リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲
第 1 曲イタリアーナ 第 2 曲宮廷のアリア 第 3 曲シチリアーナ
第 4 曲パッサカリア
イタリアの作曲家であるレスピーギ(1879 ~ 1936)は「リュー
トのための古代舞曲とアリア」という組曲を 3 つ書いています。こ
れらは 15 ~ 16 世紀頃には音楽的になくてはならない存在であっ
た弦楽器リュートで演奏されていた曲を、様々な編成で管弦楽用に
編曲されたものです。この「古代舞曲とアリア」では、原曲の持つ
気品と香気を失うことなく、原曲の時代と性格にふさわしい和声を
配し、彼の管弦楽技法により現代に蘇らせています。
ザイテ合奏団…板垣登喜雄氏を主宰とし、スズキ・メソードの子どもたちにより
発足しました。結成 30 年目を迎え、現在小、中、高、大、大人たち 23 名と幅
の広い年齢層で音楽に取り組んでいます。1987 年から 2 年ごとに定期演奏会を
行なうなど精力的に演奏活動をしています。2001 年に韓国で開催された「パン・
パシフィツク世界大会」に出演、好評を博しました。毎年「アンサンブル・フエ
スティバル」にも参加。ザイテとは “心の弦” という意味を持ち、豊かな心で音
楽を楽しみ、育み、また地域文化の向上のために “心の音” を探っていきたいと、
日々練習に励んでいます。
コレルリ:コンチェルト・グロッソ ( 合奏協奏曲 )
第8番 ト短調 op.6-8
第 1 楽章 Vivace/Grave、第 2 楽章 Allegro、第 3 楽章 Adagio Allegro - Adagio、第 4 楽章 Vivace、第 5 楽章 Allegro
コレルリ(1653 〜 1713)はバッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディ
より 30 年ほど前の時代からヴァイオリニスト、また作曲家として
宮廷の擁護のもとにイタリアで活躍しました。特にソナタ、合奏協
出演のみなさん
アンサンブル・ミューズ
1st.Vn 仁賀広大、池田紗良、池田礼、黒
瀧うらら、黒瀧かれん、仁賀優大、新田
みゆき、本田将崇、本田美咲、マクレラン・
イザベラ、松岡春樹 2nd.Vn 深澤凛太
郎、白井綾、杉山裕樹、原正一、深澤恵子、
古谷達子、森本恵理 Va 古谷いづみ Vc
木村美樹子 Cb 細野理絵 tambourin
白井遥
宮チェロアンサンブル
Vc 相田しずか、相田まり、岩上祐未子、
阿部真綾、絵面凱、川脇大、川脇賀子、金頌、
齋藤真玄、齋藤嘉音、齋藤鞠亜、坂巻晴日、
佐藤正門、佐藤千文、佐山裕樹、篠原馨子、
末野裕之、鈴木佑輔、高木雄斗、高地志
音、豊田匠、橋本優、橋本秀次、畑田育杜、
原沢慎之介、伴内優太郎、平野尭照、別
府あすか、山越風葵、山越繁男
アーテム合奏団
1st.Vn 荒金和貴、大塚一、大野麗、二神
彩雪、二宮敏貴、守田千惠子 2nd.Vn 大
塚早織、大野郁子、津野文音、二宮沙那、
二神彩洋子、南口誠 Va 守田直哉、舘石
奈未子、平野幸世、萩谷金太郎 Vc 安田
心裕、鎌田茉莉子、宮田豊、韮沢有 Cb
細野理絵
ザイテ合奏団
Vn 川崎希一郎、浅子理恵、韮沢育、和
田真理子、吉田紫、高橋駿太、高橋愛奈、
亀田絢子、近慧之、中田稀子、武本楓恋、
遠藤愛子、武本彩良、上原英愛、加藤彰大、
加藤陽大、畠中綺音、畠中卓音、吉田紫、
金子知世、梅谷日南子 Va 板谷大介、塙
ありこ Vc 韮沢有、梅谷一十 Cb 細野
理絵
アンサンブル・ビルケ
1st.Vn 宮井 真奈(solo)
、松本芳太郎、橋
本芽依、田中友悠、中島初穂、村部一星、
尾脇眞子、松本英梨、吉永理紗、三浦綾、
庄司美優、佐々木貴良、末野遼一、内山修一、
奏曲の形式を確立し、その作風は後の作曲家たちに大きな影響を与
えました。今日演奏する曲は、
「クリスマス協奏曲」と呼ばれますが、
コレルリ自身が「キリスト降誕の夜のために作曲した」と書かれて
おり、クリスマスの真夜中のミサ用の曲として作曲されました。本
日は最終楽章のパストラールは演奏しませんが、各楽章は荘厳な敬
虔さと喜びを感じさせます。コレルリが亡くなった翌年、1714 年
に弟子のフォルナーリが校訂、編集し、出版されました。
アンサンブル・ビルケ…松井直樹、吉永美佳クラス合同でヴィヴァルディの a モー
ルのコンチェルト以上の生徒さんで構成されています。今回はアンサンブル・ビ
ルケのフルサイズの楽器の生徒が、隣の小さな生徒さんをサポートしながら練習
をしてきましたので、そのチームワークが演奏に繋がると良いと思っています。
合奏協奏曲の素晴らしさをどうぞお楽しみください。
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル(1875 〜1937)がパリ音楽院在学中にピアノ曲として
作曲、後になり、管弦楽曲に編曲された曲です。ラヴェルがパリの
ルーヴル美術館を訪れた時に、ベラスケスが描いたマルゲリータ王
女の肖像画を見て感じたインスピレーションによって作曲されたと
言われています。
《亡き王女のための》とは亡くなった王女の葬送
曲ではなく、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァー
ヌという意味で、透明感のある高雅で感傷的で魅力的な曲です。 ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第10番ホ短調 Op.72-2
ブラームスのハンガリー舞曲に対抗して作曲されたピアノ連弾曲
で、後にオーケストラ曲へと編曲されました。この第 10 番は 16
曲あるスラヴ舞曲の中では最も知られている、甘美で、はかない独
特な雰囲気を感じさせる曲です。スラヴ民族であるドヴォルザーク
(1841 〜 1904)自身が、日々の生活の中から自然と身につけたス
ラヴ民族としての感性やリズムが、ふんだんに取り入れ表現された
個性的な曲です。
アンサンブル・ソノリテ…齋藤りえクラスの弦楽団で、アンサンブル・フェスティ
バルへの参加も早いもので 17 回目となりました。
『ソノリテ』とはフランス語で
良い音の響きという意味ですが、日々のレッスンの中から身に付けるように心が
けています。今回もまた皆様が良く耳にします「亡き王女のためパヴァーヌ」と
「スラヴ舞曲第 10 番」の2曲を演奏します。それぞれの曲の魅力を客席の皆様に
も感じていただけますよう、がんばって演奏したいと思います。
パッヘルベル:カノン
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第 14 番 ト長調 K.387 より
第1楽章 Allegro vivace assai 第 4 楽章 Molto allegro
モーツァルトは、
23 曲の弦楽四重奏曲を残しています。プロ奏者、
そしてアマチュア奏者にとって、そのどれもが親しみを感じさせる
作品ばかりですが、作曲期間は 1770 年から 1790 年までの 20 年
にわたっています。ところが、間に 10 年ほどの休止期間があり、
全体は 13 曲の初期作品と、ウィーン定住後に書かれた 10 曲の傑
作群とに分かれています。この作品は、その 10 年ぶりに書かれた
作品群「ハイドンセット」の 1 曲目に当たり、
「春」という呼称で
も知られる、モーツァルト 26 歳の作品です。モーツァルトが久し
ぶりに弦楽四重奏曲に向かい合った理由は、ハイドンの弦楽四重奏
曲 Op.33「ロシア四重奏曲」に大きな感銘を受けたことがきっかけ
でした。敬愛するハイドンを自宅に招き、
この曲を含むハイドンセッ
ト 6 曲を献呈したほどです。本日は、麗しいメロディに包まれた第
1 楽章と軽快なテンポで音のつながりを楽しめる第 4 楽章を、弦楽
合奏でお届けします。
ショパン:ピアノ協奏曲 第 1 番 ホ短調 Op.11 より
第 1 楽章 Allegro maestoso(弦楽伴奏版)
ピアノ独奏:江澤聖子
いきなりホ短調で始まる壮大かつ重厚な序奏は、他のピアノ協奏
曲に比べても飛び抜けて長いもので、およそ 4 分ほど。まるで、ド
ヴォルザークのチェロ協奏曲の冒頭同様、ソロの登場を今か今かと
待たせるショパン(1810 〜 49)の、この曲にかける意気込みがう
かがえるようです。ワルシャワ時代の若いショパンの情熱のほとば
しり、才気あふれるメロディ、ロマンティシズムに彩られた曲想は、
時代を越え、人気があります。ショパンコンクールの本選では、必
ずショパンのピアノ協奏曲を演奏することが義務づけられています
が、2 曲あるショパンのピアノ協奏曲のうち、圧倒的にこの第1番
が演奏されるとか。本日は、この曲について数多くの録音を残して
いるピアニストのマルタ・アルゲリッチも、別府アルゲリッチ音楽
祭で演奏されている弦楽伴奏版を、スズキ・メソード出身の江澤聖
子さんのピアノ独奏でお届けします。
菅野よう子:花は咲く(弦楽合奏版)
ドイツの作曲家、パッヘルベル(1882 〜 1967)がバロック時
代中期の 1680 年頃に作曲したカノン様式の作品です。原曲は「3
つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」の
第 1 曲。この曲は、
「パッヘルベルのカノン」の名で広く親しまれ
ており、パッヘルベルの作品の中で最も有名な、そして一般に知
られている唯一の作品です。
「カノン」とは、元になる旋律(主題)
と同形の旋律をずらし、重ね合わせた形式のもので、よく知られる
辻川華也子 2nd.Vn 森修子(solo)
、榎森
樹里、橋本大輝、小林健人、S・アンジェリー
ナ、村部大樹、大泉絢、米山維斗、中村真
悠子、宮田忠昌、アンセロ・ブラン、田中
智晴、依田響木 Va 塩谷信裕、平野幸世、
緒方裕、田中泰大、荻谷金太郎 Vc 安田
心裕、宮田豊、韮沢有 Cb 細野理絵 アンサンブル・ソノリテ
1st.Vn 石田奈々、小布施美紀、齋藤花音、
齋藤百花、坂田葉月、篠原由紀乃、高野
「かえるの歌」もカノンの一種の輪唱に当たります。
千尋、田中里奈、長澤志保、長島萌、平
本龍、三井田千晶、山口紗来 2nd.Vn 雨
川笑子、稲葉千遥、粕谷菜々子、辻村典子、
内藤広太、長谷川七海、水野涼子、久原
萌 Va 上杉理香、松原第介、荻谷金太郎、
平野幸世 Vc 宮田豊、韮沢有、安田心裕
Cb 細野理絵 管楽器 井川千恵、井村
千恵、駒井萌子、桃原健一、松本安津美、
榎戸絢子、古田儀左ェ門 打楽器 稲野珠
緒、上杉裕之
この曲は、東日本大震災の被災地復興を願って制作され、NHK
が震災後の 2011 年度から行なっている震災支援プロジェクト
「NHK 東日本大震災プロジェクト」のテーマソングとして使用され
ています。東北ゆかりの俳優、歌手、スポーツ選手などが歌う姿が
大きな感動を呼び、すでに国民的な歌に成長しました。2013 年春
の選抜高校野球の入場行進曲にも使われていました。弦楽合奏の演
奏で一緒に歌いましょう。→歌詞は、7 ページ下にあります。
「カノン」で OB・OG 会と一緒に演奏さ
スズキ・メソード OB・OG 会
れる皆さん
Vn 新井友理、垣野内舞、角谷祐科、川
野俊彦、木村眞一、佐野登喜男、清水優、 小町歩実、垣野内結、金子丈一郎、赤坂奏、
芳賀琴音、芳賀誌音、大野麗、荒金和貴、
紿田俊哉、冨田則子、長澤彩可、原沢寿
美子、二神彩洋子、二木亮壽、守田千惠子、 津野文音、二宮沙那、南口誠、二神彩雪、
大塚一、大塚早織、大野郁子、二宮敏貴、
枡顕明 Va 川本嘉子、小玉由貴、服部眞
野口琳央、桑原明子、深澤恵子
一郎、服部宏美、守田直哉 Vc 市川晏欣
子、鎌田茉莉子、新巳喜男、宮田豊、韮沢有、
安田心裕、山口芽久美 Cb 細野理絵
5
Profile ソリスト・指揮者 紹介
ピアノ独奏
指揮
江澤 聖子
金森圭司
桐朋学園大学音楽学部ピアノ科を首
席で卒業。第 59 回日本音楽コンクー
ル第 1 位、増沢賞、井口賞、野村賞、
特別賞を受賞。第 17 回 NHK「若
い芽のコンサート」にて外山雄三氏
指揮 N 響との共演でデビュー。ベ
ルリン国立芸術大学を首席で卒業、
ディプロマを取得。その後、ドイツ
ソリスト芸術国家試験に最優秀で合格、
ソリスト科を卒業。
イタリア・
カントゥ国際ピアノコンクール第 1 位受賞。ベルリン響、ブレスラ
ウ響、ハイデルベルグ・フィル、ミュンスター・フィル、東響、東
京フィル、東京シティ・フィル、東京ニューシティなどとの共演多
数。全日本学生音楽コンクールをはじめ各地でのコンクールの審査
員、講習会、公開レッスンなどの講師を務める。現在、国立音楽大
学准教授、桐朋女子高等学校音楽科及び桐朋学園大学音楽学部講師。
「鈴木鎮一先生からいただいた、たくさんの貴重な教えを胸に、こ
れまで演奏と教育活動を続けてまいりました。今回の演奏会では、
私と同じように様々な形で音楽に携わっていらっしゃる OB・OG の
方々と共演させていただけますことを大変光栄に思っております。
この素晴らしい機会をいただいたことに感謝しながら、心を込めて
演奏したいと思います」
慶應義塾大学在学中、大学オーケストラ
Seiko Ezawa
Keiji Kanamori
History & Future
の学生指揮者やジュネスオーケストラの
コンサートマスターを務める。世界各国
から選ばれた音大生で構成される世界
ジュネスオーケストラに文化庁から派遣
され、そこで首席奏者に選ばれたことな
どから法学部卒業と同時に東京藝術大学
音楽学部別科に入学。NHK 交響楽団な
どでヴァイオリニストとして演奏し、
また桐朋学園大学にて指揮を尾高忠明、
ヴァイオリンを久保田良作、室内楽を岩崎淑の各氏に師事する。その後、家
族の病気などをきっかけに再度転身し医学部に入学する。卒業後、東大医学
部附属病院や東大大学院博士課程などを経て現在、東京港区の広尾かなもり
クリニック院長として活躍中。また、全日本医家管弦楽団などで音楽監督や
常任指揮者を務め、東京交響楽団コンサートマスターの大谷康子氏とたびた
び共演するなど、各地のオーケストラで指揮者として、またヴァイオリニス
トとしてもソロや室内楽などで活動している。
「4 歳から三重県四日市支部の若林正伸先生にヴァイオリンを師事しました。
私の社会とのかかわりの原点はスズキ・メソードで始まり、親とともに私の
人生にとって、いろいろな意味で一番多くの影響を受けました。スズキ・メ
ソードは、良い音楽家はもとより良い社会人を多数輩出し、今や全世界に広
がっています。今回、昔お世話になったスズキ・メソードの少しでもお役に
立てることができるなら大変光栄に思います」
OB・OG 会の歩み、そして未来
OB・OG 会は、あなたの参加を求めています。
★これまでの活動
・ 1 月 9 日 「世界大会組織委員会」への参画
2010 年
・ 1 月 15 日「第 12 回関西地区大会」に参加
・ 5 月 16 日「第 15 回アンサンブル・フェスティバル&
・ 2 月 9 日 OB・OG 会 3 年目へ向けた簡単チラシ制作
OB・OG 会創立コンサート」を開催、第 1 回総会開催
・ 3 月 27 日「チャリティーコンサート東京 2012」に参加
・ 6 月 10 日「全国指導者研究会」で OB・OG 会スタート報告
・ 4 月 28 日 「世界大会実行委員会」への参画
・ 9 月 23 日「楽器(譜面)を持って集まろう会Ⅰ」を開催
・ 5 月 20 日「第 17 回アンサンブル・フェスティバル&
・12 月 12 日「スズキ・メソード三重大会 with Yasuko Ohtani」に賛助出演
OB・OG 会第 3 回コンサート」を開催、第 3 回総会開催
2011 年
・ 9 月 22 〜 23 日「聖地・松本に楽器を持って集まろう会Ⅱ」を開催
・ 3 月 5 日「室内楽を楽しむ会」主催
・ 11 月 24 日「カルテットを楽しもう会」を開催
・ 3 月 29 日「第 53 回グランドコンサート」に賛助出演(大震災のため開
・ 12 月 15 日「世界大会」への協賛金支援(1,658,000 円)
催中止)
2013 年
・ 5 月 8 日 「第 16 回アンサンブル・フェスティバル&
・ 3 月 27 〜 31 日「世界大会」の各種サポート活動、交流ラウンジの運営
OB・OG 会第 2 回コンサート」を開催、第 2 回総会開催
・ 5 月 6 日「第 18 回アンサンブル・フェスティバル
・ 7 月 7 日 「公式 WEB サイト」リニューアルオープン
OB・OG 会第 4 回コンサート」を開催、第 4 回総会開催
・ 8 月上旬 「夏期学校」でチラシ配布
★これからの活動予定
・ 9 月 17 〜 18 日「聖地・松本散策ツアー」の実施
・ 11 月 29 日(金)
「OB・OG 会第 5 回コンサート」を単独開催予定
・ 10 月 8 日「アンサンブルを楽しむ会」開催
ゲスト:ヴァイオリニスト渡辺玲子さん、ヴィオリスト川本嘉子さん
・ 10 月 30 日「第 24 回東海大会」に参加
2014 年
・ 12 月 16 日「イベント開催ガイドブック」制作
・ 時期未定「第 19 回アンサンブル・フェスティバル
2012 年
OB・OG 会第 6 回コンサート」
、第 5 回総会を開催予定
スズキ・メソードOB・OG 会 http://www.suzukimethod- obog.com/
6
詳しくは、公式 WEB サイト(上記アドレス)をご覧ください。お問い合わせ:[email protected]
「花は咲く」 岩井俊二(作詞)菅野よう子(作曲)
JASRAC 出○○○○○○○ - ○○○
コンサートの最後に「花は咲く」を全員合奏
で演奏します。みなさんで歌いましょう。
真っ白な 雪道に 春風香る
誰かの歌が聞こえる
夜空の 向こうの 朝の気配に
誰かの想いが見える
花は 花は 花は咲く
わたしは なつかしい
誰かを励ましてる
わたしは なつかしい
誰かと結ばれてる
いつか生まれる君に
あの街を 思い出す
誰かの笑顔が見える
あの日々を 思い出す
誰かの未来が見える
花は 花は 花は咲く
悲しみの向こう側に
わたしは何を残しただろう
悲しみの向こう側に
叶えたい 夢もあった
OB・OG会では、
「スズキ・メソードに在籍した人は『心のふるさとキラキラ星』を共有する仲間」という考え方に基づき、
「一生楽
〒 270-0137
流山市市野谷 665-40
Villa ANTONIO
090-3595-9470
[email protected]
しめるスズキ・メソード」を目指して活動計画を進め、多くの方に参加を呼び掛けております。入会は、公式WEBサイトの登録フォー
10:00 〜 19:00
定休日 毎週水・木曜日
TEL・FAX 04-7150-3939
ムから簡単に行なうことができます。年会費は3000円です。本日は、総会会場におきましても登録受付をしております。
ア ン ト ニ オ
傷ついて 傷つけて
変わりたい 自分もいた
花は 花は 花は咲く
報われず 泣いたりして
花は 花は 花は咲く
花は 花は 花は咲く
今はただ なつかしい
いつか生まれる君に
今はただ 愛おしい
いつか生まれる君に
いつか生まれる君に
あの人を 思い出す
花は 花は 花は咲く
あの人を 思い出す
花は 花は 花は咲く
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう
いつか恋する君のために
わたしは何を残しただろう
7
日・祝 定休
10:00〜18:00
株式会社
伊藤楽器
TEL. 042 - 480 - 1906
FAX.042 - 486 - 4944
[email protected]
8
調布市布田 1- 48 -2
サンメイツカモシタ 103 号
http://www.ito-violin.com
本日は、コンサート終了後の 時 分より、OB・OG会 第4回総会および「懇親パーティ」を開催します。
会場は、カルチャー棟2Fレストラン「とき」
(
、パーティ会費は3000円
大ホールを出て、左手階段上のレストラン)
です。江澤聖子さんをはじめ、金森圭司さんやご来賓の皆様との楽しいひとときをお過ごしください。
バイオリン・ビオラ・
チェロ専門店
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