第7次河北町総合計画 後 期 基 本 計 画 <2016(平成 28)年度~2020(平成 32)年度> (案) 雛とべに花の里 人輝き ひらく未来 平成 27 年 12 月 山形県河北町 目 次 第7次河北町総合計画 Ⅰ 前期基本計画の成果と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅱ 後期基本計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 第1章 自然と調和する住みやすい町 ・・・・・・・・・・・・・・・・14 第2章 安心して子育てができる町 ・・・・・・・・・・・・・・・・・20 第3章 交流が生み出す活力のある町 ・・・・・・・・・・・・・・・・29 第4章 歴史に学び次代を育む町 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 第5章 みんなでつくる魅力あふれる町 ・・・・・・・・・・・・・・・44 前期基本計画の成果と課題 私たちを取り巻く社会情勢がめまぐるしく変化する時代に対応し、町民一人 ひとりが安全・安心で暮らしやすく、活力あふれるまちを実現するため、町民 と地域と行政が共に目指す町の将来像を「雛とべに花の里 人輝き ひらく未来」 とし、それを実現するために第7次河北町総合計画を策定しました。 第7次河北町総合計画の計画期間は、2011年度(平成23年度)から2020年度 (平成32年度)となっており、後期5カ年の基本計画を策定するにあたり、前 期5カ年における成果と課題の概要を確認するものです。 第1章 自然と調和する住みやすい町 第1節 土地利用計画 【成果】 2010 年度(平成 22 年度)に策定された第7次河北町総合計画に基づき、河 北町国土利用計画第4次計画(2011 年度(平成 23 年度)~2020 年度(平成 32 年度))を 2011 年度(平成 23 年度)に策定しました。河北町国土利用計 画第4次計画に基づき、総合的で計画的な土地利用を推進しています。 【課題】 河北町国土利用計画第4次計画に基づき、農用地については多面的機能の 促進と優良農用地の保全、森林地域については森林の育成・保護・保全、河 川地域については自然環境などに配慮しながら水辺空間の活用に努めていく 必要があります。 都市計画区域については、2016 年度(平成 28 年度)に都市計画マスタープ ラン(2017 年度(平成 29 年度)~2036 年度(平成 48 年度))を策定します。 第2節 住みやすい生活環境づくり 【成果】 国・県道の整備について、国道 287 号の四車線化は要望を継続しており、同 じく国道 287 号の自転車歩行者用道路については、整備が進んでいます。県道 天童河北線のバイパス化については、松橋地区内の拡張工事が完了しています。 また、主要地方道寒河江村山線の三泉~要害間の歩道整備については工事が進 んでいます。 町道の整備では、「河北町創造・発展計画」(2001 年度(平成 13 年度)~ 2010 年度(平成 22 年度))から継続の溝延杉の下線、下馬坂線、上沢畑線、 -1- 吉田弥勒寺線を完成させたほか、高関下野線、要害月山堂線に着手しました。 交通輸送体系として、町営バスについては、路線の見直しや 75 歳以上高齢 者の料金を 100 円にするなどにより利用促進を図りました。また、山形空港に ついては、県や近隣市町などとの連携により、利用促進を図り、2014 年(平 成 26 年)3月からは東京便の2往復化とともに名古屋便の運行が再開しまし た。 公共下水道については、1988 年(昭和 63 年)の供用開始以来、その処理区 域の拡大に努め、岩根上、笹本、白山堂、中島、畑中、造山、溝延6区、7区、 8区地区などが新たに供用区域となりました。 定住促進については、持家住宅促進事業や転入者定住支援事業を導入し、 2014 年(平成 26 年度)には谷地保育所の跡地を活用したまちなか定住支援事 業により分譲を開始しました。 環境保全については、第2次雛とべに花の里環境基本計画(2014 年度(平 成 26 年度)~2023 年度(平成 35 年度))を策定しました。また、ごみ収集 所整備補助や太陽光発電設備設置補助を行いました。太陽光発電設備設置補 助については、2015 年度(平成 27 年度)から家庭用のみならず町内事業所も 対象となりました。 【課題】 国・県道について、未採択のものについては早期着工に向け要望活動を推 進し、町道については計画的な整備に努める必要があります。 交通輸送体系については、高等学校通学における隣接市へのアクセスにつ いて検討していく必要があります。また、山形空港については、路線運航の 充実のため、利用促進を図る必要があります。 下水道については、今後も計画的な整備に努めていく必要があります。 定住促進については、新たな宅地開発について検討するとともに、空き家 活用について推進する必要があります。移住・定住に関する総合的な相談窓 口を設置し、一元的な総合相談及び情報発信、ホームページによる情報発信 強化に努め、移住・定住の促進を図る必要があります。また、結婚活動につ いては、広域連携を含め支援する必要があります。 環境保全については、河北町環境基本条例(平成 14 年条例第2号)第8条 の規定により定められた第2次雛とべに花の里環境基本計画に基づき、町の 良好な環境の保全などに関する施策を総合的かつ計画的に推進していく必要 があります。 第3節 【成果】 自然と共生した都市環境づくり -2- ひなの湯東公園整備事業、最上川の堤防に桜を植栽する桜堤整備事業、紅 花資料館周辺を整備するまちづくり交付金事業が完了しました。 平成 16 年度から平成 23 年度まで実施されたまちづくり交付金事業では、地 域交流を図るため、案内板やどんがホールなど拠点となる施設を整備しました。 沢畑地区では、歴史的街なみの形成を図るため、紅花資料館を中心とした修景 地整備や道路の美装化など景観に配慮し整備をしました。 【課題】 公園・緑地については、適正な維持管理に努めていく必要があります。 河川については、最上川(谷地橋上流左岸、河北橋下流左岸)築堤治水工 事について国への要望活動を推進していく必要があります。また、きれいな 川事業を継続し、河川環境美化を推進する必要があります。 景観形成については、美しいまちなみ景観条例(平成4年条例第6号)に 基づき、町の歴史性及び地域性豊かな建築物などを保存するとともに、美し いまちなみ景観形成を推進する必要があります。 第2章 安心して子育てができる町 第1節 互いに支え合う福祉体制づくり 【成果】 児童福祉については老朽化が目立ち始めた公立の保育所・幼稚園を民設民 営の認定こども園として整備しました。一つ目は「かほく あい こども園」 として平成 25 年度に開園、二つ目の「ひなのこども園」は 2016 年(平成 28 年)4月に開園予定です。どちらの認定こども園にも、町が運営する子育て 支援センターと病後児保育施設が併設されます。また、子ども・子育て支援 新制度が 2015 年(平成 27 年)4月から施行されています。さらに、経済的 負担の軽減として、中学生までの医療費完全無料化を実施しています。 高齢者福祉については、救急医療情報キットの配布や「無事かえる」支援 事業を新たに実施し、独居・高齢者のみの世帯や、認知症高齢者を介護する 家族に対する支援の強化を図っています。 心身障がい(児)者福祉については、障がい者の日常生活を支援する地域生 活事業において、特別支援学校に通う児童・生徒の通学を支援するなどニーズ にあった事業を実施しています。 また、障がいのある児童・生徒が、授業終了後や休業日においても適切な訓 練などを受けられるよう支援を行なっています。 障がいのある方への支援については、町内に新たな事業所が増え、生産活動 -3- の機会の提供や就労に向けての訓練などを行なっています。 【課題】 地域福祉については、第2期河北町地域福祉計画(2012 年度(平成 24 年度) ~2016 年度(平成 28 年度))に基づき、地域、事業者及び行政がそれぞれの 役割のもとに協力連携しながら地域社会を基盤とした地域福祉を推進する必 要があります。 児童福祉については、子ども・子育て支援事業計画(2015 年度(平成 27 年 度)~2019 年度(平成 31 年度))に基づき、各種施策の充実を図る必要があ ります。子育てに関する経済的負担の軽減として、中学生までの医療費完全 無料化や児童手当の継続が必要となります。子育て世代の女性が働きやすい 環境整備として、放課後児童クラブ事業や病後児保育事業、子育て支援セン ター運営事業などの推進、また、育児休業制度について企業への周知に努め る必要があります。 高齢者福祉について、国では、団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年(平成 37 年度)を目途に重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい 暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・ 生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築する必要があり ます。町としても、急速に進む高齢化に対応していくため、地域包括ケアシス テムを構築していく必要があります。 心身障がい(児)者福祉については、障害者総合支援法に基づく障害福祉サー ビスの円滑な運営を図るとともに、障がい者が自宅や地域で安心して生活でき るよう、より一層ニーズにあった事業の充実を図る必要があります。 ひとり親福祉については、国の制度の支援に加え町単独での家賃補助を継続 して支援していく必要があります。 第2節 健康で明るい暮らし 【成果】 心身ともに健康で暮らせる健康寿命を延伸し「健康で明るい暮らし」を実 現するため、2013 年(平成 25 年)3月に第2次健康かほく21行動計画(2013 年度(平成 25 年度)~2022 年度(平成 34 年度))を策定しました。この中 で、健康寿命の延伸・生活習慣病予防などに取り組んでいます。 介護保険については、2015 年(平成 27 年)3月に第6期河北町介護保険事 業計画(2015 年度(平成 27 年度)~2017 年度(平成 29 年度))を策定し、 計画的な介護保険事業の運営に努めています。 【課題】 健康づくりについては、第2次健康かほく21行動計画に基づき、町民が一 -4- 体となった健康づくりへの意識の向上を図るとともに、2016 年度(平成 28 年 度)にオープンの町民プールを活用し、あわせて、健康マイレージ事業に取り 組み、健康寿命の延伸のための事業を推進する必要があります。 地域保健体制の充実については、疾病・生活習慣病対策を図るため、予防対 策の推進と各種健康診査の充実、乳幼児や高齢者の定期予防接種の接種率の向 上を図る必要があります。 医療については、2015 年(平成 27 年)4月から県立河北病院の医療機能の 見直しが行われ、救急医療体制の強化・緩和ケア病棟の開設・地域包括ケア病 棟の開設など地域拠点病院として充実が図られており、今後も住民が安心して 医療を受けられるよう、協力支援体制を推進する必要があります。 介護保険については、第6期河北町介護保険事業計画に基づき、介護サービ スの基盤の充実、介護予防の推進、介護保険財政の健全化を図る必要がありま す。 国民健康保険については、医療費の効率的な支出に努め、保険財政の健全化 を図る必要があります。また、2018 年度(平成 30 年度)から県と市町村との 共同運営となるため、円滑な実施と運用に向けて、情報を収集し、滞りなく進 めていく必要があります。 第3節 安心な暮らし 【成果】 消防・防災機能の強化のため、消防ポンプ車、防火水槽及び消火栓の計画 的な整備を行ってきました。また、2013 年度(平成 25 年度)には防災行政無 線、防災備蓄倉庫を整備しました。 交通安全については、第9次河北町交通安全計画(2011 年度(平成 23 年度) ~2015 年度(平成 27 年度))に基づき、交通安全施設の整備充実に努めたほ か、交通安全専門指導員、交通安全指導員による交通安全の指導と啓蒙につ いて継続的に取り組んでいます。 上水道については、災害に強い水道施設として計画的な配水管などの整備 を行うとともに、2014 年度(平成 26 年度)から、治部橋地内に新たな水源地 の整備に着手しています。 【課題】 消防・防災については、消防力の強化として、小型動力ポンプや小型動力 ポンプ積載車などを逐次、更新・追加配置するとともに、防火水槽及び消火 栓の適正配置を計画的に促進する必要があります。また、河川砂防情報シス テムの有効利用により、洪水や水害対策などを図る必要があります。 自主防災については、組織の充実を図り、予防消防や防災訓練への取り組 -5- みを強化し、町民の防災意識の高揚を図る必要があります。 交通安全については、2020 年度(平成 32 年度)を目標とした第 10 次河北 町交通安全計画を策定し、引き続き交通安全施設の整備充実に努める必要が あります。 第3章 交流が生み出す活力のある町 第1節 活力ある農林水産業 【成果】 農業の持続的発展と農地の持つ多面的機能の発揮、農村環境の質的向上 を図ることを目的として 2007 年度(平成 19 年度)から実施した農地・水・ 環境保全対策事業が、2011 年度(平成 23 年度)からは農地・水保全管理支払 交付金事業、2014 年度(平成 26 年度)からは多面的機能支払交付金事業とし て継続しています。また、地域営農の発展と効率的・安定的な経営が実現で きる体制整備を支援した結果、集落営農組合から農事組合法人3団体へ移行 することができました。一方、担い手となる新規就農者に対する支援のため、 青年就農給付金事業を 2012 年度(平成 24 年度)から開始しました。 作物ごとの取組方針や産地交付金の活用方法については、河北町農業再生協 議会水田フル活用ビジョンにより示されています。 観光農業の推進のため、2012 年度(平成 24 年度)に設立された河北町観光 農業体験推進協議会を中心に、農業者との連携や農産物の商品販売などに取り 組んでいます。 6次産業化への取組みについては、2013 年度(平成 25 年度)に6次産業係 を政策推進課内に設置し、新ブランド野菜販路拡大支援事業を展開しています。 林業の振興については、2005 年度(平成 17 年度)に着手した林道両所線が 2014 年度(平成 26 年度)に完成しました。また、森林保全のため、松くい虫 防除などにも努めました。 【課題】 農業委員会制度が 2015 年度(平成 27 年度)に見直され、農業委員の選出 方法が変更されたほか、各地域において農地利用最適化推進委員による農用 地利用の最適化を推進する必要があります。 農業の振興については、多面的機能支払交付金事業を活用し、農地や農業用 施設を保全・管理するとともに、河北町農業再生協議会水田フル活用ビジョン により作物ごとに取り組みを強化する必要があります。また、安定した所得と 担い手・新規就農者の確保のため、通年農業を推進する必要があります。 -6- 担い手農家及び新規就農者の育成については、農地の面的集積を図り、青年 就農給付金事業の継続により支援していく必要があります。 6次産業化の推進として、特に、イタリア野菜や秘伝豆などの販路拡大、加 工体制の確立に努める必要があります。また、整備が予定されている産直施設 へ支援が必要とされています。 第2節 創造性のある工業の振興 【成果】 立地企業の支援を図るため、産業立地促進資金貸付金を継続するとともに、 特に、花ノ木工業団地への企業立地を促進するため、町独自で用地取得や操 業に対して補助する企業立地等促進事業に取り組んでいます。 また、町内から新規雇用した町内企業や新規学卒者の就職支援として雇用 促進などの事業に取り組んでいます。 【課題】 工業の振興については、花ノ木工業団地への企業誘致を積極的に推進するた め、町独自の優遇策措置を図り、企業の育成・支援として、技術革新や情報化 に対応した設備投資に対する支援、特に町内企業、町内就職者支援として雇用 促進補助金を継続していく必要があります。 第3節 魅力ある商業の形成 【成果】 町内の農産物などの地域資源を活用し、生産・加工・流通するため、農商 工連携による新たなビジネスの構築を展開する農商工連携推進事業に変わり、 平成 27 年度からは、農商工連携による特産品や観光資源の開発など、消費者 ニーズを踏まえた小規模事業者の創業を支援する活力と魅力ある産業・起業 支援事業に取り組んでいます。 また、町内の消費拡大や商業活性化を図るため、2011・2012・2014・2015 年度(平成 23・24・26・27 年度)にプレミアム商品券の発行に対し支援して います。 【課題】 商工会や商業経営指導機関との連携を強化し、消費者のニーズに応えられ る商業の振興に努める必要があります。また、地域経済を活性化するため、 地域資源を活用した農林水産業、商業、工業及び観光の連携に努める必要が あります。 -7- 第4節 特色ある観光の活性化 【成果】 谷地どんがまつりについて、祭りの推進のため、提灯屋台や囃子屋台への 補助、加えて、2007 年(平成 19 年)から開催されている全国奴まつりに対し 支援しています。 町の食文化のひとつである冷たい肉そばを全国に発信するため、2011 年(平 成 23 年)に特定非営利活動法人かほく冷たい肉そば研究会が設立され、B- 1 グランプリ出展に対する支援などに取り組んでいます。 【課題】 紅花資料館を観光の拠点施設として位置付け、町内の資源を活用した観光 ルート、村山管内広域観光ルート、1 年を通した観光ルートの開発を推進する 必要があります。また、ひなの宿や産直施設、体験農業を活用し、交流人口 の拡大を図る必要があります。 第4章 歴史に学び次代を育む町 第1節 「生きる力」を育む学校教育 【成果】 幼児教育では、私立幼稚園の保育料に対する支援として幼稚園就園奨励費 補助や2人以上入園している場合に対する支援として私立幼稚園子育て支援 事業に取り組んでいます。公立幼稚園については、2016 年(平成 28 年)4月 に町における二つ目の認定こども園「ひなのこども園」の開園に伴い閉園さ れ、その円滑な移行について努めています。 小・中学校教育では、校舎の維持補修や耐震工事を計画的に進めています。 また、特色ある学校づくり教育を継続的に取り組んでいるほか、児童生徒・ 保護者・教師に対しての相談体制の充実を図り、不登校などの改善、問題行 動の防止、早期発見などを目的として、スクールカウンセラーや教育相談員 の配置、適応指導教室の設置を継続的に取り組んでいます。 学校給食については、2006 年度(平成 18 年度)から調理業務を委託し、計 画的な設備改修を行い、地産地消に積極的に取り組み、安全で安心な給食の 実施に努めています。 【課題】 幼児教育については、公立幼稚園を廃止し認定こども園に移行した後も町 民の多様なニーズに対応した地域の幼児教育の推進に努める必要があります。 -8- また、幼稚園、認定こども園と小学校の連携を強化し、相互理解を深める必 要があります。 小・中学校については、校舎の維持補修や危険防止のための改修工事など を計画的に推進する必要があります。特色ある学校教育活動を継続し、各地 域の実態に応じた教育の充実に努める必要があります。また、地域の方々の 協力を得ながら、地域の自然を学習し、自ら育てる体験の実践により地域の 自然に関する学習の充実、町内企業での勤労体験など生産の喜びと感動を体 験する学習の充実を図る必要があります。 児童数の減少に伴い、地域の実態や状況の変化に対応した学区再編について 検討する必要があります。 高等学校教育については、谷地高等学校後援会を支援し、県立谷地高等学校 の教育環境の整備を支援していく必要があります。 学校給食については、栄養のバランスがとれた給食の実施を図るとともに、 アレルギー疾患に対する取り組みに努める必要があります。また、地元産の食 材を積極的に取り入れ、新鮮で安全、安心な給食の実施に努める必要がありま す。 今後、国際化の一層の進展が予想される中、異なる文化を持つ人々を理解 し、活躍できる人材を育てることが重要となります。そこで、幼児から外国 語教育に取り組み、外国語の習得や普及に努める必要があります。 第2節 生きがいに満ちた生涯学習 【成果】 2010 年度(平成 22 年度)に開校したかほく町民大学「ひなカレッジ」につ いて、運営に対する支援を継続して取り組んでいます。また、毎月第3日曜 日を「家庭の日」とし、防災無線を活用した、啓発・広報活動に取り組んで います。 中央図書館については、2007 年度(平成 19 年度)から指定管理者制度を導 入し、住民サービスの向上と経費の削減に努めるとともに、計画的な蔵書に取 り組んでいます。 また、読書活動については、2014 年度(平成 26 年度)に河北町子どもの読 書活動推進計画を策定し、家庭・地域・学校を通じた社会全体での子どもの読 書活動の推進や子どもが読書に親しむ機会の提供、子どもの読書活動に対する 理解啓発・情報の発信などに取り組んでいます。 サハトべに花の全天周劇場を改修し、2015 年(平成 27 年)7月からプラネ タリウムや全天周映像などを上映しています。 【課題】 -9- 生涯学習については、ひなカレッジの充実、青少年活動を充実するための 環境整備などに努める必要があります。 公民館活動については、人材銀行に登録される人材発掘の推進とその活用 について推進する必要があります。また、各地区公民館の施設整備と管理運 営体制の充実を図り、自治公民館の建設・整備を支援する必要があります。 中央図書館については、蔵書の充実を図るとともに、郷土資料や紅花関連 資料の収集と設置スペースを確保する必要があります。また、河北町子ども の読書活動推進計画に基づき、児童の読書意欲を高め読書推進活動に努める 必要があります。 第3節 個性豊かな文化 【成果】 サハトべに花を核とし、文化活動の充実、芸術団体の育成と活性化に努め、 芸術文化活動を発表する町民文化祭などを推進しています。 2014 年(平成 26 年)の町制施行 60 周年を記念し、町制施行 60 周年記念誌 や 2005 年(平成 17 年)から 100 回シリーズで広報に掲載された「河北町の 名所・旧跡」を再編集・再構成した冊子を発刊しました。 【課題】 芸術文化については、芸術文化活動の成果を発表する場である自主的な町 民文化祭などを継続して推進する必要があります。また、地域の祭りや郷土 芸能の承継・保存と地域の発展を図るため、伝統文化などの継承を通じて地 域の活性化に寄与する団体に対し支援する必要があります。 町史編さんについては、町に残る史料を調査、収集し、史料集の計画的な 発刊に努める必要があります。 第4節 活力のある生涯スポーツ 【成果】 2009 年(平成 21 年)に設立された総合型地域スポーツクラブの運営の支援 について、継続的に取り組んできました。 老朽化した町民プールについて、2015 年度(平成 27 年度)から新築工事に 着手し、50 メートル8コースの屋外プール、幼児プール、屋内プールを備え た新町民プールが 2016 年度(平成 28 年度)にオープンする予定です。 【課題】 既存スポーツ施設の充実及び整備に努め、施設の活用を図る必要がありま す。また、生涯にわたりスポーツに親しむことができる地域社会の形成のた め、総合型地域スポーツクラブの運営を支援する必要があります。 - 10 - 第5章 みんなでつくる魅力あふれる町 第1節 町民、地域(事業者)、行政が一体となった協働のまちづくり 【成果】 広報・広聴事業については、広報かほくの発行や町長と語る日、町のホーム ページやべに花メールなど継続して取り組んでいます。2012 年(平成 24 年) からは、議会中継システムを導入しています。 協働のまちづくりとして、各区を対象に地域での相互支援体制や防災活動 の強化などを目的とした地域振興総合交付金事業、町内における活動団体な どが独自に、又は他の団体などと協働で行うまちづくり活動を実施する経費 に対して補助を行う協働のまちづくり活動支援事業費補助金について継続し て取り組んでいます。 地域間交流では、徳島県藍住町、宮城県石巻市との友好都市交流を行って います。宮城県石巻市とは、2011 年(平成 23 年)3月 11 日の東日本大震災 後 2012 年度(平成 24 年度)から被災者支援として、さくらんぼ狩りや谷地 どんがまつりへの招待に取り組んできました。徳島県藍住町とは、2012 年(平 成 24 年)に町民号(40 人)、2014 年(平成 26 年)の町制施行 60 周年を記念 した町民号(44 人)を派遣し交流を深めています。 【課題】 町民総参加によるまちづくりについて、広報・広聴事業については、広報 かほくのほかホームページなども有効に活用し、情報の提供に努める必要が あります。協働のまちづくりについては、地域振興総合交付金事業、協働の まちづくり活動支援事業を継続的に行う必要があります。また、NPO法人 やボランティア団体の育成、支援のほか、町と連携した事業の推進に努める 必要があります。 男女共同参画については、河北町男女共同参画計画(2014 年度(平成 26 年 度)~2018 年度(平成 30 年度) )に基づき、各種委員会における女性比率を 高め、女性の個性と能力を発揮できる社会づくりを推進する必要があります。 地域間交流については、友好都市である徳島県藍住町、宮城県石巻市との交 流を継続していく必要があります。国際交流については、国際交流協会の活動 を支援する必要があります。また、すべての町民の年齢段階に応じた学習機会 や情報を提供するとともに、特に、外国語に慣れ親しみ、日常会話ができる町 民を増やすべく、外国語の習得や普及に努める必要があります。 - 11 - 第2節 雛とべに花の里づくり 【成果】 町の中心部にあるどんがホールについて、2007 年度(平成 19 年度)から指 定管理者制度を導入し、活力ある中心市街地の活動に取り組んでいます。 べに花の里づくりについては、修景地の整備や種子の全戸配布などによ り紅花栽培の推進に取り組んできました。また、紅花資料館の充実を図るた め、べに染め体験の受け入れ促進、2013 年度(平成 25 年度)には等身大雛人 形の設置や物産展示休息施設の改修を行いました。 【課題】 「雛」と「紅花」にこだわった個性的で魅力あるまちづくりを推進するた め、これまでの伝統を継承しつつ、町の新たな魅力を発掘していく必要があ ります。特に、「雛」と「紅花」の歴史的背景を、ほかとの差別化により、 河北ブランドとしての発信に努める必要があります。紅染め体験やさくらん ぼなどの観光農園をはじめとする体験観光施設への受け入れを促進し、都市 部とのさらなる交流により交流人口の拡大を図る必要があります。また、紅 花修景地の整備のため、連作障害の克服に努める必要があります。 第3節 健全な行政、財政の確立 【成果】 行財政改革については、厳しさを増す財政状況の中、3 カ年計画のローリン グ方式による財政計画のなかで一体的に取り組んでいます。 町税については適正かつ公平な課税に努めており、2012 年度 (平成 24 年度) から入湯税を導入しています。 2008 年度(平成 20 年度)から始まったふるさと応援寄附については、2014 年(平成 26 年)7 月から、河北町観光農業体験推進協議会と連携し、寄附に 対する返礼品を金額に応じて町の農作物などの特産品としたところ寄附者数、 寄附金額も大幅に増加しました。 行政の情報化については、導入しているシステムにおける個人情報の適正 な管理と保護について取り組んできました。また、2016 年(平成 28 年)1月 から利用が始まる社会保障・税番号制度について、適正かつ遅延のないよう システム整備、事務手続などに取り組んでいます。 【課題】 行政改革については、行政事務の合理化や事務の見直しなどを実施し、行 政運営の適正化に努める必要があります。 また、複雑高度化、多様化する行政ニーズに対応するため、人事評価制度を - 12 - 導入することにより、組織全体の士気高揚と公務能率の向上、高い能力をもっ た職員を育成するとともに、目標管理を的確に行い、住民サービスの向上を図 る必要があります。 役場庁舎の整備については、外部有識者などを加えた検討機関を設置し、 具体的な検討を進めます。 財政改革については、公共施設などの全体の状況を把握し、長期的な視点 から更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うため、公共施設などの管理 計画を策定する必要があります。財政の透明性を高め、町民に対する説明責 任を適切に果たし、財政の効率化及び適正化を図るため、統一的な基準によ る地方公会計を実施する必要があります。 町税については、適正かつ公平な課税に努め、収納率の向上に努める必要 があります。 ふるさと応援寄付制度を推進し、より魅力あるまちづくりに努めます。 行政の情報化については、町のホームページを充実し、行政情報をより多 く提供しながら町民との情報の共有化を図る必要があります。また、社会保 障・税番号制度の導入に伴い、個人番号カードの普及に努めていきます。 - 13 - 後期基本計画 第1章 自然と調和する住みやすい町 第1節 土地利用計画 1 計画的な土地利用 現状と課題 町の面積は 52.45 ㎢であり、その約 40%が農用地、約 27%が森林、約 9%が 宅地となっています。 土地利用については、河北町国土利用計画を基本に、農業振興地域整備計画、 都市計画及び森林整備計画の適正な管理を行い、自然環境や景観に配慮した総 合的かつ計画的な利用が求められます。 農用地については、耕作放棄地の拡大が懸念されています。食料の安定供給、 農用地の多面的機能の活用のため、耕作放棄地の解消と発生防止を図り、優良 農用地の保全を図る必要があります。 森林については、災害防止、水源かん養などの公益機能を担っており、適正 な森林育成に努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 土地利用の構想 ア 農用地域 (ア) 食料自給率向上を図るための農用地の確保と条件整備を推進します。 (イ) 農用地の多面的機能を促進し、耕作放棄地の解消・抑制と優良農用 地の保全に努めます。 イ 森林地域と河川地域 (ア) 森林による町土保全、水源かん養、保養休養、自然環境保全など、 森林の公益機能の充実に努めます。 (イ) 河川地域の豊かな水辺空間の活用を推進します。 ウ 都市計画区域 (ア) 第2次都市計画マスタープランを 2016 年度(平成 28 年度)に策定し ます。 (イ) 新たな宅地需要については、未利用地への誘導や活用可能性を調査 検討し、需要に応じた適正規模の宅地供給を促進します。 (ウ) 用途地域の未利用地(農振白地を含む。 )の活用について調査検討し ます。 - 14 - (エ) 幹線道路沿線における土地については、農業用土地利用と調整を図 りながら、有効な活用を推進します。 第2節 住みやすい生活環境づくり 1 道路 現状と課題 町の道路は、国道2路線、主要地方道1路線、一般県道5路線、町道 353 路 線によって体系づけられています。 日常生活や流通における利便性向上のための道路を整備するとともに、歩行 者・自転車の交通安全対策を促進する必要があります。 また、橋梁をはじめとした道路施設の長寿命化を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 高速交通体系の整備 ア 山形自動車道の四車線化を促進します。 イ 東北中央自動車道の整備を促進します。 ⑵ 国道、県道の整備 ア 国道 287 号の四車線化を推進します。 イ 国道 48 号、国道 112 号、国道 287 号(山形中央横断道路)の高規格道路 としての整備運動を促進します。 ウ 田井橋再架橋を推進します。 エ 県道天童河北線バイパス化(下野)を促進します。 オ 国道 287 号(西里)をはじめ、自転車歩行者用道路の整備を促進します。 カ 主要地方道寒河江村山線の下槙~要害間の自歩道整備を促進します。 キ 県道湯野沢寒河江線(沢畑)をはじめ、歩道整備を促進します。 ク 町道の県道昇格を推進します。 ⑶ 町道の整備 ア 隣接市や国、県道を結ぶ主要道路や橋梁の計画的な整備を図ります。 イ 道路施設の長寿命化のため、年次的な修繕計画に基づき整備を図ります。 ウ 白山堂両所線をはじめ、町道整備を推進します。 エ 歩行者安全対策のため、歩道のバリアフリー化や事故多発の交差点改良 に努めます。 オ 集落道の狭あい道路解消に努めます。 - 15 - 2 交通輸送体系 現状と課題 高齢化の進展に伴い、交通弱者の増加が見込まれるため、町内を循環する町 営バス利用を推進する必要があります。 また、周辺駅などへの交通アクセスについて検討する必要があります。 交流圏、経済圏を拡大させるため、山形空港発着の各路線の利用率の向上を 目指し、航空便を充実させる必要があります。また、山形新幹線が発着する近 隣駅までの交通アクセス強化を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 町営バス利用推進に努めます。 ⑵ 周辺駅などへの交通アクセスの充実を図ります。 ⑶ バス利用の推進を図り、各路線バスの維持に努めます。 ⑷ 山形空港における路線運航の充実を図ります。 ⑸ 山形新幹線の到着時刻にあわせ、さくらんぼ東根駅までの公共的交通機関 の充実に努めます。 ⑹ 仙台市への交通アクセス強化に努めます。 3 下水道 現状と課題 町の公共下水道事業は、1980 年(昭和 55 年)に着手、1988 年(昭和 63 年) に供用を開始しました。2015 年(平成 27 年)3月末までの整備面積は 537.5ha、 処理人口普及率が 78.5%、水洗化率(人口比)が 81.4%となっています。 今後も住みやすい生活環境づくりのため、下水道事業認可区域内の汚水管路 整備を促進し、普及率の向上を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 公共下水道事業計画に基づき、処理区域の整備を促進します。 ⑵ 農業集落排水及び公共下水道の健全な経営のため、適正な料金設定、下水 道接続率の向上に努めます。 ⑶ 水洗化を積極的に推進するため、排水設備等設置改造資金利子補給の有効 活用や融資のあっせんなどにより普及促進に努めます。 ⑷ 合併処理浄化槽の整備を図るため、合併処理浄化槽設置整備事業補助金の 有効活用による普及促進に努めます。 - 16 - 4 定住促進 現状と課題 晩婚化や未婚率の上昇による少子化傾向、平均寿命の伸長に加え、団塊の世 代の高齢化などにより少子高齢社会が進む中、地域経済の活性化と地域力の向 上のため、定住人口の拡大が求められています。 定住人口の拡大については、2015年(平成27年)10月に策定した河北町総合 戦略において、 「かほく」へのひとの流れをつくるとして、県外(特に東京・名 古屋・大阪の大都市圏及び仙台)からの移住・定住の促進に取り組んでいます。 住宅の耐震化については、地震災害での被害を軽減するため、住宅の耐震診 断、耐震改修の推進が求められます。 公営住宅については、現在、町営住宅 55 戸、2009 年度(平成 21 年度)に取 得した定住促進住宅 120 戸、県営住宅 36 戸があり、計画的な修繕により適切に 管理する必要があります。 空き家・空き地については、ライフスタイルや居住形態の変化などの要因か ら増加しています。地域の防災、衛生上などの視点も含めた空き家・空き地対 策について調査検討する必要があります。 基本的施策 ⑴ 定住促進のため、町外からの転入者などに対する助成制度により、定住人 口の拡大を図ります。また、雇用の創出や小・中学校教育における郷土愛の 醸成により、若者の転出抑制を図ります。 ⑵ 一元的な窓口を開設し、ホームページを活用した情報発信をはじめ、移住・ 定住の総合的な活動の充実を図ります。 ⑶ 日本の道百選に選ばれた趣のある街なみを生かすため、ひな市通り東地 区・地区計画制度により、個性豊かな街なみ形成を図ります。 ⑷ 花ノ木地区、町民プール跡地などの住宅開発に努めます。 ⑸ 周辺集落地域の整備を促進し、居住環境の向上を図ります。 ⑹ 建築物耐震改修促進計画に基づき、旧耐震基準で建築された住宅に対して、 耐震診断、耐震改修を推進します。 ⑺ 居住環境などの整備のため、持家住宅促進事業費補助金の充実を図ります。 ⑻ 公営住宅の長寿命化のため、年次的な修繕計画の整備を図ります。 ⑼ 高齢者向け優良賃貸住宅の入居者に対する家賃補助を進めます。 ⑽ 広域的な婚活イベントの開催など民間などによる結婚活動への支援を図り ます。 ⑾ 空き家・空き地対策について空き家バンク制度などの活用に努めます。 5 環境保全 - 17 - 現状と課題 温室効果ガスによる地球温暖化、酸性雨による森林被害などが次々と確認さ れ、地球規模で環境問題が深刻化しています。これまでの先進諸国における資 源・エネルギーの大量消費の経済システムやライフスタイルに変革が求められ ています。 良好な環境の保全と創造を実現するため、自然環境や地球環境保護の意識の 高揚と資源循環型社会をより一層推進し、環境に優しいエネルギーの利用を促 進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 環境基本条例や環境基本計画に基づき、環境保全を図ります。 ⑵ 環境基本計画に基づき、環境保全町民会議の活動を推進し、資源循環型社 会の形成に努めます。 ⑶ リサイクルに向けたごみ分別の指導を徹底し、さらなる再資源化に努めま す。 ⑷ ごみ発生抑制の取組みを推進し、ごみの減量化に努めます。 ⑸ 一人暮らし高齢者のごみの分別(排出)について、地域におけるサポート に ついて検討します。 ⑹ 資源回収・雑がみ回収を推進し、再生利用の促進に努めます。 ⑺ 清潔で快適な生活環境づくりの意識高揚を図るため、衛生組合の育成に努 めます。 ⑻ 地域住民による排水路環境整備をすすめ、環境保全に努めます。 ⑼ 不法投棄や犬などのフン害の防止を図ります。 ⑽ 地球温暖化防止計画の策定を推進し、環境基本計画により環境保全に努め ます。 ⑾ 太陽光発電などの環境に優しい代替エネルギーの利用を促進します。 ⑿ 地下水の適正利用の周知に努めます。 第3節 自然と共生した都市環境づくり 1 公園・緑地 現状と課題 公園・緑地は、街区公園 16 箇所、近隣公園2箇所、地区公園(河北中央公園) 1箇所、都市緑地(最上川谷地橋上下流)2箇所の21箇所となっており、生 活環境保全や都市空間の形成、災害時の避難場所など重要な役割を果たしてい ます。 - 18 - 今後も周辺環境を考慮し、町民の憩いの場として、潤いのある空間づくりを 目指し整備を行う必要があります。 基本的施策 ⑴ 桜づつみやグラウンドゴルフ場などを整備した最上川グリーンパークの利 用を促進します。 ⑵ 公園や緑地などの適正管理と整備に努めます。 2 河川 現状と課題 町の河川面積は 396ha となっています。今後も河川災害の未然防止に努め、 河川環境を保護するため、美化活動を推進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 最上川(谷地橋上流左岸・河北橋下流左岸)無堤区間の解消に努めます。 ⑵ 河川環境美化の町民運動を推進します。 ⑶ 小規模河川改修やしゅんせつ事業を促進します。 3 景観形成 現状と課題 美しいまちなみ景観条例に基づき、歴史的及び文化的な建築物などの保存と 美しい街なみ景観形成を推進してきました。 今後も潤いある豊かな生活環境をつくるため、自然、歴史、文化が調和する 魅力ある街なみづくりを推進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 美しいまちなみ景観条例に基づくまちづくりを推進し、美しい街なみ景観 形成を図ります。 ⑵ 沢畑地区及びひな市通り東地区の街なみ景観形成を促進します。 - 19 - 第2章 安心して子育てができる町 第1節 互いに支え合う福祉体制づくり 1 地域福祉 現状と課題 個人の価値観やライフスタイルの多様化が進んでいる一方で、ひきこもり、 児童虐待など新たな社会問題も発生しています。 住民一人ひとりが自立した生活を送ることができるよう、個人、地域、事業 者、行政が力を合わせ、自分たちが住んでいるまちを暮らしやすくする取り組 みを推進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 地域福祉計画に基づき、地域社会を基盤とした地域福祉を推進します。 ⑵ 地域、事業者、行政などが一体となった地域福祉支援体制の充実を図りま す。 ⑶ 福祉意識の啓発に努めます。 ⑷ 町立保育所・幼稚園跡地について、福祉施設や居場所づくりなどへの活用 に努めます。 2 児童福祉 現状と課題 急速な少子化や女性の社会進出に加え、核家族化や都市化などにより、子ど もを取り巻く環境が大きく変化しています。子育て環境も集団的遊びの機会の 減少、地域教育機能や見守り機能の低下、育児の孤立化、慣れない育児や子ど もの将来への不安、経済的負担の増大など厳しい状況となっています。 このような環境の多様な変化に対応し、地域全体、社会全体で安心して子ど もを生み育てることができる環境の整備や子育て支援を推進する必要がありま す。 基本的施策 ⑴ 次世代育成支援行動計画を継承した「子ども・子育て支援事業計画」に基 づき、子育て支援施策の推進に努めます。 ⑵ 子育て支援センターによる子育てに関する情報の収集・発信、子育て相談、 子育てサークルの育成・支援を図ります。 ⑶ NPO法人やボランティア団体による子育て支援事業の推進に努めます。 - 20 - ⑷ 育児休業制度の普及を促進します。 ⑸ 放課後児童クラブの拡充を図ります。 ⑹ 休日保育、病後児保育を継続し、子育て支援の充実を図ります。 ⑺ 要保護児童対策地域協議会における児童虐待防止ネットワーク機能を強化 し、要保護児童の適切な保護を図ります。 ⑻ 中学生までの医療費の完全無料化を継続し、さらなる拡大に向け検討を重 ね、子育ての支援を図ります。 ⑼ 私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行について調査検討します。 ⑽ 届出保育施設等の認可施設への移行を促進します。 3 高齢者福祉 現状と課題 町の 65 歳以上の人口割合は、2015 年(平成 27 年)4月1日現在で 32.3%に 達しており、高齢者世帯も年々増加しています。 高齢者が地域で安心して暮らせるよう、高齢者世帯見守り体制など高齢者を 支援する体制の充実が求められます。 また、地域における総合的なケアシステムの充実を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 地域包括ケアシステムの構築 ア 住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケ アシステムの構築を推進します。 イ 地域包括支援センターによる支援体制の充実を図ります。 ウ 高齢者が自立した生活を送ることができるよう、2016 年(平成 28 年)4 月から始まる新しい総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)により 生活支援サービスの充実を図ります。 エ 特別養護老人ホームの増床により、施設入所待機者対策を図ります。 オ 福祉サービスのPRなど、地域住民への啓発を図ります。 カ 高齢者が安全・安心に生活できるよう、地域で支え合うネットワークづ くりを図ります。 ⑵ 高齢者の積極的な社会参加 ア 高齢者の健康増進をめざしたスポーツ、レクリエーションや趣味を生か した文化活動など、生きがいづくり事業を推進します。 イ シルバー人材センターなどによる高齢者の雇用・就労の場の確保に努め ます。 ウ 世代間の交流活動などの展開を図ります。 - 21 - ⑶ 高齢者にやさしい社会環境 ア ユニバーサルデザインに配慮した総合的なまちづくりを推進します。 イ 判断能力が不十分な方に対する安全な資産管理などについて、成年後見 人制度の啓発に努めます。 ウ 高齢者の住宅環境の整備に努めます。 4 心身障がい(児)者福祉 現状と課題 障がいの重度・重複化、多様化や障がい者の高齢化が進んでいる中、障がい のある人が障がいのない人と同等に生活し活動する社会を目指す「ノーマライ ゼーション」の理念を踏まえた施策の展開が求められます。 障がいのある人が安心して暮らせる地域づくりと社会的自立の支援と社会参 加しやすい環境を整備する必要があります。 基本的施策 ⑴ 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの円滑な運営の実施を図りま す。 ⑵ 障がい者が自宅や地域で安心して生活できるよう、日常生活用具の給付や 移動支援などの地域生活支援事業の充実を図ります。 ⑶ 各種相談業務について、障がい者と民生委員・児童委員、知的障害者相談 員、身体障害者相談員、相談支援事業所などとの連携を密にし、援助活動の 推進に努めます。 ⑷ 国・県などと連携して障がい者の雇用促進を啓発し、各種制度などの周知 を図ります。 ⑸ 障がい者の自立を支援し、積極的にまちづくりに参加できるような体制づ くりを図ります。 ⑹ 社会福祉協議会と連携して、福祉ボランティアの育成を図ります。また、 ボランティア連絡協議会での各団体の情報交換、連携に努めます。 ⑺ 段差をなくすなどのバリアフリーも含め、ユニバーサルデザインに配慮し た公共施設などの整備を推進します。 5 低所得者福祉 現状と課題 低所得者は、社会情勢の変動に対応して推移する傾向が強く、社会の最も弱 い階層であるとも言えます。その類型は、高齢者・障がい者・ひとり親家庭な - 22 - ど多様であり、現行制度でも要援護者ごとに様々な生活支援が行われています。 今後も地域での自立した生活を送るため、支援を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 低所得者における生活安定のため、就労に向けた情報の提供を図ります。 ⑵ 低所得者の生活相談、助言を行うため、民生委員・児童委員や福祉関係者と の連携を図ります。 6 ひとり親福祉 現状と課題 ひとり親家庭は増加傾向にあり、近年の経済・雇用情勢は改善傾向にあると 言われていますが、ひとり親家庭を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあ ります。 ひとり親家庭の生活安定と自立に向け、支援を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 母子福祉団体活動への支援を充実し、母子父子寡婦福祉資金貸付制度の利 用促進を図ります。 ⑵ ひとり親家庭の支援を進めます。 7 国民年金 現状と課題 国民年金受給者が年々増加する中、少子化の影響と未加入により被保険者数 が減少しています。 年金制度に対する不安や不信の声も聞かれ、年金制度のあり方が根本から問 われていますが、今後も相談業務や広報活動に努めていく必要があります。 基本的施策 ⑴ 年金制度の理解を深めるため、国民年金の相談業務の充実や国民年金広報 などに努めます。 第2節 健康で明るい暮らし 1 保健・予防 現状と課題 ライフスタイルの多様化、食生活習慣の乱れや運動不足、高齢化の進展に伴 う生活習慣病の増加など、健康を阻害する要因が増大しています。このような - 23 - 状況の中、町民の健康に関する意識、健康づくり、予防策に対する関心が高ま っています。 一人ひとりが、生涯にわたって健康や体力に関心を持ち、地域全体で健康づ くりに取り組む環境づくりを推進する必要があります。 また、健康で明るい暮らしを実現するため、健康増進による病気の予防と早 期発見・早期治療により、日常的に介護を必要とせず、元気で活動的に暮らす ことができる「健康寿命」を延ばしていくための施策を展開していく必要があ ります。 基本的施策 ⑴ 健康づくりの推進 ア 健康づくり推進都市宣言を踏まえ、健康づくり推進協議会を核に、総合 的な対策を図ります。 イ 第2次健康かほく21行動計画に基づき、町民が一体となった健康づく りへの意識の向上を図ります。 ⑵ 地域保健体制の充実 ア 疾病・生活習慣病対策を図るため、予防対策の推進と各種健康診査の充 実を図ります。 イ 成人・高齢者保健事業の充実により、健康寿命の延伸を図ります。 ウ 町民プールの活用や健康マイレージ事業の実施により、町民の健康増進を 図ります。 エ 「健康づくりいきいきサロン事業」の実施により、介護予防の推進と、 地域での相互支援体制の充実を図ります。 オ 特定不妊治療の助成など妊娠期前から乳幼児期までの母子保健事業を子 育て支援事業と連携し強化します。 カ 歯科保健事業の充実を図り、80 歳で 20 本の歯を残す「8020運動」の 推進を図ります。 キ 精神保健福祉事業の充実に努めます。 ク 定期予防接種の接種率向上を図ります。 ケ おたふくかぜ・乳幼児インフルエンザなどの任意予防接種の実施を促進 します。 コ 感染症予防思想の普及啓発を図ります。 サ 献血推進のための意識の高揚を図ります。 2 医療 現状と課題 - 24 - 町における医療環境は、県立河北病院を中核として、地域医療との密接な連 携により高い水準にあります。 今後も多種多様な医療ニーズに的確に対応するため、医療ネットワークのさ らなる充実に努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 県立河北病院と民間医療機関との連携を密にし、夜間診療・救急医療及び 地域医療体制充実のための取り組みに対し支援します。 3 介護保険 現状と課題 2000 年(平成 12 年)4月から介護保険制度が導入され、介護を必要としてい る人やその家族を社会全体で支えていくことになりました。しかし、介護をめ ぐる問題は少子高齢化の進展により、高齢者世帯や認知症高齢者の増加が予測 され、新たな課題への対応が求められています。 介護保険の相談業務や町民への広報などの強化を図りながら、サービス基盤 の整備を進めていく必要があります。 基本的施策 ⑴ 介護保険に関する相談業務や広報などの活動を強化します。 ⑵ 介護を必要とする要介護者に対する介護サービス基盤の充実に努めます。 ⑶ 介護予防に努め、保険財政の健全化を図ります。 4 国民健康保険 現状と課題 国民健康保険は、地域医療の確保と住民の健康保持に大きく貢献し、国民皆 保険制度の中核として重要な役割を果たしています。 高齢化の進展による医療費の増加、近年の景気低迷の影響による被保険者の 所得水準の低下などの問題が生じており、国民健康保険の安定的運営が求めら れています。 今後も国民健康保険財政の健全化を図り、2018 年度(平成 30 年度)からの県 と市町村との共同運営となる新たな国民健康保険制度の適正な運営に努めてい く必要があります。 基本的施策 ⑴ 医療費の効率的な支出に努め、保険財政の健全化を図ります。 - 25 - ⑵ 被保険者の健康を増進するため、保健事業の充実を図ります。 ⑶ 国保税の収納率の向上に努めます。 ⑷ 新たな国民健康保険制度の適正な運営に努めます。 5 公害 現状と課題 公害については、社会情勢の変化などにより発生することが予測されます。 公害が発生した場合、適切に対応することはもちろん、公害の防止措置の指 導により、環境汚染の防止に努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 公害の防止措置の指導に努めます。 ⑵ 河川の水質や大気中の有害物質の把握に努めます。 第3節 安心な暮らし 1 消防・防災 現状と課題 消防団は、地域に密着した防災機関として初期消火や予防消防など重要な役 割を担っています。そのため、消防設備の適正かつ計画的な配備と更新が求め られています。 また、大規模災害時には消防機関などの活動が著しく制限され、対応に遅れ が出る可能性があります。物資の提供など応急復旧活動について、今後も町内 企業などと災害時応援協定を締結し、消防や救護活動については、地域住民と の連携を図った自主防災組織の活動が重要となります。 今後も地域防災計画に基づき、自主防災組織の充実と地域防災活動の強化を 図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 防火水槽及び消火栓の適正配置を計画的に促進し、充足率の向上に努めま す。 ⑵ 小型動力ポンプや小型動力ポンプ積載車などを逐次、更新・追加配置し、 消防力の強化を図ります。 ⑶ 防災施設、避難所及び備蓄資機材などの充実を図り、災害に備えます。 ⑷ 自主防災組織の強化・充実を図り、地域の防災訓練、防災士資格の取得な どによる地域の防災意識の高揚に努めます。 - 26 - ⑸ 地域住民とともに、町や関係機関による総合防災訓練と水防訓練を推進し ます。 ⑹ 山形県防災行政通信ネットワークの有効利用により、洪水や水害対策などを 図ります。 ⑺ ⑻ ⑼ 地域と連携を図り、空き家対策に努め、管理・適正化を推進します。 災害ボランティア活動が円滑に行えるよう支援を図ります。 河北町避難行動要支援者避難支援プランに基づき地域との連携を強化し、安 全安心な町づくりに努めます。 2 交通安全 現状と課題 町では、交通事故の発生を防止するため、交通安全教室の開催や交通安全運 動の実施などを通じて交通安全意識の高揚を図るとともに、交通安全施設の整 備を進めてきました。 町民一人ひとりはもちろん、交通弱者である幼児や高齢者などを交通事故か ら守るため、今後も交通安全意識の高揚を図り、交通安全対策と計画的な交通 安全施設の整備を進める必要があります。 基本的施策 ⑴ 2016 年度(平成 28 年度)に第 10 次河北町交通安全計画を策定し、その推 進に努めます。 ⑵ 交通安全推進協議会の活動を推進します。 ⑶ 幼児や高齢者などの交通弱者に配慮した交通安全対策を推進します。 ⑷ 事故多発の交差点における信号機の設置要望やカーブミラーなどの交通安 全施設の整備に努めます。 ⑸ 交通安全指導員の配置などにより、児童及び生徒の登校時における交通安 全の確保に努めます。 ⑹ 交通安全専門指導員などによる地域住民に対する交通安全教育とその紹 介・普及に努めます。 3 防犯 現状と課題 犯罪のない明るいまちづくりを推進するため、防犯協会などの組織と連携を 図り、地域における防犯意識の高揚と新たな犯罪への未然対応に努める必要が あります。また、LED 防犯灯の適切かつ計画的な設置と更新を図る必要がありま す。 - 27 - 基本的施策 ⑴ 地域安全条例に基づき、地域における防犯意識の高揚と防犯組織の充実を 図り、地域で子どもや高齢者の安全を守ります。 ⑵ 防犯協会や関係機関と連携し、特殊詐欺など新たな犯罪への予防啓発を図 り、安全・安心なまちづくりに努めます。 ⑶ LED 防犯灯の計画的な設置と更新を図るとともに、町内会管理の防犯灯 LED 化事業を推進します。 4 上水道 現状と課題 水道水の安定した供給のため、効率的な上水道経営が求められます。 また、災害時における重要なライフラインのひとつである上水道確保のため、 災害に強い水道施設の整備を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 災害に強い水道施設の整備を推進します。 ⑵ 自己水源地の整備を促進します。 ⑶ 合理的、効率的な経営などにより、水道料金の適正化を図ります。 5 消費生活 現状と課題 規制緩和、自己責任など消費生活を取り巻く経済社会環境が大きく変化して おり、消費者が求めるものが多様化・高度化し、販売方法や支払方法も複雑か つ多様化しています。 このような状況で、新たな問題に対応するため、消費者を保護するための適 切な情報提供や学習体制、相談窓口の充実を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 悪質商法などによる被害を未然に防ぐため、情報提供や消費者学習体制の 拡大と充実を図ります。 ⑵ 消費生活に係る相談窓口の充実を図ります。 - 28 - 第3章 交流が生み出す活力のある町 第1節 活力ある農林水産業 1 農業の振興 現状と課題 町の農業は、風水害などの自然災害が少なく、肥沃で平坦な恵まれた土地条 件や国営寒河江川基幹水利事業による安定的な水利条件のもと、水稲を基幹と し、さくらんぼなどの果樹、野菜、花きなどの施設園芸作物を組み合わせた複 合経営形態の農業が営まれています。 しかし、工業化や都市化が進み、農業就業人口が年々減少する一方、農業従 事者の高齢化や後継者不足が深刻な問題となっています。こうした中、担い手 の確保や育成を図り、新規就農者を支援していく必要があります。そこで、効 率的かつ安定的な農業経営のため、農用地の集積・集約化と農業組合法人など 農業生産法人が担い手となることが求められています。 また、TPP協定が進展していくなか、国際的競争にも対応が求められてい ます。 一方、農業の持続的な発展を図るためには、農業が内在的に有する自然環境 の維持増進により、環境と調和のとれた農業生産体制を推進することが重要で す。そのため、6次産業化を推進し、農産物を生産するだけでなく、安全性に 十分留意し、販売経路の拡大や農産物の付加価値を高める必要があります。あ わせて、学校給食や直売所などにおける地産地消の取り組みを推進し、産直施 設整備への支援と産直施設の有効活用を図る必要があります。 さらに、グリーン・ツーリズムによる体験農業をとおした消費者との直接的 な交流により、都市と農村の交流を活発化し、活力ある農業農村づくりを推進 する必要があります。 基本的施策 ⑴ 農用地整備 ア 総合的に農業の振興を図るため農業以外の分野との調整を図りつつ、農 業を営む上で条件のよい地域を一体的に保全し、現在の農業振興地域整備 計画を見直します。 イ 多面的機能支払交付金事業を活用して、農地や農業施設を保全・管理し、 美しい田園風景を守り農村の活性化を図ります。 ウ 食料・農業・農村に関する土地改良事業を推進します。 - 29 - ⑵ 農業振興 ア 稲作 (ア) 農協など関係機関と連携しながら、山形県産米「つや姫」の栽培を 推進し、食味値の向上や安心・安全米の生産体制の強化などに努めま す。 (イ) 経営所得安定対策事業のなかで、飼料用米、加工用米など新規需要 米の作付けを推進し、土地利用型作物の作付団地化を誘導することで 生産振興を図ります。 イ 畑作及び園芸特用作物 (ア) 生産調整における国の制度改正などを見極めながら、水田転作地に おける枝豆、とうもろこし、アスパラガスの産地戦略作物の栽培を奨 励し、生産拡大と産地形成を図ります。 (イ) 花き、イチゴ、アスパラガスなどの施設型農業を推進します。 (ウ) 秘伝豆などの栽培の定着化を推進し、経営の安定と産地銘柄の確立 を図ります。 ウ 果樹 (ア) さくらんぼ、りんご、ラ・フランス、ぶどうなどの良品質安定生産 のため、生産技術の確立、普及を推進し、産地銘柄の確立に努めます。 特に気候・風土の変化に伴う新技術の導入を推進します。 (イ) さくらんぼの安定生産と労働力分散を図るため、ハウス栽培の導入 を推進します。 エ 畜産 (ア) 飼料用米を活用した高品質牛の安定生産体制づくりを図り、 「山形牛」 ブランドを推進します。 (イ) 飼料の安定供給と自給率向上を図るため、転作田を活用した飼料作 物の増産や省力化などの飼料生産体制を推進します。 オ 環境に配慮した生産体制 (ア) 無農薬・減農薬・有機栽培による環境循環型の農業を推進します。 (イ) 環境保全のため、農業用廃プラスチックなどの適正処理に努めます。 (ウ) 畜産農家と耕種農家との連携により、良質な土づくりを促進します。 ⑶ 担い手農家及び新規就農者の育成 ア 地域毎に話し合いで作成された人・農地プランの見直しを支援すること で、地域が抱える人と農地の問題の解決を推進します。 イ 関係機関・団体と連携した地域の話し合いにより農地中間管理事業を積 極的に活用することで、効率的な農業経営が可能となるよう農地の流動化 と面的集積を推進し、担い手農家の育成を図ります。 - 30 - ウ 農業後継者の確保対策及び農業経営資質の向上を図るため、県関係機関 などと連絡を密にしながら、各種研修や実践活動を支援します。 エ 認定農業者の会や農業士会などの協力を得ながら、担い手農家及び新規 就農者の育成を図ります。 オ 農用地の集積や農作業の効率化のため、集落営農法人化の推進及び育成 を図ります。 ⑷ 6次産業化の推進 ア 農産物の高付加価値化を図るため、イタリア野菜の栽培技術の確立及び 生産量、販路拡大、加えて秘伝豆についても産地拡大、加工体制の確立に 努めます。 イ 生産者と消費者の交流を深め、安全で信頼性の高い農産物販売体制を確 立するため、直販方式や宅配制度など、生産者の顔の見える農業を推進し ます。 ウ 産直施設整備への支援と産直施設の有効活用を図ります。 エ 食育推進計画に基づき、学校給食や直売所などにおける地産地消の取り 組みを推進し、加えて消費者に対するPRに努めます。 ⑸ グリーン・ツーリズムの推進 ア 施設園芸作物の推進により、1年を通した体験農業の確立に努めます。 イ さくらんぼなどの観光農園の受け入れ体制の強化、体験農業の促進、体 験型宿泊施設(ひなの宿)の活用により、都市との交流を図ります。 ⑹ 女性の農業参画の推進 ア 女性が十分活躍できるように環境づくりを促進し、いきいきとした女性 農業者を育成します。 イ 情報交換や交流の場を拡充し、女性参画を積極的に推進し、豊かな農村 づくりを図ります。 2 林業の振興 現状と課題 町の森林面積は、1,422ha で、町土面積の約 27%にあたり、このうち、杉を 主体とした人工林の面積は 370ha で、人工造林率は 26%となっています。 間伐、保育などの森林の育成事業は、将来の健全な森林の造成だけでなく、 水源かん養や山地災害の未然防止という点においても極めて重要な取り組みと なっています。 また、松くい虫やナラ枯れによる被害を防止しながら、健全な森林の育成に 努める必要があります。 さらに、既存林道の整備や林道間の接続により、森林資源の質的向上と公的 - 31 - 機能の維持増進を推進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 健全な森林を育成するため、老朽化した林道の改良や林道間の接続による 林道網の整備を促進します。 ⑵ 水源かん養、土砂流出・崩壊防止などの国土保全、環境保全のため、緑化 推進事業を促進します。 ⑶ 引竜湖周辺について、森林空間とのふれあいの場としての活用を図ります。 3 水産業の振興 現状と課題 自然環境に対する関心が高まっている中、魚道の確保など、自然環境に配慮 した川づくりが求められています。 限られた水産資源の有効活用を図りながら漁業振興を推進するとともに、漁 業環境の保護に努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 漁業環境保全と魚族の保護に努めます。 ⑵ 内水面漁業の安定した資源確保を図るため、魚族放流増殖事業を行い、釣 りやレクリエーションの場の整備に努めます。 第2節 創造性のある工業の振興 1 工業の振興 現状と課題 2015 年(平成 27 年)3月末における工業団地の立地・操業事業所数は、谷地 工業団地が 21 社、花ノ木工業団地が 11 社となっています。立地企業各社にあ っては、技術力向上と積極的な設備投資により、地域経済発展に大きく寄与し ています。 今後も花ノ木工業団地への企業誘致のため、町独自の優遇措置を図るととも に、既存企業に対する町独自の支援制度により、地域経済の活性化を推進する 必要があります。 また、経営向上のため、企業構造改革などへの取り組みを支援していくとと もに、産学官の連携体制の確立、異分野の事業者が連携し、新たな事業分野の 開拓を図る新連携事業を推進し、さらなる技術の向上、人材育成に努める必要 があります。 - 32 - 基本的施策 ⑴ 企業立地の促進 花ノ木工業団地への企業誘致を積極的に推進するため、町独自の優遇措置を 図ります。 ⑵ 企業の育成・支援 ア 技術革新や情報化に対応した設備投資に対する支援により、経営基盤の 確立とともに、研修体制を強化し、人材の育成に努めます。 イ 企業におけるキャッシュフロー経営の向上を支援します。 ウ 労働力確保のため、若者の地元企業への就職支援や首都圏在住のUター ンなど希望者への情報提供を積極的に進めます。 エ 職業訓練センターの有効利用を図り、高度技術者の養成に努めます。 オ 山形大学などとの連携による雇用創出に向けた取り組み、大学生のイン ターンシップ受け入れを推進します。 カ 自然・住宅・社会環境に配慮し、産業廃棄物の少量化や、低公害工場化 への指導を強化します。 キ 異分野の事業者が連携し、新たな事業分野の開拓を図る新連携事業の推 進に努めます。 ク 企業の先導的取り組みやベンチャー企業などの起業家への支援を図りま す。 ケ 既存企業に対して町独自の支援を図ります。 第3節 魅力ある商業の形成 1 商業の振興 現状と課題 交通網の整備や消費者の多様化、情報化の進展などに伴い、町の商店街では 空き店舗が目立つようになっています。 魅力ある商店街にするため、空き店舗対策や小売業の役割などに配慮した商 業の振興を進める必要があります。また、地域資源を活用したオリジナルブラ ンド商品の開発を行い、農林水産業、商業、工業及び観光の連携に努める必要 があります。 基本的施策 ⑴ 商工会や商業経営指導機関との連携を強化し、商店会組織の指導育成と後 継者の育成に努め、消費者のニーズに応えられる商業の振興に努めます。 ⑵ 大規模小売店出店にあたっては、周辺環境への影響調査を十分に行い、円 - 33 - 滑な調整に努めます。 ⑶ 商店の合理化、経営安定のため、有利な事業資金融資あっせんや制度資金 の情報提供を行います。 ⑷ 魅力ある商店街にするため、空き店舗対策に努めます。 ⑸ インターネットを利用した商取引やオリジナルブランド商品の開発を支援 し、競争力の強化を図ります。 ⑹ 地域経済を活性化するため、地域資源を活用した農林水産業、商業、工業 及び観光の連携に努めます。 第4節 特色ある観光の活性化 1 観光の振興 現状と課題 観光の振興は、経済の活性化につながるばかりでなく、町のイメージアップ も図られます。産業としての観光を意識し、他産業への波及効果も考慮しなが ら観光振興を図る必要があります。継続的に「雛」と「べに花」にこだわった 観光振興と、観光産業が町民所得の向上につながる、本町の重要な基幹産業と なることを目的として、2015 年(平成 27 年)3月に策定した第2次河北町観光 振興計画を推進していく必要があります。 町には、ひなまつり、どんがまつり、紅花資料館などの歴史的文化資産や児童 動物園、べに花温泉「ひなの湯」、道の駅「ぶらっとぴあ」など多くの観光資源 があります。 これらの観光資源を全国各地に情報発信するとともに、体験農業による滞在 型観光や通年型観光など、歴史や文化、農業などを組み合わせた総合的な観光 を推進する必要があります。 また、紅花資料館を観光の拠点施設として位置付け、雛と紅花にこだわった 観光の充実を図る必要があります。 さらに、周辺市町と連携した広域な観光事業を推進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 既存観光資源の整備充実 ア 紅花資料館を観光の拠点施設として位置付け、紅花資料館内外の施設や 景観、展示資料などの整備を図ります。 イ 民芸や紅染め、農業、そば打ちなどの体験観光を推進するとともに、 河北の「冷たい肉そば」などのPRを図ります。 ウ 紅花資料館を中心としたイベントを開催します。 - 34 - エ 歴史と文化を生かしながら、ひなまつり、べに花まつり、どんがまつり の充実を図ります。 オ 紅花修景地の整備と世界の紅花の栽培に努めます。 カ 観光地や文化財などを案内する標識について、計画的な設置に努めます。 キ 児童動物園や道の駅などの観光情報の発信を図るとともに、地元農産物 を活用した積極的な誘客運動に努めます。 ク いもこ列車やサハトべに花全天周劇場(プラネタリウム)の活用に努め ます。 コ 町の公式マスコットキャラクター「べにのすけ」を活用した、さらなる 町のPRを図ります。 ⑵ 新たな観光・物産資源の開発 ア 紅花を原料とした産業の振興と、雛と紅花の物産品の開発に努めます。 イ 町内に保存されている由緒ある雛人形や雛に関連する文化財の保存と展 示を行います。 ウ 観光誘客の拡大を目指し、町の特産品をより多くの人々に知っていただ くため、近県や首都圏との広域的連携により、観光・物産キャンペーンの 充実を図ります。 エ 観光ボランティア、観光協会などを育成・支援し、観光の充実を図りま す。 オ ひなの湯と連携した体験型宿泊施設(ひなの宿)を活用し、都市部から さらなる観光客の誘客に努めます。 カ 食を通したイベントの推進を図ります。 ⑶ 観光ルートの設定 ア やまがた広域観光協議会と連携を図り、村山管内広域観光ルートの開発 を推進します。 イ 西村山1市3町と連携した山形どまんなか探訪プロジェクト会議などを 活用し、西村山広域観光事業を推進します。 ウ さくらんぼ東根駅などと町内の観光資源を有機的に結びつけ、観光振興 計画に基づき、まつりやイベント・体験観光・観光農園を組み合わせ、1 年を通した町内観光ルートの充実強化を図ります。 エ 交流人口の拡大を目指し、インターネットを利用した全国各地への観光 情報発信の充実に努めます。 - 35 - 第4章 歴史に学び次代を育む町 第1節 「生きる力」を育む学校教育 1 学校教育 現状と課題 少子高齢化、高度情報通信社会の進展など子どもたちを取り巻く社会は、め まぐるしく変化しています。このような中、常に新しい知識や技術の習得、心 の豊かさや生きがいが求められています。 今後も生きる力を育む学校教育を推進していく必要があります。 また、2015 年(平成 27 年)4月から、地方教育行政の組織及び運営に関する 法律の一部を改正する法律が施行され、総合教育会議及び教育長と教育委員長 を一体化した新教育長を設置しました。 基本的施策 ⑴ 2016 年度(平成 28 年度)に第2次教育振興計画を策定し、その推進に努め ます。 2 幼児教育 現状と課題 幼稚園・認定こども園においては、ともに幼児期にふさわしい教育を通して、 「生きる力」の基礎や小学校以降の「生活や学習の基盤」を培うことが求めら れています。 しかし、近年、幼児を取り巻く環境は、親の子育てについての考え方の多様 化、少子化、核家族化、不況による就労形態の変化や食生活の変化などに伴っ て多くの課題があり、望ましい発達を促すために十分とは言えない状況にあり ます。 これらのことを踏まえ,就学前の教育・保育及び子育て支援の充実という視 点から、幼稚園・認定こども園における教育・保育の改善・充実への取組みの 推進や、幼稚園・認定こども園と、家庭、地域が一体となった、幼児教育振興 施策の推進が求められています。また、地域全体、社会全体で安心して子ども を生み育てることができる環境整備を推進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 町民の多様なニーズに対応した幼児教育の推進に努めます。 ⑵ 幼稚園、認定こども園と小学校の連携を強化し、相互理解を深め、幼児教 - 36 - 育振興協議会活動の充実を図ります。 ⑶ 家庭における教育を支援するため、子育て支援事業の拡充に努め、育児や 教育に関する相談機能の充実を図ります。 ⑷ 幼稚園への就園について、保護者負担を軽減するため、幼稚園就園奨励費 補助制度の充実を図ります。 ⑸ 発達障がいのある幼児の早期発見と、心身に障がいのある幼児の支援や教 育の充実を図ります。 ⑹ 幼児も外国語に興味・関心を持つような活動を取り入れ、外国語教育の充 実を図ります。 3 小・中学校教育 現状と課題 小・中学校における教育は、生きる力を育むことを目的としています。これ は、次代を担う子どもたちが、将来、社会生活を営む上で必要な基本的な知識 や技能を習得することと、これらを活用して課題を解決するために必要な力を 育むことです。 各学校では、地域の特性を考慮し、児童・生徒一人ひとりの個性を生かす特 色ある教育が求められます。 また、教育内容の充実を図るとともに、学校施設の計画的な修繕を図る必要 があります。 基本的施策 ⑴ 教育環境の整備 ア 校舎の維持補修や危険防止のための改修工事などを計画的に推進します。 イ 魅力ある教育環境をつくるため、教育備品の整備及び更新を図ります。 ウ 児童数の減少に伴い、適正・適切な教育活動を保障するため、地域の実 態や状況の変化に対応した学区再編のための検討機関を設置します。 エ 学校図書館の施設の整備、図書資料の充実を図るとともに、中央図書館 との連携を深め、読書指導の強化に努めます。 オ 学校活動でのスクールバスの多目的な利用を図ります。 ⑵ 教育の質の向上 ア 教職員の研修・研究体制を強化するため、教育研究所の充実を図るとと もに、現在の研究協力校、事業推進校などを拡充し、より実践的な研修・ 研究に努めます。 イ 魅力ある教育内容と指導方法について、指導主事による指導などを通じ、 自主的・自立的な特色ある学校教育活動の展開を図ります。 - 37 - ウ 学習指導要領に基づくカリキュラムの作成・推進、教材・教具の整備を 図ります。 エ 生産の喜びと感動を体験する学習や、地域の自然に関する学習の充実を 図ります。 オ 演劇、音楽、美術などの文化活動を推進し、児童・生徒の情操教育の高 揚に努めます。 カ ふるさと体験学習や地域ボランティア活動などによる地域社会への参加 を通じて、郷土愛の醸成や思いやりの心を育てる教育の充実を図ります。 キ 小・中学校のコンピュータを計画的に更新し、その指導者の資質の向上 を図り、児童・生徒の時代に即した情報選択能力・情報活用能力の育成など に努めます。 ク 語学指導助手の招致事業を継続するとともに、国際理解教育や外国語活 動・外国語教育を充実します。 ケ 心身に障がいのある児童・生徒の個性・能力やそれぞれの障がいに応じ た教育内容と指導方法の改善・充実を図ります。 コ 発達障がいの早期発見に努め、その特性に応じた指導や環境の整備、学 習生活指導補助員の継続的な配置などの教育的支援を図ります。 サ 各小中学校において、時代的教育課題に対応し、地域の教育力を生かし た特色ある教育活動が展開できるよう、特色ある学校づくり事業を推進し ます。 シ 環境問題に対し関心を持ち、自ら環境問題に取り組めるよう環境教育を 推進します。 ⑶ 学習支援・教育相談の充実 ア いじめ、不登校、特別室登校へ対応するため、スクールカウンセラーの 配置や適応指導教室での指導に努めます。 イ 教育研究所における研修やスクールカウンセラーによる各校の研修の支 援、教育相談に関わる教員の資質の向上を進め、不登校の状態に配慮した 教育相談や学校における教育相談を充実し、担当者の連携を深めます。 ウ 帰国児童・生徒や外国人児童・生徒に対して、円滑な受け入れと適切な 適応指導に努め、日本における生活への早期適応を支援します。 ⑷ 健康・安全教育の充実 ア 自他のいのちを大切にし、豊かな心・健やかな体を育て、より良い生き方 を目指す「いのちの教育」をさらに進めます。 イ 食育を進め、正しい食事のあり方や望ましい食習慣の形成に努めます。 ウ 危険を回避する行動のできる実践的な能力を育てるとともに、PTAや地 域及び他の関連機関と連携しながら事故防止に努めます。 - 38 - 4 高校教育 現状と課題 県立谷地高等学校は、優れた人材を輩出し、本町発展の礎となっています。 今後も学校自体の存続が永続的であるよう理解と協力を求めていく必要があり ます。 また、高校卒業者の進学率が高くなるとともに、保護者の学費負担が大きく なってきており、学費負担の軽減を図る必要があります。 基本的施策 ⑴ 県立谷地高等学校後援会の活動を支援します。 ⑵ 奨学金制度を充実し、保護者の学費負担の軽減に努めます。 5 学校給食 現状と課題 学校給食は、子どもたちの食育にとって重要な場となっています。学校給食 の果たす役割を充分に認識し、子どもたちの栄養バランスのとれた給食、地元 産の食材を積極的に取り入れた新鮮で安全、安心な給食の実施に努める必要が あります。 基本的施策 ⑴ 学校教育との連携を図り、栄養のバランスがとれた季節感あふれる郷土色 豊かな給食の実施を図るとともに、アレルギー疾患に対する取り組みに努め ます。 ⑵ 学校給食の重要性と家庭における望ましい食習慣の啓発に努めます。 ⑶ 食の安全性を確保するための検査を実施するとともに、地元産の食材を積 極的に取り入れ、新鮮で安全、安心な給食の実施に努めます。 ⑷ 施設の衛生管理と職員の健康管理を図り、安全な給食の実施に努めます。 第2節 生きがいに満ちた生涯学習 1 生涯学習 現状と課題 学習ニーズの多種多様化が進んでいる中、生涯にわたって学び続けられる環 境の整備が求められています。2010 年度(平成 22 年度)には、かほく町民大学 「ひなカレッジ」が開校し、「紅花学」「地域学」などの講座が、実行委員会に - 39 - より企画・運営されてきました。今後もより多くの町民の学びの場として、そ の充実を推進する必要があります。 また、青少年の健全な育成を図るため、家庭、地域、学校がそれぞれの役割 を認識し、青少年活動を推進する環境づくりに努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 2016 年度(平成 28 年度)に 第2次教育振興計画を策定し、その推進に努 めます。 ⑵ 学習ニーズの多様化、高度化に対応するため、地域社会、行政機関、学校、 企業、各種団体などによる生涯学習推進体制の連携に努めます。 ⑶ 生涯学習関係団体の組織の育成や強化を図るとともに、地域に根ざした生 涯学習を推進します。 ⑷ 学習情報の提供や相談に努め、町民の自発性・自主性が発揮できる学習環 境の整備や図書、資料などの整備充実を図り、自己学習の意欲向上を進めま す。 ⑸ 町民主体のかほく町民大学「ひなカレッジ」の充実を図ります。 ⑹ 青少年団体や指導者の育成を推進し、青少年活動を充実するための環境整 備を図ります。 ⑺ 子どもの社会力を高めるため、学校と地域のかかわりを深め、健全な子ど もを育てる学社融合を推進します。 ⑻ 毎月第3日曜日を「家庭の日」とし、啓発・広報活動を進めます。 ⑼ 外国語に慣れ親しみ、日常会話ができる町民を増やすべく、外国語の習得 や普及推進に努めます。 2 公民館活動 現状と課題 身近な生涯学習の拠点施設として、各地区公民館や自治公民館は重要な役割 を担っています。 今後も地域の豊富な人材を活用しながら、多様化、高度化する学習ニーズに 対応した公民館活動を推進する必要があります。 基本的施策 ⑴ 人材銀行の活用により、学習ニーズの多様化、高度化に対応した公民館活 動を推進します。 ⑵ 各地区公民館や自治公民館とのネットワークづくりとインターネットによ る情報提供を推進します。 - 40 - ⑶ 各地区公民館の施設整備と管理運営体制の充実を図り、自治公民館の建 設・整備を支援します。 3 中央図書館 現状と課題 図書館は、地域の文化や生活を豊かにする上で大きな役割を担っています。 情報化社会の進展により、図書の貸出や資料の保存といった機能はもちろん、 様々な形態の情報ネットワークによる生活情報を提供できる施設としての役割 も求められています。 今後も蔵書の充実を図るとともに、最新情報の提供や資料の保存、図書館の 利用を拡大し、読書推進活動に努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 郷土資料や紅花関連資料の収集、蔵書の充実を図るとともに、設置スペー スの確保に努めます。 ⑵ インターネットによる図書の貸し出し予約、最新情報の提供やレファレン スなどのサービスに努め、図書館の利用拡大を図ります。 ⑶ 河北町子どもの読書活動推進計画に基づき、児童の読書意欲を高める読書推 進活動に努めます。 第3節 個性豊かな文化 1 芸術文化 現状と課題 サハトべに花を中心として、個性豊かな文化活動を展開しています。 今後も町民主体の文化活動を支援するとともに、芸術文化の鑑賞機会の拡大 など、各種文化活動を推進していく必要があります。また、芸術文化団体育成 や他地域との文化交流を活発にする必要があります。 基本的施策 ⑴ サハトべに花を核とする魅力ある文化活動を充実させるとともに、芸術文 化団体の育成と活性化に努め、インターネットによる情報提供と広域的な文 化交流を推進します。 ⑵ サハトべに花全天周劇場(プラネタリウム)の活用に努めます。 ⑶ 芸術文化活動の成果を発表する、自主的な町民文化祭などを積極的に推進 します。 - 41 - ⑷ 地域の祭りや郷土芸能の承継・保存と地域の発展を図るため、その発表の 場をつくるなど育成と支援に努めます。 2 文化財 現状と課題 町には 2015 年(平成 27 年)10 月末現在、国指定文化財1件、県指定文化財 10 件、町指定文化財 74 件があり、これらの文化財は、郷土愛の育成と新しい文 化の創造に大きな役割を果たしています。 今後も貴重な文化遺産の保存と、郷土の歴史や文化に対する理解をさらに深 める体制づくりに努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 文化遺産の調査を推進し、その保存に努めるとともに、必要に応じて文化 財の指定を行い、その活用を図ります。 ⑵ 紅花関係などの古文書などの散逸を防ぎ、資料の収集を推進しながら紅花 資料館の展示品の充実に努めます。 ⑶ 史跡などの整備、復元、保護に努めます。また、町なかの歴史探訪の散策 ルートの設定を行い、史跡の活用を図ります。 ⑷ 民俗資料や考古資料の整理、保存を図り、その展示・活用に努めます。 3 町史編さん 現状と課題 町の歴史を後世に伝えるため、これまで「河北町の歴史」現代編や史料集な どを発刊しています。 今後も町史に関係する資料や行政資料を適切に整理保存し、資料集などを計 画的に発刊していく必要があります。 基本的施策 ⑴ 町に残る史料を調査、収集し、史料集の計画的な発刊に努めます。 ⑵ 行政資料の整理保存に努めます。 第4節 活力ある生涯スポーツ 1 スポーツの振興 現状と課題 スポーツは、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な - 42 - 発達に必要不可欠なものです。 スポーツが持つ多面的な効用をまちづくりに活かすため、スポーツ施設の充 実及び生涯スポーツの普及と振興が求められます。 2020 年(平成 32 年)東京オリンピック・パラリンピック競技大会をはじめ、 大規模な国際スポーツ大会が予定されており、スポーツの機運が高まっていく ことが予想されます。これらを契機にスポーツ人口の拡大と競技力の向上を支 援する必要があります。 基本的施策 ⑴ スポーツ施設の整備 ア 既存スポーツ施設の充実及び整備に努め、施設の活用を図ります。 イ 生涯スポーツの普及・振興を図るため、学校体育施設を開放し、その利 用を促進します。 ⑵ 生涯スポーツ活動の促進 ア 町民が気軽に参加できる総合型地域スポーツクラブの育成を図り、生涯 にわたりスポーツに親しむことができる地域社会の形成を目指します。 イ 町民総参加のスポーツ大会を開催し、町民スポーツの定着化を図ります。 ウ 生涯スポーツの振興のために、一町民一スポーツ運動の普及に向けた啓 発を推進します。 エ 生涯スポーツ活動に関する情報提供の充実を図ります。 オ 体力の保持・増進と健康寿命延伸のため、新たな町民プールをはじめス ポーツ施設を有機的に結びつけ、世代にとらわれない幅広い活用を図りま す。 ⑶ 競技スポーツの促進 ア 各種スポーツ関係団体の育成を図り、スポーツ人口の底辺拡大を推進し ます。 イ 指導体制の強化に努め、競技力の向上を図ります。 ウ 優秀選手及び指導者の育成と支援に努めます。 - 43 - 第5章 みんなでつくる魅力あふれる町 第1節 町民、地域(事業者)、行政が一体となった協働のまちづくり 1 町民総参加によるまちづくり 現状と課題 社会環境の急激な変化に伴い、行政に求められる要望や課題は、多種多様化 してきています。これらに的確に対応し住民サービスの向上を図るため、 「広報 かほく」の発行や「町長と語る日」などの広報広聴活動を展開しています。今 後もこのような活動を充実していくとともに、SNS(ソーシャル・ネットワ ーキング・サービス)など時代に合わせた新しい情報発信や情報通信技術を活 用した行政サービスの提供を図る必要があります。同時に、開かれた行政運営 を推進するため、条例に基づき、情報公開に努める必要があります。 また、活力ある住みよいまちづくりを目指した、町民、地域(事業者)、行政 が一体となった協働のまちづくりが求められています。今後も町民が主体とな った地域づくり活動への支援、NPO法人やボランティア団体の育成とともに、 連携を図っていく必要があります。 さらに、男女が互いにその人権を尊重しつつ、性別にかかわりなく、その個 性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の推進に努める必要 があります。 基本的施策 ⑴ 広報・広聴 ア 「広報かほく」、「議会だより」による広報活動や、議会中継をはじめ、 ホームページを利用した情報提供の充実を図ります。 イ 「町長と語る日」や「べに花メール」、「パブリックコメント」などを利 用した幅広い広聴活動を充実します。 ウ 情報の公開に努め、開かれた行政運営を推進します。 ⑵ 協働のまちづくり ア 住民の創意・工夫による自主的な地域づくり活動に財政的支援を行い、 まちづくりへの町民参加と住民自治を推進します。 イ 地域振興総合交付金事業の実施により、地域での相互支援体制、防災活 動の強化を図ります。 ウ NPO法人やボランティア団体を育成・支援します。 エ NPO法人やボランティア団体、町民活動団体などが知識や経験を活か しながら、各種イベントに参加、協力を行い、町の事業や業務を担うなど - 44 - の連携に努めます。 オ 2014 年(平成 26 年)の町制施行 60 周年を記念して制作した町民歌の普 及に努めます。 ⑶ 男女共同参画 ア 男女共同参画社会を実現するため、女性の個性と能力を発揮できる社会 づくりを推進します。 イ 各種委員会における女性構成比率を高めます。 ウ 男女共同参画教材を使用した各小中学校での授業や講座を開催し、男女 共同参画社会を推進します。 2 地域間交流、国際交流 現状と課題 友好都市を中心に、物産や文化などの交流事業を展開してきました。今後も 友好都市をはじめとした様々な地域間の交流を推進する必要があります。 また、国際化の進展に伴い、国際社会に対応できるまちづくりを進め、国際 交流協会への支援を図り、幅広い分野での国際的な交流を促進する必要があり ます。 基本的施策 ⑴ 地域間交流 ア 紅花文化や時代雛、まつり、郷土芸能などを活用し、他地域との交流を 図ります。 イ 友好都市徳島県藍住町との交流を図ります。 ウ 友好都市宮城県石巻市との交流を図ります。 ⑵ 国際交流 ア 学校教育や生涯学習活動などを通して、近隣諸国などに対する国際理解 を深めます。 イ 国際姉妹都市コロラド州キャニオンシティー市との交流に努めます。 ウ 外国語に慣れ親しみ、日常会話ができる町民を増やすべく、外国語の習得 や普及推進に努めます。 エ 地域の国際化に伴い、在住外国人に対する情報提供に努めます。 オ 国際交流協会の活動を支援します。 - 45 - 第2節 雛とべに花の里づくり 1 雛とべに花の里づくり 現状と課題 町では、 「べに花の里・かほく」を標榜し、様々な施策に取り組んできました。 また、第6次総合計画である「創造・発展計画」では、 「紅花」とともに「雛」 にこだわったまちづくりを推進してきました。 今後も「雛」と「紅花」にこだわったまちづくりを推進し、町内外に河北町 の特性を広くアピールするとともに、体験農業などによる都市との交流を活発 化し、これまで以上に、地域の個性を高め、魅力あるまちづくりを進める必要 があります。 基本的施策 ⑴ 「雛」と「紅花」にこだわった個性的で魅力あるまちづくりを進めます。 ゆっくら ⑵ 中心市街地の特色ある顔づくりを進めるとともに、どんがホールや遊蔵、 総合福祉センターを活用しながら地域間・世代間交流を図ります。 ⑶ ひなまつりの充実と「ひなカレンダー」の継続を図ります。 ⑷ 紅花資料館の整備を中心とした、美しい街なみ景観形成を図ります。 ⑸ 「雛とべに花の里」の中核施設である紅花資料館の充実を図り、町の観光 拠点として情報発信に努めます。 ⑹ 町民による紅花栽培を推進するため、種子の全戸配付や栽培ごよみの発行 などを行い、あわせて連作障害の克服に努め、紅花修景地の整備を図ります。 ⑺ べに花まつりや紅花に関連したイベントの充実を図ります。 ⑻ 紅染め体験やさくらんぼなどの観光農園をはじめとする体験観光施設への 受け入れを促進し、友好都市や都市部とのさらなる交流を図ります。 ⑼ 町の公式マスコットキャラクター「べにのすけ」を活用した、さらなる町 のPRを図ります。 第3節 健全な行政、財政の確立 1 行政改革 現状と課題 自治体の裁量拡大、地方への権限移譲を促すなど地方分権が進展する中、社 会情勢の変化や行政課題に的確に対応できる組織機構の構築が求められていま す。今後も行政事務の合理化や事務の見直しなどを実施し、行政運営の適正化 - 46 - に努める必要があります。 また、築 50 年が経過した庁舎について、現行の耐震基準では耐震性が不足し ており、災害時の防災拠点、住民サービスの向上などの視点から、整備する必 要があります。 基本的施策 ⑴ 行政組織運営全般について、計画策定・実施・検証・見直しのサイクルに 基づき、不断の点検を行い、事務事業の再編・整理、廃止・統合に努めます。 ⑵ 行政が行う政策・事務事業を評価・検証する行政評価システムの活用によ り、行政事務を効率的に執行します。 ⑶ 職員研修を実施し、意識改革を行いながら、経営的な視点での政策形成能 力の向上や事業に関する明確な目標の設定、実行、検証を行い、行政サービ スの向上を図ります。 ⑷ 複雑高度化、多様化する行政ニーズに対応するため、人事評価制度を導入 することにより、組織全体の士気高揚と公務能率の向上、高い能力をもった職 員を育成し、住民サービスの向上を図ります。 ⑸ 行政需要の広域化に対応するため、西村山広域行政事務組合や東根、天童、 村山の各市など、周辺自治体を含めた広域行政を推進します。 ⑹ 急速な少子高齢化の進展など社会構造の変化に対応するため、地方分権の 推進に努めます。 ⑺ 省エネルギー、省資源、廃棄物削減など環境への取り組みを進めます。 ⑻ 役場庁舎の整備について、外部有識者などを加えた検討機関を設置し、具 体的な検討を進めます。 2 財政改革 現状と課題 厳しさを増す財政状況の中、計画的な財政運営が求められています。今後も 経常的経費の削減や行政施策の選択による財政の健全化を図るとともに、町税 をはじめとする自主財源の安定した確保が必要です。また、公営企業などの健 全な経営に努める必要があります。 基本的施策 ⑴ 経費の削減 ア 事務事業の見直しやアウトソーシング推進指針による指定管理などの民 間委託を進め、経費の削減に努めます。 イ 適正な地方債管理に努め、地方交付税に算入される地方債の活用を図り - 47 - ます。 ウ 民間活力により社会資本を整備するPFI(プライベート・ファイナン ス・イニシアチブ)方式の導入を検討します。 エ 公共施設などの全体の状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統 廃合・長寿命化などを計画的に行うため、公共施設などの管理計画を策定 し、財政負担の軽減・平準化や公共施設などの適正な配置の実現を目指し ます。 オ 統一的な基準を用いた地方公会計による財務書類を作成、公表すること で、財政の透明性を高め、町民に対する説明責任を適切に果たし、財政の 効率化及び適正化を図ります。 ⑵ 財源確保 ア 地域産業の振興、企業の誘致、定住の促進などにより、税収入の確保を 図ります。 イ 地方財源確保のため、制度の改善などを国に要請します。 ウ 国、県の交付金、補助金制度や優良起債の適用などによる事業の選択に 努めます。 エ 行政と町民の役割分担のあり方を検討し、受益の内容に応じた適正な使 用料・手数料などの見直しを図ります。 オ ふるさと応援寄附制度を推進し、より魅力あるまちづくりに努めます。 ⑶ 町税等 ア 適正かつ公平な課税に努めます。 イ 納税に対する意識の高揚を図るため、広報活動を強化します。 ウ 収納率の向上に努めます。 ⑷ 公営企業等の健全な経営 ア 上下水道事業の健全な企業経営を図ります。 イ 土地開発公社の健全な企業経営を図ります。 ウ 町が出資している第三セクターなどの健全な企業経営を図ります。 3 行政の情報化 現状と課題 情報通信技術の進展は、社会制度や経済活動、生活様式など社会構造にも大 きな変化をもたらしています。また、通信網の整備が進み、いつでも欲しい情 報を発信・受信することが可能になっています。このような中、個人情報の適 正な管理と保護が求められます。 今後は、新たな情報技術による行政事務の適正な情報化、行政情報を提供す るホームページの充実などにより、住民サービスの向上に努めるほか、谷地地 - 48 - 区の住居表示について、調査・研究をする必要があります。 基本的施策 ⑴ 町の情報化の指針となる情報化推進計画に基づき、行政事務の情報化を計 画的に推進します。 ⑵ 庁内ネットワークの利用による行政資料データ(財産台帳、道路台帳、上 下水道台帳の電子化など)の共有化を行い、事務の簡素化・効率化を図りま す。 ⑶ 町のホームページを充実し、行政情報をより多く提供しながら町民との情 報の共有化を図ります。 ⑷ 総合行政ネットワーク(LGWAN)を活用し、国や地方公共団体とのコ ミュニケーションの円滑化や情報の共有による高度利用を図ります。 ⑸ 山形県及び県内全市町村との共同運用による電子申請システムを活用し、 町民の利便性の向上に努めます。 ⑹ 土地・家屋登記台帳の電子化を検討します。 ⑺ 地図情報システムの導入を検討します。 ⑻ 個人番号カードの普及を図り、町民の利便性の向上に努めます。 - 49 -
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