企業経営者 緊急アンケート調査報告 TPPの影響と対応~現下の経済と企業経営~ 2016年1月12日 経済成長フォーラム TPPについて① ・TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の大筋合意(2015年10月5日) を、9割(89.8%)の経営者が、 「評価する」あるいは「ある程度評価す る」と回答。 TPP大筋合意に対する評価 あまり 評価 評価 しない しない 1.7% 8.5% 評価する 32.2% ある程度 評価する 57.6% (SA) n:177 1 © 経済成長フォーラム TPPについて② ・日本にとってのTPPのメリットは、「国内の構造改革が促進される」 (23.0%)が最も多く、「企業の国際的な競争力が高まる」も2割近く (18.5%)を占めた。【2つまで選択】 日本にとってのTPPのメリットに対する認識 0% 5% 10% 15% 20% 25% 国内の構造改革が促進される 23.0% 18.5% 企業の国際的な競争力が高まる 13.6% 輸出が増加する 11.8% 海外市場への参入や投資が増加する 10.0% 輸入品の原材料が安くなる 7.3% 国際的な分業が加速する 7.0% 日中韓や日EUなど他の通商協定の締結が促進される 日本が国際的なルールメイクの主導的立場に立つ 2.7% 訪日客が増加する 2.1% 特に無い 2.1% その他 1.8% (2MA) n: 330 2 © 経済成長フォーラム TPPについて③ ・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする回答 は、5割(45.7%)。 ・自社にとってTPPのメリットが大きい分野は、「関税の撤廃・削減」が 3割(31.2%)で最も多く、次いで「通関手続き等貿易円滑化」が2割 (20.1%)だった 。 【2つまで選択】 自社にとってTPPのメリットが大きい分野 自社にとってのTPPのメリットの有無 0% ない 13.0% 5% 10% 20% 25% ある 10.7% 17.8% 海外投資促進 14.5% 6.7% 知的財産の保護強化 3.7% ビジネス関係者の一時的入国促進 電子商取引の促進 (SA) 原産地規則の完全累積制度実施 その他 n: 177 35% 20.1% 通関手続等貿易円滑化 少しある 35.0% 30% 31.2% 関税の削減・撤廃 特に無い あまりない 41.2% 15% 3.0% 2.2% 0.7% (2MA) n: 269 3 © 経済成長フォーラム TPPについて④ 【クロス集計】 ・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする回答 は、製造業、従業員数5,000人以上の大企業、で顕著だった。 業種別のTPPのメリットの有無 業種 農林水産業 建設業 製造業 情報通信業 運輸業 卸売・小売業 金融業 不動産業 飲食・宿泊業 その他のサービス業 合計 メリット有り 0.0% 0.0% 14.7% 7.7% 25.0% 12.1% 0.0% 0.0% 0.0% 9.5% 11.1% メリット少し有り メリットあまり無い 100.0% 44.4% 37.3% 38.5% 50.0% 33.3% 40.0% 20.0% 40.0% 19.0% 35.1% 0.0% 55.6% 37.3% 38.5% 25.0% 45.5% 60.0% 60.0% 20.0% 42.9% 40.9% (回答数) メリットは無い 0.0% 0.0% 10.7% 15.4% 0.0% 9.1% 0.0% 20.0% 40.0% 28.6% 12.9% 1 9 75 13 4 33 5 5 5 21 従業員規模別のTPPのメリットの有無 従業員数 100人未満 100~299人 300~999人 1,000~4,999人 5,000人以上 合計 メリット有り 23.1% 5.3% 7.7% 7.5% 28.6% 10.7% メリット少し有り 7.7% 26.3% 38.5% 37.5% 52.4% 35.0% メリットあまり無い 46.2% 50.0% 40.0% 47.5% 14.3% 41.2% (回答数) メリットは無い 23.1% 18.4% 13.8% 7.5% 4.8% 13.0% 13 38 65 40 21 4 © 経済成長フォーラム TPPについて⑤ ・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする企業が、 TPP発効後に起こすアクションは、「加盟国市場への参入や投資を増 やす」が2割(19.5%) で最も多く、次いで「加盟国に輸出を増やす」が 15.4%だった。【当てはまるものすべて選択】 TPPが発効したら起こすアクション 【自社にとってTPPはメリットがある(少しある)とする企業が対象】 0% 10% 20% 19.5% 加盟国市場への参入や投資を増やす 15.4% 加盟国に輸出を増やす 14.6% 特に無い TPPを活かすための人材の確保や育成 を強化する 12.2% 11.4% サプライチェーンを再編する 8.1% 経営の多角化を図る 7.3% ITの活用を促進する M&Aを促進する 4.2% その他 4.1% 資金の調達を強化する 30% 3.3% (MA) n: 123 5 © 経済成長フォーラム TPPについて⑥ 【クロス集計】 ・業種別の、TPP発効後の主なアクションは、製造業では「加盟国に輸出 を増やす」が2割(19.2%)、卸売・小売業では「経営の多角化を図る」 が13.6%と比較的多かった。 【当てはまるものすべて選択】 業種 農林水産業 建設業 製造業 情報通信業 運輸業 卸売・小売業 金融業 不動産業 飲食・宿泊業 その他のサービス業 合計 加盟国市場へ TPPを活かすた 加盟国に輸出を サプライチェーン ITの活用を促進 経営の多角化を の参入や投資を め人材の確保や (回答数) 増やす を再編する する 図る 増やす 育成を強化する 0.0% 0.0% 50.0% 0.0% 50.0% 0.0% 0.0% 27.3% 0.0% 9.1% 0.0% 18.2% 19.2% 14.4% 8.7% 1.9% 5.8% 9.6% 0.0% 5.6% 5.6% 27.8% 5.6% 16.7% 0.0% 25.0% 0.0% 12.5% 12.5% 25.0% 11.4% 13.6% 11.4% 4.5% 13.6% 6.8% 0.0% 16.7% 0.0% 16.7% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 20.0% 0.0% 0.0% 20.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 3.7% 11.1% 3.7% 3.7% 7.4% 7.4% 11.3% 13.9% 7.4% 5.7% 7.8% 9.6% 2 11 104 18 8 44 6 5 5 27 6 © 経済成長フォーラム TPPについて⑦ ・今後TPPに加盟してほしい国は、「中国」が最も多く2割弱(18.5%)、 タイ(15.4%)やイン ドネシア(14.7%)とする回答も多かった。 【3つまで選択】 今後TPPに加盟してほしい国 0% 5% 10% 15% 20% 18.5% 中国 15.4% タイ インドネシア 14.7% 12.1% 韓国 10.5% 台湾 9.5% インド 7.6% 特に無い 4.5% フィリピン 3.3% ミャンマー 1.9% ロシア カンボジア ラオス パブアニューギニア 1.2% 0.7% 0.0% (3MA) n: 421 7 © 経済成長フォーラム TPPについて⑧ ・今後、締結を期待するFTA・EPAは、「日中韓FTA」が3割(33.7%)で最も 多く、次いで RCEP(東アジア地域包括的経済連携/29.1%)だった。 今後、締結を期待するFTA・EPA 0% 10% 20% 30% 33.7% 日中韓FTA 29.1% RCEP(東アジア地域包括的経済連携) 23.4% 特に無い 11.4% 日EU・EPA 日GCC(湾岸協力理事会)FTA その他 40% 0.6% 1.7% (SA) n:175 8 © 経済成長フォーラム TPPについて⑨ ・TPPを日本の成長に活かすために、政府が最も優先的に取組むべき政 策分野は、「規制改革」が最も多く(24.2%)、「景気対策」(20.8%)や「農業 改革」(18.1%)への回答も多かった。【2つまで選択】 TPPを日本の成長に活かすために 政府が優先的に取組むべき政策分野 0% 5% 10% 15% 20% 25% 24.2% 規制改革 20.8% 景気対策 12.4% 法人税引下げ 9.1% 地方の活性化 6.0% 中小企業のサポート 26.8% 2位:景気対策 20.9% 3位:法人税引下げ 17.6% 4位:農業改革 10.5% 4.2% 働き方改革 5位:地方の活性化 3.6% 外交・安全保障政策 その他 1位:規制改革 18.1% 農業改革 特に無い 30% 【クロス集計結果】 TPPが自社にとって「メリットが ある(または「少しある」)」と回答 した企業が求める政策分野 9.2% 1.2% 0.3% (2MA) 9 n: 331 © 経済成長フォーラム 日本経済について① ・今後5年間の実質経済成長率を「2%以上」と見込む企業は5.2%で、前 回調査(2015年5月調査)を3.1ポイント下回った。 経済成長率を2%以上と見込む回答率の推移 60% 50% 40% 55.1% 「名目2%以上」 の回答率 49.4% 43.2% 42.6% 37.9% 27.4% 30% 20% 10% 19.0% 13.7% 14.6% 「実質2%以上」 5.5% 12.8% 7.9% 8.3% の回答率 5.2% 0% 2012年 2013年 2013年 2014年 2014年 2015年 今回調査 11月調査 4月調査 11月調査 5月調査 11月調査 5月調査 名目:n 175 実質:n 174 ※「2%以上」:「2~3%未満」・「3~4%未満」・「4%以上」を合算 10 © 経済成長フォーラム 日本経済について② ・景気の実感については、「横ばいである」が7割(71.2%)を占めており、 次いで「悪い方向に向かっている」が2割(17.5%)、「良い方向に向か っている」が1割(11.3%)だった。 景気の実感 良い方向に 向かっている 11.3% 悪い方向に向 かっている 17.5% 横ばいで ある 71.2% (SA) n: 177 11 © 経済成長フォーラム 自社の経営について① ・自社の今後5年間の年平均成長目標を「4%以上」とする企業が、単 独ベース(42.8%)・ 連結ベース(48.4%)ともに4割超を占め最多だっ た。 今後5年間の自社の成長目標 (連結売上高ベース) 今後5年間の自社の成長目標 (単独売上高ベース) (%) 0% 0%未満 0~1%未満 1~2%未満 10% 20% 40% 50% 6.6% 0% 0%未満 9.6% 0~1%未満 12.0% 1~2%未満 19.9% 2~3%未満 3~4%未満 30% (%) 2~3%未満 9.0% 3~4%未満 42.8% (SA) n: 166 20% 30% 40% 50% 60% 5.0% 8.7% 11.8% 16.1% 9.9% (SA) (SA) 4%以上 10% 4%以上 48.4% (SA) n: 161 12 © 経済成長フォーラム 自社の経営について② ・半数(55.5%)の企業は、自社の成長目標の達成見通しが半年前と 「変わらない」と回答。「良くなっている」とする企業(19.1%)は、2015年 5月調査から1割落ち込み、1年前の調査とほぼ同水準となった。 自社の成長目標を達成する見通し <半年前(2015年5月)と比較して> 自社の成長目標を達成する見通し 「良くなっている」とする回答の推移 分から ない 2.9% <半年前と比較して> 良くなっ ている 19.1% 60% 54.0% 50% 41.3% 40% 変わらない 55.5% 悪くなっ ている 22.5% 41.7% 30.2% 30% 20% 20.8% 17.1% 19.1% 10% 0% (SA) n: 173 2012年 11月調査 2013年 4月調査 2013年 11月調査 2014年 5月調査 2014年 11月調査 2015年 5月調査 今回調査 13 © 経済成長フォーラム 調査実施概要 実施時期 2015年11月16日~11月30日 ※回答企業属性 ①業種分布 n % n % 農林水産業 1 0.6 金融業 5 2.8 建設業 9 5.1 不動産業 5 2.8 製造業 76 42.9 飲食・宿泊業 5 2.8 情報通信業 13 7.3 その他のサービス業 21 11.9 運輸業 4 2.3 上記以外の業種 5 2.8 卸売・小売業 33 18.6 業種名 調査対象 上場企業及び日本生産性本部 会員企業の経営者(3,875人) 有効回答 183人 (回収率4.7%) <お問合せ先> ②規模(従業員数)分布 n % 従業員規模 n % 100人未満 13 7.3 1,000人~4,999人 40 22.5 100~299人 38 21.3 5,000人以上 22 12.4 300人~999人 65 36.5 従業員規模 経済成長フォーラム事務局 公益財団法人 日本生産性本部 公共政策部 内山 Tel:03-3409-1137 Fax:03-3409-2810 業種名 ※いずれも無回答を除く 14 © 経済成長フォーラム
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