━ ━ ━━ ━ ━━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━ 東 京証 券 取引 所 CLUB CABU News (No.3628) 2015/1/7 http://www.tse.or.jp/ ━ ━ ━━ ━ ━━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━━ ━ ━━ ━ ━━ ━ 【 本 日の 目 次】 1.新 着情 報 ◆ 上場 会社 の アナ リス ト レポ ー ト発 行の お 知ら せ 2.市 況情 報 ◆ 本日 の株 価 指標 等 ◆ 第一 部前 ・ 後場 概況 3.セ ミナ ー情 報 ◆ +YOU ニッ ポン 応援 全 国キ ャ ラバ ン開 催 予定 4.コ ラム ◆ 証券 取引 等 監視 委員 会 から の 寄稿 = = == = == == = == = == = == == = == = == = == == = == = = ※ 以 下に つい て は、 証券 取 引等 監 視委 員会 の ウェ ブ サイ ト 掲載 にあ た り、 上 記 目 次 4.コ ラ ムを 抜粋 して お りま す 。 = = == = == == = == = == = == == = == = == = == == = == = = 証 券取 引 等監 視委 員 会か ら の寄 稿 投 稿 No.125 国 際 取引 等 調査 室に お ける 勧 告事 案 につ いて 証 券取 引等 監 視委 員 会事 務 局 国 際取 引等 調 査室 長 河 村 企 彦 証 券取 引 等監 視委 員 会( 以 下「 証 券監 視委 」 とい い ます 。)取 引 調査 課 国 際取 引 等調 査室 で は、 機 関投 資 家等 のい わ ゆる プ ロの 投 資家 の不 公 正 取 引に つ いて 調査 を 行っ て おり 、 金融 商品 取 引法 に 規定 さ れて いる 禁 止 行 為に 該 当す る事 実 が認 め られ れ ば、 金融 庁 に対 し て課 徴 金納 付命 令 の 勧 告を 行 って おり ま す。 今 回は 、 国際 取引 等 調査 室 にお い て最 近勧 告 した 「 長期 国 債先 物に 係 る 相 場操 縦 事案 」及 び 「香 港 の投 資 運用 会社 に よる 相 場操 縦 事案 」の 2 件 に つい て ご紹 介し た いと 思 いま す 。 1 . 長期 国 債先 物に 係 る相 場 操縦 事 案の 概要 証 券監 視 委は 、平 成 26 年 9 月 5 日、 長 期国 債先 物 に係 る 相場 操縦 に 関 し 、シ ン ガポ ール 在 住の 個 人に 対 して 課徴 金 納付 命 令を 発 出す るよ う 、 金 融 庁に 対 し勧 告し ま した 。 課 徴金 納 付命 令対 象 者は 、 市場 デ リバ ティ ブ 取引 を 誘引 す る目 的を も っ て 、平 成 25 年 6 月 26 日 午 前 9 時 33 分 頃か ら同 日 午後 2 時 58 分頃 ま で の 間、 約 定さ せる 意 思が な いの に 、買 い最 良 気配 値 以下 の 価格 に多 数 の 買 い注 文 を発 注し た り、 売 り最 良 気配 値以 上 の価 格 に多 数 の売 り注 文 を 発 注し た りす るな ど の方 法 によ り 、上 記先 物 合計 39 単位 を買 い 付け る 一 方、 同 先物 合計 39 単 位 を売 り 付け ると と もに 、 同先 物 合計 1672 単 位 の 買い 注 文及 び合 計 757 単 位の 売 り注 文を 発注 し 、も っ て、 自己 の 計 算 に おい て 、市 場デ リ バテ ィ ブ取 引 が繁 盛で あ ると 誤 解さ せ 、か つ、 上 記 先 物の 相 場を 変動 さ せる べ き一 連 の市 場デ リ バテ ィ ブ取 引 及び 委託 を し た もの で す。 課 徴金 納 付命 令対 象 者が 行 った 上 記の 行為 は 、金 融 商品 取 引法 第 174 条 の 2 第 1 項に 規定 す る「 第 159 条 第 2 項第 1 号の 規 定に 違 反す る一 連 の 有 価証 券 売買 等」 及 び「 そ の委 託 等」 に該 当 する と 認め ら れま す。 本 件の 違 法行 為に つ いて 金 融商 品 取引 法に 基 づき 算 定さ れ る課 徴金 の 額 は 、 33 万 円と なっ てい ま す。 ( 参 考 )「 長期 国 債先 物に 係 る相 場 操縦 に対 す る課 徴 金納 付 命令 の勧 告 に つ いて 」 証券 取引 等 監視 委 員会 ウ ェブ サイ ト http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2014/2014/20140905-1.htm 2 . 香港 の 投資 運用 会 社に よ る相 場 操縦 事案 の 概要 証 券監 視 委は 、平 成 26 年 12 月 5 日、 日東 電工 株 式に 係 る相 場操 縦 に 関 し 、 Areion Asset Management Company Limited( 以 下「 アレ イ オン 」 と い いま す 。) に 対し て課 徴 金納 付 命令 を発 出 する よ う、 金 融庁 に対 し 勧 告 しま し た。 ア レイ オ ンは 、香 港 法に 基 づき 設 立さ れた リ ミテ ッ ド・ カ ンパ ニー で あ り 、ケ イ マン 籍ユ ニ ット ・ トラ ス トの ハレ イ オン ・ ファ ン ド( Hareion Fund)の 受 託者 であ る オジ エ ・ト ラ ステ ィー ズ (ケ イ マン )・リ ミ テッ ド 及 びイ ン ベス トメ ン ト・ マ ネー ジ ャー であ る ジリ オ ン・ キ ャピ タル ・ リ ミ テッ ド との 間で 締 結し た イン ベ スト メン ト ・ア ド バイ ザ リー 契約 に 基 づ き、 同 ファ ンド に 出資 さ れた 資 産の 運用 権 限を 有 して い まし た。 ア レイ オ ンは 、そ の 代表 者 らに お いて 、ア レ イオ ン の業 務 に関 し、 日 東 電 工株 式 会社 の株 式 につ き 、同 株 式の 売買 を 誘引 す る目 的 をも って 、 平 成 25 年 9 月 25 日 午後 2 時 59 分 30 秒か ら 同日 午 後 3 時 まで の間 、 成 行 又 は直 前 約定 値よ り 高指 値 で大 量 の買 い注 文 を連 続 して 発 注し て株 価 を 引 き上 げ たり 、下 値 に大 量 の買 い 注文 を発 注 する な どの 方 法に より 、 同 株 式合 計 788 万 6900 株 を 買い 付 ける とと も に、 同 株式 合 計 131 万 1200 株の 買 付け の委 託を 行 い、 も って 、ア レ イオ ン の役 員 等の 同年 9 月 度 に おけ る 同フ ァン ド への 出 資割 合 であ る 7.25 パ ー セン ト 相当 につ い て は 自己 の 計算 にお い て、 そ れ以 外 につ いて は 自己 以 外の 者 であ る同 フ ァ ンド へ の出 資者 の 計算 に おい て 、同 株式 の 売買 等 が繁 盛 であ ると 誤 解 させ 、 かつ 、同 市 場に お ける 同 株式 の相 場 を変 動 させ る べき 一連 の 売 買 及び 委 託を した も ので す 。 ア レイ オ ンが 行っ た 上記 の 行為 は 、平 成 25 年法 律 第 45 号に よ る改 正 前 の 金融 商 品取 引法 第 174 条 の 2 第 1 項 に規 定す る 「第 159 条 第 2 項 第 1 号の 規 定に 違反 す る一 連 の有 価 証券 売買 等 」及 び その 「 委託 等」 の 違 反行 為 に該 当す る と認 め られ ま す。 本 件の 違 法行 為に つ いて 上 記改 正 前の 金融 商 品取 引 法に 基 づき 算定 さ れ る 課徴 金 の額 は、 4 億 3074 万円 と なっ てい ます 。 ( 参 考 )「 Areion Asset Management Company Limited によ る 相場 操縦 に 対 する 課 徴金 納付 命 令の 勧 告に つ いて 」証 券 取引 等 監視 委 員会 ウェ ブ サイト http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2014/2014/20141205-2.htm 3 . 各事 案 の特 色 上 記の 2 事案 につ い ては 、 以下 の よう な、 最 近の 取 引形 態 を垣 間見 れ る よ うな 特 徴が 挙げ ら れま す 。 1 点 目は 、両 事 案と も、 ク ロス ボ ーダ ー取 引 を用 い た事 案 であ ると い う こ とで す 。現 在、 東 京市 場 にお け る日 本株 の 取引 の 約 6 割 は外 国の 投 資 家 によ る 取引 とい わ れて お り、 特 に、 近年 で はア ジ アの 投 資家 の増 加 傾 向 が見 受 けら れま す 。今 回 の 2 事 案に おい て も対 象 者は ア ジア に所 在 す る もの で あり 、そ れ ぞれ の 国か ら 日本 の市 場 に対 し て取 引 を行 って い た こ とが 分 かり ます 。 2 点 目は 、い ず れの 事案 に おい て も、 極め て 短時 間 で発 注 等を 繰り 返 し 行 うよ う な手 口で 相 場操 縦 行為 が 行わ れて お り、 発 注の 一 部に はア ル ゴ リ ズム に よる 自動 発 注が 見 受け ら れる とい う こと で す。 市 場取 引に 関 し て は、 技 術の 進歩 に より 年 々高 速 化さ れて い るこ と がう か がえ 、巷 で も 高 速取 引 に関 する 著 作が 席 巻し て いる よう で すが 、 高速 取 引が 日常 的 な も のに な って いる こ とが 分 かり ま す。 4 . 海外 当 局及 び取 引 所と の 連携 上 記の 2 事案 につ い ては 、 いず れ も対 象者 が 外国 所 在の 投 資家 であ る こ と から 、 上記 1. の 事案 で は、 シ ンガ ポー ル 通貨 監 督庁 ( Monetary Authority of Singapore) の 協力 を 得て 、上 記 2. の 事案 で は、 香港 証 券 先 物取 引 委員 会( Securities and Futures Commission) の協 力 を得 て 調 査を 進 めま した 。 また 、 各事 案 の審 査・ 調 査の 過 程に お いて 、日 本 取 引 所自 主 規制 法人 か ら多 大 な協 力 を得 てお り ます 。 5 . おわ り に 今 回、 紹 介し たよ う な案 件 は、 外 国所 在の 投 資家 に よる ク ロス ボー ダ ー 取 引事 案 であ り、 そ の商 品 態様 ( 現物 ・先 物 )も 異 なり 、 違反 行為 自 体 も 高速 取 引を 利用 し たも の とな っ てい ます 。 この よ うな 相 場操 縦を 早 期 に 発見 し 、迅 速に 対 応し て いく た めに は、 市 場の 価 格形 成 等に つい て 日 常 的に 監 視し てい る 取引 所 との 連 携を 一層 強 化し て いく 必 要が ある と 考 え てお り ます 。ま た 、調 査 の過 程 にお いて も 、海 外 当局 や 取引 所と の 協 力 が必 要 不可 欠と 考 えて お りま す 。 証 券監 視 委と して は 、今 後 とも 、 証券 市場 に おけ る 取引 の 公正 性を 図 る た め、 現 物市 場で あ るか 、 デリ バ ティ ブ市 場 であ る かを 問 わず 、高 速 取 引 等に も 対応 しつ つ 、関 係 者と 連 携し 、監 視 を強 化 して い く考 えで あ り 、 機関 投 資家 等の 違 反行 為 が判 明 した 場合 に は、 厳 正に 対 処し てま い り ま す。 ※ 文 中、 意 見に わた る 部分 は 、筆 者 の個 人的 見 解で す 。 ■ 証 券取 引 等監 視委 員 会ウ ェ ブサ イ ト http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm ■ 証 券取 引 等監 視委 員 会で は 、そ の 活動 状況 や ウェ ブ サイ ト の更 新情 報 な ど を配 信 して いま す 。 http://www.fsa.go.jp/sesc/message/index.htm
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