● 北総鉄道2014年度(上期)決算 千葉ニュータウンの需要の陰り なお続く! 今年度上期は減収減益 少子高齢化が一段と進み、入居戸数も低迷 人口・需要減少に備えた収入確保等の経営合理化が必要 北 総 鉄 道 ( 上 期 ) 決 算 に つ い て (1)上期決算の概況 26年度上期の需要は、当社線のⅡ期線沿線(新柴又~新鎌ヶ谷間)では住宅開発が堅調 であったものの、千葉ニュータウンエリアにおいては大規模な住宅開発が少なかったため、 新規入居が振るわず、入居増戸数が前年同期に比べ153戸の減少となりました。 その結果、定期外旅客は、消費税率変更による昨年度末の回数券の先買いの反動による減 少に加え、定期への移行等の影響により16万2千人、2.8%の減少、定期旅客は、先買 いの反動による減少があったものの、回数券からの移行も見られ、2千人、0.02%の微 増となり、定期・定期外合わせて16万人、0.9%の減少になりました。 表① 千葉ニュータウンの入居増戸数 入居増戸数 2013 年度上期 2014 年度上期 (単位:戸) 差(対前年) 265 112 △187 △153 表② 輸送人員と旅客運輸収入 2014 年度上期 輸 送 人 員 定 期 外 定 合 期 計 旅客運輸収入計 2013 年度上期 比較増減 前年同期比 千人 千人 千人 % 5,573 5,735 △162 △2.8 12,485 12,483 2 0.0 18,058 18,218 △160 △0.9 百万円 百万円 百万円 % 5,815 5,940 △124 △2.1 営業収益は、旅客運輸収入58億1千5百万円に、京成電鉄㈱からの線路使用料収入のほ か、成田スカイアクセスの業務受託手数料収入、千葉県、沿線自治体からの運賃値下げの減 収補てんのための負担金収入等を加えて80億2千7百万円と、前年同期に比べて4千6百 万円(0.6%)の減収となりました。 営業費用については、構造物補修等、車両検査等、公営交通事業者の消費税転嫁に伴う営 業機器の改造による修繕費の増及び電気料金の燃料調整費の増加による動力費の増などに より、54億3千2百万円と前年同期に比べ3億1千9百万円(6.3%)の増となりまし た。 これにより、営業利益は25億9千4百万円と、前年同期に比べ3億6千6百万円 (12.4%)の減益となりました。 営業外費用は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構への支払利息が減少したも のの、経常利益は21億3千5百万円となり前年同期に比べ3億4千9百万円(14.1%) 1 の減益となりました。 さらに法人税等を差し引いた四半期純利益も、14億3百万円と前年同期に比べ9千3百 万円(6.2%)の減益となりました。 また、当社が抱える繰越損失は未だ188億3千1百万円であるなど、依然として厳しい 経営状況にあります。 表③ 比較損益計算書 (単位:百万円) 2014年度上期 2013年度上期 増 減 率 (%) 差 営 業 収 益 8,027 8,073 △46 △0.6 営 業 費 用 5,432 5,112 319 6.3 営 業 利 益 2,594 △458 2,135 1,403 2,960 △475 2,485 1,496 △366 16 △349 △93 △12.4 3.6 △14.1 △6.2 営業外損益 経 常 利 益 四半期純利益 表④ 貸借対照表 資産の部 科 目 負債及び純資産の部 科 目 金 額 金 額 百万円 資産の部 流動資産 固定資産 百万円 負債の部 10,454 流動負債 87,739 固定負債 負債の部合計 純資産の部 株主資本 資本金 利益剰余金 純資産の部合計 資産の部合計 98,194 負債及び純資産の部合計 8,362 83,762 92,125 24,900 △18,831 6,068 98,194 (2)今後の課題 千葉ニュータウンについては、ニュータウン人口の4割強を占める「千葉ニュータウン中 央」エリアでも少子高齢化が顕著になりつつあり、一時期、年間1,000戸を数えたマン ション供給が足下では途絶えつつあり入居戸数の低迷が避けられない状況になっておりま す。一方、Ⅱ期線沿線(新柴又~新鎌ヶ谷間)については、秋山・紙敷等の区画整理が概成 しつつあり、輸送増に寄与していますが、これらに代わる大規模開発計画が存在しないこと から、需要の長期低落が懸念される状況となっています。また、首都直下地震対応の耐震補 強工事や鉄道施設の老朽化に伴う更新工事など安全対策等の設備投資のための資金需要の 増加は避けられない状況にあります。こうした中で、長期、安定的な輸送サービス継続のた めには財務体質の改善が急務であり、このため収入の確保、経費の削減等の経営合理化に、 より一層邁進することといたします。 2
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