脇支え歩行 脇支え歩行介助を実現する 歩行介助を実現する 階段昇降 階段昇降支援装置用ハンドル 昇降支援装置用ハンドル Side support handle for stairs walk assistance device 長崎大学 産学官連携戦略本部 准教授( 准教授(作業療法士) 作業療法士) 北島 栄二 1 従来介護とその問題点 • 従来、幅が狭い階段で 歩行介助を行うことは容 易でなかった。 • 容易でない介助のため、 部分介助で歩ける者に 対し、階段での歩行介助 が敬遠されてきたと思わ れる。 2 従来介護とその問題点 軽度の要介護者に見られる衰弱は、その多くが 廃用症候群(※)に起因すると考えることができ る(高齢者リハビリテーションのあるべき方向性、2004)。 ※ 廃用症候群;病気やけがによる 安静を含む不活発さによって全身 または身体の局在に生じる機能 の低下。 疾病 廃用 運動 不足 安静 長期 臥床 図 不活発さから生じる廃用のイメージ 3 開発機器の特徴 • 使用者の自力歩行を支援す る階段昇降支援装置におい て、コンパクトであり、かつ体 幹の安定が得られる新規な ハンドル形状を考案した。 • 階段での「脇支え歩行介助」 を機器として具現化できた。 • 本機器の適用により、階段利 用においても部分介助で歩 ける者が残存機能を活用で きることが期待される。 4 開発機器の特徴 • 使用者が体を預けるハンドル を、逆三角形状(▽)とし、上辺 部に脇を載せて体重を支持 し、斜辺部を掌でグリップする ようにした。 • 斜辺部には昇降のための押 しボタンを設ける。 • 進行方向に対称な形状であ るため、上昇/下降のいずれ にも、切り替え機構なしで対 応できる。 図 脇支え歩行介助を参考にした手すりの形状 5 開発機器の特徴と従来介護との比較 三軸加速度を用いた体幹加速度の計測実験の一例 • 電動手すり(▽形状ハンドル)は、X・Y・Z軸はすべて安定し ており、姿勢の変化は少ないと考えられる。 • 脇支え歩行介助は、X・Y・Z軸はすべて大きく変動しており、 姿勢の変化は大きいと考えられる。 図 ㈱ATR-Promotions製,小型無線多機能センサ(TSND121) 6 開発機器の特徴と先行技術との比較 • 単純な「グリップハンドル」で は体重支持ができない。 • 片肘を支持する「肘載せハン ドル」は、使用者の関節に遊 びがあり、体幹の安定が得に くい。 • 両脇を支持する「U字型ハン ドル」は、幅広になるため健常 者の昇降の妨げになること、 進行方向を切り替える機構 が必要、という問題がある。 肘載せハンドル (特開平9-77443) グリップハンドル (特開平10-338442) U字型ハンドル (特開2002-96987) 7 開発機器の特徴と従来機器との比較 • 電動手すりを製品化・販売を 行っているのは、ドイツに本 社を置くThyssenKrupp Access Solutions である。 同社の製品である Stairwalkerは社会保障制度 の対象として一般家庭へ広く 普及している。 • その手すり形状は馬蹄形で あり、本発明の逆三角形とは 異なる。 図 Stairwalker 8 想定される用途 わが国で既に実用化され ている“いす式階段昇降 機”は、高齢者や障がい 者の階段利用を実現する ため、階段部分に取り付 けられたレールにそって 昇降するリフトである。 9 想定される用途 “いす式階段昇降機”の 利用者は、全介助で車 いすを利用する者から 部分介助で歩ける者ま でと幅広い。言い換えれ ば、部分介助で歩ける 者も、残された機能を全 く発揮せずに、機器を利 用していると言える。 10 想定される用途 • 本機器(▽形状ハンドル)を “いす式階段昇降機”へ活 用すれば、「利用者個々の 残存機能へ細かに応じる」 ことができると考える。 11 実用化に向けた課題 • 現在、ハンドル形状について検証が可能なと ころまで開発済み。しかし実用化に向けて、そ のデザインなどの確立が未解決である。 • 今後、高齢者の階段昇降における体幹バラン スの安定性に関する実験データを取得し、ハ ンドルの効果検証を行っていく。 12 企業への期待 企業への期待 • 本機器(▽形状ハンドル)を、“いす式階段昇 降機”のオプション機能とできないかと考えて いる。 • 既に“いす式階段昇降機”の製造・販売の実 績を持つ、企業との連携を希望。 • また、介護予防分野への展開を考えている企 業には、本機器の導入が有効と思われる。 13 本機器に関する知的財産権 本機器に関する知的財産権 • • • • 発明の名称 :階段昇降用アシスト装置 出願番号 :特願2015-044326 出願人 :長崎大学 発明者 :北島栄二 14 産学連携の 産学連携の経歴 • 2012年• 2012年• 2013年• 2014年• 2014年 • 2014年 • 2015年 文科省 地域イノベーション戦略支援プログラムの開始 信栄工業有限会社と共同研究実施 ㈱サンワと共同研究実施 医療福祉ニーズ発ものづくり促進事業に係る 事業可能性調査に採択 国際福祉機器展 HCR 2014に出展 (公財) LIXIL 住生活財団調査研究助成金に採択 イノベーション・ジャパン2015大学見本市 国際福祉機器展 HCR 2015 西日本国際福祉機器展に出展 15 お問い合 お問い合わせ先 長崎大学 産学官連携戦略本部 知的財産部門 TEL 095-819-2187 FAX 095-819-2189 e-mail [email protected] 16
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