●北総鉄道2015年度(上期)決算 ニュータウンエリアの入居増や前年度の消費税率変更による 先買い反動減の戻りもあり、今年度上期は増収・増益 しかしながら、依然として、多額の有利子負債をかかえ、 累積赤字は未だ161億円と巨額 北 総 鉄 道 (上 期 )決 算 について (1)上期決算の概況 27年度上期は、当社線のⅡ期線沿線(新柴又~新鎌ヶ谷間)では、前年に引き続き、住宅開 発が堅調でした。また、千葉ニュータウンエリアにおいては、新たな大型マンションの入居が開 始されました。 その結果、前年の消費税率変更による先買い反動減の戻りや沿線人口の増加等により定期外旅 客は、23万8千人、4.3%の増加、定期旅客についても、37万2千人、3.0%の増加と なり、定期・定期外合わせて61万人、3.4%の増加となりました。 表① 輸送人員と旅客運輸収入 2015 年度上期 輸 送 人 員 定 期 外 定 合 期 計 旅客運輸収入計 2014 年度上期 比較増減 前年同期比 千人 千人 千人 % 5,811 5,573 238 4.3 12,858 12,485 372 3.0 18,669 18,058 610 3.4 百万円 百万円 百万円 % 6,071 5,815 255 4.4 営業収益は、旅客運輸収入60億7千1百万円に、京成電鉄からの線路使用料収入のほか、成 田スカイアクセスの業務受託手数料収入、千葉ニュータウン鉄道からの負担金収入等を加えて8 1億7千7百万円と、前年同期に比べて1億5千万円(1.9%)の増収となりました。 営業費用については、燃料調整費の単価減による動力費の減少などにより、54億2千万円と 前年同期に比べ1千2百万円(0.2%)の減少となりました。 これにより、営業利益は27億5千7百万円と、前年同期に比べ1億6千2百万円(6.3%) の増益となりました。 1 また、営業利益に営業外収益と営業外費用を加味した経常利益は23億4千万円と、前年同期 に比べて2億4百万円(9.6%)の増益となり、法人税等を差し引いた四半期純利益も、15 億5千8百万円と前年同期に比べ1億5千5百万円(11.1%)の増益となりました。 しかしながら、当社が抱える繰越損失は未だ161億4千8百万円であるなど、依然として厳 しい経営状況にあります。 表② 比較損益計算書 (単位:百万円) 2015年度上期 2014年度上期 8,177 5,420 8,027 5,432 150 △12 1.9 △0.2 2,757 △417 2,340 1,558 2,594 △458 2,135 1,403 162 41 204 155 6.3 9.1 9.6 11.1 営 業 収 益 営 業 費 用 営 業 利 益 営業外損益 経 常 利 益 四半期純利益 増 減 率 (%) 差 表③ 貸借対照表 資産の部 科 目 負債及び純資産の部 科 目 金 額 金 額 百万円 資産の部 流動資産 固定資産 百万円 負債の部 11,852 流動負債 86,517 固定負債 負債の部合計 純資産の部 株主資本 資本金 利益剰余金 純資産の部合計 資産の部合計 98,369 負債及び純資産の部合計 2 8,558 81,059 89,618 24,900 △16,148 8,751 98,369 (2)今後の課題 前年の消費税率変更による先買い反動減の戻りや本年2月10日に実施した運賃改定等により、 今年度は増収が見込まれます。しかしながら、千葉ニュータウンエリアでは、今期は大型マンシ ョンの新規入居もあり入居戸数が増えたものの、少子高齢化や学齢人口の減少は着実に進んでお り、引き続き厳しい経営が続くことが懸念されます。また、多額の有利子負債をかかえている状 況において首都直下地震対応の耐震補強工事や鉄道施設の老朽化に伴う更新工事など安全対策等 の設備投資のための資金需要の増加も避けられない状況にあります。こうした中で、長期、安定 的な輸送サービス継続のためには財務体質の改善が急務であり、このため経費の削減はもとより、 有効な増収対策を推進するなど、より一層経営健全化の達成に邁進することといたします。 3
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