御嶽山噴火に伴う牧尾ダム試験放流結果と今後の運用について

平成 26 年 12 月 25 日 16 時 00 分
中 部 地 方 整 備 局
(独 )水 資 源 機 構 中 部 支 社
御嶽山噴火に伴う牧尾ダム試験放流結果と今後の運用について
12 月 15~18 日にかけて実施した牧尾ダムにおける試験放流結果について、木曽川本川への
影響は小さいことを「御嶽山噴火に伴う木曽川上流域水質保全対策検討会」の関係機関(※)
と確認しました。その結果、牧尾ダムについては、例年同様に、必要に応じて下流への利水補
給を実施することとなりました。
(※) 長野県、愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市、経済産業省 中部経済産業局、農林水産省 東海農政局、関
西電力(株) 東海支社、(独)水資源機構 中部支社、国土交通省 中部地方整備局
主な結果概要
○ 濁度については、汚濁防止膜の効果により牧尾ダム下流地点において、時間の経過と共に
急速に低減した。
○ 牧尾ダムの放流水は木曽川本川に位置する読書ダムまで約 20 時間程度、落合ダムまで約
30 時間程度で到達したものと推定できる。岐阜県が水道水の取水を行っている落合ダムの
濁度は最大でも 10 程度(※)であり、影響は小さかった。また、兼山ダム地点では、支川
流入等により希釈され、影響が明確に確認できなかった。
○ 水素イオン濃度(pH)については、木曽ダム、読書ダム、落合ダムにおいて、pH7.0 程度
で推移しており、木曽川本川での変化はほとんどなかった。
(※)濁度 10 は環境基準値の定められている SS(浮遊物質量)に換算すると 6mg/L 程度であり、環境基準値の
25mg/L を大きく下回る。また、12 月 16 日早朝より木曽川流域では降雨があり、この影響も含まれているもの
と推察される。
今後の運用概要
○ 12 月 26 日から利水放流設備を用いた貯水池運用に移行する予定。なお、関係機関におい
ては、今後も週 1 回程度の定期的な監視を継続する。
(※)試験放流の結果と今後の運用についての詳細については「別紙」をご参照下さい。
【配布場所】
中部地方整備局記者クラブ、岐阜県政記者クラブ、三重県政記者クラブ、三重第二県政記者クラブ、
信濃毎日新聞木曽支局、中日新聞木曽通信局、市民タイムズ木曽支局、松本平タウン情報
【本記者発表に関するお問い合わせ先】
○検討会に関する内容
国土交通省中部地方整備局 河川部 河川環境課長 筒井 保博
TEL 052-953-8151
○牧尾ダムの試験放流および今後の運用に関する内容
(独)水資源機構 中部支社 事業部 水管理・防災課長 長谷川 士郎
TEL 052-231-7545
別
御嶽山噴火に伴う牧尾ダム試験放流の結果と
今後の運用について
平成26年12月25日
水資源機構中部支社
紙
牧尾ダムからの白濁物質抑制対策の状況
◇ 牧尾ダムの湖底に沈降している火山灰を含む白濁物質の流出を抑制するため、牧尾ダム湖底の取水口前面
に、汚濁防止膜を設置。
記者発表資料
汚濁防止膜設置イメージ図
高さ10m
汚濁防止膜設置工事の状況
1
12月15日~18日の試験放流の結果
◇ 汚濁防止膜の設置後、12月15日~18日の間において、試験放流を実施。
◇ 試験放流では、利水放流設備(ダム底層)からの放流量を徐々に増加させ、下流河川の水質の状況を調
査。
利水放流設備放流
(m3/s)
洪水吐ゲート放流
(m3/s)
(底部からの放流)
(表層からの放流)
12月15日
4.0
20.0
9:00~14:00
12月16日
4.0→9.0
20.0→6.0
8:00~14:00
12月17日
5.0→15.0
15.0→0.0
8:00~14.00
12月18日
5.0→15.0
0.0
8:00~16:00
試験放流実施
放流時間
備考
2
12月15日~18日の試験放流の主な結果と今後の予定
◇ 濁度については、汚濁防止膜の効果により牧尾ダム下流地点において、時間の経過と共に急速に低減した。
◇ 牧尾ダムの放流水は木曽川本川に位置する読書ダムまで約20時間程度、落合ダムまで約30時間程度で到達したもの
と推定できる。岐阜県が水道水の取水を行っている落合ダムの濁度は最大でも10程度(※)であり、影響は小さ
かった。また、兼山ダム地点では、支川流入等により希釈され、影響が明確に確認できなかった。
◇ 水素イオン濃度(pH)については、木曽ダム、読書ダム、落合ダムにおいて、pH7.0程度で推移しており、木曽川
本川での変化はほとんどなかった。
◇ 12月26日から利水放流設備を用いた貯水池運用に移行する予定。なお、関係機関においては、今後も週1回程度の定
期的な監視を継続する。
(※)濁度10は環境基準値の定められているSS(浮遊物質量)に換算すると6mg/L程度であり、環境基準値の25mg/Lを大きく下回る。また、12月16日
早朝より木曽川流域では降雨があり、この影響も含まれているものと推察される。
1000
牧尾ダム放水口下流
濁度
木曽ダム取水口
800
読書ダム直上流部
600
落合取水口
表層放流:
20m3/s
底部放流:
4m3/s
1日目
牧尾ダム放水
口下流
400
表層放流:
6m3/s
底部放流:
9m3/s
兼山取水口
表層放流:
0m3/s
底部放流:
15m3/s
3日目
2日目
4日目
読書ダム直上流部
木曽ダム取水口
落合取水口・兼山取水口
200
表層放流:
0m3/s
底部放流:
15m3/s
8:00
10:00
12:00
14:00
16:00
18:00
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22:00
0:00
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12:00
0
12月15日
12月16日
12月17日
12月18日
12月19日
3
試験放流期間中の下流河川の状況(1)
丸山ダム:12月19日
木曽川と飛騨川の合流地点:12月19日
兼山ダム:12月19日
今渡ダム下流:12月19日
4
牧尾ダム試験放流中のモニタリング調査位置図
参考
■試験放流期間中は、各水質調査地点において、1時間毎に水質調査を実施する。
味噌川ダム
降灰がみられた箇所
御嶽山
牧尾ダム:放水口下流
王滝川
常盤ダム
濁
沢
川
三浦ダム
○:水質監視箇所(pH、濁度)
王滝川ダム
木曽ダム取水口
読書ダム直上流部
読書ダム
山口ダム
兼山取水口
木曽川大堰
落合取水口(岐阜県)
大井ダム
※上記の水質調査地点のほか、状況により調査地点を追加する場合がある。
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