●葛西臨海水族園 【イベント情報】 1.高校生・大学生向け講座 や 第4回「海の学び舎」 実験! 発見! 「エキノデルマータ Echinodermata」開催! 葛西臨海水族園(園長 田畑直樹)では、第一線で活躍する研究者やフィールドで活躍するナチュラリスト が、海や川の環境やそこにくらす生き物のおもしろさ、またそれらを探求し、研究することの楽しさを紹介す る、高校生・大学生向けのシリーズ講座「海の学び舎」を開催しています。 きょくひ 第4回目となる今回は、葛西臨海水族園のスタッフがヒトデやウニなどの棘皮動物を取り上げ、前半では 様々な実験を交えながらのレクチャー、後半でお茶を飲みながら参加者も交えた談話会を予定しています。高 校生・大学生の皆さん、ぜひご参加ください。 (1)日 時 平成 28 年1月 24 日(日) 13 時 30 分~16 時 (2)内 容 タイトル「実験! 発見! エキノデルマータ Echinodermata」 【講師】 葛西臨海水族園スタッフ 協力:窪川かおる博士(東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター特任教授) 【要旨】 磯の人気者ヒトデ。海底にゴロンと転がっているナマコ。テレビの海女さんが必ず手にしているウ ニ。独特な形態で多くの人になじみのあるこれらの生物はみんな棘皮動物(Echinodermata)に分類さ れる親戚同士です。ですから、全く姿が似ていないように見えて、どこか体のつくりには共通する部 分があるはず。ヒトデの脱出実験、ウニの早歩き実験、ナマコの骨探しなどの実験をしながら、棘皮 動物の体の仕組みや行動を間近に観察し、共通する特徴を発見していきます。きっと棘皮動物ファン になること間違いなしです。 後半では、食品としても馴染み深いこれらの生き物をさまざまな形で食べながら、何人かの水族園 スタッフが、どのような経験・進路を歩んで水族館職員になったのか、今まであまり語られなかった秘 密をお話しします。 8 (3)場 所 本館2階 レクチャールーム (4)対 象 高校生・大学生 (5)定 員 30 名 (6)参 加 費 無料(入園料も無料となります) (7)応募方法 Eメールで以下のとおりお申し込みください。 ※ 応募者多数の場合は抽選を行い、当落にかかわらずお知らせします。 [email protected] あてに、件名を「海の学び舎」とし、本文に希望者全員の氏名(ふり がな) ・年齢(学年) 、代表者の住所・氏名・電話番号を記入してお送り下さい。お申し込みの際は、 @tokyo-zoo.net からのEメールを受信できるよう、迷惑メールフィルターやメールソフトを設定してく ださい(特に、携帯電話からお申し込みの方はご注意ください) 。 【締 切】平成 28 年1月 16 日(土)送信分まで有効 ※このイベントは日本財団「海の学び ミュージアムサポート」の助成を受けて開催されます。 2. 「ディー プな東京 、遠くて 近い深海 」 を開催します! 当園では、以下の日程で“深海”の世界を紹介する「深海ラボ」を開催します。今回のテーマは「ディープ な東京、遠くて近い深海」 。 “東京の海にある深海”にスポットをあてます。遠い世界のように思える深海の世 界が、私達の身近な東京の海にも広がっています。東京にある深海や深海生物の魅力をスタッフが解説します。 また、今回は国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)の協力で、東京の深海にある特殊な環境も 紹介します。 目の前の東京の深海がどのようなところか、のぞきにきてみませんか? (1)日 時 平成 28 年 1 月 29 日(金) ・30 日(土)・31 日(日) 各日 12 時~13 時 30 分 (2)場 所 本館2階 レクチャールーム (3)内 容 ①貴重な深海生物の生体・標本の展示 当園の調査で採集された貴重な深海生物の生体・標本を紹介します。触れることができる標 本も用意します。 ②JAMSTEC コーナー 小笠原沖にある日光海山の水深約 500m地点に存在する熱水噴出孔で見られる独特な生態系 について、パネルや模型、調査映像などで紹介します。 ③特別企画1 深海トークショー ④特別企画2 世界初!? メンダコの卵と幼生の標本を展示 9 【さわれる深海の生き物も】 【JAMSTEC コーナーのイメージ (熱水噴出域のジオラマ) 】 特別企画1 「深海トークショー」開催! 「深海ラボ」の開催に合わせ、当園および JAMSTEC 研究者による「深海トークショー」を行います。深海 生物の採集と飼育について、また特異な生態系である熱水噴出域で見られる生物についてやさしくご案内しま す。 (1)日 時 平成 28 年 1 月 29 日(金) ・30 日(土)・31 日(日) 各日 第1回:11 時~11 時 30 分 第2回:14 時~14 時 30 分 (2)場 所 本館2階 レクチャールーム (3)定 員 各回 60 名 (4)内 容 1月 29 日(金) 「謎だらけの生きもの! メンダコ飼育への挑戦!!」 葛西臨海水族園 飼育展示係 小味亮介 1月 30 日(土) 「小笠原の深海と高熱温泉でみつかった風変わりな生き物」 国立研究開発法人 海洋研究開発機構 滋野修一氏 1月 31 日(日) 「東京湾での深海生物採集」 葛西臨海水族園 調査係 松村 哲 (5)参加方法 各回開始 20 分前から本館2階レクチャールーム前で受付票を配布します。 受付時間中に定員に達した場合には、抽選とさせていただきます。 (6)講師プロフィール 岡山大学自然科学研究科博士課程修了、理化学研究所発 生再生科学総合研究センター研究員、シカゴ大学神経生物 学科助教を経て、現在、海洋研究開発機構海洋生物多様性 研究分野研究員。 研究テーマは、熱水および超深海域の極限環境における 環境応答様式の解明、海洋動物の脳と知性の進化など。 【滋野修一氏】 10 特別企画2 世界初!? メンダコの卵と幼生の標本を展示 メンダコ卵と幼生の標本を特別に展示します。貴重なメンダコの卵と幼生の標本をこの機会にせひご覧く ださい。 (1)日 時 平成 28 年 1 月 29 日(金) ・30 日(土)・31 日(日) 各日 12 時~13 時 30 分「深海ラボ」開催時間中 (2)場 所 本館2階 レクチャールーム 「深海ラボ」会場 (3)展示標本について メンダコの卵と幼生の液浸標本 各1 (4)これまでの経緯等 この卵は当園の予備飼育室で飼育していたメンダコのメスが平成 27 年4月 16 日に産み落とした 2つの卵のうちの一つです。このメンダコは平成 27 年3月 17 日に静岡県戸田港沖の水深約 150mで 採集されました。タコの仲間は岩などに卵を産みつける習性があるため、水槽の底に産み落とされて いた今回の産卵は正常なものでは無かったと思われます。産卵したメンダコは産卵当日に死亡してお り、この卵が受精しているかどうかは不明でした。 そのまま経過を観察していたところ、およそ半年後の 10 月 19 日~20 日の未明にかけて、幼生が 孵化したと考えられます。20 日の朝に職員が確認した際には、孵化の途中段階であった幼生は既に 死亡していました。 メンダコの生態はほとんど分かっておらず、繁殖生態も不明です。メンダコの産卵や孵化の例は知 られておらず、今回が世界で初めての事例であると考えられます。 【泳ぐメンダコと今回展示されるメンダコの幼生(大きさ約 10mm) 】 参考:メンダコ(学名:Opisthoteuthis depressa) メンダコ科 全幅 20cm 前後、相模湾から九州までの水深 150~600mの海底にすむ深海性のタコ。体はとてもとても軟 らかい寒天質で、普通のタコの仲間に比べて腕はとても短く、ドーム状の特徴的な体形をしている。通常 は海底にうずくまる様にしているが、遊泳の際は体をクラゲが浮遊するようなユニークな動きをする。 深海トロールなどで漁獲されるが食用とはされていない。体表が傷つきやすく、採集時のダメージなど から長期間の飼育は難しく、水族館での飼育日数は 1 ヶ月程度に留まっている。 11
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