特集 匠の道具を使いこなせ! 品質とコストを 両立させるコストバランス法 開発手法の導入を成功させるために必 要なこと 日本の技術者・設計者のネガティブな特徴を 2 つ挙げよう。 1 つは「オタク族」が多いことだ。特に大企業 やそのOBに多い。種族別でいえば, 「QCオタク」 , 「品質工学オタク」 ,「FMEA オタク」 ,「5S オタク」 , 「TRIZ オタク」 , 「VE⊘IE オタク」 , 「DR オタク」 , 「3 次元 CAD オタク」, 「CAE オタク」 ,最近で言 えば「3D プリンターオタク」が定番となる。彼 らの共通点は 4 つある。 第5章 ①〇〇オタクは,〇〇に関しては非常に真摯。 ②ところが前記○○がすべてであり,ここを中 心に世界の製造業が回っていると説く。まる で,新興宗教に近い。 ③お互いにけなしあい,けん制し合っている。 同業者同士が協業しない。 ④企業の現場に行かない。常駐しない。社員食 さまざまなコストバラ ンス法の応用例 ―手法導入のコツと必得 堂にも行かない。一日中,椅子に座っている。 次に, 「粗探し族」の多いこと。 たとえば, 「98%のトラブルはここに潜在す る」と指導しても,98%を問題視することをせず に,残 2%だけを質問してくる。たとえば筆者が 「トラブルは,この 4 つの設計思想を当て嵌めれ ば完全防止できる」と説くと,必死にその例外を 探し,指摘してくる。 前者への対応は,最適な指導者を探して何度も チェンジすることがコツ。後者は,たとえば隣国 企業のように, 「年俸制+業務指名制」で対応す ることが望ましい。つまり,野球,サッカーの選 手同様の前記給与システムで「競争の原理」を持 ち込むことで「粗探しにかまけているとライバル にポジションを奪い取られる」という危機感を抱 いてもらうことだ。両対策ともシンプルなのがう れしい。 もう一つ共通対策があるとすれば,それは「即 実行,即実感」を体験させることであろう。本章 では,その事例を紹介していきたい。 50 機 械 設 計
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