環境創生研究グループ:国立研究開発法人 国立環境研究所 地域

地域エネルギー資源を活用した復興まちづくりの
計画支援に関する研究
環境創生研究グループ:国立研究開発法人 国立環境研究所
都市スケールのエネルギーシステム
計画支援モデル
地域エネルギーを活用する環境創生
研究の必要性
東日本大震災から約4年が経過しましたが、その復興は我が国の急
務であり、重要な課題です。放射性物質汚染の課題等とならんで、災
害を被った産業や社会基盤の復興、および地域社会の再生が重要な
課題として残されています。被災自治体では,早期の復興・再生と同
時に環境・資源制約に適合した新しいエネルギーシステムの整備が求
められています.
本研究では,地域エネルギー資源を活用した、拠点地区の計画支援
ツールを構築し,復興を主導する拠点地区における、技術政策オプ
ショ ンを選定 して評価するプロセスを提案しています.
低炭素
産業クラスター
雇用
効果
低炭素
ブランド
人口
維持
発電量減少
系統
電力
発電
火力発電所
地域
発展
コスト発生
工場・市街地・植物工場
熱供給ネットワーク
CO2排出ポテンシャルの推計結果
凡例
凡例
凡例
凡例
コスト
コスト
[円/MJ]
[円/
MJ]
環境負荷
環境負荷
[Kg-CO2/
MJ]
[Kg-CO2/M
0.46
- 1.72
0.46
-
灯油・LPガス平均より
安価に供給できる範囲
- 0.037
J] 0.034
0.034
- 0.037
0.038
- 0.039
0.038
- 0.039
0.040
0.040
0.041
- 0.042
0.041
- 0.042
0.043
0.043
0.044
- 0.045
0.044
- 0.045
0.046
0.046
0.047
0.047
0.048
- 0.049
0.048
- 0.049
0.050
- 0.051
0.050
- 0.051
1.73
- 2.73
1.72
1.73
-
2.74
- 3.58
2.73
2.74
-
3.59
- 4.35
3.58
3.59
-
4.36
- 5.07
4.35
4.36
-
産業用A重油より
安価に供給できる範囲
生活基盤への
再投資
化石資源
消費削減
排熱
コストポテンシャルの推計結果
経済基盤への
再投資
地域エネル
ギー資源
• 小地区(500mメッシュ)ごとの発電所廃熱エネルギーの利用可能性を明らかに
し,ポテンシャルの高い地区ではエネルギー集約型産業を誘致するなど,特性
に適合した土地利用方法の検討
• 火力発電所排熱の効率的活用を実現するために,既存の産業・住宅等への
供給計画に留まらない,将来的な土地利用の変更可能性に開かれた検討
5.08
- 5.73
5.07
5.08
-
5.74
- 6.35
5.73
5.74
-
6.36
- 7.05
6.35
6.36
-
7.06
- 7.96
7.06
-
7.05
7.96
7.97
- 9.22
7.97
-
9.22
相馬共同火力発電所
!( 相馬共同火力発電
QOL
所 浸水区域_広域
浸水区域
拠点地区の計画支援モデル
中心部(町役場)
入力条件
新地火力発電所
LNG基地
拠点地区:新地駅周辺
地域供給条件の解析
技術データベース
需要データベース
燃料名
利用制約(地域資源の
供給上限等)
価格(地域固有の供給
条件)
技術名
効率
定格出力
最大・最小入出力
価格
時間別エネルギー需要
60
電力
給湯
暖房
40
20
0
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23
地区内の
土地利用計画
住宅
公共
ガス
導管ネットワーク
本プロジェクトにおける検討対象(将来的な内容も含む)
LNG基地
将来シナリオのイメージ
スマート制御による熱・
エネルギー最適化事業
地域付加価値を付与した
中心市街地活性化事業
出力
商業
最小化
年間総費用 =設備費(年間) +燃料費
制約条件
①季時ごとの最終需要(電気、冷熱、温熱)の充足
②各機器の入出力エネルギーが設備容量以下であること
③エネルギーフローのバランス
• 地域特性(時間別需要パターン・エネルギー価格等)に応じた最適システム(ガ
スエンジン等規格選定と接続関係)の設計案と運転計画の導出
• 年間最小コスト(設備費+燃料費)の定量化
新地駅周辺を対象としたシステムデザイン
560kW×1機
740kW×1機
280kW×1機
東北電力・業
務用電力料金
系統連携
系統電力
ガス
1200
1000
kWh
商業
•コジェネによる電熱併給
•地域周辺の施設の運営
混合整数計画問題として定式化
ガスエンジン
重油
・・・
産業排熱
800
600
400
冬季
0 4 8 121620
ヒートポンプ
ガスタービン
1176 kW(冷却
能力)
燃料電池
排熱
1200CGS→電力需要
1000
800
冷凍機
844kW×1機
中間季
2 6 10141822 0 4 8 121620
系統→電力需要
電力需要
冷熱需要
600
400
200
0
0 4 8 12 16 20
500kW×2機
夏季
0
バイオマス
地熱
電力需要
200
kWh
エネルギーセンタ-
最適デザインモデル
分散型エネルギーシステム
のデザイン(機器構成等)
施設農業
熱
電気
所浸水区域_広域
浸水区域
• コストポテンシャル分布:導管敷設コストが支配的な要因となっており、距離に比
例して増加してく傾向を示す.重油・灯油・ガス等の代替的なエネルギー源よりも
低い価格で供給できる範囲が特定。
• CO2排出ポテンシャル分布:一様に0.04(kg-CO2/MJ)程度と推計されており,火力
発電所より10km圏内に収まる本研究のケーススタディエリア内においては全域
で地域エネルギー供給システム導入時にCO2排出削減効果が期待(重油・ガス等
の代替エネルギー源のCO2排出原単位が0.06~0.07(kg-CO2/MJ)程度)
ケーススタディエリア
• 福島県・新地町
• 人口約8,000人
• 2機の100万kW級の発電機を
持つ火力発電所が町内南部
に位置する工業団地に立地
• さらに2機の発電機を建設可
能な用地が保持されており,
LNG基地の建設が計画
相馬共同火力発電所
!( 相馬共同火力発電
[Wh/hour]
低炭素
居住地形成
熱交換器
2 6 10 14 18 22 0 4 8 12 16 20
CGS→吸収式冷凍機→冷熱需要
HP→冷熱需要
冷熱需要
4000
温熱需要
ボイラー
kWh
3000
低炭素型産業
コンプレックス形成事業
福島県内の先導開発地区における
発展型創造シナリオの提示
2000
最適化計算の結果、選択されたエネルギーフローと機器
最適化計算の結果、選択されなかったエネルギーフローと機器
1000
• LNG基地への近接性という地域特性に応じて、ガスエンジ
ンを活用したコージェネレーションシステムが選択
• 従来型のシステム(エアコン、ガスボイラー等で構成)に対
して38%(2.3kt-CO2 /年)のCO2排出量の削減効果
0
0 4 8 121620
2 6 10141822 0 4 8 121620
CGS→熱交換器→温熱需要
GB→温熱需要
温熱需要
※蓄熱タンクの設置を想定し
ているため冷温熱の需給は日
単位では等しいものの、時間
単位では不一致が生じる