2016年度上期決算について

●北総鉄道2016年度(上期)決算
ニュータウンエリアなどの入居増により、今年度上期は増収・増益
しかしながら、依然として、有利子負債776億円をかかえ、
累積赤字は未だ132億円と巨額
北 総 鉄 道 (上 期 )決 算 について
(1)上期決算の概況
28年度上期は、当社線の2期線沿線(新柴又~新鎌ヶ谷間)では、前年に引き続き、住宅開
発が堅調でした。また、千葉ニュータウンエリアにおいては、新たな大型マンションの入居が開
始されました。
その結果、定期外旅客は、沿線人口の増加等により普通券は増加しましたが、回数券の減少に
より、合計では1万9千人、0.3%の減少、定期旅客については、29万7千人、2.3%の
増加となり、定期・定期外合わせて27万8千人、1.5%の増加となりました。
表① 輸送人員と旅客運輸収入
2016 年度上期
輸
送
人
員
定 期 外
定
合
期
計
旅客運輸収入計
2015 年度上期
比較増減
前年同期比
千人
千人
千人
%
5,792
5,811
△19
△0.3
13,154
12,858
297
2.3
18,947
18,669
278
1.5
百万円
百万円
百万円
%
6,131
6,071
59
1.0
営業収益は、旅客運輸収入61億3千1百万円に、京成電鉄からの線路使用料収入のほか、成
田スカイアクセスの業務受託手数料収入、千葉ニュータウン鉄道からの負担金収入等を加えまし
たが、運輸雑収の減少により81億6千1百万円と、前年同期に比べて1千6百万円(0.2%)
の減収となりました。
営業費用については、車両の定期検査がなかったことなどによる修繕費の減、及び燃料調整費
の単価減による動力費の減少などにより、53億6千5百万円と前年同期に比べ5千4百万円
(1.0%)の減少となりました。
1
これにより、営業利益は27億9千5百万円と、前年同期に比べ3千7百万円(1.4%)の
増益となりました。
また、営業利益に営業外収益と営業外費用を加味した経常利益は24億5千8百万円と、前年
同期に比べて1億1千7百万円(5.0%)の増益となり、法人税等を差し引いた四半期純利益
も、17億円と前年同期に比べ1億4千2百万円(9.1%)の増益となりました。
しかしながら、当社が抱える繰越損失は未だ132億4千5百万円であるなど、依然として厳
しい経営状況にあります。
表② 比較損益計算書
(単位:百万円)
2016年度上期
2015年度上期
8,161
5,365
8,177
5,420
△16
△54
△0.2
△1.0
2,795
△337
2,458
1,700
2,757
△417
2,340
1,558
37
79
117
142
1.4
19.2
5.0
9.1
営 業 収 益
営 業 費 用
営 業 利 益
営業外損益
経 常 利 益
四半期純利益
増 減 率 (%)
差
表③ 貸借対照表
資産の部
科 目
負債及び純資産の部
科 目
金 額
金 額
百万円
資産の部
流動資産
固定資産
12,788
85,446
百万円
負債の部
流動負債
固定負債
負債の部合計
純資産の部
株主資本
資本金
利益剰余金
純資産の部合計
資産の部合計
98,234 負債及び純資産の部合計
2
8,666
77,913
86,579
24,900
△13,245
11,654
98,234
(2)今後の課題
前年に引き続き、
2 期線沿線、
千葉ニュータウンエリアの住宅開発による沿線人口の増加により、
今年度も増収が見込まれます。しかしながら、千葉ニュータウンエリアでは、今期も大型マンシ
ョンの新規入居もあり入居戸数が増えたものの、少子高齢化や学齢人口の減少は着実に進んでお
り、引き続き厳しい経営が続くことが懸念されます。また、多額の有利子負債をかかえている状
況において首都直下地震対応の耐震補強工事や鉄道施設の老朽化に伴う更新工事など安全対策等
の設備投資のための資金需要の増加も避けられない状況にあります。こうした中で、長期、安定
的な輸送サービス継続のためには財務体質の改善が急務であり、このため経費の削減はもとより、
有効な増収対策や将来の沿線人口の増加につながる施策を推進するなど、より一層経営健全化の
達成に邁進することといたします。
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