ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート サイトレポート ダイキントルコ社 2014 年度 所在地 トルコ・サカリヤ県 敷地⾯積 80,000m2 設⽴ 2011 年 7 ⽉ 従業員数 430 ⼈ 主要製品 暖房機器、空調機器 ISO14001 認証取得 2010 年 6 ⽉ ISO9001 認証取得 2006 年 8 ⽉ OHSAS18001 認証取得 2010 年 6 ⽉ 【環境】環境負荷低減の主な取り組み事例 ■塗装・溶接設備やフォークリフト使⽤時のエネルギー使⽤量の削減 空調機の塗装・溶接ラインで使⽤する⼤型熱源(1.3MW 相当)を、 ⼩型熱源機器に変更しました。複数の⼩型の熱源機器を使⽤することで、 ⼤型熱源ではできなかった、塗装・溶接設備の使⽤状況に合わせた熱源の 使⽤ができるようになり、無駄なエネルギー使⽤量を削減しました。併せて、 塗装・溶接設備を廃熱利⽤型に変更しました。これらの取り組みにより、年 ヘンデック⼯場外観 間 930 トン相当の CO2 排出を削減しました。 また、⼯場内で使⽤するフォークリフトの動⼒を LP ガスから電気に変更す ることで、7 トン相当の CO2 排出を削減しました。 ボイラー改善例 ■製品の部品のリユース・リサイクルの推進 サービス部⾨では、配送途中で部分的に破損した製品から部品を取り出し、品質、安全性を確認したうえ で、新しい製品にリユースしています。 また、エアコンの修理や据付、機器更新時に不要になったエアコンをお客様から引き取り、リサイクル可能なプラ スチックや⾦属などを回収。定期的に外部のリサイクルセンターへ配送し、資源のリサイクルを推進しています。 ‐ 1 ‐ ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート ■社有⾞の CO2 排出量削減の推進 総務部⾨では、社有⾞ 130 台のリース更新を機に、⾞両の⼩型化や低 CO2 排出量⾞種へ変更。その結 果、前年度⽐ 10%(13 トン)の CO2 排出削減を達成しました。併せて燃費も改善され前年度⽐ 15%の燃 料費を削減できました。 また、⾞両の⼩型化や⾞種の⾒直しによって、燃費も改善された結果、前年度⽐約 15%のガソリン使⽤量 を削減しました。 ■不要になった印刷物や OA ⽤紙のリサイクル推進 総務部⾨では、不要になった印刷物や OA ⽤紙などの紙のリサイクルを推進しています。不要になった紙を全 部⾨から回収し、リサイクル業者に売却。その売却費で、デニズリ県のアジュパヤン記念森林地区にダイキン名義 で植樹をしています。 【環境】環境コミュニケーション事例 ■従業員への環境教育を実施 従業員に年 1 回以上、環境意識向上のための環境教育を実施しています。たとえば、環境汚染や廃棄物な どをテーマに、制度の変更点を周知するほか、分別回収のビデオ視聴なども実施しています。 ■環境意識向上のための、環境イベントを実施 ダイキントルコ社では、毎年 6 ⽉ 5 ⽇の世界環境デーの主旨を全従業員に啓発しています。その⼀環で、⼦ど もも参加できるイベントを実施。従業員が中⼼となって、ゴミ仕分競争などを⾏い、地元の⼦ども約 15 名が参加 しました。 また、従業員とその家族を対象に、環境スローガンの公募と環境をテーマにした絵画展を開催しました。 ■サービスエンジニア対象研修で、環境保全についての科⽬を追加 サービス部⾨では、販売店のサービスエンジニア対象に、技術研修の⼀環で、地球温暖化・オゾン層破壊問 題の⼀般知識など、環境保全について学ぶ科⽬を追加しました。この科⽬の受講を通じて、環境保全の重要性 を認識いただいています。 ■ガスコンビボイラーのエンドユーザー様対象に、環境キャンペーンを展開 2014 年より毎年 9 ⽉から 2 カ⽉間、ガスコンビボイラー(暖房給湯機)のユーザー様を対象に、ボイラーメン テナンスキャンペーンを展開しています。このキャンペーンを通して、ユーザー様に省エネ・環境保全と節電・コンデン シングボイラーの相関関係や、メンテナンスの省エネにおける重要性を説明し、環境意識の向上に取り組んでいま す。2014 年度は、約 5,000 件のメンテナンスの申し込みがありました。 ■お客様への環境情報の発信 エアコンの省エネや環境保全に関する情報をウェブサイトで公開しています。たとえば、節電するためのエアコンの 効果的な利⽤法を動画で紹介しています。 ▽「ダイキン・トルコ・アカデミー」ウェブサイト(トルコ語) ‐ 2 ‐ http://www.daikinakademi.com/ ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート ■シンポジウムや業界団体などで環境保全に関する講演を実施 ダイキントルコ社では、環境保全に関するシンポジウムや業界団体などで講演 し、ステークホルダーの環境意識向上に努めています。 2014 年 5 ⽉に、TTMD(Turkish Society of HVAC and Sanitary Engineers)主催の第 11 回国際設備テクノロジーシンポジウムで、ダイキントルコ 社より「季節にあった効果的なエアコンの利⽤」「トルコにおけるエアコンの省エネの必 シンポジウム 要性と新たなエネルギー」について講演しました。 また空調業界に関係する各種協会・⼤学・団体で低温暖化冷媒 R32 を軸に した環境保全セミナーを常時実施しています。 2015 年 1 ⽉には、ダイキントルコ社内で、グリーンビルディング、グリーンビルディ ング認証システムについての知識習得を⽬的に、グリーンビルディング認証システム の LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)、BREEAM (Building Research Establishment Environmental Assessment Method)についての教育を実施。従業員 21 名が参加しました。 さらに、EU 圏における新しい F ガス規制や、低温暖化冷媒 R32 の環境性能に ついての記事を国内の技術雑誌に掲載しました。この記事は、同時にダイキントル コ社のウェブサイトでも掲載しています。 【環境】緊急事態への対応 ■事故・緊急時の対応訓練を実施 ダイキントルコ社では、年に 1 回、救命救助訓練、環境事故対応訓練を実施 しています。安全衛⽣課と産業医の指⽰にしたがって、実地訓練を実施しました。 また、ダイキントルコ社の災害・緊急事態対応規則にもとづき、政府の指導のも と従業員の対応能⼒育成のために、毎年訓練を計画し、実⾏しています。 消⽕訓練 ⼈命救助 ■緊急事態への対応 事務所を移転したサービス・研修部⾨の新社屋では、緊急避難担当チームを 編成(2 名のリーダーと 18 名担当者)しているほか、各職場で緊急避難経路を 掲⽰しています。 サービス部避難経路 ‐ 3 ‐ ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート 【環境】環境パフォーマンスデータ ■エネルギー起因 CO2 排出量 ■CO2 以外の温室効果ガス排出量 ■廃棄物・再資源化物発⽣量 ■⽔使⽤量 ■VOC 排出量 ‐ 4 ‐ ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート 【⼈材】従業員に対する⼈材育成 ■グループ会社の技能者を招き⾃社の技能を向上 ダイキントルコ社では、⾃社の溶接技能を向上させるため、ダイキンヨーロッ パ社から技術者を招き、指導を受けています。指導を受けた溶接技能者 2 名が、2014 年 10 ⽉、ダイキン⼯業滋賀⼯場で開催された溶接オリンピック に参加しました。 溶接オリンピック ■階層別研修の実施 ダイキントルコ社では、階層別に研修を⾏っています。 たとえば、管理職候補者を対象に、管理職育成プログラムの⼀環として 「リーダーシップ能⼒育成教育」を実施し、チームワークや戦略⽬標の⽴案な ど、必要なスキルを研修しています。また、外部有識者の指導のもとリーダー 育成教育を実施してします。 【⼈材】多様性の確保 ■⼥性従業員の活躍を推進 ダイキントルコ社では、⼥性従業員の活躍推進に注⼒しています。 ⽣産部⾨では意識的に⼥性の雇⽤拡⼤、⼥性従業員の活躍を推進した結果、2014 年度の⼥性従業員 ⽐率は、前年度の 10%から 17%に増加。品質に関する感度の⾼さや集中⼒の持続性などの利点を活かして、 検査・組⽴・完成⼯程をはじめ、現在ではすべての⼯程で⼥性従業員が活躍しています。⼥性従業員が働きや すい職場環境をめざして、ロッカールームやトイレ、休憩所の新設・リフォームも併せて実施しました。また、開発部 ⾨でも積極的に⼥性技術者を採⽤しています。 サービス部⾨では、⼥性従業員の積極的な雇⽤を⾏い、2013 年度の⼥性雇⽤⽐率は 11%から 20%に 拡⼤しました。 営業部⾨では、社外にも取り組みを広げ、⼥性実業家の育成と⽀援を⽬的に、スポンサーとなった「サクラプロ ジェクト」を⽀援、⼥性社⻑のダイキンディーラーの開店にこぎつけました(「サクラプロジェクト」については、下記 「【社会貢献】その他の地域貢献」も参照ください)。 ‐ 5 ‐ ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート 【⼈材】労働安全衛⽣の取り組み ■⽣産部⾨やサービス部⾨で、安全衛⽣教育を積極的に実施 新規雇⽤の従業員には、安全衛⽣教育も実施しています。 また、従業員だけでなくその家族にも作業安全衛⽣への意識、会社の活動への理解を深めてもらうために、安 全衛⽣をテーマにしたスローガンを公募しました。応募のあった上位 3 つのスローガンを、1 年間、⼯場内に掲⽰し ています。また⼊賞者の⽅々には記念品を贈りました。 サービス部⾨では、従業員や協⼒業者を対象に、年 1 回、安全衛⽣教育を実施しています。2014 年度 3 ⽉末現在、従業員 211 名(計 7 グループ開催)、販売店のサービスエンジニア 1,933 名(計 57 グループ開 催)の教育を実施しました。 また、既存の安全衛⽣教育に、環境保護と節電の項⽬を追加。グリーンビルディング(LEED、BREEAM) に関するプログラムを 1 グループ、21 名に実施しました。 【品質・CS】品質向上の取り組み 【⼯場での取り組み】 ■⾃社内での検査体制を強化 品管部⾨ではこれまで、⾃社内に検査機器がなかったため、品質試験には 外部検査機関を利⽤していました。2014 年度は、⾃部⾨による試験実施と、 メンバーの能⼒向上をめざし、RoHS 対応の分析器購⼊を始め、⾼圧テスト試 験設備、伸縮計、塩⽔噴霧腐⾷テスト機器を導⼊しました。 また、取引先評価システムを構築し、取引先からの納⼊部品のテストを実 施。その試験結果をもとにより精度の⾼い品質管理をめざせるようになりました。 ⾃社内での試験の様⼦ 【サービス部⾨での取り組み】 ■製品の品質向上体制 品質向上の主要活動である CQM(Company Quality Meeting:品質管理委員会)では販売した製 品の市場での状況を把握し、速やかな原因追及と対応策を講じ、お客様第⼀の視点で活動しています。 品質管理部、サービス部、経営者で情報の共有化を図り、品質向上の取り組みを意思決定しています。 ■EFQM モデルを⽤いた品質マネジメント 欧州で⼀般的な品質マネジメント⼿法である EFQM(European Foundation for Quality Management:欧州品質管理財団)モデルに沿って品質向上活動を実施しています。サービス品質の向上 や顧客満⾜の向上など 8 つの戦略テーマと KPI(主要業績評価指標)を設定し、3 年間の戦略計画を決定。 順次、実⾏しています。こうした取り組みの結果、2013 年の顧客満⾜度調査が 20%向上しました。 ‐ 6 ‐ ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート ■ステークホルダーとの協働による品質向上 ダイキントルコ社の製品の紹介や品質向上の取り組みなどを、ステークホルダーミーティングで共有。またダイキン 品質の理解を⽬的として、サプライヤ向けに PDS(Production of Daikin System:ダイキン流のモノづくり) トレーニングを実施しました。 【社会貢献】環境保全活動 ■⼯場内の緑化の推進 ⼯場敷地内に果樹の苗を植樹。また、⼯場でサカリヤ⼤学の環境エンジニア専攻の学⽣ 3 名に対して、環境 保護取り組みについての説明会を実施しました。 【社会貢献】教育活動への⽀援 ■⼤学でエアコンに関する環境セミナーを実施 ダイキントルコ社では、季節に応じた効果的なエアコンの利⽤、エアコンの省エ ネ規制、EU の改正 F-gas 規則と R32 冷媒についてのセミナーを 11 の⼤学 で実施。セミナーの合計時間は 115 時間にのぼり、3,000 名の⼤学⽣が参加 しました。 また、⼤学⽣を対象に⼯場⾒学の受け⼊れも⾏っています。2014 年度は 150 名を受け⼊れました。 ⼤学での環境セミナー ■エアコンに関する技術を学ぶ学⽣に奨学⾦を提供 空調に関する調査・教育機関である ISKAV(Heating Cooling Air conditioning Research & Education Association)とユルドゥズ⼯科⼤学との共同で、ユルドゥズ⼯科⼤学機械エンジニア学科のエアコ ンディショナー科を選択した学⽣ 3 名に予算枠の奨学⾦を提供。また、ユルドゥズ⼯科⼤学とマルマラ⼤学の機械 エンジニア学科の学⽣に⼯場で⽣産システムの説明会を実施しています。 ‐ 7 ‐ ダイキントルコ社 2014 年度サイトレポート 【社会貢献】その他の地域貢献 ■⼥性の社会進出を⽀援 現地中⼩企業推進委員会の企画する「サクラプロジェクト(⼥性社会進 出運動)」のスポンサーとなりました。このプロジェクトでは起業家を志望する ⼥性の新卒者を募集して、3 年間で 100 名の⼥性の起業と 100 名の被雇 ⽤者を⽬標としています。ダイキントルコ社では、ダイキン製品の情報、⽣産 ⽅法、職場の安全と健康環境保護などの分野で、第⼀期サクラプロジェクト 起業家志望者 8 名を対象に教育指導を実施しました。 サクラプロジェクト受講者 ■トルコの野⽣動物保護に貢献 WWF トルコの野⽣動物保護プログラムのスポンサーとなり、アナトリア(トルコのアジア側内陸部)の絶滅危 機動物の保護に貢献。2年間の主スポンサーで 60,000 トルコリラを寄付しました。 ‐ 8 ‐
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