TPP協定の影響については、「わからない」が 41.3%と最も高く、 影響を

横
浜
市
記
者
発
表
資
料
平成 28 年 1 月 14 日
経 済 局 経 済 企 画 課
第 95 回横浜市景況・経営動向調査(平成 27 年 12 月実施)(特別調査)
調査結果のまとめ
【TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の影響について】
T P P 協 定 の 影 響 に つ い て は 、「 わ か ら な い 」 が 4 1 . 3 % と 最 も 高 く 、
影 響 を 想 定 す る 企 業 で は 、「 良 い 影 響 」 が 「 悪 い 影 響 」 を 上 回 る
【ポイント】
○TPP 協定の影響についてみると、自社に対する影響では「わからない」が 41.3%で最も高く、業界に対する影
響でも「わからない」が 46.2%で最も高い。TPP 協定は大筋合意されたものの、個別企業レベル、業界レベル
のいずれにおいても TPP 協定の影響については推し量りかねている様子がうかがえる。
○「良い影響」と回答した企業は、対自社(12.9%)、対業界(16.2%)ともに、
「悪い影響」
(対自社 2.9%、対
業界 3.9%)を上回る。業種別、規模別にみても、全て「良い影響」が「悪い影響」を上回っており、現時点
では、期待感の方が高い様子がみられる。
○具体的な「良い影響」について、製造業における対自社では「海外販路の拡大」(64.9%)、対業界では「海外
市場の拡大」
(79.6%)が最も高く、海外展開への期待が高い様子がうかがえる。非製造業は、対自社では「売
上・収益の増加」
(50.0%)、対業界では「原材料コストの低下」
(46.9%)が最も高く、販売とコストの両面で
の期待感がうかがえる。
【調査対象】市内企業・市内に事業所を置く企業 1,000 社(回収数:613 社、回収率:61.3%)
【調査時期】平成 27 年 10 月 30 日~11 月 25 日(調査票回答及びヒアリング調査期間)
(注)通常調査の結果概要(自社業況BSI等)については、平成 27 年 12 月 24 日発表の内容をご参照ください。
【特別調査の概要】
1.TPP 協定の与える影響について(対自社、対業界)
○ 自社に与える TPP 協定の影響についてみると、
「わからない」が 41.3%で最も高く、TPP 協定は大筋合意さ
れたものの、その影響について推し量りかねている様子がうかがえる。次いで「影響を与えない」
(38.0%)、
「良い影響を与える」(12.9%)となっており、「悪い影響を与える」は 2.9%に止まり、最も低い。
○ 業界に与える TPP 協定の影響についてみると、「わからない」が 46.2%で最も高く、対自社に対する影響
と同様の回答となっている。次いで「影響を与えない」(28.4%)、「良い影響を与える」(16.2%)となっ
ている。「悪い影響を与える」は 3.9%に止まり、最も低い。
TPP 協定の影響について(対自社)
0%
全産業(613)
10%
12.9
非製造業(362)
14.7
11.6
大企業(51)
2.4
19.6
12.8
7.1
70%
80%
41.3
38.1
36.8
41.2
41.4
40.5
悪い影響を与える
4.4
5.7
わからない
2.4
製造業(251)
非製造業(362)
大企業(51)
2.0
47.6
影響を与えない
全産業(613)
5.0
35.3
37.7
0%
100%
4.8
41.2
5.3
90%
4.9
45.8
42.0
2.5
良い影響を与える
60%
32.3
2.0
2.4
50%
(
規模 別)
(
規模 別)
12.3
中小企業(406)
40%
38.0
3.3
中堅企業(114)
市外本社企業(42)
30%
(
業種 別)
(
業種 別)
製造業(251)
20%
2.9
TPP 協定の影響について(対業界)
10%
3.9
19.9
13.5
16.7
中小企業(406)
16.3
14.3
1/4
40%
60%
70%
80%
46.2
22.3
5.0
41.2
32.5
42.1
25.9
47.5
31.0
悪い影響を与える
100%
6.0
45.6
37.3
4.4
90%
5.4
47.0
32.6
3.9
2.4
50%
28.4
3.9
良い影響を与える
無回答
30%
4.8
3.3
15.7
中堅企業(114)
市外本社企業(42)
20%
16.2
2.0
4.4
6.4
50.0
影響を与えない
わからない
2.4
無回答
2.良い影響の具体的影響(対自社)
○ 自社に与える TPP 協定の「良い影響」の具体的影響(複数回答)をみると、
「売上・収益の増加」が 51.9%
で最も高く、次いで「海外販路の拡大」
(49.4%)、
「原材料コストの低下」
(43.0%)となっている。販
売とコストの両面で良い影響があると考えている様子がうかがえる。
○ 業種別にみると、製造業では「海外販路の拡大」(64.9%)が最も高く、非製造業では「売上・収益の
増加」(50.0%)が最も高い。
○ 規模別にみると、大企業では「海外販路の拡大」(70.0%)が最も高く、中堅企業では「売上・収益の
増加」(50.0%)、中小企業では「海外販路の拡大」(53.8%)がそれぞれ高くなっている。
良い影響(対自社、複数回答)
80
70
中堅企業
製造業
50
60
中小企業
50
市外本社企業
非製造業
40
40
30
30
20
20
10
10
0
大企業
70
全産業
60
0
新たな
ルールに
自社ブラ
自社を適
原材料コ
海外企業 新規事業
海外販路 売上・収
調達ルー
ンドの海
合させる その他
ストの低
との連携 への進出
外展開の
の拡大 益の増加
トの拡大
下
の拡大
促進
ための商
促進
慣習の変
更
新たな
ルールに
自社ブラ
自社を適
原材料コ
海外企業 新規事業
海外販路 売上・収
調達ルー
ンドの海
合させる その他
ストの低
との連携 への進出
の拡大 益の増加
トの拡大
外展開の
ための商
下
の拡大
促進
促進
慣習の変
更
大企業(10)
70.0
50.0
50.0
30.0
30.0
0.0
0.0
0.0
10.0
中堅企業(14)
28.6
50.0
35.7
21.4
14.3
7.1
0.0
0.0
7.1
0.0
中小企業(52)
53.8
51.9
44.2
25.0
25.0
11.5
15.4
5.8
3.8
9.5
市外本社企業(3)
0.0
66.7
33.3
0.0
0.0
33.3
0.0
33.3
0.0
全産業(79)
49.4
51.9
43.0
24.1
22.8
10.1
10.1
5.1
5.1
製造業(37)
64.9
54.1
43.2
32.4
29.7
13.5
16.2
5.4
非製造業(42)
35.7
50.0
42.9
16.7
16.7
7.1
4.8
4.8
(注)無回答は除外して集計しています。
3.悪い影響の具体的影響(対自社)
○ 自社に与える TPP 協定の「悪い影響」の具体的影響(複数回答)をみると、
「国内市場の過当競争・価格
競争による低価格化」が 70.6%で最も高く、「(国内市場における)自社の事業分野での海外商品・サー
ビスの増加」が 52.9%、「売上・収益の減少」と「新規参入の増加による競合の激化」が 47.1%でつづ
いており、競争が激化することを懸念する様子がうかがえる。
悪い影響(対自社、複数回答)
100
100
全産業
90
大企業
製造業
80
80
中堅企業
非製造業
70
中小企業
60
60
市外本社企業
50
40
40
30
20
20
10
0
(国内市場
における)自
(海外市場
社の事業分 売上・収益 における)海
野での海外
の減少
外企業との
商品・サービ
競争の激化
スの増加
0
国内市場の
新たなルー
過当競争・ 新規参入の ルに自社を
価格競争に 増加による 適合させる
よる低価格 競合の激化 ための商慣
化
習の変更
その他
(国内市場に
国内市場の
おける)自社
(海外市場に
過当競争・ 新規参入の
の事業分野 売上・収益 おける)海外
価格競争に 増加による
での海外商
の減少
企業との競
よる低価格 競合の激化
争の激化
品・サービス
化
の増加
新たなルー
ルに自社を
適合させる
ための商慣
習の変更
その他
0.0
全産業(17)
52.9
47.1
17.6
70.6
47.1
17.6
5.9
大企業(1)
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
中堅企業(6)
16.7
50.0
0.0
83.3
33.3
16.7
0.0
製造業(6)
66.7
33.3
33.3
33.3
33.3
0.0
0.0
中小企業(9)
77.8
55.6
22.2
77.8
55.6
22.2
11.1
非製造業(11)
45.5
54.5
9.1
90.9
54.5
27.3
9.1
市外本社企業(1)
0.0
0.0
100.0
0.0
100.0
0.0
0.0
(注)無回答は除外して集計しています。また回答数が少ないため、上記数値(%)は参考値となります。
2/4
4.良い影響の具体的影響(対業界)
○ 業界に与える TPP 協定の「良い影響」の具体的影響(複数回答)をみると、
「海外市場の拡大」が 59.2%
で最も高く、次いで「原材料コストの低下」(39.8%)、「売上・収益の増加」(38.8%)となっている。
業界においては、海外展開への期待が高い様子がうかがえる。
○ 業種別にみると、製造業では「海外市場の拡大」(79.6%)が最も高く、非製造業では「原材料コスト
の低下」(46.9%)が最も高い。
○ 規模別にみると、大企業では「海外市場の拡大」(75.0%)が最も高く、中堅企業では「売上・収益の
増加」と「原材料コストの低下」が 42.1%でともに高い。中小企業では「海外市場の拡大」(61.5%)
が高くなっている。
良い影響(対業界、複数回答)
90
90
80
全産業
80
70
製造業
70
非製造業
60
中堅企業
中小企業
60
市外本社企業
50
50
40
40
30
30
20
20
10
10
0
大企業
0
新たな
ルール
日本ブ
に適合
海外同
業界内
海外市
売上・ 原材料 ランドの 調達 設備投
させる
業界と
競争力 の構造
場の拡
収益の コストの 海外展 ルート 資コスト
その他
ための
の連携
の強化 改革の
大
増加
低下 開の促 の拡大 の抑制
業界慣
の促進
促進
進
行の変
更
海外同
業界内
海外市
業界と
競争力 の構造
場の拡
の連携
の強化 改革の
大
の促進
促進
新たな
ルール
日本ブ
に適合
売上・収 原材料 ランドの 調達 設備投
させる
益の増 コストの 海外展 ルート 資コスト
その他
ための
加
低下 開の促 の拡大 の抑制
業界慣
進
行の変
更
大企業(8)
25.0
75.0
37.5
12.5
37.5
62.5
25.0
37.5
0.0
0.0
中堅企業(19)
31.6
36.8
21.1
21.1
42.1
42.1
10.5
15.8
0.0
0.0
5.3
0.0
中小企業(65)
15.4
61.5
20.0
6.2
36.9
38.5
33.8
18.5
1.5
6.2
4.6
8.2
市外本社企業(6)
0.0
83.3
0.0
16.7
50.0
16.7
0.0
16.7
0.0
0.0
0.0
全産業(98)
18.4
59.2
20.4
10.2
38.8
39.8
26.5
19.4
1.0
4.1
4.1
製造業(49)
12.2
79.6
32.7
8.2
34.7
32.7
36.7
24.5
0.0
4.1
非製造業(49)
24.5
38.8
8.2
12.2
42.9
46.9
16.3
14.3
2.0
4.1
0.0
(注)無回答は除外して集計しています。
5.悪い影響の具体的影響(対業界)
○ 業界に与える TPP 協定の「悪い影響」の具体的影響(複数回答)をみると、
「国内市場の過当競争・価格
競争による低価格化」が 70.8%で最も高く、次いで「(国内市場における)海外商品・サービスの増加に
よる競争激化」
(62.5%)、
「売上・収益の減少」
(54.2%)となっており、業界内でも競争が激化すること
を懸念する様子がうかがえる。
悪い影響(対業界、複数回答)
80
100
全産業
70
大企業
製造業
60
中堅企業
80
非製造業
中小企業
市外本社企業
50
60
40
40
30
20
20
10
0
(国内市場
新たな
国内市場
における)
ルールに
海外市場 の過当競
設備投資
海外商品・
売上・収益 産業競争 適合させる
での競争 争・価格競
コストの発
サービスの
の減少 力の減退 ための業
の激化 争による低
生
増加による
界慣行の
価格化
競争激化
変更
0
その他
(国内市場
新たな
国内市場
における)
ルールに
海外市場 の過当競
設備投資
海外商品・
売上・収益 産業競争 適合させる
での競争 争・価格競
コストの発
サービスの
の減少
力の減退 ための業
の激化 争による低
生
増加による
界慣行の
価格化
競争激化
変更
その他
全産業(24)
62.5
16.7
70.8
54.2
20.8
20.8
4.2
0.0
大企業(2)
50.0
0.0
50.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
中堅企業(5)
40.0
0.0
80.0
60.0
20.0
20.0
0.0
0.0
製造業(12)
58.3
16.7
66.7
58.3
25.0
0.0
0.0
0.0
中小企業(16)
68.8
25.0
75.0
56.3
18.8
25.0
6.3
0.0
非製造業(12)
66.7
16.7
75.0
50.0
16.7
41.7
8.3
0.0
市外本社企業(1)
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
(注)無回答は除外して集計しています。また回答数が少ないため、上記数値(%)は参考値となります。
3/4
6.TPP 協定への対応策
○ TPP 協定への対応策の検討の有無についてみると、
「検討していない」が 50.7%で最も高く、次いで「今
後も予定はない」、「わからない」が 14.2%となっている。「検討していない」と「今後も予定はない」
をあわせて 64.9%と全体の 3 分の 2 近くに達する。一方、
「すでに検討している」は 1.1%に止まり、
「検
討を予定している」(5.1%)とあわせても 6.2%と 1 割に満たない。
○ 業種別にみると、製造業、非製造業ともに「検討していない」が最も高く、5 割程度を占めている。
○ 規模別にみると、全ての規模において「検討していない」が最も高い。
○ TPP 協定への対応策を「すでに検討している」、「検討を予定している」と回答した企業における具体的
な対応策(複数回答)をみると、
「関税撤廃等による原材料コストの変化と売上・収益への影響度の分析」
が 62.2%で最も高く、次いで「競合する輸入品の価格水準、市場価格への影響度合の調査・分析」
(32.4%)
となっている。
TPP 協定への対応策の検討
0%
全産業(613)
1.1
10%
20%
30%
5.1
40%
50%
60%
50.7
(
業種 別)
製造業(251) 2.4 4.4
70%
14.2
53.0
非製造業(362)0.3 5.5
(
規模 別)
検討を予定している
11.9
26.2
今後も予定はない
検討していない
16.0
13.3
7.1
7.8
14.0
12.3
15.5
47.6
すでに検討している
15.7
14.0
50.0
市外本社企業(42) 2.4 4.8
15.2
9.8
50.9
中小企業(406) 0.7 4.4
13.9
14.9
58.8
100%
14.7
13.1
14.9
大企業(51) 2.0 5.9
90%
14.2
13.1
49.2
中堅企業(114) 1.8 7.0
80%
わからない
無回答
具体的な対応策(すでに検討している・検討を予定している)
70
80
60
50
全産業
70
大企業
製造業
60
中堅企業
50
中小企業
40
市外本社企業
非製造業
40
30
30
20
20
10
10
0
0
担当部
署・担当
者の設置
によるTP
P関連情
報の収集
と分析
全産業(37)
27.0
関税撤廃
競合する
等による
輸入品の
原材料コ 海外販路 価格水
ストの変 の開発・ 準、市場
化と売 拡大の方 価格への
法
上・収益
影響度合
への影響
の調査・
度の分析
分析
62.2
24.3
32.4
(海外市
場におけ
る)自社
取扱い製
品の競合
商品,価
格水準、
市場規模
等に関す
る分析
自社製品
の優位
性、価格
水準に見
合う製造
工程の改
善等に関
する分析
同業他社
との連
携・提携
による競
争力の強
化
他業種と
の連携・
提携によ
る競争力
の強化
拠点の海
外(参加
11か国の
どこか)で
の設置
生産拠点
の日本国
内への移
転(国内
回帰)
新たな
ルールに
適合させ
るための
社内体制
の変更
その他
8.1
27.0
18.9
5.4
2.7
10.8
16.2
0.0
担当部
署・担当
者の設
置による
TPP関
連情報
の収集と
分析
(海外市
自社製
関税撤
競合する 場におけ
品の優
廃等によ
輸入品 る)自社
新たな
拠点の
生産拠
位性、価 同業他
取扱い
他業種と
ルールに
る原材料
の価格
格水準 社との連
海外販
海外(参 点の日
コストの
水準、市 製品の
の連携・
適合させ
に見合う 携・提携
路の開
加11か 本国内
るための
変化と売
場価格
競合商
提携によ
国のどこ への移
製造工 による競
発・拡大
る競争力
社内体
上・収益
への影 品,価格
の方法
争力の
か)での 転(国内
程の改
の強化
への影
響度合 水準、市
制の変
強化
設置
回帰)
善等に
更
響度の
の調査・ 場規模
関する分
分析
分析
等に関す
析
る分析
その他
大企業(4)
50.0
75.0
25.0
25.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
中堅企業(10)
30.0
70.0
30.0
10.0
0.0
20.0
20.0
0.0
10.0
0.0
10.0
20.0
60.0
20.0
45.0
15.0
35.0
25.0
10.0
0.0
20.0
25.0
0.0
33.3
33.3
33.3
33.3
0.0
33.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
製造業(17)
29.4
58.8
41.2
35.3
11.8
47.1
11.8
11.8
0.0
11.8
5.9
0.0
中小企業(20)
非製造業(20)
25.0
65.0
10.0
30.0
5.0
10.0
25.0
0.0
5.0
10.0
25.0
0.0
市外本社企業(3)
0.0
0.0
(注)無回答は除外して集計しています。また回答数が少ないため、上記数値(%)は参考値となります。
◎報告書掲載 URL
http://www.city.yokohama.lg.jp/keizai/happyou/keikyoureport.html
(掲載予定日:1 月 15 日)
お問合せ先
経済局経済企画課長
佐々田
4/4
賢一
Tel 045-671-2565