予防課様 第12号 平成28年1月

予防 課様
分からない事があります
私が気がついた事があります
私の推測があります
私の提案があります
もし間違っていたら教えてください
参考になる事があれば教えてください
消防設備士
大畑善夫
第12号 平成28年1月
第12号もくじ
この冊子をお贈りする意味 (各消防機関様)
確認申請
消防長受理時のお願い
1 消火器の維持管理
2
維持管理
階段室
高天井
天井裏
非常電源の連動方式
自動火災報知設備の感知器
ロ
防火 対象 物の関 係者 (所 有者、 管理 者ま たは占 有者 )の 明確 化
イ
ハ
2
この冊子をお贈りする意味
昭 和 57 年 以降 、
「 埼 玉県 消 防設 備 協会 」
( 構 成は下 記5 団体 、埼 玉県電 気工 事工 業組
合 /埼 玉 県管 工 事工 業連 合 会/ 埼 玉県 火 災 報知 機 工業 会 /埼 玉 県消 防 設備 業組合 /埼 玉県
消防機器商業組合)で毎年一度定期的に開催している「消防機関連絡協議会」があります。
協会側提出の質疑、要望に対応されるのは消防長会の消防長、及び予防危険物部会です。
因みに平成18年度は、さいたま市消防局/ 川口市消防本部/川越地区消防局/熊谷地区
消防本部/春日部地区消防本部/の6地区の消防本部の方でした。
当 初は 埼 玉県 消 防本 部 の代 表 して 一 人の 消 防長 が 答え ま した が 、最 近 は協 会提出 の質 疑要
望に対して個々の消防本部の方にそれぞれ見解を述べてもらっています。
消防 法 は法 、 令、 規 則 、細 則 とき め細 か く定 め られ て いる とは いえ 、特 殊例、 予想 され
ない特異な状況等具体的な現場状況においては法解釈に迷う場合が少なくありません。
毎年、告示、通達、通知など出される所以です。
そ れで 、 埼玉 県 にお い て も消 防 法の 趣 旨に 立 ち返 り 、法 解 釈、 運用 に おい て過 誤、遺 漏の
ないよう協議の場を設けたものです。
おか げ 様で 消 防設 備 工 事、 及 び管 理 業を 営 むも の とし て 、そ の 都度 有益 な見 解、 知識を
得て き まし た 。た だ し、 残 念な こ とに は この 協 議会 の こと は 埼玉 県 全体 の予 防課 には 知ら
れて い ない ら しい こと 、 従っ て この 協 議会 で 多数 意 見、 共 通 見解 と され たもの が、 個々 の
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消防本部においては明らかに異なった見解になる場合があります。
遅ればせながら、平成19年度よりは「消防機関連絡協議会」においての協議事項が埼玉
県消 防 設備 協 会の 会 報に 掲 載さ れ るこ と にな り まし た が、 過 去2 5 年間 の協 議内 容は ブラ
ンク に なり ま す。 お こが ま しい こと で すが 、 平成 2 1年 ま で 25 年 の間 1問 以上私 が行 っ
て お りま す 。ま た 、協 議 会に 提 出し た 以外 相 当数 の 質疑 、 提案 項 目が あり ます 。そ れに つ
き まし て は私 的 ホー ム ペ ージ 等 で取 り 上げ て おり ま す。 埼玉 県 の消 防 設備 の専 門業者 の組
織 とし て 「埼 玉 県商 業 機器 消 防組 合 」と い う団 体 があ り ます 。 私は 平 成2 2年ま で技 術担
当を し てお り まし た が、 以 降こ の 小冊 子 で 取り 上 げる 項 目は あ くま で 一消防 設備 士と して
のものです。読み捨てて頂いて結構です。
尚、
「さいたま電子新聞」というネット紙の編集に関わっています。良い意見は公開した
いと考えています。ご意見をお寄せ下さい。
大畑善夫
今後ご迷惑でない限り継続してお贈りする所存です。ご意見、ご教示が頂ければ幸いです。
消防設備士
平成19年7月(1回目)~今回平成27年12月(12回目)
予防 課 様
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1 消火器の維持管理(開封しなければ一〇年以上もつ!)
消火器の維持管理について
消 防 法に よ る消 火 器の 維 持管 理は 大 変複 雑 です 。 常識 か ら は考 え られ ない のが消 防法 の
一面です。消防法は基本精神から考えるのと逐語解釈からでは大きな差異が生じます。
まず 、 一般 的 な粉 末 消 火器 に つい て 言え ば 、加 圧 式に あっ て は製 造 年よ り起 算して 3年
から( 蓄圧式 にあっ ては 5年) 機能に支障 がある経年変化が 始まるという 考え(これは消
防 法上の見解で科学的、化学的、統計的データではありません。これについては従前より各メー
カーに問い合わせてきましたが、通常環境において機能に支障のある経年変化が 1, 0年以内に
発生する、という返答をしたメーカーはありません)で維持管理の細い方法が定めてられてい
ます。
自家 発 電設 備 のバ ッ テ リー 、 その 他 消防 機器 の バッ テ リー や 自動 火 災報 設備の 感知 器な
どは 、 理論 的 にも 経 験デ ー タに お いて も5 年 、1 0 年で 経 年 変化 が 発生 し、 機能障 害が あ
り得ますが消火器の粉末薬剤は安定したもので5年、10年では経年変化は発生しません。
こ のこ と は科 学 的、 化 学 的に も 明確 で す。 さ らに 経 年変 化 の統 計 的根 拠は はっ きりし てい
ま せん 。 一見 綿 密の よ うで す が、 経 年変 化 を前 提 に粉 末 消火 器 の維 持 管理 方法に 科学 的根
拠はないのです。※【ご希望があれば蒐集資料をお送り致します】
また 法 その も のの 科 学的 根 拠、 統 計的 根 拠が 明 確で な く規 則 その も のが 整合性 を欠 き自
己矛盾しているのです。
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消 防法 は 伝統 的 にト ッ プダ ウ ンの 官 尊民 卑 の残 滓 が濃 厚 な 法律 で す。 とはい え民 主主 義
の時 代 です 。 大半 の 消防 本 部は 現 実的 に 適 正を 欠 くも の につ い ては 、 法の 基本精 神に 立ち
返っ て 助言 的 運用 指 導さ れ ます 。 時と し て少数 で はあ り ます が 、愚 か な庶 民を指 導監 視す
.の
.こ
.と
.に
.つ
.
るという上から目線でウチの考えとして逐語解釈を執拗に迫る人もあります。そ
.て
.余
.り
.異
.を
.唱
.え
.る
.と
.、
.我
.々
.消
.防
.業
.者
.は
.業
.務
.と
.し
.て
.の
.関
.連
.が
.多
.く
.、
.そ
.の
.為
.に
.書
.類
.の
.出
.し
.直
.し
.、
.受
.
い
.取
.り
.拒
.否
.、
.再
.検
.査
.、
.な
.ど
.様
.々
.な
.陰
.湿
.な
.嫌
.が
.ら
.せ
.報
.復
.が
.あ
.り
.得
.る
.世
.界
.で
.弱
.い
.立
.場
.に
.あ
.り
.ま
.す
.。
.
け
具体 例 を申 し 上げ ま す 。一 般 的な 粉 末消 火 器の 場 合、 製 造年よ り3 年ま では外 観検 査で
良い と され て いま す 蓄
( 圧 式 は5 年 。
) 問 題 はそ れ 以降 の 維持 、管理 方法 です 。維 持管理 方
法は 設 置本 数に よ って 異 なり ま すが 、 加圧 式 の粉 末 器が 1 本 。蓄 圧 式が 1本、 強化 液が 1
本 あ った と しま す。 定 期 点検 は 6ケ 月 毎で す ので 3 年を 経 過し 3 年半 の点 検時 が問 題の時
で す。 こ れ以 後 はそ れ ま での 外 観検 査 では なく 、 次ぎ の 3年 間 で古 い 順か ら詰 め替え に似
た 作業 、 工具 で キャ ッ プを 開 封し て 薬剤 を 調べ る とい う 【機 能 検査 】 をす ること にな りま
す。この古い順と言う言葉が問題です。
解釈Ⅰ
機能 点 検の イン タ ーバ ル はロ ッ トの 本 数 によ っ て異 り ます 。 10 本 以上 ある場 合は 5年
ですが6本以下の場合は3年です。
6
ロットが1本の場合と6本の場合を検証します。
ロット総数が1本の場合
3 年経 過 しま し た。 1 本の 0 .1 は1 本 で す。 こ れが 機 能検 査 及び 放 射試 験の対 象に なり
ます。問題はそれを何時やるかということです。 ロットが1本の場合はその後の3年以内
に機 能 検査 、 及び 放 射試 験 をす れ ば良 い と解 釈 され ま す。 3 年半 目 実施 して も6 年目に 実
施 し ても 、 その 間 であ れ ば良 い と判 断 され ま す。 当 然経 済 性 から 見 て6年 目に 実施 して く
れ とい う こと に なり ま す 。問 題 はこ の 時点 で 3年 経 過し た ら最 初 の点 検時 の3 年半 目に実
施 しな け れば い けな い 。と い う強 い 指導 が 出た 場 合で す 。機 能 検査 、 放射 試験を する と言
う こと は 薬剤 の詰 め 替え と いう 事 です 。 昔 はと も かく 現 在は ホ ーム セ ンタ ーで格 安で 売ら
れています。詰め替え費用の見積書をだせば買い換えたほうが安いと言うことになります。
「ここの地域消防本部の指導がこうなんです」と我々業者がおそるおそる説明した場合の
ことです。
「家庭用消火器でも8年間はノーメンテでいいというのに国検品がなんで3年毎
に買い換えなければならないのだ!?」というブーイングが大半です。
(この辺の事情を机上行政の方に理解してもらえないのが残念です)
ロット総数が6本の場合
こ の6 本 がそ れ ぞれ 半 年ず つ製 造 年が 異 な る場 合 (こ ん な事 は あり 得 ない )は分 かり 易い
例です。文字通り古い順に点検します。対象となった
本を機能検査し、放射試験をしま
1
す。 丁 度三 年 経過 後 、製 造 年( 設 置年 と ほぼ 同 じ) 設 置後 6 年め で お手 本通 り機能 点検 が
7
一巡します。
解釈Ⅱ
と こ ろ で、 通 常 設置 さ れ たも の はほ ぼ 同じ 製 造年 で す。 必 要な 本 数を 半
年毎 に 分納 設 置して も よ い場 合 はな い はず で す。 製 造年 が同 じ とい う こと は敢 えて古 い順
位を 決 めて 半 年毎 に 機能 点 検を し た場 合 同じ 製造 年 月日 で 3 年半 で 機能 検査 したも のと 6
年 目 に機 能 検査 し たも の が発 生 しま す 。つ ま り同 一 品で 6 年 まで 外 観でよ いも のが ある こ
と にな り ます 。 従っ て 六 年目 で 全数 機 能検 査 して も 論理 的 に矛 盾 しな いと 思わ れます 。因
み に旧 来 の粉 末 消火 器 の維 持 方法 で は一 率 5年 で 詰め 替 えて い まし た 。管 理上分 かり 易い
ものでした
この 観 点か ら 製造 年 が 同じ 場合 、 加圧 式 でロ ッ トが 6 本の 場合 は6 年目 に一律 機能 検査
し、 そ の半 数 を放 射 試験 。ロ ッ トが 1 0本 以 上の 場 合は 8 年 目に 一 律機 能検査 し、 その 半
数 を 放射 試 験。 蓄 圧式 で ロッ ト が1 0 本以 上 の場 合 は1 0 年目 に 一律 機能 検査 し、 その 半
数 を放 射 試験 で 論理 的 に よい の では 無 いで し ょう か 。な お、 そ の時 点 で総 合的見 地か ら顧
客が全数交換を希望されても論理的に矛盾はないと思います。
現場においての機能検査、放射試験の問題
現場 で 所定 の 機能 検 査を す るの は 様々 な 問題 が 生じ ま す。 最 大の 問 題は 放射試 験で す。
粉末薬剤を放射できる場所があるか、また承諾して貰うことが困難です。
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粉 末薬 剤 は一 応 人畜 無 害( 主 成分 の 第一 リ ン酸 ア ンモ ニ ウム はリ ン酸肥 料、 防水 コーテ
ィン グ 用の シ リコ ン は自 然 界に あ るも の な のに 、何故 か 畑や 田 んぼ に 散布 して はいけ ない
事に な って い る) と なっ て おり ま すが 、 風に 乗 り近 隣 に拡 散 し様 々 な支 障、 クレ ーム があ
るこ と から 、 消防 署 指導 の 消火 訓練 に おい て も訓 練 用の 水 入 り消 火 器が 使用 される よう に
なった経緯があります。
以上のような事情で現場での放射試験は難しいので持ち帰ってからの放射試験となりま
す 。持 ち 帰っ た 場合 、 当然 代 替え の 消火 器 が必 要 にな り ます 。 持ち 帰 り放 射試験 をし て再
充填 を する こ とは 可 能で す 。但 し 、こ の 間 の経 費 (1 代 替品 の 設置 、 2充填 費用 、3 再設
置費 用 )は 新 しい 消 火器 を 設置 し た方 が はる か にロ ー コス ト です 。 更に 、再 充填 した消 火
開 封し た 消火 器 はそ の 時点 で メー カ ーの 保険 、保 証は 消滅す
器は 新 品の 消火 器 と比 べ 、2 点 以上 の リス ク を負 い ます 。 そ の一 、 次期 の外観 検査 で済 む
期 間 が半 減 しま す。 そ の 二
る 事に な りま す 。経 済 コ スト だ けで な く、 これ だ けの リ スク を 持つ 機 能検 査、放 射試 験を
希 望す る 方は 考 えら れ ませ ん ので 、 機能 点 検、 又 は放 射 試験 対 象と な った 消火器 は新 規交
換と な るの が 合理 的 結論 と なり ま す。 細 目 を補 足 しま す と蓄 圧 式の 場合 の機 能点 検と その
半数 が 該当 す る放 射 試験 は 同じ 対 応に な りま す 。な ぜ なら 蓄 圧式 は 開封 した 時点 で加圧 ガ
ス が 抜け て しま う から で す。 そ の点 加 圧式 は 現場 に おい て 、 バル ブ を開け 、内 部粉 末の 状
態 を目 視 、及 び ケー キ ン グし て 異常 な けれ ば 元に 返 す作 業 は可 能 です 。た だし 、全 容量に
薬 剤を 容 器に 開 けて の 確認 作 業ま で 要求 さ れる な ら、 現 場で の 機能 検 査は 現実的 に無 理で
す。
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蓄圧式同様機能検査対象、その半数の放射試験対象品ともに新規交換が経済的です。
以上 の 見解 よ り当 社 と して は 地区 消 防本 部 の特 色 によ り AB 二 通り の方 法を 選択 して貰
っています。
A案 は 全数 同 時製 造 品の 場 合、 外観 上 の 変化 が ない 場 合最 長1 0年未 満で 新規 交換 して
頂 く (1 0 年以 上 は耐 圧 検査 が 該当 し 、新 品 以上 の 高額 な 経費 を 要す る検 査を 要望 する 者
はいない。
)
B案は以上の方式で外観検査期間を超えたものは、古い順位にこだわらず(同時期製造品
で年代順位がつけられない)あえて順位を決め、ロットの10%毎新規交換して頂く、
ほぼ 半 世紀 、電 気 工事 と 消防 設 備の 業 務 を併 業 して き まし たが、 消防 法、 消防 行政 には
一般大衆が知らない奇異なものがあります。
消火器の維持管理だけでなく永遠に使えない消火栓、奏功率の問題、建築基準法、電気
設 備技 術 基準 な ど関 連 にお い ての 縦 割り 行 政の 弊 害、 一 度ワ イ ド番 組 で取 り上げ て貰 いた
いと考えています。
アテンション・プリーズ!
遅れ ば せな が ら最 近驚 く べき 情 報を 得 ま した 。 消防 庁 自体 が粉 末消火 器は 三年 、五 年で
10
使 用に 支 障を 来 す経 年 変化 が ある と した 認 識が 誤 りで あ ると 、 内部 情 報と しては 認め てい
たのです。
既に 一 〇年 以 上経 過 し てい ます が 内容 は 下記 の 通り で す。 政 府は 平 成1 1年1 2月 19
日《 新しいミレニアムの始まりに於いて人類の課題に答え大胆な技術革新》ミレニアム・
プ ロ ジェ ク ト( 新 しい 千 年紀 プ ロジ ェ クト ) とい う テー マ で平 成 12 年総 額2 、5 00 億
円のその予算が各省庁に分配されました。
自治省消防庁においてはその予算で粉末消火器の研年変化を調査したのです。その結果
です 。 対象 と なっ た のは 六 メー カ から 提 供 され た 10 年 間開 封 しな い (機能 検査 、放 射試
験を し ない ) 粉末 消 火器 で す。 平 成1 2 年度 【 回収 消 火器 薬 剤の 性 能試 験等 】の 結果の 結
【 回収 消 火器 薬 剤 の放 射試 験性 能等 】の試 験を した ところ 、放 射
論です。開封されない限り、一〇年以上使用できる可能性がある。
ま た 平成 1 3年 に は
試験、消火試験、物性試験の何れも規格基準値を満足した。となっています。
こ こで 注 目す べ きは 、 何れ も 開封 し ない 消 火器 で ある こ とで す。 3年、 又は 5年毎 に開
封して機能点検をし、又放射試験後、再充填した消火器ではないことです。
これ は 食品 工 場で 密 閉さ れ たカ ン 詰め や ビン 詰 めと 類 似し て いま す 。開 封しな けれ ば賞
味期限まで持ちますが一度開封してしまえばそのかぎりではなくなることです。
この事実は 消防庁、及び予防課の方には驚くべき発見であったと思いますが、各メーカ
ー の技 術 者、 及 び私 の よう に 40 年 以上 消 防業 界 に実 務 体験 し てい る 者に おいて は周 知の
事でありました。
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過ち改めるに憚ること勿れ と言う故事があ ります。現在の維持管理法が、科学的、統計
的に 基 づき た 適法 に 速や か に改 正 され る こ とを 期 待し て いま す が、 未 だ改 正され ない のは
21世 紀の怪 異現 象とも いえま す。 江戸時 代の 悪法とされた 生類憐れみの令も、24年間
江戸 市 民を 苦 しめ ま した が 五代 将軍 綱 吉の 死 をも っ て即 改 正 され ま した 。現 行の粉 末消 火
器 は 3 年 . 5 年 で開 封 し て 機 能 点 検 を し な けれ ば 機 能 に 支 障 があ る とす る 規則 は生 類 憐れ
みの令の24年を超え既に40年以上続いております。生類憐れみの令 は権力者の綱吉が
死ぬ まで改 正さ れせん でした が、現行 の消防法の悪 法は黒幕の平成の綱吉さんが存命だ か
らで し ょう か ?。 ネ ット 情 報は 世 界規 模 に なり 、 通販 の 商品 は 朝注 文 すると 時に はそ の日
消
のう ち に配 達 され る 世界 で す。 相 対性 理 論か ら 量子 論 の進 化 して い る現 在こ のよ うな消 防
粉 末消 火 器の 維 持 管理 に つい て はメ ーカ ー 及び 良 心的 同 業者 のコン セン サスは
法の世界はどうなっているのでしょうか?、心ある方に訴えたい心境であります。
要約
防 庁自 治 省に お いて も 既に 一 〇年 以 上前 に 通常 の 配置 さ れた 消 火器 は 10 年は使 用に 支障
ない こ とが 実 証さ れ てい ま す。 さ らに 、 1 0年 経 過後 は 新規 購 入よ り費 用の 掛か る耐 圧検
査を す るこ に なっ て いま す 。そ の 時点 で 、機 能 検査 を した り 放射 試 験を した りす るのは ナ
ン セ ンス で す。 外 観検 査 で異 常 のあ る もの や 一度 使 用し た も のを 除 いて8 年か ら1 0年 で
一律交換するというのが合理的な対応ではないでしょうか。
12
2
確認申請時でのお願い
イ 自動火災報知設備の感知器
消防 設 備を 設 置す る に あた っ ては 事 前事 後 に様 々 な提 出 書類 、 立ち 合い 検査 があり その
時点 で ,建 物 を使 用 する に あた っ て、 消 防法 に 照合 し 適法 で ある か 検討 し、 指示 、要請 が
な さ れる こ とが あ りま す 。全 て 確認 申 請時 の 消防 長 同意 事 項 にあ る こと で間違 いは あり ま
せん。
現実問題としては、多々問題が発生しているのが事実です。確認申請の書類をつくり提
出 にく る のは 主 に建 築 士で す。 建 築士 は 建 築基 準 法を 熟 知し て はい ま すが 、消防 法に 関す
る諸設備の詳細、爾後の維持管理に関する問題までは手が届きません。
そこで重要な事項は消防長同意時点で消防長(代行審査する職責の方,予防課と思いま
す)が配慮して欲しいことが何点かあります。
必 要 とさ れ る消 防 設備 が 適法 で ある か どう か だけ で なく 、 容易に 維持 管理が 出来 るか ど
う か、 も 考慮 し て欲 し いと 伝 えて 頂 きた い こと で す。 具 体的 に は高 所 の感 知器と 天井 裏に
感 知器 を 設置 する 場 合で す 。規 則 上ス ポ ッ ト型 熱 感知 器 は高 さ 8メ ー トル まで、 煙感 知器
においては高さ15メートルまで設置できます。
(一種型は20メートルまで!)
現実 的 には 8 メー ト ルの 高 さに あ る感 知 器を 点 検で き る点 検棒 はあり ます が、 相当 な労
13
力 を要 し ます 。 その 為 設計 を 任さ れ た場 合 、当 社 では 6 メー ト ルを 超 える ような 対象 物の
場合 、 分布 型 感知 器 で設 計 する か 、リ モ コ ン操 作 でき る シス テ ムを 選 びま す。と ころ が8
メー ト ルで も 点検 棒 を伸 ば して 試 験す る のが 大 変な の に煙 感 知器 は 15 メー トル まで 設置
可能です。
(一種型なら20メートルまで可能)敢えて点検するには足場が必要となります 。
新 設 時は 足 場が あ りま す がそ の 後の 建 築物 に おい てそ の 都度 足 場を 作 るの は現実 的で はあ
り ませ ん 。ま し てや 、 階 段の 上 部な ど の場 合 の階 段 の足 場は 大 変で す 。こ の場合 必ず しも
階 段室 の 幾何 学 的中 央 に設 置 せず 、 気を 効 かせ 上 部廊 下 より 点 検可 能 な位 置の設 置で も認
めら れ る筈 で すが 、 机上 設 計者 の 場合 階 段 室に 対 角線 を 引き そ の交 差 点に感 知器 を落 とし
込み ま す。 ま た、 天 井裏 に 感知 器 の設 置 が必 要 な場 合 各感 知 器毎 に 点検 口が 必要 です。 感
知器毎に点検口があるのは皆無です。
それでも、職人芸(猿業)で加重計算が石膏ボードを支えるだけの天井裏を這い回り、
ま たそ れ を要 求 され た 経 験が 多 々あ り ます 。最 近 、建 築 基準 法 にお い て落 下防止 対策 とし
て一定規模以上の天井を特定天井としてあらたな点検項目が設けられました。
そもそも天井は(キャットウオークでもないかぎり)人が歩く構造になっていないので
す。 天 井裏 は 人間 が 定期 に 歩き 廻 る場 所 では な いの で す。 分 布型 感 知器 かリ モコ ン式の シ
ス テ ムに す るべ き なの で すが 現 実と し てそ の よう な 設計 は 希 とい え ます。 特に 役所 物件 の
場 合件 名 が大 き いほ ど 権 威的 縦 割り 構 造に な り与 え られ た 設計 内 容を 変更 する には 困難で
す 。お 手 数な が ら、 建 築確 認 の消 防 長同 意 の時 点 でア ド バイ ス して 頂 くよ り他は ない ので
す。
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ロ 非常電源の連動方式
スプリンクラーでも消火栓でも常用電源が失われたあと発電機などによる非常用電源が
バッ ク アッ プ する シ ステ ム にな っ てい ま す 。手 術 室な ど の場 合、 即 非常 用へ の切 り替 えが
必要 で すの で 受電 部 の高 圧 電源 部 に設 け られ た 計器 用 変圧 器 (P T )に 設置 され た27 リ
レ ー から 停 電信 号 をキ ャ ッチ し 10 秒 以内 に 非常 用 発電 機 が 立ち 上 がるシ ステ ムに なっ て
い ます 。 とこ ろ が消 防 設 備の 場 合、停 電 即 非常 用電 源 に切 り 変わ る 必要 はな いの です 。何
故 なら 停 電即 火 災で は 無い か らで す 。自 動 火災 報 知設 備 など の 監視 設 備と 異なり スプ リン
ク ラー や 消火 栓な ど の消 火 設備 は 停電 は ス タン バ イ信 号 です 。 その 間 に尚 かつ火 災が 発生
した 場 合初 め て非 常 電源 の バッ ク アッ プ が必 要 にな り ます 。 素朴 な 原則 (常 識) です が停
電イ コ ール 火 災で は ない の です 。 子供 で も分 かる リ クツ で す 。消 防 設備 の消 火設備 にお い
て は 停電 は スタ ン バイ 信 号で 、 スプ リ ンク ラ ーの 場 合は 圧 力 タン ク の減圧 信号 、消 火栓 設
備 は人 が 起動 ボ タン ( 発 信機 ) を押 し て起 動 が必 要 にな る もの な ので 消火 設備 の起動 シス
テ ムは 病 院な ど の特 定 防火 対 象物 と 異な り 停電 信 号プ ラ ス圧 力 タン ク の減 圧信号 また は手
動の 起 動ボ タ ンと の 合成 信 号( A ND 回 路 )が 合 理的 で す。 つ まり 初 めの停 電信 号を キャ
ッチ す ると 待 機状 態 にな り 、ス プ リン ク ラー の 減圧 信 号、 ま たは 消 火栓 の起 動ボ タン の信
号で非常用の発電機が起動する、というシステムです。面倒な (AND回路)でなく高圧
盤 の 停電 信 号で 起 動し て どこ が 悪い 、 とい う 論理 で 長い 間 消火 設 備の 起動 シス テム が高 圧
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盤の27リレー連動となっているのが現状です。
問題はそれでどういう支障があるのか?という問題です。日本に於いては頻繁に長時間
の停電がありませんでした。
「喉元通れば熱さを忘れる」古い故事がありますが、今から○
年前 関 東地 方 にお い ては 福 島原 発が 急 に停 止 した た めあ る 期 間、 地 位別 に時 間帯を 設け 数
時 間 電力 を 受け ら れな い 期間 が あり ま した 。 火災 で もな い のに 停 電信 号で バカ 正直 に発 電
機 は起 動 しま し た。 こ れ は火 災 では 無 いの だ から と 、停 止さ せ よう と しま した が停止 方法
が 分か ら ない 方 (こ の 方が 大 半) が 右往 左 往す る うち 発 電機 は 燃料 を 使い 果たし 停止 しま
した 。 やれ や れで す が、 定 期点 検 の規 約 の ある も のは 、 1ケ 月 、1 年 後に燃 料が 無い こと
に気づくでしょう。さて、その間に本物の火災があったらどうなるのでしょう?
停電時と言えども (AND回路)でない起動システムの消火設備は役に立たないのです。
中 学 生で も 分か る この 問 題が 未 だ指 摘 され な いの は 何故 で しょう ?。 それ は科学 や良 識
の 問題 で ない か らで す 。 縦割 り 権威 主 義、 中国 政 治が 他 人事 で ない 日 本特 有の官 僚構 造の
現代の構図、社会心理学の分野故なのです。
ハ 防火対象物の関係者(所有者、管理者または占有者)の明確化
問 題 は特 に 賃貸 す る建 物 です 。 消防 法 に よれ ば 維持 管理 に 関して 責務 を負 うのは 建物 の
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所 有者 で ある 建 築主 、 また は 管理 者 のど ち らで も 良い と なっ て いる こ れが クセモ ノで す。
建築 主 が管 理 者で あ る場 合 は問 題 ない の で すが 、 維持 管 理に は 費用 が とも ないま す。 賃貸
契約 の 時、 そ の区 分 を明 確 にし て おけ ば 良い の です が ,消 防 法に お いて はそ の後 のナ マグ
サイ領域には立ち入らず シュレデインガーの猫に似た不明確なケースが多々あります。建築
主 が 単独 で 継続 使 用す る 場合 は 良い の です が 貸し ビ ルと な る場 合 用途 によ って 必要 とな る
設 備が あ り、 維 持管 理 に つい て も変 っ て来 ま す。 何 れも 費用 が かか る こと です 。変電 設備
や EV な どに つ いて の 維持 管 理の 問 題は な いの で すが 消 防設 備 関係 は 誰が 責任を 持つ かで
問題 に なる 場 合が あ りま す 。そ の 可能 性 に ある 建 物は 消 防長 同 意の 時 点で適 切な アド バイ
スがあればと思います。
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