柳 学 校 だ よ り 風 ≪蘇州日本人学校教育目標≫ 未来に向かい 明るく 元気で 心豊かな子どもの育成 第124号 平成27年12月25日 【 発行者 】 蘇州日本人学校 校長 杉田康之 ~ 韋駄天(いだてん) その1~ 「韋駄天」とは、仏舎利を盗んで逃げた捷疾鬼(しょうしつき)を追いか けて取り戻した足の速い仏法の守護神です。本校においても、今年最後を 飾る「かけ足大会」で、 「蘇州っ子 韋駄天」が敷地内を駆け巡りました。 人生は挑戦の連続です。そして、挑戦する内容が高度であればあるほど、 プレッシャーは強くなります。かけ足大会では、いつもと違う緊張感の中、 走り出すとともに心臓の鼓動が速くなり息苦しくなったはずです。筋肉が 悲鳴をあげる中で、子どもたちは自分の限界に挑みました。ゴールまでの 長い道のりの間、たくさんの葛藤と戦いながら自分との闘いに臨む姿は、 将来に繋がる逞しさを感じました。また、保護者の方々の応援は、心強い 味方になったに違いありません。御陰でたくさんの子どもたちが、日頃の 練習で記録したタイムを大幅に塗り替えていたようです。何よりも、走り きった後の満足そうな表情が印象的でした。 自分の心に打ち勝った精神力に大きな拍手を送ります。 ~ 韋駄天(いだてん) その2~ 今年の流行語大賞に「爆買い」とともに、野球界から「トリプルスリー」 が年間対象に選ばれました。そんな野球界の韋駄天を、蘇州日本人学校に お招きしました。それは、走塁のスペシャリストである読売ジャイアンツ の鈴木尚広選手です。身長や体格がずば抜けているわけでもない鈴木選手 が、入れ替わりの激しいプロ野球で 20 年近くもプレーし続けることができ たのは、 『準備する努力』を継続してきたからだと言われています。通常の 選手の何時間も前から球場入りし、怪我をしないように体をほぐし、自分 の力を 100%発揮するための練習を何度も何度も繰り返すそうです。準備 を万全に行っていても、試合に出られない日もあるのだそうですが、鈴木 選手はいつ来るかもしれない自分の出番のために準備を怠りません。その 結果、野球界屈指の足の速さと盗塁技術で、代走での盗塁数で日本記録を もっていらっしゃいます。また、2008 年にはゴールデングラブ賞という、 守備で大活躍した人だけに送られる賞を受賞されましたし、今年は代走の スペシャリストとして初めてオールスターゲームに出場しました。 講演当日は、 『失敗することは考えない 走る!』という演題でお話をい ただきました。そして、あいさつや家族の大切さをお話しくださいました。 さらに、子どもたちとキャッチボールや短距離走の相手をしてくださいま した。とても気さくで実直な人柄とお言葉は、子どもたちの心に沁みこん でいたようです。 これからの世界を生きていく子どもたちには、準備する努力を継続していくことで「人としてのトリプ ルスリー(知・徳・体)」を鍛え、自分の夢をつかみとってもらいたいものです。
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