中国地方整備局管内の高規格道路管理

中国地方整備局管内の高規格道路管理
国土交通省 中国地方整備局 道路部 高規格道路管理センター
1.はじめに
中国地方整備局では現在約 1,931km の道路を管理しており、このうち約 343km が高規格幹線道路となっ
ています。
中国地方整備局高規格道路管理センターではこのうち、中国横断自動車道姫路鳥取線、中国横断自動車
道尾道松江線、東広島・呉自動車道の 3 路線について管制業務を行っています。
高規格道路管理センターは、平成 24 年度末に広島・島根両県を結ぶ尾道松江線及び兵庫・岡山・鳥取
の 3 県を結ぶ姫路鳥取線が中国縦貫自動車道、山陰道と直結した事を契機に平成 25 年 7 月に設置されま
した。
その後、尾道松江線の全線開通、東広島・呉自動車道の全線開通を受け、現在 204.8km の管制を行っ
ています。
これにより広域的な高速道路網の、安全で円滑な交通を確保しています。
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道路行政セミナー 2015. 12 1
【路線の概要】
姫路鳥取線の交通量
姫路鳥取線は京阪神と鳥取を結ぶ路線で、沿線地域の産業や
鳥取道
智頭 IC ∼用瀨 IC 間
経済・生活・文化・観光の発展に欠かせない道路となっていま
す。交通量は別表のとおりで、平日より休日の利用の方が多い
平日(H24)
9,700 台 / 日
実態となっています。
休日(H24)
12,200 台 / 日
尾道松江線は、山陽と山陰の新たなネットワー
尾道松江線の交通量
クとして広域的な人・物の交流に欠かせない道路
で、産業振興・観光振興・住民生活に利用されて
います。交通量は別表のとおりで、この路線も平
尾道道
三良坂 IC ∼
三次東 JCT・IC 間
松江道
高野 IC ∼
雲南吉田 IC 間
日より休日の利用が多い実態となっており、連休
平日(H27)
5,200 台 / 日
5,800 台 / 日
の時期になると渋滞が発生する事もあります。
休日(H27)
8,500 台 / 日
9,500 台 / 日
2.高規格道路管理センターの概要
国が管理する高規格幹線道路は、無料の道路ですが制限速度が 70km/h と高く、通行の安全を確保する
ため異状の発生時には迅速な現場対応と情報提供が求められています。そのため、管制員(整備局職員)
が 24 時間常駐する「高規格道路管理センター」を設置し、道路の事象発生後すぐに現場対応指示を行う
と同時に情報発信を行い、関係機関との協議を開始します。
【役割:事象発生時の初動対応】
① 情報収集
CCTV カメラ等の機器を活用し、事象発生の有無や関連する道路の状況確認を実施。
道路パトロールからの報告、高速道路交通警察隊等からの連絡
非常電話、道路緊急ダイヤル(# 9910)等からの通報。
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2 道路行政セミナー 2015. 12
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② 事象に関する情報を道路利用者(道路情報板等)、関係機関へ発信。
③ 事象に対する必要な処置(現場対応)の指示。
④ 関係機関との協議、調整。
【運営体制】
高規格道路管制官:1 名
高規格道路管制員:1 名(24 時間体制)
情報管理員(委託):3 名(24 時間体制)
【情報収集機能】
① CCTV カメラ
管内の道路に設置されている CCTV カメラ映像をモニター
② 非常電話、道路緊急ダイヤル(# 9910)
管内の道路に設置されている非常電話や道路緊急ダイヤルからの通報
③ 観測機器による情報
温度計、雨量計、風向風速計、積雪計、路面センサ(凍結)による情報 ④ 道路管理者が発信する情報
直轄国道事務所、関係機関等からの通行規制、工事規制等の情報把握
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【特徴】
高規格道路管理センターに職員が 24 時間常駐する事により、道路保守隊への迅速な出動指示が可能
となり、早期の現場到着、対応が可能。また、交通事故等による通行障害発生時に、高速道路交通警
察隊と早期に協議、調整が実施出来る。
道路行政セミナー 2015. 12 3
3.道路管理の状況
現在管理している 3 路線については、いずれも暫
故障車(本線上)
定 2 車線で供用されている路線であり、一部に追い
越し車線等が設置されているものの、ほとんどの区
間が対面通行となっています。そのため交通障害が
発生すると二次障害が発生する危険性が高なるた
め、障害発生時は迅速な対応により原因を取り除く
事が重要な役割となっています。
各路線では、ガス欠、パンク(バースト)
、車両
故障での停車が非常に多く、停車する場所によって
合流車線への停車
は非常に危険な事があります。
これらの車両はほとんどの場合三角表示板等の設
置を行わないため非常に危険な状況が発生します。
また、非常駐車帯やランプ合流部の加速車線に停
車し携帯電話で話をしていたり仮眠している車両も
目立ちます。
さらに、希にある逆走車、自転車進入、歩行者進
入等の情報が入ると非常に緊張する場面があります。
自転車侵入
落下物回収
その他動物の侵入も多く、イヌ、ネコ、タヌキ等小動物が主ですが、中にはシカやイノシシ等の大型動
物の侵入もあり、大型動物の場合衝突事故となってその処理に時間を要する事があります。
12 月に入ると各路線ともに凍結・
積雪のシーズンとなります。特に中
国山地を横断する尾道松江線は、最
高 標 高 地 点 637m と 高 く、 過 去 の
データを見ると最低気温− 18.5℃、
日 降 雪 最 大 79cm、 年 間 降 雪 深
920cm を記録しており、冬季の道
路管理が重要な路線です。凍結防止
作業、除雪作業を万全の体制で実施
する事により通行の確保を行ってい
4 道路行政セミナー 2015. 12
除雪の状況
ます。
また、冬タイヤ未装着車による走行不能やスリップ事故、スリップした車両が道路を塞ぐ事によって発
生する交通障害が発生することもあり、各路線を管理している事務所においては、冬タイヤ装着率の向上
のため「冬タイヤ早期装着キャンペーン」を実施しています。
4.高規格道路管理センターの状況
高規格道路管理センターでは、CCTV カメラによる監視、非常電話・道路緊急ダイヤル(# 9910)等
により緊急事象の把握に努め、迅速な情報発信、現場対応指示を行っていますが、事象発生箇所の特定が
困難なケースが発生しています。
各道路には起点から終点に向けて距離標(100m 間隔)を設置し、現在地がわかりやすいようになって
いますが、この事が十分に認識されていないため正確な位置がわからないまま通報されるケースがあり、
夜間であれば暗く確認しづらい事もあり、事象発生箇所の特定に時間がかかる事があります。
また、各路線ともに山間部を走る路線で景色の変化が少なく、目印となるランドマーク等もないため、
なかなか事象発生箇所の特定が困難な現状があります。
このような状況を解消するために、今後ドライバーへ距離標の周知を行う事により事象発生箇所の特定
にかかる時間短縮を目指します。
5.終わりに
高規格道路管理センターは平成 25 年 7 月に設置されてから 3 年目を迎えています。この間、管理路線
の延長があり現在 204.8km を管理しています。今後も路線の開通によって更に管理延長が増加する事が
想定されます。
また、高規格道路管理センターでは、24 時間 2 交替制勤務を実施している事から、日勤と夜勤が繰り
返す勤務形態を実施しているため、職員の健康管理や職場の環境整備が重要となっています。
今後、迅速・確実な情報収集、わかりやすい情報発信、的確な関係機間協議、迅速な現場対応指示等様々
な課題について改善を進め、職場環境の整備、健康管理に注意しながらレベルの高い管理を行っていきま
す。
道路行政セミナー 2015. 12 5