第32回南紀短歌大会の結果について[生涯学習課]

報道機関
各位
田辺市中央公民館
館長
鈴木
隆司
第32回南紀短歌大会の結果について
南紀短歌連盟(会長:石井和子)・田辺市中央公民館(館長:鈴木隆司)共催
で「第32回南紀短歌大会」を平成28年1月11日(月・祝)に紀南文化会
館小ホールにて開催いたしました。
当日は、69名の参加があり、入賞者の表彰及び歌会が行われました。
なお、出詠数は131首(131名)で、表彰結果は別紙の通り決まりまし
たので、報道方よろしくお願いします。
事務担当
田辺市中央公民館
(田辺市生涯学習課)廣畑明央
TEL:26-4925 FAX:25-6029
【知事賞】
第三十二回南紀短歌大会
通り雨あがりて出で行く人の群れ停止画像が解かれるやうに
【市長賞】
過疎の村母の生家も閉ざされて真下の川の流るるばかり
【教育委員会賞】
豊かさを見直す勇気ありますか地球市民に突き付けられる
【文化協会長賞】
動かねば気付かぬものをカマキリは陰蔽色に枯木をのぼる
入賞者一覧
白浜町 小山 つたゑ
田辺市 杉本 雅子
白浜町 小倉 三輪子
枯木灘に使ひ切る迄夕焼けを玉子の如く二人して見る
和歌山市 柚木 計枝
美浜町 田端 弘
由良町 二本松 香月
箸箱にうす紅色の箸のこし孫は勤務地札幌に発つ
田辺市 杉本 雅子
【斉藤 斎藤 特選】
過疎の村母の生家も閉ざされて真下の川の流るるばかり
ぴかぴかに雲を磨きて風の去り野に小鳥らの恋歌の満つ
白浜町 小山 つたゑ
和歌山市 松田 容典
【井谷 まさみち 特選】
通り雨あがりて出で行く人の群れ停止画像が解かれるやうに
特選】
白浜町 小倉 三輪子
早苗
豊かさを見直す勇気ありますか地球市民に突き付けられる
【筒井
みかん畑抜け出る電車撮る人のその景ねらう私のカメラ
通り雨あがりて出で行く人の群れ停止画像が解かれるやうに
動かねば気付かぬものをカマキリは陰蔽色に枯木をのぼる
紀の川市 奥澤 典子
白浜町 小山 つたゑ
由良町 二本松 香月
合わせたるグラスの音のかそかにてこの世を去らん順など知れず
雑草に混じるはぶ茶に気を許しはぶ茶畑となりて秋来ぬ
高空を夜駈けて渡る雁の声神は出雲の月は十六夜
田辺 市
田辺 市
田辺 市
和歌 山市
大谷
山本
田ノ岡
榎本
敏恵
裕子
【斉藤 斎藤 入選】
ありのまま泣くみどり児を掬ひあげ柔らかな身の響き共にす
田辺 市
廣畑 明央
博史
レシピ付け帰省の男の子に糠床を託し入院準備整ふ
田辺 市
釣本
光子
検査日は朝食駄目と大書して食い意地強き吾を戒む
子には子の暮しの有るを思いつつ露草さして秋を楽しむ
老い母のごとく枯れゆく里芋を掘ればびっしり子芋孫芋
雑草に混じるはぶ茶に気を許しはぶ茶畑となりて秋来ぬ
和歌山市 野上 恵子
美浜町 浜田 佳世子
和歌山市 廣田 明代
和歌山市 滝本 のぶを
田辺市 榎本 せい子
和代
歳聞かれ「くじゅうにです」首すくめ即座に返す母は百歳
日高町 村田 純子
野入
振り返りはにかむ笑顔束の間で視線はすぐにスマホに戻る
田辺 市
せ い子
夕焼けは百万本のバラの花白い電車がコトコト走る
雨降れば日がな一日家にゐて来る人もなく電話も鳴らず
白浜町 西村 道代
【井谷 まさみち 入選】
軍用機の重油のにほひ一抹の不安を持ちて空港に嗅ぐ
綿菓子は老いゆくわれに今昔の夢しゅわしゅわと泡立てて消ゆ
電線の燕の音符のメロディーの流れゆくなり雨上る空
和歌山市 滝本 のぶを
田辺市 濵口 栄
田辺 市
入選】
老い母のごとく枯れゆく里芋を掘ればびっしり子芋孫芋
和歌山市 久保 みどり
早苗
そこはかと木犀の香のビル街に匂宮は何処におわす
田辺市 野口 初江
【筒井
会話する犬をあなたの椅子に据え朝の食卓「おはよう」の声
橋本市 赤星 靖子
熊野路の蒼穹を抜く大杉の根っこに蟻の行列をなす
老い母のごとく枯れゆく里芋を掘ればびっしり子芋孫芋
田辺市 松本 順子
白浜町 山田 泰生
和歌山市 滝本 のぶを
早苗
こ う い う の タ イ ム ・ ラ グ っ て 言 う の か な 遅 れ て あ な た が 怒 り 出 す こ と
由良町 濵田 順子
選べぬは死いま選べるは生き方と癌病む妹さらりと言へり
白浜町 島 さつき
龍田
台風の余波に騒めく山際の獣防除柵にからむ草刈る
吐き出した抱えきれない憂鬱は花束にして壺に投げ入る
白浜町 藤原 かをる
【連盟賞】
ストーブのあかあか燃ゆるリビングに無言の行のやうなる二人