原子炉特別実験1月7日分4

バックリングの概念
千葉 豪
1次元1群中性子拡散方程式
単一の媒質・臨界状態であると仮定:
Φ :中性子束[1/cm2/s]
Σa : 巨視的中性子吸収断面積[1/cm]
ν :核分裂あたりの平均中性子発生数
Σf :巨視的中性子核分裂断面積[1/cm]
D :拡散係数[cm]
ΣΦ:巨視的反応率[1/cm3/s]
毎秒・単位体積あたりに起こっている反応数
1次元1群中性子拡散方程式
単一の媒質・臨界状態であると仮定:
漏れ
吸収
核分裂による
生成
ΣΦ:巨視的反応率[1/cm3/s]
毎秒・単位体積あたりに起こっている反応数
拡散方程式の解
x
0
それではΦ(x)を求めましょう
拡散方程式の解
これを適当なパラメータに置き換える。
正?負?(臨界状態であることから決められる)
それではΦ(x)を求めて下さい。
拡散方程式の解
・境界条件を満足し、
・全ての位置でΦ(x)>0となる、
関数は?
拡散方程式の解
拡散方程式の解
中性子拡散方程式:
原子炉の組成が与えられたら
これらのパラメータが決まり、
Bが決まる。
この組成の原子炉が臨界で
あるならば、原子炉の大きさX
が一意的に決まる。
拡散方程式の解
中性子拡散方程式:
この大きさの原子炉が臨界である
ならば、原子炉の組成はこの式を
満足していなければならない。
原子炉の大きさXが与えられたら
Bが決まる。
バックリング:湾曲
中性子拡散方程式:
材料バックリング
Material buckling
ଶ
ଶ
幾何学的バックリング
Geometrical buckling
材料バックリングはどんなときに大きい?
幾何学的バックリングはどんなときに大きい?
材料バックリング
・νΣf=Σaのとき、材料バックリングはゼロ
→無限増倍率が1.0のときバックリングはゼロ
・νΣf>Σaのとき、材料バックリングは正
→無限増倍率が1.0より大きいときはバックリングは正
その媒質が無限に存在した場合、どの程度、核分裂
連鎖反応を行うことが出来るかの指標のようなもの
幾何学的バックリング
ଶ
ଶ
・Xが無限大のとき、幾何学的バックリングはゼロ
→炉心からの中性子の漏れがないときバックリングはゼロ
・Xが小さくなるにつれて、幾何学的バックリングは増加
→炉心からの中性子の漏れが大きいときバックリングは大
その炉心からの中性子の漏れの量の指標
バックリング:湾曲
中性子拡散方程式:
材料バックリング
Material buckling
ଶ
ଶ
幾何学的バックリング
Geometrical buckling
原子炉が臨界であるということは、材料バックリングと幾
何学的バックリングが同一であることに他ならない。
バックリング:湾曲
中性子拡散方程式:
材料バックリング
Material buckling
ଶ
ଶ
幾何学的バックリング
Geometrical buckling
では、原子炉が未臨界であるとき、材料バックリングと幾
何学的バックリングはどのような関係にあるだろうか?
バックリング:湾曲
では、原子炉が未臨界であるとき、材料バックリングと幾
何学的バックリングはどのような関係にあるだろうか?
バックリング
材料バックリング
炉心の大きさ
幾何学的バックリングの曲線はどう書けますか?
バックリング:湾曲
では、原子炉が未臨界であるとき、材料バックリングと幾
何学的バックリングはどのような関係にあるだろうか?
バックリング
材料バックリング
幾何学的バックリング
炉心の大きさ
臨界、未臨界、超臨界の領域を示して下さい。
中性子増倍率とバックリング
以下の式は、体系が臨界であるときのみ成り立つ。
臨界以外でも適用できるように、パラメータkを導入。
中性子増倍率
単一媒質、無限の大きさの原子炉における中性
子増倍率を書いて下さい。
中性子増倍率とバックリング
原子炉の大きさXが与えられた場合、以下の式が成り立つ。
この式を以下の式に代入:
keffとk∞の関係を求めて下さい(keff=Ck∞の形で)
中性子が体系から漏れない確率
中性子が体系から漏れない確率
1次元平板体系以外でのバックリング
多次元の中性子拡散方程式
3次元直角座標のバックリングの導出
Φ(x,y,z)=Φx(x)Φy(y)Φz(z)と変数分離できると仮定
3次元直角座標
2次元円柱座標
1次元球座標